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2020年鑑賞映画(IQ.)前半

1585作品

目次

2020年

 

17歳のカルテ

『カッコーの巣の上で』と類似する内容だが、大きな違いはこの内容は実話ということである。前者はフィクションだ。だがそれはあまり関係ない。どれだけ得られるか。それが映画鑑賞の醍醐味だ。どちらかというと私は『この方向』に近い過去を体験している。私が人の心に敏感で、時に過激なほど熱を帯びるのはそのせいである。私には少しは彼女たちのような人たちの心を語る資格がある。

 

前回話した『追跡者チェイシング』の話もそうだ。彼女は16歳。私もこの時期は『お先真っ暗』という言葉がこれ以上当てはまらないくらいの環境にいたから、彼女らの気持ちが身にしみてわかる。そして我々のような人間は『外部』の人間にわかったような口を挟まれるのが虫唾が走るほど嫌いである。

 

理解者がいない場合、チェイシングのような彼女の末路を迎えることもある。この映画でもそういう末路を迎えた少女がいる。生き残った少女もいる。最後に、私が人生のどん底で恩師からもらった言葉を載せておこう。忘れようと思っても、忘れることはできない。

 

『更生とは、”更に生きる”と書く。色々あったな。学んだ。失敗した。責任が取れないこともあった。だが、ここから更に、生きていかなければならないんだ。そして、その覚悟ができた人間は皆、更生したんだよ。』

 

ゲットアウト

私は中学時代に超が100個付くエグムービーを観ているので今更ホラーは観ない。基本そういうものからは得るものがないからだ。時間の無駄である。人に言うべきではない時間の無駄を人より100倍経験しているんだからそれで帳消しだ。もう私には無駄な時間は一分も必要ない。だが、この映画はそんな私のような考え方の人間の目に入ってきた珍しい作品である。

 

ある人がこれを人種差別的であり、そこに問題点はあると言っていたが、実際にはそうではない。人種差別は『最初からある』のであり、この映画があってもなくても関係ないのである。この映画はむしろその『決定的な現実』を直視し、それをユニークな角度から風刺し、揶揄し、各人が心底で思っているはずであろう問題点をあえて浮き彫りにさせ、映画ならではの独特なエンターテインメントに仕立て上げ、演出しているだけだ。

 

つまり単なるホラーの類ではない。メッセージ性がある。面白かった。見応えがあった。

 

衝撃、人種

 

ネバーエンディング・ストーリー

映画と言えばハリウッドだ。1940年代に頂点を迎えて以来、アメリカ映画がこの世界のトップに君臨し続けている。だが、もちろん他の国にも映画はある。私はまさか、この映画が西ドイツの映画だとは想像していなかった。アメリカ映画以外の映画は『マニアック』な印象を覚える。間違っていることだが、そういう印象が漂うことは確かだ。私はそのマニアックな映画を観たことがなかった。それなのに、この映画の音楽は頭に完全に焼き付き、長い間忘れることがなかった。

 

とても素晴らしい音楽である。だがそのクオリティにはガッカリせざるを得なかった。(昔ではこれが限界か)とか、(一体何なんだこの『 』は)とか、いくつもの文句が頭をよぎった。だが、私は物語終盤で、その『  』の意味を思い知った。会話の節々に無意味な『 』がついていることに首をかしげていたのだが、それは意味があったのだ。

 

音楽、ファンタジー、アドベンチャー

 

E.T.

昔、この星は平面だと考えられていた。大きなゾウやカメの上に乗っている大きな大陸で、『上』には『優秀な人間』しか行くことができず、『下』には『無能な人間』が相応しいという考え方があり、このような条件がいくつも重なって、『上にある天国』、『下にある地獄』が想像された。天国に雲があって天使が空を飛び、地獄に溶岩があるイメージは、地球平面説がベースとなっているから想像されたはずである。

 

『横』には限界があり、そのうち下に落ちてしまうことになるが、当時イメージされていたのはそうではなく『無限』で、ずっとその平面を外へ外へと進んでいくと、見たことがない、あるいは噂で聞くような『魔物』がいたり、『』がいたりする世界が広がっていると考えた。

 

人間は『未知の存在』に恐怖を覚えるものである。だが、その考え方だけがすべてではない。とりわけ、まだ心が『人間世界』に汚されていない子供たちの発想は、『彼』の存在を悪とは捉えなかった。だからこそ生まれたのだ。彼との絆が。思い出が。

 

宇宙、子供

 

ジェシー・ジェームズの暗殺

アメリカ西部開拓時代のガンマンであり大衆の英雄でもあったジェシー・ジェームズ。どこの国にも一人はこういう人間がいる。日本で言えば鼠小僧なんかがそうだ。富裕層から金を奪い、貧しい者に分ける。ある時彼が『タイムズ』に送ったのはこうだ。

 

「自分たちは何百万ドルを盗んでも咎められない政治家たちよりは道義的に優れていることと、自分たちは自衛のため以外に人を殺さず、金持ちから金を奪って貧乏人に配っている」

 

人を殺し、金を奪うが、哲学と信念があった。そう主張するのである。では、そんな大衆の英雄を暗殺するとなれば、それはどんな人物なのか。そしてそこにはどういう意図があり、哲学はあったのか。それ次第ではその人のその後の人生は、虚しいものになる。ジェシー・ジェームズとは確かに犯罪者だが、そういう男だった。

 

実話、アウトロー、正義

 

ビバリーヒルズコップ3

ダウンタウンの2人が久しぶりに2ショットトークをすることが決まり、菅プロデューサーが完全にいなくなって『ガキの使い』が一新された。新しいオープニングに、新しい服装。生まれ変わって、こぎれいになった。ビシッとスーツで決めてクールだ。だが、私はガキにクールさを求めてはいなかった。時にチープさは最大の演出となる。阿部寛のHPがいつまでも昔と同じでファンがいるのと同じだ。この映画のBGMも同じ。我々が好きだったのは、1、2で聴いたあの余裕のない中生まれたクオリティだった。シリーズが『3』で衰退するのには理由があるのだ。

 

だが、アメリカの映画界は『映画史に残るキャラクター10』の1人に、このアクセル・フォーリーを入れた。彼は歴史に名を刻んだのだ。

 

ザ・マスター

無神論、反宗教主義者、教育宗教分離主義者、そして私も読んだ『神は妄想である』の著者であるリチャード・ドーキンスは「サイエントロジーは引っ掛かりやすいカルト教団であり、言っていることは全くのでたらめだ」と述べているという。その『サイエントロジー』がこの話のモデルになっている可能性が高いが、明言はされていない。一番有名なのがトム・クルーズだ。彼はこの信者ということでパリ市民からは「歓迎すべからざる人物」と規定されたという。『ワルキューレ』の撮影の時も、ドイツ財務省が同国連邦軍施設内への立ち入りを断るといった事態も発生したそうだ。

 

マルクスは言った。

 

さて、この団体の実態とはどのようなものなのか。

 

 

 

マイレージ、マイライフ

脳科学や心理学を勉強していると、こういう疑問にぶち当たることになる。『人間はただドーパミンを得るためだけに生きているのではないか?』仕事、慈善事業、食事、SEX、麻薬、タバコ、ショッピング、検索。何から何までそれを達成した時、厳密には求めている間にドーパミンが出て、人間は充実感や多幸感を得られる。

 

マイレージを溜めたり何かをコレクションするのも同じだ。ドーパミンが出る。だが登山のハイライトが山頂ではなく登山中にあるように、それを達成してもそこにゴールを求めるとすぐに虚無が襲ってきて、それを緩和してくれるのは『新たなドーパミン』である。

 

彼はとても孤独な人間である。だが、この世界にはそういう人間にしかできない仕事があるのかもしれない。

 

孤独、結婚(レイチェル、グランパ、1センチ)、哀愁

 

『ピアノ・レッスン』

スコットランドからニュージーランドに渡り、結婚相手がいるマオリ族らと共に生活する言葉を喋ることができない、ピアノが大好きな子連れの若き母親。その状況だけを考えても中々異例である。そもそも彼女はなぜ喋れなくなったのか。闇が深そうなその人生とは裏腹に、彼女の弾くピアノの旋律は優雅で、それに合わせて踊る子供も無邪気そのものである。

 

波長があるのだ。自分の人生の、リズムがある。それは、奏で、そして聴いてみなければ分からない。理屈ではないのだ。理性は彼と結婚することを決めている。だが彼女という人生の調べが『連弾』を許したのは、彼ではなかった。

 

衝撃、女性、精神

 

『ゲーテの恋 〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」』

ドイツの詩人ゲーテは、それが誰なのか知らない人でも名前くらいは知っているとてつもない存在だ。私は500人の偉人の8000の言葉を内省したが、その中でもゲーテの言葉は『良い言葉ばかりだ』という印象が焼き付いている。その中でも特に人間の真理を突いているのがこれだ。

 

 

孔子もソクラテスもブッダもキリストも、その全員が周囲の理解を得られず、処刑されるか不和を呼び込んでいる。だが、ゲーテはとても素朴で純粋などこにでもいる青年だった。では、一体彼がどのようにして世界の詩人となったのか。そこにはもしかすると、彼女のような存在の後押しがあったのだ。

 

偉人、実話、純愛

 

 

『マグノリア』

もしこの映画の最後に何が起こるかを当てることができる人がいるなら、それは単なるイカサマ師だ。絶対に何が起こるか当てられない。そういう映画だ。‥ただ、そこまでは10代でも考え付く発想。注意しなければならないのは『冒頭の説明』と『それ』が起きた時の『秀才の子供の言葉』である。

 

三木清は言った。

 

 

 

『マチェーテ』

マチェーテというのは中南米の現地人が使う山刀。つまりナタのような刀のことである。それを好んで使う最強のメキシコ人、その名もマチェーテである。メキシコというのは日本と比べて圧倒的に治安が悪い。家の窓やドアに『檻』がないのは非常識である。死体が路上に落ちていることも日常茶飯事。麻薬の浸透率もまるで違う。だからこの映画を観るのが『何人』かによって思う感想は違うだろう。

 

とりわけ、大胆で派手な生き方が好まれる欧米ではこの映画のファンが多く、次の作品でも豪華キャストが続々と登場することになる。

 

強力

 

『プライドと偏見』

18世紀末のイギリス。とにかくかつての時代を覗くと人間が理不尽な扱いをされている。黒人や女性だ。これはそのどちらにも該当しない私のような人間が声を大にして言わなければならない現実である。しかし、私の声など到底届かない頑強な要塞で塗り固めた巨大権力は、そう簡単には砕けない。女性では相続権がなく、父親が死んだら遠縁の男性が遺産を相続する。誰もがそういう状況を強いられた時、彼女らのように『理想の男性』を夢抱き、待ち焦がれるのではないだろうか。

 

では彼らのケースはどうか。確かに財産ある男性が現れた。金目当てという単純なことではなく、命に関わるのだ。自分や家族、そして生まれてくる子々孫々の命の種が『金持ちの男性』というエネルギー源に宿っている。しかしこの男、どうも様子がおかしい。『傲慢』に見える。彼女にとって彼は、理想の男性になりうるのだろうか。

 

女性

 

『トラフィック』

メキシコに実在した麻薬カルテル「ファレス・カルテル」がモデルとなる人物が登場する、麻薬をテーマにした群像劇だ。日本人とアメリカ、メキシコ人のドラッグへの考え方はまるで違う。だから世界三大投資家のジム・ロジャーズがコロンビアの麻薬製造所を買い占めたことも、倫理的に首をかしげることになる。だが、アメリカでは大麻が合法化される。そうした方がマフィアに資金を流すよりマシだからだ。それだけ彼らの社会にドラッグが食い込んでいるのである。

