寝つきが悪く睡眠が浅い…。原因は何?
不眠症の原因はたくさんあります。例えば、
- 老化
- 性ホルモン
- 食事と栄養
- 電子機器
- カフェイン
- 温度や湿度
- 寝床内環境
- 空気
- 寝具
- 室内の明かり
- 騒音
- 異臭
- 寝酒
- タバコ
- 悩み
- 読書
- 入浴
- 運動
- 痛み
- 病気
- 薬
このあたりの要素を見直し、最適化してみましょう。
先生
ハニワくん
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人が眠れない原因はたくさんある
どうも寝つきが悪く、眠れたとしても睡眠が浅く、熟睡できない場合は、考えられる原因がいくつかあります。例えば単純に子供のころ、
明日は遠足だ!
と気分が浮ついていたら、それだけで不眠に悩まされたのを誰もが経験があるはずですが、そういう風に気分が高揚しているだけでも不眠の原因となります。
不眠には以下の4つの症状があります。
不眠の種類
入眠障害 | 床についてから30分以上寝つけない |
---|---|
中途覚醒 | 夜中に何度も目が覚める。再び眠るまでに時間がかかることが多い |
早朝覚醒 | 予定の起床時間より2時間以上早く目が覚める |
熟眠障害 | 長く眠ったとしてもぐっすり眠ったという感じが得られない |
こうして見てみると、子供のころのそれは『入眠障害』であることがわかりますね。大体の子供は入眠時にワクワクが抑えられずになかなか寝付けませんが、しかしそこはやはり子供なので、一度眠ってしまったらぐっすりと眠ってしまいます。何なら、起こされるまで熟睡してしまう子供もいるでしょう。
中途覚醒、早朝覚醒に関しては子供というよりも大人に目立つ不眠の症状です。しかも年代が上がるにつれて増えてくる傾向があります。『ササッとわかる「睡眠障害」解消法』にはこうあります。
中途覚醒が増えるのは、年齢を重ねるにつれて生理的に眠りが浅くなるため。早期覚醒は、高齢になると生活時間帯が前倒しになりやすく、その結果、夜は早くから眠くなり、朝早く目覚めてしまうことも一因と考えられます。
例えば中途覚醒の中には『夜間頻尿(夜中におしっこで起きる)』ことも含まれますから、こう考えただけでも不眠の原因はいくつもあることが見えてきます。つまり、年齢や体調、その人の生活習慣や、病気なども関係してくるわけです。
中途覚醒
- 生理的に眠りが浅くなる
- 閉塞性睡眠時無呼吸症候群
- 周期性四肢(しし)運動
- 夜間頻尿
早期覚醒
- 生活時間帯が前倒しになり、夜早くから眠くなり、朝早く目が覚める
- 日中の運動量が減るので疲労も少なく、睡眠が長く続かない
老化に伴う様々な現象
この『早期覚醒』の問題を見てもわかるように、高齢者の早期覚醒の原因に『日中の運動量の低下』があるとした場合、
- 日中に労働、運動をした
- 長時間起きている
- 長時間何も食べていない
等の状況が加わると、それ次第でも睡眠に影響が出てきます。やはり日中たくさん動いた人は疲労していますから寝つきがよくなりますよね。全く寝ていない時間が続けば寝つきがよくなりますし、逆に起床時間が短い場合(一時間前に起きたばっかり)であれば、寝つきは悪くなります。また、お腹がいっぱいになった後しばらくすると眠くなってきますが、あまりにも空腹だとそのせいで気分も悪くなりますし、寝つきも悪くなります。また高齢者は、
- 老化に伴う脳の生理学的な変化
- 運動量の低下
- 退職などによる社会活動の低下
などが影響して睡眠が浅くなると考えられていますが、実際のところはハッキリ原因はわかっていません。
- 子供→成人→高齢者
の順番で眠りは浅くなるというのが一般的な考え方です。子供のころの睡眠は、
- レム睡眠(浅い睡眠)
- ノンレム睡眠(深い睡眠)
をしっかりと3~4段階繰り返して行われ、ノンレム睡眠がたっぷりと取れることから熟睡できるのですが、成熟するにつれてこのリズムが狂いだし、『深い眠り』の『ノンレム睡眠』が十分に取れず、睡眠の質が低下してしまうと考えられています。
性ホルモンの影響
また、女性であれば『性ホルモンの影響』によって睡眠に影響が出てきます。ホルモンバランスが崩れるタイミングはたくさんありますが、そのタイミングは、
- ニキビ
- うつ病
- ワキガ臭
- 口臭
- 不眠
- 不定愁訴
等の様々な問題が引き起こされます。
- 生理
- 妊娠
- 出産
- 更年期
- 閉経
- etc.