 

今日見た『ピッチパーフェクト』でもSEXやシャワーシーン、音楽の歌詞や司会のセリフが日本では考えられない過激さを見たが、それが『自由』ということでもある。そして銃も麻薬も、その一部なのだ。銃の乱射事件が起きるたびにその所持についての倫理が問われるが、彼らの社会からそれらが無くなることはなさそうだ。

 

一言、根深い黒人差別然り、『馬鹿』なのだろうか。銃も麻薬も差別もやめられず、『自由』に依存し、『ソーダ税』をかけられ、医療問題で自己破産する人が後を絶たない。しかし、そんな混沌とした自由な社会だからこそ自律した主体性のあるやり手が出てきて、彼らの『ソフトパワー』で世界は満たされている。

 

では、この家族の結末はどうなるだろうか。父親が麻薬を取り締まる側であり、娘が依存症だ。自由な国で『幸せ』を見つけることは、難しい。

 

ドラッグ

 

『フィッシャー・キング』

この事前情報を知っておくかおかないかで、この映画の面白さに大きな変化がある。『聖杯伝説』である。聖杯伝説の「漁夫王」(フィッシャー・キング)と聖杯のエピソードをモチーフに物語が展開されるだ。病んでしまった漁夫王は、聖杯の騎士が聖杯に正しい問いをすることで回復することができるのだが、失敗し、騎士は聖杯探求の使命を与えられる。聖杯伝説では、その騎士が数々の試練を乗り越え、聖杯を発見し、漁夫王が癒され国土は再び祝福される。

 

ダ・ヴィンチ・コード』や『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』にも聖杯が出てきて、そこにはヒトラーも登場するが、当時、実際にそういう陰謀論があったという。彼もその聖杯の力を信じ、探していたというのだ。その聖杯は、『最後の晩餐』でイエスが使用していたものだというのである。では一体この映画とその聖杯伝説には、どんな関係性があるのだろうか。

 

精神

 

『ジェーン』

実はアメリカ人なら女性でも西部劇が好きな人が多いという。シャーリーズ・セロンもそうだ。そして、今回制作に携わったナタリー・ポートマンもそうらしい。日本人が世界に誇る武士の存在をどこかで誇りに思っているように、アメリカ人にとって西部のカウボーイはアイデンティティ。もちろんそれは、迫害された先住民たちの命の上に乗ったプライドだが。

 

女性、復讐、西武(開拓、野性の、はるか

 

『チャップリンからの贈りもの』

1977年、イギリスの喜劇王チャップリンはこの世を去った。彼はそのコミカルな演技でサイレント映画のスターとなり、世界中にファンを作った。地位、名誉、財産を手に入れ、人類の歴史に名を刻んだ。しかし、それだけ上に上がると『色々な人』の目が集まるものである。これは、切羽詰まった男たちが、金銭目的でチャップリンの遺体を誘拐した2人の犯行の実話をもとにした、少し不思議な真実の物語である。

 

実話、金

 

『あなたのママになるために』

乳がんで余命1年未満と宣告された女性には、もうすぐ子供が生まれる予定があった。すでに息子がいる彼女には、後を任せる夫もいないし、死ぬわけにはいかなかったのだ。では、一体どうすればいいのか。残された時間で自分に何ができるのか。そして、子供は無事に生まれるのか。もし生まれるなら一体どうすれば、生まれてすぐに死んだ自分のことを母親だと認めてくれるだろう。彼女が取った行動とは。

 

子、女性

 

ダンガル きっと、つよくなる

元アマチュアレスリング選手マハヴィル・シン・フォーガットと彼の娘であるフォーガット姉妹の半生が描かれる。この映画を観ると、動物の肉を平気で食べていること、清潔な環境で何不自由なく生活できていることが、ある種の『隠蔽』であるという事実を、再考させられることになる。強くなるために肉を食べなければならない。レスリングの内容もさることながら、私が印象深かったのはその言葉である。

 

もちろん、インド人レスラーとして世界で活躍するまでの経緯や過程も見応えがある。インド人が数字に強くなった背景に『カースト制度』があると聞いたことがあるが、それら社会的要素も切実な問題である。多くを代償にし、重くを背負った二人の女性が、熱き父親のインディアンエネルギーに後押しされ、この世界に大きな波を作った。

 

スポーツ、絆

 

『THE KID』

誰もが一度は思う事。それは、『大人になっても子供心を忘れないでいたい』ということである。しかしそれは家庭環境によって様々で、何か問題があればそうした心は心底に沈み、歪んだ現実に心の蓋を歪められ、そのまま開かずの蓋となって心底にこびりつき、忘れ去られることになる。だが、『ある』。それは、あるのだ。人間にとって一番重要なものは、実は人生の早い段階で気づいているのである。

 

Happy、時間

 

レイルウェイ 運命の旅路

『戦場のメリークリスマス』という映画がある。第二次世界大戦の時に日本人がイギリス人を捕虜にして捕まえ、そこでむごい仕打ちをするのだ。だが、そのむごさは目を覆うほどのものではなく、眉をしかめるくらいのもの。そして最後には感動的な和解がある。あれは私も大好きな映画だ。音楽など、最高である。

 

だが、我々はそれと併せて、この映画を観なければならない。これは、実話である。日本人が描かなかった本当の実態を思い知ることになるだろう。

 

実話、イギリス、日本、スターリングラード、収容所、復讐、併せて(戦めり

 

『戦火の勇気』

戦場でどう立ち振る舞うかは、その人間の人となりが出る。土壇場だ。いざという時にどういう態度を取るか。普段いくら口が達者で、筋骨隆々でも、そこでできなきゃ意味がない。ヘミングウェイは言った。

 

では、彼女が取った行動は?それとも、彼女以外に鍵を握る人間がいるのか。

 

 

狂気、頭脳、戦場で何が(クライシス、マンダウン、黙示録、

 

Shall We Dance?

耳に胼胝ができるほど聞いたこの音楽が、『王様と私』のものだとは知らなかった。私の中でそれはジョディ・フォスターの『アンナと王様』であり、ミュージカルのそれではない。とにかく、ダンスというものはいい。凝り固まった鬱憤を晴らすだけのカタルシス的な効果もあって、命が躍動するのを覚える。だからこそ彼ら夫婦も、このような形になったのだろう。

 

ダンス、Happy

 

マイ・フレンド・フォーエバー

多くの映画を観てきて、中には3時間を超える大作もたくさんあったのに、まさか『子供』が主演の『90分』程度のこの作品に、心をこうも強く打たれるとは想像していなかった。私がこの作品にハマったのは、きっと彼と私の境遇や考え方が似ているからだろう。私の家庭にも抑圧があり、しかし私も彼同様、親にそれを突き返すのではなく、違う部分に反らして鬱憤を解消していた。

 

私は素晴らしい映画に出会った。そのことがとても嬉しい。こうも純粋に心に突き刺さる映画は、そう多くはない。

 

病気、子供、絆、エイズ(ボヘミアン、ロケット、ダラス、フィラデルフィア、めぐりあう)、音楽が格好いい(クライシス、妹の、フィラデルフィア、ボーン、ドゥザライト)

 

『バンディッツ』

ただ刑務所で出会ったアウトローが銀行強盗をするくらいなら、ありきたりである。だが、この映画がそうならないのは、それ以外の要素が豊富であり、観ていて飽きることがないからだ。そしてそれは最後の最後まで続くのである。

 

以外

 

『ショコラ』

中々面白い、Happyな映画だなあ。チョコレートで人を幸せにするんだな。‥途中までそういう感想が頭をよぎっていた。だが、最後のシーンで状況が一変した。これは、宗教の話である。ルネサンスの話であり、人が生きるべき道を教える啓蒙の話であり、とても興味深い映画だ。

 

宗教、教訓(ルネサンス)、Happy

 

エリザベス:ゴールデン・エイジ

『エリザベス』の2だ。あれがエリザベスが女王になるまでを描いた作品で、これは女王になってからのエリザベス。歴史的に重要なのはどちらかというと、こっちの方だ。エリザベスが女王になったときは、まだイギリスの力はそう強くはなかった。無敵艦隊と言われる世界最強の艦隊を持つスペインの存在が、ヨーロッパの人々の心を強く押さえつけていた。

 

しかし、イギリスはその最強のスペインに勝利する。では、一体どうやって勝ったのか。彼女の女王としての采配や振る舞いはいかなるものだったのか。女王も人間であり、女だ。世界一有名な女性に相応しい彼女の人生の後半戦はいかに。

 

女性、イギリス

 

『ゾディアック』

1968年から1974年にかけてサンフランシスコ市内で若いカップルを中心に少なくとも5名が殺害された。『ゾディアック事件』である。事件の犯人が『ゾディアック』という名前を名乗り、アメリカでも特に有名な未解決殺人事件として未だに犯人が明確になっていない恐ろしい事件である。あの『ダーティハリー』の連続殺人犯スコルピオのモデルにもなり、『エクソシスト』の双子座殺人事件のモデルにもなった、とにかくアメリカ中にインパクトを与えた注目の怪奇事件だ。

 

警察も無能ではない。全総力を挙げてあと一歩のところまでたどり着いた。‥だが、いつもならここで見えてくる展開が見えてこない。一体どういうことなのか。

 

実話、衝撃、併せて(ダーティハリー

 

『名探偵ピカチュウ』

ピカチュウというこの国の人間が生み出した愛くるしい新たな動物は、まるでキティちゃんやミッキーマウスかのように、全世界に通用する規格である。スーパーマリオといい、ドラゴンボールといい、世界に通用するものを持っているのは嬉しい。

 

21世紀、世界はグローバリゼーションの世の中になった。では、グローバリゼーションとはいったい何のことだろうか。

アメリカの子供の夢がサッカー選手で、イタリアの子供の夢が漫画家で、日本の子供の夢がメジャーリーガーだということ。

 

我々は喜ぶべきなのだ。

 

平和

 

『アニーホール』

内容をテキストにしようと思ったら、のほほんとしてピースフルな見た目とは裏腹に、結構過激なことをしている。だが、それがただの低俗なワンシーンにならないのは、彼に哲学的思想が存在するからである。いや、たしかに理屈っぽく無駄口が多いが、知性も垣間見える。そう考えると、なんだかお洒落な、二人の男女の物語である。

 

 

 

『お熱いのがお好き』

マリリン・モンローを観るのは初めてだったが、エリザベス・テイラーといい、ナイスバディというその特徴も、人気の大きな理由だっただろう。とにかく、あの有名な音楽が聴けて良かった。それに、作品全体も爽快で、白黒だがいつの時代の人が観ても十分楽しめる映画である。最後の10秒ですら、面白かった。

 

音楽、爽快、純愛

 

『未知との遭遇』

一度は見ておかなければならないビッグタイトルの一つだ。この時代(1977年)で考えれば相当インパクトがあっただろう。UFOや雪男、ツチノコ、ネッシー、グレイなどのUMAの存在が強く信じられていた。もっと前に遡るなら、悪魔や怪物だ。世界各地にそうした怖い噂があり、その噂を論破するだけの完全な証拠がなかっただけに、確信が持てずに、より人々の心に強い恐怖心を植え付けた。

 

かつて『虫歯』は、歯に穴が開いたところに、何か歯に穴をあける不思議な力を仮想したり、ときには悪霊などの仕業だろうと考えていた。それに対し、アメリカ人のミラーが、ドイツのロベルト・コッホ(1843~1910年)の研究所にいて、結核やコレラのように、何かのバイ菌が虫歯をつくるのだろうと、口腔中のいろいろな菌を調べ、『化学細菌説』という理論を出したのが、虫歯に対する最初の学説である。

 