睡眠に必要な食事と栄養
また、
- L-トリプトファン
- セロトニン
- メラトニン
これらの物質をなくして睡眠は語れません。
『ササッとわかる「SAD 社会不安障害」 あがり症の治し方 (図解 大安心シリーズ)』にはこうあります。
3つの栄養素をバランスよく摂ることが大切
セロトニン生成に必要なL-トリプトファンは体内で合成されないため、食事によって摂取する必要がある。このトリプトファンがビタミンB6と結びつき、セロトニンが合成される。ブドウ糖はトリプトファンを脳まで効率よく運び、セロトニン生成を支える。
セロトニン生成に必要なL-トリプトファンは体内で合成されないため、食事によって摂取する必要があります。つまり、L-トリプトファンを摂取することが求められるわけです。そして、
- L-トリプトファン
- ビタミンB6
- ブドウ糖
の3つがバランスよく揃っていることも求められます。ですから、どのような食事をするかによっても睡眠の質は変わってくるということです。またここにはありませんが厳密に言うと、
- ナイアシン
- マグネシウム
等の栄養もトリプトファンからセロトニンやメラトニンを合成するのに必要になります。そしてそれによってできたセロトニンは、日中に日光の光を浴びることによって『メラトニン』というホルモンを合成します。そのメラトニンのおかげで良質な睡眠が得られるわけです。
睡眠に必要な『トリプトファン、セロトニン、メラトニン』とは?(GABA、グリシン)
このメラトニンは、光を浴びてからおよそ15時間後に分泌されます。メラトニン自体は、太陽光や電子機器等の『光』に含まれるブルーライトを浴びた直後は、分泌が抑制されます。ですから、朝7時に太陽光を浴びた場合は、22時にメラトニンが分泌され、眠気が出てくるわけです。
つまり、夜に電子機器から発せられているブルーライトを浴びてしまうと、快眠物質であるメラトニンの分泌が抑制されてしまい、そこから更に15時間待たなければいけない、というイメージになるわけです。
またその食事ですが、当然寝る直前に『激辛料理』等を食べたら寝つきは悪くなります。私も何度かテストましたが、いつもは何も食べていないのに、夜中にカップそばを食べてから寝ようとすると、お腹がもたれて、それが気になってなかなか寝付けませんでした。いつもは少しお腹が空いているに近い状態で寝床につくのですが、実はその方が睡眠以外のことを考えずに済んで快眠できます。ですから、寝る2時間前までには食事をしないことが原則となります。許されるものは胃に優しいスープなどでしょう。
空腹で寝れないときはどうすればいい?睡眠前に『食べていいもの』『ホットミルク・チョコレート・はちみつ・味噌汁・セロリ』の効果
人が眠れない原因はたくさんある
電子機器がメラトニンの分泌を抑えてしまう
また、夜間に電子機器を使う、つまり、
- パソコン
- ゲーム
- スマホ
- テレビ
等の電子機器を使用して、目にブルーライトを浴びてしまうと、快眠物質であるメラトニンの分泌が抑制されていまい、不眠に悩まされることになります。したがって、
- 朝に太陽の光(ブルーライト)をちゃんと浴びる
- 夜間に電子機器を使用しない(ブルーライトを浴びない)
ということが求められます。しかもそれで言うと、夜間にそのような電子機器を使用するということは、自律神経にも影響をきたします。
- 交感神経が優位=緊張、不安
- 副交感神経が優位=リラックス
ですから、睡眠時には『副交感神経』の方が優位になっている必要があります。この自律神経は自分で意識してコントロールすることはできませんが、間接的には影響を与えられます。例えば、緊張するようなスピーチをする場を設ければ、スピーチに近づけば『交感神経』が優位になります。そのように、『~をすれば自動的に働く神経』が自律神経ですが、 夜間にそのような電子機器を使用すると、自律神経は『交感神経』が優位になります。つまり、興奮状態になってしまうため、脳も覚醒してしまって寝つきが悪くなります。
ブルーライト(テレビ・スマホ・PC)は睡眠に悪影響で、脳腫瘍やガンのリスクも上げる?有効な対策とは
カフェインがアデノシンを一時的にブロック
またやはり『カフェイン』も不眠の原因となります。カフェインは主に、
- コーヒー
- お茶類
に含まれていますが、カフェインによって睡眠物質の『アデノシン』がブロックされることで、寝つきが悪くなります。カフェインがこのアデノシンをブロックする時間は、『1~5時間』程度と言われているため、寝る前にカフェインを摂っていたなら、それも不眠の原因となるでしょう。『脳も体も冴えわたる1分仮眠法』にはこうあります。
カフェインの効果がもっとも高くなる(血液中の濃度が一番高くなる)のは、摂取してから30分から1時間後で、それ以降はだんだんと効き目が薄れていきます。すると、だんだんと眠気が強くなっていくのです。脳内にたまったアデノシンは、睡眠を取らない限り増え続けます。カフェインにできるのは、あくまでも受容体をブロックすること。したがって、どれだけカフェインを摂ったところで眠気を完全に取り去ることはできません。
アデノシンは、睡眠を取らない限り増え続けます、カフェインは一時的にそのアデノシンの動きをブロックするだけですから、カフェインが切れたらまたすぐに眠くなるのですが、ブロックしている間はやはり寝つきが悪くなるわけですね。
夜中にトイレで起きる原因は?睡眠前に『飲んではいけないもの』『アルコール・カフェイン・お茶・寝酒(ナイトキャップ)』
『温度』や『湿度』
また、『温度』や『湿度』等の環境も影響してきます。まずは『体温』ですが、人間には『深部体温リズム』というものがあり、体温は起床11時間後の夕方ごろにピークを迎え、起床22時間後には最も低くなるというリズムがあります。体温が高いとパフォーマンスレベルは上がりますが、低くなるとパフォーマンスレベルは下がり、眠気も襲ってきます。
この 『深部体温リズム』にしたがって行動すれば日中を活発に活動でき、夜間にぐっすりと眠れるのですが、それに逆らった行動をすれば体調が悪くなります。例えば、体温がピークである11時間後の『夕方に昼寝』などをして、体温が低くなる22時間後の『夜間にスマホを使って夜更かし』等をすると、睡眠のベストタイミングを逃し、同時に起床のベストタイミングも逃します。
深部体温リズムがずれると、夜、体温が高い状態で寝ようとして寝つけなかったり、朝、体温が低い状態で起きることを強いられたりして、睡眠の質がガクンと低下してしまいます。このように、深部体温リズムを意識し、規則正しい生活を送ることも睡眠には必要不可欠です。それで言うと、『夜間の食事』も深部体温リズムを狂わせる一因となります。寝る前に食事をすると体温が上がって眠りが浅くなります。また、その余計な食事によって翌朝の食事に影響が出ますから、翌日の深部体温リズムも狂わせるのです。
まさに踏んだり蹴ったりですね。そしてこの悪いリズムがまたその日の夜の睡眠に影響を及ぼせば、悪循環が続くというわけです。
寝床内環境
それから『寝床内環境(しんしょうないかんきょう)』です。人の体と寝具の間にできる空間の温度と湿度を指す言葉ですが、例えば、酷暑や厳冬の季節に、エアコンや暖房、あるいは布団なしで快眠することができるでしょうか。できないのであれば、人は眠るときに『体温』だけじゃなく、『室温』も重視する必要があるということです。それに加え、布団の中の環境ですね。快眠に最適な寝床内環境は、年間を通して、
- 温度:32~34度
- 湿度:45~55%
とされています。夏場でも寝ているときは人の体温は下がりますので、これくらいの温度を保つことが理想とされています。したがって、
- エアコン
- 空気清浄機
- 布団
- 衣服
を上手く駆使して、その最適な寝床内環境を作り出す必要があります。布団や衣服が重すぎたり、暑すぎたりすることでも人は睡眠を妨げられます。ですからこれらをすべて最適化する必要があります。
寝具を最適化して頭痛・腰痛・肩こり・寝違えを予防!寝床内環境と室温も同時に最適化しよう!