そうした人間の歴史と、その時代における人々の心理状況を想像しながら鑑賞すると、なかなか見応えのあるものである。

 

宇宙

 

めぐりあう時間たち

人にはそれぞれ、窮屈な抑圧が少しはあるものである。それをバネにして高く跳ね上がる者もいれば、そのまま押しつぶされて死んでしまう者もいる。私の周りには言葉が喋れなくなった者も、衰弱死してしまった者もいる。宗教に走った者もいる。私自身がとても繊細な心で、かつ複雑な思考回路をしているからゆえ、そういう人たちの気持ちはよくわかる。

 

わかるが、私はあえて楽観的に生きる道を選んだのだ。トーマス・マンは言った。

 

 

女性、複雑家庭、

 

『天使にラブソングを』

何度も観ていたはずなのに、彼女がシスター『ではなかった』ということは知らなかった。最初からちょっと破天荒なシスターなのかと。私も無理矢理教会に通わされていたから随所にあるシーンがよくわかる。断固としていれば権威が保てるが、しすぎていると近づきがたくなり、多くの人が寄り付かなくなる。考えることが多い映画である。

 

Happy

 

ラストキング・オブ・スコットランド

1970年代にウガンダで独裁政治を敷いたイディ・アミンが、政権を奪取してから独裁者へとなるまでを描いた作品だ。主人公の医者の青年は架空だが、彼の壮絶な体験はいささか作り話といって切り捨てられるわけでもない。現実に、アミンがしたことがそれを裏打ちしている。ルワンダの虐殺でも100万人の人が殺された。数字で麻痺してはいけない。一人が殺されても大事件なのだ。

 

アフリカはこういうことが現実にあり得るエリアである。多くの動物と共生する自然豊かな人間が息をする一方、野獣と人間の境界線を見失った外道の作った結果が、残酷にこの地に溢れかえっている。

 

実話、アフリカ、壮絶

 

『ロミオとジュリエット』

悔しい。歴史を知る前、歴史系の映画の価値を知らなかったわけだが、今回の作品ではそれに似た失望感を得た。シェイクスピアの作品について無知なのだ。だから随所にちりばめられているであろうこの作品の価値や美しさが分からなかった。それが悔しいのである。

 

純愛、名作

 

『チョコレートドーナツ』

普通、ゲイは異質である。身体障碍者もそうだ。その言葉を口にするのもタブーのような気がする。そういう世界で我々は生活をしている。昨今ではLGBTへの理解がない方が時代遅れという流れもあるが、エイズ罹患者の9割以上が同性愛という事実の説明は未だにつかないままでいる。それが何を意味するのか、我々はこの異質な存在をとにかく異質だとして漠然と受け入れることで、『静観』している。それが現実である。

 

だが、そんな『常識的な世界』に生きている我々は、この作品を通して思い知ることになる。この映画から伝わってくる命のメッセージは、我々に目に見えない鳥かごの存在を見せつけることになる。

 

性別、病気、裁判、哀愁

 

マトリックス リローデッド

2になって勢いを落とす作品はあるが、これは想像のはるか上を超えてきた。この世界ではイメージトレーニングであらゆる武道をマスターすることができるシステムを構築しているため、必然的にこうなる。その世界観を見事に再現できていると言えるだろう。サイケデリックトランスで踊り狂うシーンには、時代と懐かしさを覚えた。

 

爽快

 

『デッドマン・ウォーキング』

死刑廃止論者である修道女ヘレン・プレジャンのノン・フィクション作品(『デッドマン・ウォーキング』)を映画化したものである。正直、いくつも映画を観ているとこれが実話なのかそうじゃないのかはどうでもいい。私は最初からそれで区別しておらず、それがゆえに時に現実主義者から白い目で見られることもある。当人曰く、『説得力がないよ』というのだ。

 

私はそれは違うと断言する。現実にあったから聞くべきで、ないから聞くべきではないというのは無知がゆえにはじき出す答えだ。我々は最初から『まともな現実』を生きていないではないか。殺人も死刑も存在するようなこの世界は、この世の在るべき世界ではない。

 

歪んだ心、裁判、死刑(トゥルー、グリーン、ダンサー、シャッター、

 

『スタンドアップ』

1988年に行なわれた世界初のセクシャルハラスメント訴訟が基になっている、実話ベースの話である。セクハラというのは、無知な人間が生み出すズレである。男女の脳の形は同じだが、使い方が違っていて、それぞれに与えられた特性も性質も違う。同じ人間でひとくくりにしたいのはわかるが、別物だと考えなければならない。それでこの問題は解決する。差別はだめだ。だが、『区別』ならいい。むしろ、区別した方がいい。

 

女性、実話、裁判、正義、絆

 

『グーニーズ』

ゲームの音楽があまりにも強烈で、あれがゲームオリジナルBGMかと思い込んでいたが、そう言えばシンディ・ローパーだった。子供が楽しめる面白い冒険ものなのだが、とにかく終わった後もあの音楽を口ずさんでしまって仕方がない。

 

子供、音楽、冒険、

 

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

9歳という年齢を想像できるだろうか。私のその頃の記憶などほぼない。校庭で遊んだり、家でアニメを観たりした記憶が断片的にあるくらいだ。それはつまり、この年齢の人間の意見などあまり真剣に聞くものではないということでもある。彼とて20年すればすっかり忘れているだろう。だが、それでもどうしても忘れることができないこともある。それが、家族の死である。家族の死は、人間にとっての最大のストレスだという。そしてストレスは人間の心に深く刻み込まれ、時には言葉をしゃべれなくなることもあるし、性別が変わってしまうことすらある。

 

そう考えると、9.11という大きな歴史が関係していることも相まって、これは非常に重要な一コマである。我々には、人それぞれで試練が与えられている。その試練の形も、与えられる環境も人によって違うが、それはきっとその人のその後の人生の為に、必要不可欠なのだ。

 

精神、子供、絆

 

JUNO/ジュノ

これは『あと1センチの恋』と併せて観てもいい映画だ。両方とも願わぬ子供の命を授かってしまうわけだが、両者の展開は違う。2008年3月、ローマ教皇庁は新たな七つの大罪を発表した。それは、

 

  1. 遺伝子改造
  2. 人体実験
  3. 環境汚染
  4. 社会的不公正
  5. 貧困
  6. 過度な裕福さ
  7. 麻薬中毒

 

である。もちろん、中絶について強く諭す教えもあり、それは宗教に関係なく倫理道徳として、この映画の中にすらも登場する考え方である。切実な問題だ。彼女はまだ16歳の女子高生。私の周りには中学生で子を産んだ人がいたが、男は逃げ、大変な人生を送っているように見えた。私は男ならではの壮絶な10代を生きたが、女にも女の壮絶な人生がある。

 

女性、ママ、子供の行方

 

『レイジング・ブル』

『レイジング・ブル(怒れる雄牛)』と言われた実在のプロボクサー、ジェイク・ラモッタの自伝映画である。実は、天才というのは同時に問題児でもある。なぜなら、一つのことに集中し、特化しなければ大きな結果は出せず、そうすると必然的にそれ以外のことがおろそかになるのだ。傲岸不遜でも強ければいい。そういう事実がまかり通るのも、そうした現実が関係している。では、彼が『おろそかにしたこと』とは何だったのか。

 

ボクシング、スポーツ、教訓、実話

 

『シェフ』

人間はまず常識という蔓延した枠組みの中にあるいくつかのレールに乗って人生を設計し、航海する。だが、人間本来に植え付けられているモチベーションというものは、実は人為的に後付けされたそれら常識の枠の中には収まらない。いわゆる『モチベーション3.0』である。『ソクラテス・イエス・ブッダ 三賢人の言葉、そして生涯』にはこうある。

人間は生まれながらにして自由ではなく、自由になっていくのだということを主張している点で、ソクラテス、ブッダ、イエスは一致している。人間は無知から脱却することによって、真実と虚偽、善と悪、正義と不正を区別することを学ぶことによって自由になる。自らを知り、自制心を持ち、分別を持って振る舞うことを学ぶことによって自由になる

 

ルソーは言った。

 

Happy、リスタート、ほのぼの

 

『トゥルー・クライム』

人種差別、死刑。そのほかにも銃や麻薬、戦争、遺伝子操作等々、この世界に人為的に作られたいくつかの存在は、どれも眉を動かさないわけにはいかない異様な存在である。だが、その異様さが常識とも思える非常識なこの世界に生きている我々は『麻痺』し、いつの間にかそれを日常の光景だと誤認してしまう。

 

だが、その異質な存在が確かに『異質』だと捉えることができる人間が、稀にいる。往々にしてそういう人の人生は非常識だが、だからこそ囚われない。人為的な汚れがない純粋な人間には、わかるのだ。そこにある景色が、異質だと。

 

正義

 

『バグダッド・カフェ』

激しい音楽を聴く人と、ゆったりとした音楽を聴く人に分かれる。厳密には気分によって違うが、映画に求める要素も人それぞれである。物語終盤まで、(一体俺は何を観ているんだろう)という気分になっていたのだが、なるほど。全て観てからようやく見えてきた。先進国、途上国、大都会に住む人と、荒廃し、あるいは電灯さえろくに光らない場所で住む人、この世界には色々な人がいる。その多様性を受け入れる器がない人間は、この作品の価値を知ることはできないだろう。こういう映画が好きな人は、大勢いるのだ。

 

ほのぼの、絆

 

『遥かなる大地へ』

この画像は、1889年4月22日にアメリカ合衆国政府が入植を解禁したオクラホマに白人が未開の土地を求め殺到した現象である。例えばペリー来航が1853年で、『ラストサムライ』の時代は1860年頃。その頃、世界はちょうど一体化が進み、各地で力のある人間が『お宝』を探しに躍起になった。

 

このアメリカ大陸はその代表である。先住民が迫害され、追いやられ、そこに住み着いたイギリス人とフランス人がアメリカとカナダを作った。そんな歴史を知っていると、この作品の奥行きがより一層深く見えることだろう。全体としては、夢を追いかける純粋で無知な、愚かな若者のロマンチックな物語である。だが、見えない深層部にある歪んだ現実が、事実をよく知る鑑賞者の心を、一つ多めにかき混ぜる。

 

アメリカ、純愛

 

『ミスティック・リバー』

人の心は歪むものである。それは、歪んだ現実を直視したからだ。白く純粋な色ほど黒いものに触れたとき、それに染まりやすいものである。だが実は、反面教師や、ピンチはチャンスという言葉がある。それにホイットマンがこう言っているのだ。

 

一体なぜこのような話をするのか、それは映画を観てみなければわからない。注目すべきなのは、大人になった『かつての悪ガキ3人組』だ。

 

 

歪んだ、壮絶、虚無

 

リーサル・ウェポン2/炎の約束

1で自殺未遂までしていた自殺願望のある激ヤバ刑事のリッグス。彼がなぜそう思い詰めていたかというと、奥さんが殺されたからである。そして、なんとこの2でその伏線を回収するのである。今回の敵は、奥さんを殺した連中だった。果たして、彼は復讐を成し遂げるのか。それともブッダやガンジーのように敵を許し、前に進むのか。‥いや、これは『リーサルウェポン』である。

 

復讐

 

『ビバリーヒルズ・コップ2』

ビバリーヒルズコップなのに主人公がデトロイトの警官という妙な設定だが、1と全く同じクオリティをキープしているあたり、嬉しい作品である。この映画と言ったらあのBGMと、白い建物だったのだが、どうやら幼少期の記憶はこの2のことだったようだ。

 

 

『クライシス・オブ・アメリカ』

リメイクした作品だけあって、秀逸なシナリオである。最初の音楽にもインパクトがあり、作品全体が見ごたえがある。これは個人的に『極上のエンターテインメント』に分別することになる。実は馬鹿馬鹿しい部分があるのだが、全体のクオリティが高くてそれが全く気にならない。時代が古ければ古いほど多くの人が震え上がることになるだろう。その意味が分かる人間は、勤勉である。

 

精神、極上

 

『レイチェルの結婚』

10年間薬物治療のリハビリ施設の入退院を繰り返していた女性が、姉の結婚式の為に戻ってきた。この映画は本当に結婚式の様子が作品全体を通して描かれている。鑑賞しながらその理由を考えると、コントラストの原理がそこに見えてくることになる。普通の、平凡な結婚式は、人が集まり、歌って、踊って、楽しいものである。だが、そこにどうも異質な存在がある。我々はそれを俯瞰で見て、どんな人間にも存在する心底に抱えたある種の闇と、幸福に対する執着にも似た渇望の心の是非を、自問することになる。

 

幸福は誰もが追っていたはずだった。だが、ある人の人生は道中で方向転換を余儀なくされ、ある人の人生は予期せぬ土砂崩れにより道半ばで終わってしまった。人は、幸せを求めていいのか。何があって、幸せと言えるのか。結婚式はそんな人々の心の不安と闇に蓋をする、麻酔薬に見える。

 

女性、絆、ドラッグ

 

『ミセス・ダウト』

女装をしている人は、女性かそれ以上に美しくなければならない。刹那にそういう考えが浮かんでしまうのは、私の性質が原因である。単純に、汚れているものを掃除したくなり、左右対称で整頓されているものに美を覚える。そういう美的感覚がまず第一に自分の感覚を操作するのである。では、この女装したオッサンはどうか。美しいのか、醜いのか。それは見てのお楽しみである。

 

ほのぼの

 

『リトル・ミス・サンシャイン』

ぷにぷにしていて可愛らしい赤ちゃんのような存在の少女を、複雑な事情を抱えた様々な大人たちが、その抱えた事情に押しつぶされそうになりながらも、必死に守り抜く。彼らは相当こじれた現実と向き合っていて、いつでも腐って破綻しそうなのに、なぜかそうならない。そこにはきっと、この少女の存在がある。

 

別に、少女が特別な存在というわけでもないのだ。ただ、純粋に少女として生きているだけ。ただそれだけなのである。その純粋さはきっと誰にもあったものだ。彼らにもあった。そう考えると、彼らは彼女を通して、自分の心底にあった『最も大切なもの』を観たのかもしれない。

 

絆、ほのぼの

 

刑事ジョン・ブック 目撃者

この映画の価値をよく理解するには、アーミッシュの存在について知っていなければならない。知っていただろうか。彼らがアレルギーと無縁だということを。その業界の最先端では随分前から彼らの様に自然に生きている人々の体質は注目されていた。そうして彼らの奥行きと神聖を知ったとき、ジョンが彼らとどう付き合い、最後にどう決断したかというところに、強い哀愁を覚える。我々は無意識に道を踏み外してしまっている。そういう現実を最後に悟った人は、勤勉である。

 

哀愁

 

『プラクティカル・マジック』

サンドラ・ブロックとニコール・キッドマンが美しい。そう言わざるを得ない。女性の価値は若さや美しさではないが、それを言わずにはいられない美貌があり、同時に現在の彼女らから同じ感想を抱けるかといったらそれはない。残酷で身勝手な人間の本音だが、それが事実である。美しい魔女の姉妹。それだけでこの映画が存在する価値はある。

 

だが実際には全米の女性からの圧倒的な支持を受けていて、男性が彼女らの美貌に酔いしれるのではなく、多くの女性が共感できる内容となっている。つまり、この映画が訴求できるターゲット層は広い。

 

女性、魔法

 

『レインマン』

サヴァン症候群の兄レイモンドは、確かに異質であり、さっさと死んでもらうか何かして、遺産を自分だけのものにしたい。兄がいたことなんて知らされていなかったんだし感情移入もできない。自分の会社の経営のことを考えても、悪いが遺産は俺のものだ。弟のチャーリーはそう思った。だが、彼は兄との策略に満ちた短い生活の中で、とあるキーワードを耳にする。『レインマン』である。

 

おかしい。兄が言ったその言葉、どうも聞き覚えがある。チャーリーは自分の心の中で、大きく何かが動いたのを感じた。

 

病気、天才、絆

 

『イル・ポスティーノ』

私のような完璧主義で、効率よく物事を進めようとし、白黒ハッキリしたい人間からすれば、主人公の彼の態度は腹が立つだけである。だが、そういう腹の立つ男を注意深く見ていると、彼が彼なりに真剣に生きている事実が見えてくる。死んだとき、後悔する。人は死なないと思っていたのか、そうではないはずなのに、そういう彼のような人間の生きざまに心を打たれる自分に気づき、後悔する。

 

哀愁

 

『ウォール街』

ゴードン・ゲッコーの圧倒的存在感が世界中に大きなインパクトを与えた。特にアメリカでは彼に憧れて投資業界に入る者が続出したという。監督は倫理が崩れたことについて遺憾の意を述べたが、スタンリー・キューブリックはこう言っている。

 

彼も『時計仕掛けのオレンジ』の宣伝コピーを、『レイプとウルトラ暴力とベートーベンがオレの生きがい。』というセンセーショナルなものに作り上げ、多くの批判の声が上がった。この映画に触発され、犯罪に走る若者が増えたのだ。

 

金、教訓

 

『アメリカン・ビューティー』

作品に登場する赤いバラは「豊かな家庭の象徴」でもあり、「アメリカの美」というタイトルがつけられていながらも、その国の家庭が崩壊していく様子が描かれているあたり、メッセージ性が高い映画である。表層は美しく、成功している。だが実際にはどうか。世界が憧れるアメリカのある家庭らのその心底に渦巻く本音とは。

 

狂気、頭脳、意外

 

『スリーピーホロウ』

アメリカ合衆国北部のニューヨーク近郊で語り継がれている『スリーピーホロウの伝説』。首なし騎士に追われる恐ろしい言い伝えである。最初からその噂や歴史を知っている人ならなお入り込めただろう。開拓時代にアメリカに渡ってきたドイツ人という設定もリアルである。歴史を知る人や、アメリカに住みその土地にまつわる逸話を知っている人からすれば、肝を冷やす興味深いシナリオである。

 

ファンタジー

 

『シザーハンズ』

あまりにも奇抜で痛々しいその様相を初めて見たのはまだ10歳前後だったが、その時の私の視野も心も狭く、これを受けつけなかった。あれから長い時間が経ち、今現在も別にこのような奇天烈な要素は無縁である。それは、ヘビメタの世界が私といつまでも無縁なのと同じだ。だが、この映画はそんなことはわかっているのである。彼が異質な存在だということはわかっているのだ。

 

そして、異質だからこそ覚える独特の哀愁がある。我々は彼を通し、あの町人たちのように、その存在を無価値で拒絶する対象だと解釈することはできない。決して。

 

AI、純愛、哀愁

 

『ライラの冒険 黄金の羅針盤

何と三部作のファンタジー小説の一発目なのに、この後に続くはずの二作は断念。北米カトリック連盟が「子供に対し無神論を奨励する映画だ」などとしてボイコット運動を展開したからだという。そういうユニークな観点から作るからこそ貴重な映画になるのに、もったいない話だ。

 

子供、女性、ファンタジー

 

『ダーティ・グランパ』

私は映画を真剣に観て、それを人生に生かしたい。映画を観る為に生きているわけじゃないんだ。時間を浪費する暇などないのである。だから別に映画でゲラゲラ笑いたいなどとは思っていない。はずなのに‥。どんな演技もこなしてみせるデニーロと、それに負けないくらいぶっ飛んだザックを見れば、爆笑は避けられない。

 

馬鹿

 

『俺たちニュースキャスター』

私は映画を真剣に観て、それを人生に生かしたい。映画を観る為に生きているわけじゃないんだ。時間を浪費する暇などないのである。だから別に映画でゲラゲラ笑いたいなどとは思っていない。思っていない。思って‥。

 

馬鹿

 

『逃亡者』

あまりにも理不尽な展開に巻き込まれる主人公の男。もし私がこの立場だったら、全員巻き添えにして爆弾で自爆するとか、そういう方法でその理不尽をリセットすることを考えるだろう。それくらいとんでもないことが彼の身に起きる。だから『逃亡』など、当然なのだ。彼の選択の場合、称賛に値するのだ。

 

孤独

『ポリスアカデミー』

『ビバリーヒルズコップ』同様、子供の頃によく見たはずの映画だったが、ほとんど初見だったようだ。当時の何となくの感想は『面白い』、『サングラスの人がいる』というものだったが、あれから随分経ってもう一度見てみると、その感想は大きく違うものではなかったようだ。

 

馬鹿

『フェイスオフ』

ジョン・トラボルタとニコラス・ケイジ。彼らが共演するというだけで贅沢なエンターテインメントである。『極上のエンターテインメント』とまではいかないが、映画界を騒がせるだけの話題性は十分な作品だ。

 

警察Vs

スペース カウボーイ

1958年の『マーキュリー計画』でチンパンジーが選ばれたというが、一番最初の宇宙飛行士は1947年のハエ。そして49年にアカゲザルで、51年に野良犬、59年にうさぎ、61年にハムという名のチンパンジーが宇宙に飛び立っている。では、彼らのような高齢者の場合どうか。

 

老後、宇宙、命の使い方

 

『ポーラー・エクスプレス』

観れてよかった。なぜなら、クリスマスに観れる映画があまりなく、これは子供がクリスマスの気分を十分に満喫するために貢献してくれるからだ。サンタクロースはいるのか。いないのか。ハッキリさせようじゃないか。

 

Xmas、子供、平和

 

『冷たい月を抱く女』

とにかく言えるのは、『名作』と言われる映画には大体ニコール・キッドマンが出ていることが多い。私も各場所で調べた結果作った『観るリスト』の映画を観ていくと、何度も彼女の姿を目の当たりにすることになった。彼女の妖艶な美しさというだけで、映画になるのかもしれない。

 

『デンジャラス・ラン』

組織に入れば、自分が組織に向いているかどうかはすぐに分かる。違和感が教えてくれるのだ。誰もが多少はあるのだが、それが人一倍強く、人生に差支えがあるほど影響を及ぼすという人がたまにいる。さて、この映画では一体誰がそれに当てはまるだろうか。

 

正義

 

『パニックルーム』

「パニック・ルーム」。それは緊急避難用の密室のことである。金持ちかなんかが作ったそういう部屋には、大体なんらかのいわくがついている。いや、ついていた方が楽しい。そんなアウトローな人間の考えを刺激する、スリルムービーである。

 

女性、絆

 

カウボーイ & エイリアン

最初に観た時の感想は『ガッカリ』だ。だがその頃は何もかもが若く、それ故にその程度の感想にとどまった。映画の感想に評価などつけるものではない。つける自分がブッダでもない限り。あの頃の私は、ゴールドラッシュ、アメリカ西部、カウボーイの歴史一つ知らなかったのだ。

 

孤高

 

『ダラス・バイヤーズクラブ』

「エイズで余命30日」と言われた自堕落でヤンチャなカウボーイが、葛藤しつつもその強い生きるエネルギーで闘病を続ける。FDAが認可したもの、スーパーやコンビニで簡単に買える不純物が入った不自然な食品。病気にならないと気づかない。失ってからはじめて気づくことがある。それが人生である。我々はこの稀有な人生を生きた彼の生きざまから、大きな教訓を得ることだろう。これは、実話である。

 

病気、実話、正義

 