人が眠れない原因はたくさんある
空気が汚れていると眠りが浅くなる
またそれで言うと、『温度』だけでなく、『空気』についてもそうです。それは『湿度』にも似ていることですが、例えば室内に、
- ホコリ
- 汚れた空気
- カビ
- 雑菌
- アレルゲンの粒子
などがあるとどうなるでしょうか。『肥満外来の女医が教える熟睡して痩せる「3・3・7」睡眠ダイエット』にはこうあります。
寝室を片付ければぐっすり眠れる
(省略)その中で眠ろうとすれば、必然的に眠っている間、呼吸をするたびに汚れた空気を体内に取り込んでしまうことになります。ところがもともと私たちの体には、侵入してきた異物は外に出そうとする働きが備わっています。そうなると寝ている間も吸い込んでしまった汚れた空気を体外へ排出しようと体が反応して活動をはじめるので、自然と眠りが浅くなってしまうのです。
私はハウスダストアレルギーですが、そのせいで室内が乾燥していたり、ホコリが舞っているとくしゃみが止まらなくなり、睡眠どころではなくなります。あっという間にティッシュボックスの中身は空になり、ごみ箱もティッシュのごみでいっぱいになります。厳密に言うと後半はもうゴミ箱に入れることさえ面倒になるので、ゴミ箱周りにティッシュのごみの山がいっぱいになります。
同じように、『花粉症』などもそうです。ですから花粉症に悩まされる人は、外出先から帰宅した場合は必ず衣服や髪の毛等についた花粉をすべてきれいに掃除する必要があります。室内に空気清浄機を設備することは必須となるでしょう。
布団と枕を最適化する
それから布団の最適化では『枕』にも目を向ける必要があります。布団も枕も『背骨のS字』の形に沿ってフィットするものが理想です。枕は『後頭部を乗せて寝る』ために使うのではなく、『S字に沿って首を支える』ために使うのが理想です。高すぎても、低すぎても、理想の枕とはなりません。
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室内の明かりは『0.3ルクス』に
それから室内の照明はもちろん、『真っ暗』にすることが大事です。快眠物質のメラトニンが分泌されるために必要なのは『0.3ルクス』ですから、その明るさに調節することが求められます。
それぞれの明るさ
蛍光灯のついた明るい部屋 | 300ルクス |
---|---|
薄暗い部屋 | 30ルクス |
ほぼ暗闇に等しい部屋 | 1ルクス |
上記の表を見てもわかるように、『ものがおぼろげに見える程度の暗い状態で、ほぼ暗闇に等しい部屋』でようやく1ルクスですから、やはり寝るときは電気をすべて消すことが理想となります。
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騒音は当然眠りを妨げる
そして『音』もそうですね。もちろん寝るときに騒音がしていたら眠ることはできません。それを逆に利用して『目覚まし時計』が存在するわけです。『不眠症の科学』にはこうあります。
寝室の音が40デシベルを超えると、寝つきが悪くなり夜中にも目覚めやすくなります。浅い睡眠が増えて睡眠尾深さがひんぱんに変わるようになり、目覚めた時の爽快感が減って睡眠感も悪くなります。
壁にある電気のスイッチのON/OFFをいじるだけでも、パチンと音がして、40デシベル以上の音がします。
- 時計の秒針が刻む音
- 冷蔵庫の音
- エアコンの音
- 上階や隣人が出す物音
こうした音次第でも、快眠は妨げられることになります。
異臭がしたら眠れない
明るさ、音ときたら次は『ニオイ』です。当然、枕のそばに『くさや』が置いてあったら臭くて到底眠ることはできません。ですから『ニオイ』によっても睡眠の質は変わるのです。アロマテラピーとしてリラックスするニオイを演出すれば、そのニオイのおかげで快眠できることがありますが、逆に『異臭』がしてしまうなら、眠れなくなります。
寝酒としてアルコールを飲酒するのは基本NG
それからアルコールです。『寝酒』という言葉がありますし、海外では『ナイトキャップ』という言葉もあります。たしかにお酒を飲むと眠くなりますから、その性質を利用して寝酒を正当化している人は大勢いるでしょう。しかし実際にはアルコールでの睡眠は、睡眠の質の低下の原因となります。