『狼たちの午後』

1972年にニューヨークで本当に発生した銀行強盗事件を題材にしている。観ている側は一体何を見せられているんだという気持ちになるのだが、調べてみると何と本作品の殆どのシーンは役者たちのアドリブによって撮影されているという。音楽もない。そう考えるとこれはとてもリアルで、貴重な作品である。

 

実話、性別不合、

 

ロード・トゥ・パーディション

この映画は日本の『子連れ狼』に影響を受けている。それだけでも日本人なら興味深いが、そうじゃなくてもこのシナリオが面白い。配役もいい。単なるアウトロー映画ならトム・ハンクスは主役にならないが、この作品で彼が主役を演じるには理由があるのだ。

 

すべてが実話ではないにしろ、ルーニー一家や、アル・カポネというのは実在したマフィアだ。だからその歴史を知る人なら余計に面白い。『アンタッチャブル』なんかと併せて観るのをお勧めする。

 

実話、不良、復讐、カポネ

 

『マトリックス』

世界観がすごい。きっと当時は映画界を相当騒がせたことだろう。調べてみると、やはりは「映像革命」として話題となったという。ひどいSFは現実世界からひたすらに離れるだけだが、面白いのは違う。これは後者である。

 

頭脳

 

『ファーゴ』

物語の最初に『これは実話だ』と出る。それについてはここでは明言しないが、もしそうだとしたならば、我々は最後のシーンをどう受け止めればいいのか、身の毛がよだつ思いである。我々は犯人の男の一人の末路を、予想することはできない。

 

衝撃

 

『燃えよドラゴン』

演出などが入っていて、正直現代を生きる人からすれば、リーがどれだけ強いのかが分からない。だが、彼は本当に強かったらしく、事故でリーが出血をしようものなら、『殺せ』と怒号が飛び交う熱気がそこにあったという。彼が現代で活躍するシーンをぜひ見てみたかった。

 

音楽

 

『ミッション』

登場人物は架空だが、16世紀末~18世紀にかけて、南米各地に建設されたイエズス会伝道所の活動の歴史にヒントを得て作られた作品だ。南米での宗教布教というテーマ自体がとても貴重であり、見応えは十分。歴史を学んだ人ならそうじゃない人の数倍以上は価値を見出せるだろう。

 

実話、南米、音楽

 

『リーサル・ウェポン』

彼がもし不安定な人間じゃなければ、我々の目は釘付けにならないだろう。何をしでかすか分からない。どう展開するか分からない。そういう不規則でアウトローな『秘密兵器』が、ロサンゼルスの街を引っ掻き回す。

 

警察

 

『妹の恋人』

何だか聞きなれないリズムの音楽がこの世界の独特な歪みを演出しているのかと思いきや、話自体はシリアス。あくまでもそれがあってのジョニー・デップの不思議なキャラクターなのだ。そして最後も平凡なシーンで終わる。だが、我々は最後にこの音楽、そして彼らのことがとても好きになっていて、別れるのが惜しくなっているのだ。

 

音楽、平和、病気、リスタート

 

『ワイルド・アット・ハート』

人によってはB級にしか見えないだろう。だが、デヴィッド・リンチ。がメガホンを取り、ニコラス・ケイジが主演を演じたこの作品は、1990年のカンヌ国際映画祭ではパルム・ドールを受賞した。

 

『夜になるまえに』

キューバ出身の作家・詩人、レイナルド・アレナスの自伝映画である。キューバ革命の中心人物、ゲバラやカストロの映画と併せて観ると、更にこの時代を幅広く知ることができるかもしれない。カストロ政権下で、ホモセクシュアルであるために迫害された彼は、1980年にアメリカに亡命するが、その後エイズが発病してしまう。

 

性別不合

 

『スリーパーズ』

スリーパーズ。それは『少年院あがり』という意味である。子供の頃にこの映画を観たせいで、ケヴィン・ベーコンがすっかり悪人の印象が焼き付いていた。それだけインパクトのある映画なのだ。そして何よりこの映画は『実話』の可能性があるという。演者といい、ここまで贅沢な映画だったとは知らなかった。

 

実話、復讐、子供、刑務所、絆、理不尽、裁判、正義、

 

『コラテラル・ダメージ』

自分の最愛の家族がテロによって殺されたことを想像しなければならない。その後、自分だけ残った人生で自分は一体何を想い、何に命を費やしていけばいいか。考えなければならない。昔、仇討ちが認められていた時代があった。『暴力』とは力が暴れると書く。では、これは暴力か。それとも。

 

テロ、復讐

 

『コラテラル』

この映画を観て私はこれがどのジャンルに当てはまるか考えた。すると、この映画のために『極上のエンターテインメント』というジャンルを作り、分別する必要があると悟った。これは映画館で観たかった。きっとしびれて、鳥肌が立っただろう。これは極上のエンターテインメントだ。

 

また、この映画のとあるシーンではアーネスト・ハスキンズのこの言葉が頭をよぎった。

 

中々考えさせられる話でもある。

 

警察・悪、巻き添え(12文キー、パーフェクトワールド、ウォーターワールド)、街の最強(トゥルーライズ、アウトロー、トランスポーター、セガール、ボーン、ジョンウィック)、極上のエンターテインメント(レミゼ、ジャンヌ、タイタニック、シャッター、インターステラ、ディパーテッド、アバター、レディプレイや、コラテラル、エクソダス、JOKER、ウルフオブ、ダークナイト、トロイ、パトリオット、ブラック、リベリオン、MI6、007、エクスペンダブルズ、アベンジャーズ、12文樹、ブレイブハート、ドラゴンタトゥー、パトリオット、パイレーツ、アレキサンダー、スターウォーズ、スカイミッション、JOJO、パラサイト、ブーリン家、マミー

 

『ビバリーヒルズ・コップ』

子供の頃に聴いて耳から離れないあの音楽がどうしても聴きたくて、もう一度鑑賞。するとやはり、ほとんど初見だった。字幕も初だし、とても新鮮だった。そして最高だった。彼の爽快な活躍と、あのBGMは。

 

音楽、正義、警察

 

『ボディガード』

音楽、そして歌が映画の世界を包み込む現象が起きるのはごくまれである。『グレーテスト・ショーマン』もそれに極めて近づいたが、『タイタニック』とこの作品を超える映画に、私はまだ出会っていない。この時代、彼のようにプロとして生きる姿勢にしびれた男が大勢いた。明石家さんまもその一人だ。

 

音楽、命の使い方、孤高

 

サタデー・ナイト・フィーバー

クラブシーンでは、踊りを上手く踊れるというだけで自分の立場が変わる。私もプロには全く劣るが踊れたので、輪ができればその中心にいたり、女性が近づいてきたりしたものである。時代の違いによって音楽や踊りは違うが、そこに求める人間の気持ちは、いつの時代も同じものである。

 

ダンス、音楽、青春(フットルース、ギルバート、抱きたいカンケイ、きっとうまくいく、フラッシュダンス、ウォールフラワー、クローズ、愛と青春の旅立ち、猟奇的な彼女、あの頃君を追いかけて、レディバード

 

『フットルース』

誰もが一度は聴いたことがあるあの音楽。この映画のサウンドトラックは日本のオリコン洋楽アルバムチャートで1984年に通算18週1位を獲得したという。人間が歌や踊りを愛するようになったのはいつからだろうか。大切な人が死に、あるいは生まれ、美味しい食事を祝う。そう。自分たちの心が大きく揺れ動いたとき、我々の心も躍動してきた。

 

我々のこの情熱は、止めていいのか。確かに止めることによって得られる抑止効果もある。そう考えると、『リベリオン』。この映画と併せて観ることで、この映画はより一層深い奥行きを見せることになる。

 

音楽、芸術、青春、ダンス(ドゥザライト、座頭市、フラッシュ、フルモンティ、プレイブック、パルプフィクション、オーシャンズ、ブラックスワン、雨に唄えば、ウォールフラワー、ラ・ラ・ランド、シャルウィダンス、サタデーナイト)併せて(リベリオン、ヴィレッジ

 

『普通の人々』

この映画を事前情報なしに観るのは根気と想像力が必要だ。開始一時間半くらいまでのこの時間を、忍耐強く彼らの身になって考えることができるかが求められる。精神的なタフさがないと、状況の理解という境地までもっていくことはできないだろう。だが、私はこの作品があまりにも教訓性が高かったので、この後に口論した母親と二人で、もう一度この映画を観た。

『一緒に観て考えよう。あなたはこの彼女と同じ行動を取っている。客観視するんだ。』

 

我々にとってこの映画は、あまりにも感慨深い映画となった。

 

精神、絆、教訓

 

『ネバーランド』

ジェームズ・バリーが世に生み出したあの伝説の名作『ピーターパン』。それは一体どのようにしてこの世に誕生したのか。そこにはディズニーが意識してスポットライトを当てる、光がかった幸福の世界があったわけではなかった。だが、世界が闇なら光はより眩しく光り輝く。子供を夢中にして離さない、伝説の物語の誕生秘話を見よ。

 

実話、偉人、併せて(PAN、ピーターパン

 

『イノセント・ガーデン』

私はホラーが嫌いだが、それは現実にまずありえなく、自分の人生に有意義な意味をもたらさないからだ。だが、このくらいのシナリオならいい。これならあり得そうだからである。そういう作品は、私の中ではホラー映画というカテゴリーにはならない。人間の歪んだ精神を描いた、ヒューマンドラマだと捉える。するとたちまちこの手の作品が、秀逸な芸術へと様変わりする。芸術だから現実離れはしているが、身近にも感じる、エンターテインメントになる。

 

歪んだ


参考
『イノセント・ガーデン』youtube

 

『抱きたいカンケイ』

私は男だから好んで恋愛映画を観ないのだが、案外この類も観ると得るものが多くていい。私がナタリーが好きなのもあるかもしれないが、『猟奇的な彼女』然り、私は彼女のような心底が少女で、しかしクールな防壁で本心を隠してしまうような、そういう人に惹かれるらしい。とても愛おしくなるのだ。

 

こじれた恋

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『パルプ・フィクション』

この映画の公開から25年以上も経っているというのに、CMのインパクトを忘れることができない。そこには、二人の個性的で世間に媚びないクールな男女が、軽快な音楽に乗ってユニークなダンスを踊っている様子が描かれていた。多くの賞を受賞しただけある、THE・エンターテインメントだった。それも極上に贅沢な。

 

アウトロー、音楽

 

『ミュンヘン』

1972年に起きたミュンヘンオリンピック事件と、その後のイスラエル諜報特務庁(モサッド)による黒い九月に対する報復作戦を描いたスピルバーグの衝撃の一作。まるで007のように殺人を許可された暗黙の存在が、フィクション映画のように事件の当事者を追いかけ暗殺していく。

 

これもパレスチナの歴史を知っているのとそうじゃないのとでは、奥行きが全然変わってくる。だが逆に歴史を知らない人は、『この映画を観る為にそれだけの下準備がいる』という、ある種の贅沢な気分で前向きに勉強することを推奨する。これは、実話であり、そしてその奥行きはあまりにも深い。未だに、そこにある根本問題は未解決であり、それはかれこれ、1000年を軽く超えるあまりにも複雑な問題なのである。

 

実話、テロ、イスラエル、宗教

 

マイ・レフトフット

生まれつき脳性麻痺で左足しか動かすことのできない、重い重い障害を負ったクリスティ・ブラウン同名の自伝を映画化。ここまで重い障害の人の人生を直視するのは、強い精神力がいる。だが、心が整ったら一度は目を通すべきだ。彼の人生は我々の人生に、きっと大きな影響を与えるだろう。

 

病気、実話、絆

 

ギルバート・グレイプ

ジョニー・デップとディカプリオが出演するだけで貴重な作品。それだけに内容はこれくらい平凡な家庭をピックアップしてもいい。だが、この家族は確かにマフィアやヒーローではないが、平凡とも言い切れないようだ。知的障害がある弟。夫の死のショックで200㎏の肥満体系になった母。ギルバートはそんな『平凡で異常な世界』の中で、自分が大切にしたいものを必死に守り抜こうとする。

 

過激すぎる内容ということでもない。地球の危機が描かれるわけでもない。だが、見終わった後、そこに流れる音楽に包み込まれながら我々は、この作品との別れを惜しむことになる。

 

病気、絆

 

キャットウーマン

アン・ハサウェイのキャットウーマンもいいが、やはり彼女を乗りこなしているのはハル・ベリーである。10年以上前に観たときの印象はセクシー&クール。そして今回もう一度観てもその印象は変わらないという、時代を超えて通用するクレバーなエンタメが、この作品にはある。

 

女性、爽快

 

『12モンキーズ』

『セブン』と混同していたのか勝手に観た気でいた作品だ。だが、完全に初見だった。そしてその見応えは十分。まず音楽からして衝撃だった。この音楽がこの映画のBGMだったとは知らなかった。そしてこの映画は、1996年に存在するタイムスリップの雑な設定以外は、身の毛がよだつ強烈なインパクトを放っている。ブラッド・ピットの怪演もすごい。

 

2020年現在、コロナウイルスの恐怖が世界を包む中、この手の話は単なるSF作品ではない。

 

時間、音楽、ウイルス、精神、併せて(シャッター、Looper

 

『ピースメーカー』

この手の作品は現在『ミッション』や『007』が請け負っているため、今観ると新鮮である。それらの作品も大好きなのだが、これを観て別に彼ら以外がこうした内容を扱ってもいいと感じた。ロシアが核兵器を使ってテロを起こそうとしている。その構図はこの映画から20年以上経った現在でも通用する信憑性のある現実である。パクス・アメリカーナの世界図を変える可能性があるのは、ロシアか中国だからだ。

 

テロ、復讐

 

『フルモンティ』

一歩でもストーリーやセリフなどを間違えたら、一気に低俗なB級映画の烙印を押されることになる。そういうギリギリの綱渡りが続いて、しかし、中々崖下に転落しない。それは、ここに出てくる老若男女が、軽薄なようで、真剣そのものだからだ。人間は、命がけで一生懸命何かに取り組めば、それがどんな結果であろうとも、人の心を熱くさせるのだ。

 

馬鹿、絆

 

『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』

アベンジャーズ、ジャスティスリーグに対抗できるとしたら、この方向しかない。オスカー・ワイルドマーク・トウェインロバート・ルイス・スティーブンソンハーバード・ジョージ・ウェルズメルヴィル、錚々たる偉人たちがこの世に生み出した伝説のキャラクターたちが時空を超えて集結。興行的には失敗しても、内容的にはあまりにも贅沢な至高の作品である。

 

伝説、強力、併せて(アベンジャーズ、ジャスティスリーグ、コナンルパン


参考
『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』youtube

 

『8 1/2』

別題『フェリーニの8 1/2』。監督のフェリーニ「単独」による8作目の作品であり、フェリーニの処女作「寄席の脚光」でアルベルト・ラットゥアーダが共同監督をしたのでそれを「半分(1/2)」として加えると「8 1/2本目」の作品となる。それがタイトルの理由である。『市民ケーン』同様、この映画が面白いと言う人間は、玄人だ。

 

不思議

 

レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード

とにかく音楽の『Pistorero』(Juno Reactor)が格好いい。そしてジョニー・デップとW主演というだけあって、贅沢な映画だ。彼がマフィアにされた衝撃的な仕打ちが強く印象に残る。まだ映画に何の主体性もない当時の私でも、その衝撃的な映像だけは強く脳裏に焼き付いた。

 

復讐、音楽、ワンアポ(ハリウッド、アメリカ、メキシコ

 

『デスペラード』

メキシコの雰囲気がビンビン伝わるこの世界観の影響で、『リメンバーミー』でああいう展開があっても動じない。メキシコがどういう国か教えてくれたのが、この映画だ。前作の『エル・マリアッチ』は7000ドルという低予算で制作されたが完成度の高さから、当時無名であった監督ロバート・ロドリゲスを一躍有名にさせたという。これは二作目、そして三作目が『レジェンド・オブ・メキシコ』である。

 

復讐

 

『リベリオン』

この映画がどれだけ貴重な素材かというのは、下記に貼ったこのサイトの集大成記事を読まなければ理解できない。斬新で爽快なアクションだけ楽しんでもいい。だが、それよりも重要なのがこの筋書きである。人間を強力な『外圧』で統制していくことで世界平和をもたらす。それが人間として本当に正しい姿なのか、そして違うのであれば、どうすればいいのか。

 

おそらく、遠い未来でこの筋書きについて熟考しなければならない時が来るだろう。

 

Inquiryで導き出したもの、導き出していくもの(序)

絆、教訓、正義、終末、格闘、壮絶、

 

 

『M☆A☆S☆H』

MASHとは陸軍移動外科病院(Mobile Army Surgical Hospital)のことを指す。朝鮮戦争を舞台にする戦争映画なのに、戦争シーンがほとんどない。あるのはあるが、被害に遭った人々の体や手術の様子、キャンプ場などだけである。そして、まるで大学のサークルのような感覚で若い男女が様々なトラブルを起こす。これは、戦争映画じゃないのか。

 

全体を通して再考してみる。彼らはあえて戦争から遠いことをして、戦争行為を否定しているのかもしれない。だとしたらこれは支離滅裂なダークコメディではなく、反戦映画である。

 

朝鮮戦争

 

『ブロウ』

まさかこの映画にもあのコロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルが関係しているとは思わなかった。だとしたら彼を軸にした映画は多くあり、そのすべてが見応え十分の名作だ。これが実際にあった話だということも手伝って、その衝撃は強烈である。15年以上前にこれを観た時の印象は、ほとんど冷たいアウトロー映画だった。だが、知識と経験を積み、主体性を持ってもう一度観ると、見えない部分が浮かび上がって、逆に人間らしさという『温度』が伝わってきて、突き刺さった。

 

成長と膨張は違う。膨張ははじけるのが相場だ。

 

アウトロー、金、教訓、薬で成り上がれ(アメギャン、スカーフェイス、バリーシール、グッドフェローズ)運び屋(オーバードライブ、運び屋、バリーシール)パブロエスコバル(バリーシール、潜入者)実話

 

『パトリオット・ゲーム』

アイルランドとイギリスの歴史を知らないと、この映画の奥行きを理解することはできない。逆に知っていると、知ったその時からすでに映画が始まっているため、まるで歴史の一部、その延長線上を見ているような錯覚さえ堪能できる。なぜこのようなテロが起こったのか。そして復讐の連鎖は終わりがあるのか。

 

テロ、併せて(マイケルコリンズ

 

『モンスター』

15年以上前に観た映画は、やはりほとんどが『観たことがない』に等しい。だが、そんな主体性のない当時の自分の中にも、この映画が持っている壮絶でエネルギッシュな種は、植え付けられていた。この映画をもう一度観なければ後悔する。そう思った私の決断は、間違っていなかった。彼女を許すことはできない。だが、『赦す』のが愛だ。そして彼女もその愛さえ正しく理解できていれば、こんなことにはならなかった。

 

女性、性別不合、壮絶、実話、純愛、歪んだ

 

 

『ハート・ロッカー』

二度目になるのだが、前回は見ただけだ。『観た』のではない。本を読むのと『眺める』のが違う理由と同じである。前回はただイカれた男が爆弾処理をするという漠然としたイメージしかなかった。だが、やはり実際には全然違った。これは、人知れず人間が宇意味に生み出したこの世の混沌たる闇を処理する、孤高の勇者の物語である。

 

スナイパー、イラク戦争


参考
『ハート・ロッカー』youtube

 

『フルメタル・ジャケット』

この映画の主人公は一人ではない。どう考えたって、前半と後半で雲行きが違う。いや、確かに全体的には戦争という歪んだ現実に対する風刺である。悪く言えば大げさなのだが、これは映画だ。そういうエンターテインメントが観客を大いに喜ばせる。その意味で、やはりスタンリー・キューブリックという人間は、鬼才である。

 

狂気、衝撃、ベトナム、教官(愛と青春の旅立ち、セッション、戦めり


参考
『フルメタル・ジャケット』youtube

 

ハッピーデスデイ 2U

これは2作目であり、ハッピーデスデイはこの2つでセットの映画だと言っていい。一作目だけで終わると、正直単なる支離滅裂な意味なんてないワーギャー映画だが、2作目でその作品に奥行きができる。映画を論理的に解釈して楽しんでいる人にもつじつまの合う話を展開してくれる。思わず笑ってしまうユニークなポップさもあるし、10代にはバカ受けの映画となるだろう。

 

時間


参考
『ハッピー・デス・デイ 2U』youtube

 

『モネ・ゲーム』

一度観ていたはずなのだが、映画を真剣に観だしてからもう一度観ると、この映画の潜在能力を知ることができた。こんなにも爽快で、面白い映画だったとは。ただ面白い映画だけを見ていた時代に、なぜそう思えなかったのだろうか。それがきっと、映画の奥深さであり、魅力の一つなのだ。

 

絵(ミケランジェロプロジェクト、アデーレ、トランス)爽快


参考
『モネゲーム』youtube

 

『マイ・ベスト・フレンド』

通常、こうした形の映画は女性からの共感を得やすい。基本的に男は女性の『汚い部分』を見ようとしない。『女の本音』やムダ毛、浮気やヒステリックな姿を受け入れる用意はできていないのだ。だが、女性も単なる人間である。男が勝手に神格化した純白の天使ではないのだ。だが、今回ばかりは男も無関係ではない。それは、この映画で彼女たちが突き付けられるいくつかの試練と、それに必死に向き合う彼女たちの姿勢が、尊いからである。

 

女性、絆、病気、


参考
『マイ・ベスト・フレンド』youtube

 

『ベロニカとの記憶』

人間は往々にして、自分を正当化するものである。自分が正しいと思った情報に確信を持ちたいが為に、あえて自分の考えに近い人と話したり、本を読んだりする。そのほかの存在は、排斥するのである。これを『確証バイアス』という。では、この思い込みの力が、彼の人生にどういう影響を与えただろうか。

 

老人

 

『光をくれた人』

光をくれた人がいるということは、光を失った人がいるということだ。彼は彼女のおかげで光を得た。それは本当のことだった。だが、彼女は天使なのだろうか。いや違う。人間である。一人の女性であり、ただの人間にすぎない。そのことについて、人生で起こる思いもよらない出来事を通し、突き付けられることになる。だが、彼は愛したのだ。

 

では、愛とは一体なんだろうか。犠牲だろうか。命を与えることだろうか。かつて、光をくれた人にできることを、男は懸命に、探した。

 

孤独、純愛


参考
『光をくれた人』youtube

 

『最高の人生の始め方』

人間の人格が歪む原因は、その人が立てた人生の計画にある。つまり、最初から人生が自分の思い通りにならないと悟っていたなら、たとえ両手足をのこぎりで切断されても、人は動じない。それはブッダが教える境地である。だが、往々にして人はブッダではない。だからため息を多くつくし、そのたびに自分の命の灯が弱くなってしまうことを実感する。

 

では、その火はもう二度と元に戻らないのだろうか。いや、人生何が起こるか分からない。

 

老人、平和、リスタート

 