睡眠の前半はアルコールの力で眠りについたとしても、後半になるにつれ徐々に浅い睡眠が増えて夜中に目覚めやすくなります。また、アルコールはカフェイン同様利尿作用がありますから、『夜間頻尿』の原因となります。トイレにいくたびに起きてしまうので、深く質のいい睡眠を確保できません。また、毎日のように寝酒を繰り返すと耐性ができてしまい、徐々にお酒の量を増やすリスクもあり、アルコール依存症へのリスクも上がるのです。
『不眠症の科学』にはこうあります。
またアルコールは舌の筋肉を麻痺させるので、仰向けで眠ったときに舌がのどに落ち込みやすくなります。さらに鼻の粘膜が腫れて鼻が詰まります。これらが合わさって鼻からのどにかけての空気の通り道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。いびきをかいているときは、体に酸素を十分に取り込めないので、睡眠が浅くなり中途覚醒が増えて熟眠感が減ってしまいます。
中には、度数の強いウォッカ等のお酒を『少量』ぐいっと飲むことで、寝入りだけをよくして快眠を得ている人もいますが、お酒というものはコントロールするのが難しいものですから、大声で推奨できる手段とは言えないでしょう。
夜中にトイレで起きる原因は?睡眠前に『飲んではいけないもの』『アルコール・カフェイン・お茶・寝酒(ナイトキャップ)』
人が眠れない原因はたくさんある
タバコのニコチンには覚醒作用がある
また『タバコ』ですが、タバコに含まれるニコチンには、
- 覚醒作用
- 鎮静作用
の両方があります。しかし、どちらかというと覚醒作用の方が強く、寝つきが悪くなります。ニコチンの体内での半減期は約2時間なので、食事と同じように寝る2時間前までにはタバコを吸わないようにすることが大切です。というかタバコ自体は百害あって一利なしとしか言いようがありませんので、今すぐやめた方がいいでしょう。
寝起きをスッキリさせるために効果的なのは何?まさかタバコじゃないよね…
悩みがあったら眠れない
それから『悩み』があっても寝つきは悪くなります。
- 悲観的な人
- 将来に不安がある人
- トラブルを抱えている人
- 怒りを覚えている人
- ストレスを負っている人
等に該当する人は、正直睡眠どころではありません。これは先ほど出た『遠足』や『自律神経』の話に近いものがありますが、とにかく睡眠というものは『安穏とした心』が必要になり、『平常心』が保てない人は寝つきが悪くなるのです。
このように頭の中に悩みが存在すると、いつまでも眠れなくなります。それについては考え方がいくつかありますが、脳科学者の澤口俊之さんは、
澤口俊之
と言っています。人間は、寝ることによって記憶を定着させるので、いやなことがあったら眠れなくなるのは、そのいやなことを記憶に定着させないように、脳が自己防衛しているという事実を知れば、
あっそうなんだ、じゃあいい傾向なんだね
と考えることができ、眠れない状態について『さらに落ち込む』ことがなくなります。しかし、『悩みがあると眠れない』ことは事実ですね。『お酒や薬に頼らない「必ず眠れる」技術』にはこうあります。
そう、眠るということは、つぶやきを止めるということでもあるのです。
これらの頭の中のつぶやきは『言語』であり、言語中枢が働くということは、脳の他の部分、記憶や感情、論理性にかかわる部位も一緒に働き、脳の機能が総動員され、覚醒の方向に傾きます。頭の中のつぶやきをなくすことも、睡眠には欠かせない要素となります。
『新しい本を真剣に読む』という行為は刺激的
それから『読書』です。これは先ほどの『ゲーム、テレビ』等と似たような問題ですが、それらで自律神経が交感神経優位になれば、興奮してしまって眠れなくなります。映画にも『ホラー映画』などがありますが、本の中にはそれに似た小説などもあるわけです。寝る前にそういうものに触れてしまうと自律神経は決してリラックスできませんから、交感神経が優位になって、眠れなくなります。
同じ考え方で、『新しい本を真剣に読む』という行為もNGです。先ほどの『頭の中のつぶやき』の原因にもあなりますが、一番いいのはリラックスが促されるものですから、専門家などは『自然の写真集を見る』等を挙げていますが、芸人の『バカリズム』さんは『もうさんざん見たドラゴンボールの単行本を読む』ことで、脳を無駄に刺激しないようにしていると言います。
これは理にかなっていて、まさにそういう単調な刺激を与えることが睡眠につながるのです。私の場合はもう数百回以上観ているスタジオジブリの映画をつけて、音を最小にし、テレビ画面を見ずに布団に入って、すぐに消すようにして眠っています。まるでそれらの見慣れたものを『子守歌』かのように利用するわけですね。脳は、
あぁ…いつものね…
というイメージでイレギュラーな事態に身構える必要はないと判断し、機能を停止するようなイメージで、眠気が増してきます。
入浴にはコツがいる
また、体温の話に近いものですが、『入浴』についても方法を間違えれば問題となります。例えばワキガや体臭で悩む人は、『入浴で汗腺トレーニングをする方法』を教えてくれています。その手順は以下の通りです。
この入浴法によって汗腺を鍛え、『良い汗』をかく習慣をつければ、ニオイの原因である『悪い汗』をかかないようになります。ここで注目したいのは、『STEP2』にある『ぬるま湯につかる』というところです。実は、汗が出るのは圧倒的に高温で入浴したときですが、この『汗腺トレーニング』では、そのあとにぬるま湯に入ることを推奨しています。なぜなら、高温の入浴は自律神経を交感神経優位にさせるからです。すると、発汗しやすくなり、汗のニオイが出やすくなります。また今回の睡眠のテーマで考えれば、寝つきが悪くなりますね。ですから、副交感神経が優位になるように、お風呂は『ぬるま湯』につかることが推奨されているのです。
その際、この汗腺トレーニングでは先に高温入浴がありますから『36度』となっていますが、そうじゃない場合は『37~39度』くらいのお湯ということになります。これくらいの温度であれば体が興奮して眠れなくなるということもないので安心です。しかしそれも、入浴後の過ごし方次第ではコントロールはできます。例えば汗がひいてから洋服を着るとか。湯冷めしないように汗と自律神経をコントロールできるようになれば、高温入浴も眠りの妨げとはならなくなるでしょう。
熟睡に必要な体温は?睡眠の質を上げる入浴法と、冷え性に効果的な湯たんぽの使い方
運動するなら控えめに
それから『運動』です。腹筋やランニングといった息が上がるようなハードな運動は熟眠の妨げになります。これも交感神経が優位になるからですね。起床、活動モードになってしまうので、寝つきが悪くなります。そうではなく、
- ヨガ
- ストレッチ
等の軽い運動に抑えましょう。そうすれば副交感神経が優位になります。
就寝前のストレッチやヨガは快眠効果があるが『運動』は逆効果!
人が眠れない原因はたくさんある
『痛み』があったら眠れない
またそれで言うと『痛み』も不眠の原因となります。痛みの原因は、
- 虫歯
- 骨折
- 頭痛
- 胃痛
等たくさんあります。また、風邪などをひいて熱をだしても、そのせいで眠れなくなります。いわゆる風邪薬は、『風邪を治す薬』ではなく、『痛みや熱を抑え、睡眠を促して、その睡眠によって体力を回復させる薬』という位置づけで考えるのが正解で、栄養をたっぷり摂って、ぐっすりと眠ることができれば、免疫力が回復して大体の体調不良は治ります。
しかしもちろん、虫歯や骨折等、病気やケガが関係している場合は病院で治療する必要がありますね。このような身体状況によっても睡眠は影響されます。ちなみに私は口唇ヘルペスの持病を持っていますが、ある日かなり派手な日焼けをしてしまい、その夜はヘルペスが悪化して、唇に激痛が走りました。たまらず深夜2時頃に痛さで起きて、頭痛薬を2倍の量飲み、痛みを無理やり消し去り、何とか睡眠にこじつけました。この方法は推奨できるものではありませんが、緊急時の対応として、『そうでもしなければ眠れなかった』という状況だったということです。
睡眠障害を起こす病気
それから病気ということで言えば、それ自体が睡眠を阻害するものがあります。例えば、睡眠障害を起こす病気は以下の通りです。
『睡眠障害国際分類 第2版』の分類
不眠症 | 適応障害性不眠症 |
---|---|
精神生理性不眠症 | |
逆説性不眠症 | |
気分障害・感情障害 | |
不安障害、パニック障害 | |
外傷後ストレス障害 | |
不適切な睡眠衛生 | |
薬剤もしくは物質による不眠症 | |
内科的疾患による不眠症 | |