『わたしは、ダニエル・ブレイク』

そう言われても、この俳優が誰かも分からないし、役においてもその辺にいる頑固ジジイだ。だが、決して彼を嫌いになることはできない。彼は若い女性と親密になっても決して下心を出さないし、子供たちにもとても優しい。そんな、生きる価値のある人間が死んだ。それは一体なぜだろうか。この映画の結末で、ある一部の人間たちの背筋は、丸まったままでいることを許されない。

 

老人、金、病気、哀愁、教訓、

 

『とらわれて夏』

人を愛するということは、どういうことだろうか。まず『愛』の実態すら人間は永久に解明できない。何となくこういうものだろうという、漠然とした解釈が限界なのである。だが、確かに直感が大声で叫ぶときがあるのだ。ときにその瞬間は常識外れであり、多くの人の理解を得られない。だが、叫んでしまったのだ。それならばそこがその人にとっての、命を懸ける価値がある瞬間だ。

 

純愛、哀愁、リスタート、子供に悩む(ゆりかご、ガールトレイン、シャッターアイランド、光をくれた人


参考
『とらわれて夏』youtube

 

『31年目の夫婦げんか』

結婚生活も30年を超えると、どういう境地に入るだろうか。私が物心ついたときギリギリに祖父が死に、私が18歳になる前に父親が死んだから、私のごく身近でそれを見ることはできなかった。きっとその境地に入らないと分からないこともあるだろう。だが、一つだけ気になるのは、彼の意固地な性格である。ニーチェは言った。

 

リスタート、老人、頑固ジジイ


参考
『31年目の夫婦げんか』youtube

 

『ヴィンセントが教えてくれたこと』

どう考えても低俗で、自堕落に陥った偏屈なジジイがいる。むやみやたらに近づかない方がいいと誰もが思うし、事実、近づいた大人の多くが、彼の悪態にあまり良い思いはしなかった。だが、なぜか一人の少年にとっては、彼が違う存在に見えるらしい。曇りなき眼でよく彼を覗いてみる。すると、どうやらやはり彼は普通のジジイではないらしい。

 

病気、子供、感動、頑固ジジイ(最高の人生のつくり方、グラントリノ、最高の人生の始め方、ダニエル、モーガン人生)消しゴム(頭の中の


参考
『ヴィンセントが教えてくれたこと』youtube

 

『新しい人生の始め方』

人間は、麻痺する。決して悪い人じゃないのだけれど、なぜか人生で出る結果が悪いことがある。実はそれこそがその人が『善い人』である証拠だ。人生を数字的に、事務的に考えていない。『だから場当たり的に』人生を生きるのである。しかし、結果を捻出するためには時に計算と戦略が必要である。そうじゃないのならいつの間にか人生は、思い通りにならない展開で埋め尽くされているだろう。

 

では、もし老後になってそれに気づくのでは、もう手遅れなのか。いや、フォスディックがこう言っている。

 

リスタート、老人(ラストミッション、ファウンダー

 

『最高の人生のつくり方』

人生を器用に生きている人ほど、『成功者』という人間が決めた地位にたどり着きやすい。だが、金の所有と知性は足並みをそろえて進むわけではない。象られた地点にたどり着いたとしても、それがつまり人生の最高到達地点に到着したことにはならない。では、どうすればいいのか。それは、自分の身の周りを見渡すことである。そこに一つでも不幸の種があるなら、それはおそらく、自分が蒔いた種だ。

 

老後、平和、リスタート

 

『リンカーン弁護士』

弁護士や医者、警察や政治家。彼らは人間の作った法律のギリギリのところで、正義と倫理を熟考させられる。主体性がなく、同調・追従しているだけのアマチュア人間ならともかく、人の心が理解できる人格が整った人間ならなおのことである。では、もし自分の信念と、利益を天秤にかけられた時、自分ならどう行動するだろうか。多くの代償を払っても信念を取るか。それとも。

 

裁判、正義


参考
『リンカーン弁護士』youtube

 

ハーレイクインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』

複雑な心境である。いや、実に単純に、何も考えずに観られるようになったのは利点だ。だがそれ故に浅くなり、一部のファンだけが喜ぶ結果になったかもしれない。 彼女の魅力が最大限に発揮されるのは、ここで脇役化された『男』たちがメインで、しかしそれに囚われずに自由に躍動するときだった。だが、これはこれでいいだろう。彼女の世界観は個性であり、これがまた次の物語の奥行きを一層深くする。

 

アウトロー、女性


参考
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』youtube

 

『ジュディ 虹の彼方に』

1939年の『オズの魔法使』スターになったジュディ・ガーランド。しかし、彼女は金欠、薬物依存、そして鬱病にも似た神経症に悩まされていた。子供はいるが、離婚の数も多い。スター時代が第二の人生なら、これは彼女の第三の人生だ。『ラチェット効果』とは、一度上がった水準を下げると不幸を覚える人間心理である。彼女はそのラチェットのせいで苦しんだのか。それとも、他に何か理由があるのか。

 

非合理的であり、冷静ではない。どう考えても身勝手で、称賛できない。単純な言い方をすれば、扱いづらくて邪魔な存在である。では、一体誰がそう言うのか。一体誰の人生が模範的なのか。ニーチェは言った。

 

彼女は生きた。その事実を笑える人間は、存在しない。

 

哀愁、実話、女性


参考
『ジュディ』youtube

 

『Fukusima 50』

この映画で重要なやり取りはこれだ。『俺たちは何か間違えたのか?』ある男のこの問いかけは一事、聞き流される。だが、それはこの映画全体で『逃げた』わけではなかった。それはこの映画の最後に、思い知ることになるだろう。戦争を経験する祖母が、幼いその戦争時代以外で人生で一番驚いたニュースが、この東日本大震災だった。

 

 

自然、教訓


参考
『Fukusima 50』youtube

 

ある少年の告白

同性愛というのは、稀な存在である。同時に不思議で、実態が見えずにいて、当時はそれだけの理由で刑務所に入れられることも多々あった。イギリスなどでは特にそうだ。聖書を重んじる人にも毛嫌いする人が多い。私の母も美輪明宏、瀬戸内寂聴と聞いただけで差別的な相槌を打ったので、私と口論になったことがある。前者が性別不合で、後者が自分とは違う宗教の人間だからだ。

 

だからこそ、実態が見えづらい。つまり、私の母のような差別的な人間、そしてこの主人公の彼のような視野を持った人間は大勢いて、それが往々にして、性格的に偏っていて未熟である。ジャッジする人間が未熟なのだ。結局、彼らの存在が良いのか悪いのか、よく分からないという人が大勢いるのである。

 

しかし、私はただそれだけという理由では決めつけない。私が無宗教を貫くのも、偏った器の小さい人間になりたくないからだ。では、理解者なのか。そうとも言えないだろう。しかしこのような映画を通して真剣に考えることはできる。

 

性別不合

 

リグレッション

1980年代以降にアメリカ各地で悪魔崇拝者たちによる儀式が執り行われ、社会問題になった。人は、ある程度の拷問を受けた後、火傷しそうな熱い釘を見せつけられ、目隠しをされて鉄を肌に押し付けられると、その釘を押し付けられたと錯覚し、火傷を負ってしまうことがある。それが『冷たい釘』でもである。これが思い込みの力だ。では、悪魔崇拝とは何か。これは、実話である。

 

実話、精神

 

ロリータ

「ロリータ・コンプレックス」、つまり『ロリコン』とは、この映画の原作から生まれた言葉である。少女を愛してしまう中年男性のこの物語から生まれたその言葉は、今はもうこの世界にすっかり浸透し、ある種の軽蔑的なニュアンスを込めて、言い放たれることが多い。では、なぜ彼は少女を愛してしまったのか。その理由は、物語の最初の段階で明らかになる。

 

少女の存在(レオン、エスター、キャリー、キックアス、マリー、ハンナ、ネオンデーモン

 

君の膵臓をたべたい

10代の男女の時間を切り取ったのだから、この映画が強く響くのは10代である。では、それ以外の層は退屈なのか。一概にそうとは言えない。それは、病を負った、うら若きこの少女の取った選択肢が、普遍的かつ、感慨深いからである。

 

松田優作は言った。

 

病気、時間

 

ブリジット・ジョーンズの日記』『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月

10代の多感な時期の男である私からすれば、対極にある映画だった。男はガールズトークをしない。それはテストステロンという男性ホルモンも強く影響している。だからこそ彼女の友達にはゲイがいるわけだ。女性の人生にはお喋りの相手が必要でも、男性にはそうでもない。それが男女の差異である。だが、あれから随分経った。私の視野も広くなった。この映画は、確かに一度見ておくべきである。男女全員が、人間なのだから。

 

リスタート

 

真夜中のゆりかご

真夜中の車道のど真ん中で、ベビーカーが道を塞いでいる。そういう状況がホラー的なシーン以外であるとしたら、それはあまりにも深刻な、遭遇したくない状況である。この映画と併せて観るべき映画がある。『ゴーン・ベイビー・ゴーン』である。奥行きが何回層も深く、見えることだろう。

 

合わせて(子供の運命・ゴーンベイビー、禁じられた、ノウイング、ブラバン、ぺっせめ

 

ヒート

アマプラによく出ていて無料だから、という理由でなぜか食わず嫌いしていた。どうせつまらないだろうという先入観に支配されていたのだ。だが違った。『名作だからこそ、多くの人に見てもらいたいからこそ、無料』だったのだ。アルパチーノ演じる刑事中の刑事。そして、デニーロ演じる冷静沈着な隙のないマフィア。彼らは水と油だ。交じり合うわけがない。だが、物語は最後、哀愁ある熱い展開で締めくくられる。

 

アウトロー、警察と悪(アメギャン、LA、バッドボーイズ、ワイスピ、アンタッチャブル、パリより、ダイハード、トレーニング、フェイクシティ

 

キング・オブ・コメディ

現代を生きる人なら誰もがこの映画を観て思い出す映画がある。『JOKER』である。とても贅沢な感覚を味わうことができる。なぜならJOKERのスピンオフを見たような、奥行きを見たような、そういう感覚を覚えることができるからだ。間違いなく、この二つの映画は併せて観るべきだ。

 

合わせて(JOKER

 

『アフリカの女王』

『アフリカの女王』。それは、人間の女性ではない。船の名前である。では、なぜ船の名前がタイトルになるのか。そこが重要である。彼女たちはその船に乗る必要があった。もうそれしか、生きる目的が見当たらなかったのだ。しかし男性は違う。そんな形の違う男女が、旅の最中に恋に落ちる。ボギーの映画で好きな映画をあげるなら、『カサブランカ』かこれである。

 

冒険、アフリカ(Power、アミスタッド、ルワンダ、ブラッドダイヤ、マンデらの、インビクタス、遠い夜明け、カルタゴ、クレオパトラ、カサブランカ)

 

『アラバマ物語』

戦前の米国映画は、「ボーイ・ミーツ・ガール」という典型的な法則に支配されていたという。つまり、一人の青年が一人の少女に会い、恋に落ちる。そこへごたごたが起きて二人の仲はピンチになるが、その危機は克服され、二人はめでたく結ばれる。というハッピーエンドである。

 

1950、1960年と時代をつないで積み重ね、この映画は1962年に上映された。だからかは分からないが、やはりこれより一昔前の時代の名作映画と比べると、物語に深みがあり、切り取る角度に違いがある。アラバマ州とは、ミシシッピの隣である。つまり南部だ。アメリカ南部と聞いてすぐに思い出すのはなんだ。そう。黒人差別である。差別映画は多いが、古い映画ほど当時の記憶が生々しく反映されている。

 

だが、それと同時にこの映画の主役は子供たちである。だからこそ、単なる差別問題を提起する映画に留まらない。この映画はどこか哀愁漂う、『アラバマ物語』なのである。

 

裁判、黒人、正義、子供

 

素晴らしき哉、人生!