睡眠関連呼吸障害 | 閉塞性睡眠時無呼吸症候群 |
中枢性睡眠時無呼吸症候群 | |
中枢性過眠症 | ナルコレプシー |
行動性睡眠時無呼吸症候群 | |
概日リズム睡眠障害 | 睡眠相後退障害 |
睡眠相前進障害 | |
睡眠時随伴症 | 反復孤発性睡眠麻痺 |
悪夢障害 | |
頭内爆発音症候群 | |
時差型 | |
交代勤務型 | |
睡眠関連運動障害 | むずむず脚症候群 |
周期性四肢運動障害 | |
睡眠関連下肢こむら返り |
例えばうつ病の患者のほとんどは不眠に悩まされる傾向にあります。またこのうち、内科的疾患による不眠症ですが、不眠を起こす体の病気の例は以下のようになります。
不眠を起こす体の病気の例
痛みをともなう病気 | 線維筋痛症 |
---|---|
頭痛 | |
関節リウマチ | |
十二指腸潰瘍 | |
胃食道逆流症 | |
呼吸器や神経の病気 | 慢性閉そく性肺疾患 |
睡眠関連ぜんそく | |
致死性家族性不眠症 | |
パーキンソン病 | |
アルツハイマー病 | |
脳血管障害 | |
脳腫瘍 | |
頭部外傷 | |
心臓やホルモンの病気 | 心不全 |
糖尿病 | |
甲状腺機能亢進症 | |
甲状腺機能低下症 | |
皮膚の病気 | アトピー性皮膚炎 |
皮膚搔痒感症 |
薬のせいで眠れない薬剤性不眠
またそれで言うと『治療薬』で眠れなくなることもあります。『薬剤性不眠』です。例えば葛根湯等の漢方薬にも覚醒作用のある生薬が含まれていますので、そのせいで眠れなくなるということはあります。
薬剤性不眠を起こす可能性のある薬の例
降圧薬 | ニフェジピン、ベラパミル、プロパラノロール、カルペジロール、ラベタロール、クロニジン、メルチドパ、レセルピン、ヒドララジン |
---|---|
高脂血症治療薬 | クロフィブラート、アトルバスタチン、シンバスタチン、コレスチラミン |
抗潰瘍薬 | シメチジン |
気管支拡張薬 | テオフィリン、エフェドリン |
抗結核薬 | イソニアシド |
インターフェロン | – |
抗パーキンソン病薬 | レボドパ、カルビドパ、セレギリン、アマンタジン |
過眠症治療薬 | べモリン、メチルフェニデート |
カフェイン | – |
アルコール | – |
アンフェタミン | – |
抗うつ薬 | フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、ミルナシプラン |
食欲抑制薬 | マジンドール |
睡眠薬 | ベンゾジアゼピン系(超短時間型、短時間型) |
これらの薬を飲むと不眠に悩まされます。カフェインやアルコールなどは説明しましたが、この『アンフェタミン』というのは覚せい剤のことですね。文字通り『覚醒』してしまって眠れなくなります。眠くなくなると『得をする』と考える人は知らないだけです。人は、眠らないと死んでしまうのです。
『睡眠不足で死ぬことはない』という言葉がありますが、その答えの一つは、『睡眠不足になると強制的に眠くなって結局寝るので、その時の睡眠によって体調は回復する』というものです。『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』にはこうあります。
睡眠の質が悪いと86もの病気にかかるリスクが生まれる
『睡眠不足で死ぬことはない』 ときどきこうした言葉を耳にしますが、睡眠専門家の立場からすれば、とんでもない話です。睡眠の質が健康に及ぼす影響を甘く見てはいけません。たとえ睡眠不足が直接の死因にはならなくても、睡眠の時間的な不足や質の悪さがもとで病気になり、命を縮めるケースもはいくらでもあります。
睡眠が不足すると86もの病気にかかるリスクが生まれ、早死にする確率も高まるとカナダのラバル大学とアメリカのウィスコンシン大学の研究チームが警鐘を鳴らしています。どんな原因にしろ、睡眠できなくなる状態は決して『無敵の状態』ではなく、むしろ『危険な状態』なのです。眠れない原因が何にせよ、健康な人生を生きていくために、良質な睡眠を取れるよう、状況を最適化していきましょう。
先生
ハニワくん
- 不眠の原因を把握し、それを最適化する。
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