1946年、戦後すぐの映画としては、展開が読めずに見応えがある。現代人が見ればもちろんチープさが目立つし、クオリティは低い。だが、それはクリエイティブな部分の話で、内容、そして作品で訴えるメッセージそのものは、普遍的かつ不変的である。これは間違いなく時代を飛び越えて生き続ける映画と言っていいだろう。

 

Xmas、教訓、絆

 

『黄昏』

戦前の米国映画は、「ボーイ・ミーツ・ガール」という典型的な法則に支配されていたという。つまり、一人の青年が一人の少女に会い、恋に落ちる。そこへごたごたが起きて二人の仲はピンチになるが、その危機は克服され、二人はめでたく結ばれる。というハッピーエンドである。

 

これは1952年の戦後の映画だ。だからこの法則を逸脱する動きを意識しているのか。とにかくそう単純な映画ではなく、中々哀愁のあるラストシーンを展開してくれる。当時を生きた人間だから明言はできないが、映画というものも他の一切のものと同じように、試行錯誤で、日進月歩、積み重ねて模索してきたはずである。だからこそ例えば現在は、過去のリメイク作品が多く、彼ら曰く、『もうパターンをやり切った』という。

 

つい、古い映画を観ると作品のクオリティというよりは、そうした裏の背景を想像してしまう。こうやって、積み上げてきたのだと。

 

哀愁

 

『マルタの鷹』

ロドス及びマルタにおけるエルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会、通称マルタ騎士団は、キリスト教カトリックの騎士修道会である。歴史的な背景が深くて中々興味深い。十字軍、スペイン、ナポレオン。これだけの有名なメンツが関係するそのマルタ騎士団にはある秘密がある。それが『莫大な資産価値のある鷹の置物』だ。何億か、何十億か、現在の価値に換算するとどれほどになるのか。その鷹を巡って様々なトラブルが起きてしまうことになる。

 

『カサブランカ』

戦前の米国映画は、「ボーイ・ミーツ・ガール」という典型的な法則に支配されていたという。つまり、一人の青年が一人の少女に会い、恋に落ちる。そこへごたごたが起きて二人の仲はピンチになるが、その危機は克服され、二人はめでたく結ばれる。というハッピーエンドである。

 

これもその「ボーイ・ミーツ・ガール」という法則で考えてみると、確かに傑作というわけでもないが、当時からするとかなりシビれたはずだ。そういう雰囲気が漂っている。きっとこの頃はまだ娯楽がそう多くなく、映画のパターンも少なく、これが相当イケてた。古い映画を観る際は、少しそういった心構えで観た方がよさそうだ。

 

だが、これはその法則で考えると少し角度が違ったパターンの映画だ。この時代にしては、なかなか格好いい。

 

 

 

或る夜の出来事

戦前の米国映画は、「ボーイ・ミーツ・ガール」という典型的な法則に支配されていたという。つまり、一人の青年が一人の少女に会い、恋に落ちる。そこへごたごたが起きて二人の仲はピンチになるが、その危機は克服され、二人はめでたく結ばれる。というハッピーエンドである。

 

私はいくつかのこのあたりの時代の映画を観たが、特に傑作には見えないのに、歴史的であるというところに、『何かがある』と推測した。するとやはりそのような法則があって、時代を生きた人々の心理もあって、様々な要素が絡み合って、エネルギーを生み出したのだろう。調べたらそういう事実が分かった。だが『麗しのサブリナ』よりはまだ見応えがある映画だ。

 

合わせて(アラジン、ローマの、パイレーツ

 

『雨に唄えば』

良い映画かどうかが決まるのは、『どれだけ心が動かされたか』というところが大きなポイントの一つである。この映画は、『Singin’ in the Rain』だけが見どころなのかと思っていたら、全く違ったようだ。これだけのクオリティのものを仕上げるためにどれだけの苦労が必要か。それは、少しでもクリエイティブに携わったことがある人なら誰もがよく分かることである。

 

この映画にもし何かが欠けていると思うなら、それは単なる『時代のズレ』だ。これは、映画界に残る不朽の名作である。

 

音楽、ミュージカル、爽快

 

『麗しのサブリナ』

『ローマの休日』に次ぐヘプバーンのヒット作であり、泣く子も黙る『ボギー』ことハンフリー・ボガートが出演するわけだが、私はローマの方がぐっと来るものを覚えた。よくは分からないが、トップスターが出ているというだけでヒットしたのではないだろうか。違うかもしれないが。

 

 

『市民ケーン』

英国映画協会が10年ごとに選出するオールタイム・ベストテンでは5回連続で第1位に選ばれ、AFI選出の「アメリカ映画ベスト100」でも第1位にランキングされている。現在を席巻する世界の監督もこの映画に影響を受けたという人が多く、期待値は高くなる。だが、現代人がどこまで理解できるかだ。少なくとも私には、あまりよく分からなかった。おそらく、玄人にしか分からないようなその他の要素があって、そういう評価なのだろう。

 

実話

 

『サイコ』

10代の頃に恩師から『音楽も前振りもなしに急に襲われるシーンがあって、本当に怖い』と聞いていたので、以前見たはずなのだが、内容を把握したのは今回である。とにかく人間は、映画も勉強も、主体性がなければ内容を理解することはできない。では、今の私がこの映画を理解しながら観るとどうなるか。残念ながら、展開は読めてしまった。1500本映画を観ているから、逆に読めない映画が昔にあるならすごい。だが、もしこの映画に多くの監督がインスパイアされて現在に繋がっているなら、これはとても貴重な作品である。

 

狂気、精神

 

『地獄の黙示録』

有名なワグナーの『ワルキューレ』のシーンをようやく聴くことができた。なぜこの音楽がヘリから流れているのか想像ができなかったが、なるほどそういうことだったのか。1979年度のカンヌ国際映画祭で最高賞であるパルム・ドールを獲得し、アカデミー賞では作品賞を含む8部門でノミネートされ、そのうち撮影賞と音響賞を受賞した戦争映画の名作を、一度は見ておきたい。

 

ベトナム(ランボー、プラトーン、山猫、グラントリノ)、音楽

 

『禁じられた遊び』

人は死ぬギリギリまで『綺麗だ』と感じることができるという。つまり、人間は綺麗なものに異常なまでに執着し、汚いものは見ようとしない。それは確かに、人がこの儚い人生を力強く生きていくための、知恵でもあるだろう。であるからして、我々はこの映画で最初にあるシーンを、忘れようとする。だが、そうはさせない。エンディングで我々は、映画からそういうメッセージを受け取ることになるだろう。

 

子供、哀愁

 

『天使のくれた時間』

天使のくれた時間。それは確かに、この映画のポスターのこのワンシーンでもある。だが違う。それだけではない。このワンシーンを作りだしたのは彼であり、彼にそうさせたのが、天使なのである。それは一体どういうことなのか。この映画で一体彼の身に何が起きるのか。我々は人生をやり直すことはできない。だが、人生を深く考察し、真理を見つけて現状と天秤にかけ、自分の生き方を今すぐやり直すことは、誰にでもできるのだ。

 

教訓、純愛、Xmas(ホリデイ、ほむあろ、ラブアクチュアリー、ブリジット

 

『パワー・オブ・ワン』

イギリスという国は、とにかく世界各地に手を伸ばした。北アメリカ大陸もそうだし、このアフリカ大陸もそうだった。その後、アパルトヘイトが始まって、黒人たちは差別された。白人が支配者であり、上に君臨する権利があり、黒人はその対極の存在である。こうした思想はイギリスでは「白人の責務」、フランスでは「文明化の使命」、アメリカでは「マニフェスト・デスティニー」(明白な天命)などと呼んでいたのである。

 

では、我々人間には、本当に格差が存在するのだろうか。いや、運動能力だけで言えば、黒人のそれが圧倒的に上ではないか。何をもってしての上下なのか。なぜ彼らは差別をするのか。この世に人間が存在したときはみな平等だった。そして、人間が勝手に法律を含めた社会制度を作り、ルールを決め、道を作って、その創造主を演じて、思い上がっているのだ。

 

イプセンは言った。

 

この世の理不尽に立ち向かい、真理から目を反らさなかった人々の勇気の炎を、見よ。

 

イギリスの歴史、子供、収容所、黒人、理不尽、衝撃

 

『きっと、うまくいく』

『その国のいい映画』とは、歴史映画でもないのにその国の歴史や息遣いが観える映画である。『パラサイト』などもそうだ。韓国でしか作れないエンタメ性がそこにあった。インドは何かと負のイメージが強い国であり実態も見えづらい。だが、私はこの映画を通してインドの『正道』を見た。この映画はインドにとっての宝物だと言えるだろう。

 

教訓

 

否定と肯定

アーヴィング対ペンギンブックス・リップシュタット事件。それは、『ナチスによるホロコーストの有無』について戦った、裁判の話である。アウシュビッツであったことはあまりにも凄惨。おそらく未来永劫それが具体的に映像化されることはない。『シンドラーのリスト』の描写が限界である。これは、その『実態が見えない』事実に噛みついたあまりにもお粗末な、愛のない人間と戦う物語である。

 

実話、正義、裁判(アデーレ、アイヒマン、愛を読む人、アミスタッド、クロムウェル、アメイジング、東京裁判、ビッグ愛、シビルアクション、HERO,ソロモン

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アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男

1950年代後半のドイツ。つまりナチス・ドイツが仕掛けた第二次世界大戦の後のドイツでは、ある男をどう処分するかということについて、大きな権力同士が命がけの衝突をしていた。アドルフ・アイヒマン。それは、ヒトラー、ヒムラー、ハイドリヒに次ぐナチスの最重要人物。ホロコーストに関与し、数百万人におよぶ強制収容所への移送に指揮的役割を担った男である。

 

だが、戦争が終わってもナチスの残党は残っている。彼を裁くのは容易ではない。だが、彼はどうしてもこの国の過去と向き合う必要があった。それはこの国の未来を本当に望んでいたからだった。

 

 

実話、正義


参考
『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』youtube

 

『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』

ユダヤ人大量虐殺の実権を握り、その冷酷さから「金髪の野獣」「プラハの屠殺者」と呼ばれたラインハルト・ハイドリヒ。彼は、ヒトラー、ヒムラーに続くナチスの大物だった。チェコスロヴァキアを占領するハイドリヒ。彼は平気で無実の人を数万人単位で殺害する、暗殺の対象に相応しい狂人だったのだ。では、彼を野放しにしていいのか。だが彼に逆らうことは命の終わりを意味し、たとえ彼を倒してもその代償はあまりにも大きい。報復としてまた数万人の無実の人が殺されてしまう。

 

一体どうすればいいのか。その時、数人の男たちがある決意をした。

 

実話、衝撃、革命、命の


参考
『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』youtube

 

さよならアドルフ

1945年、第二次世界大戦後のドイツ。既知の通り、ナチス・ドイツは滅んだ。だが、ただ戦争に負けてそれだけということではない。この世界的混沌を引き起こした主犯である日独伊三国同盟の国々は、それ相当の重い荷をその肩に背負って生きていくことを強いられた。日本の戦後を生きる子供の話が『火垂るの墓』なら、これはそのドイツ版だ。

 

女性、ナチス、併せて(火垂るの墓


参考
『さよなら、アドルフ』youtube

 

シャトーブリアンからの手紙

ナチスがこの世界を恐怖に陥れた時代、ナチス占領下のフランス。1人のドイツ人将校暗殺の代償としてアドルフ・ヒトラーが150人のフランス人捕虜に銃殺を命じた。あの時、収容所で悲惨な目に遭ったのはアウシュビッツの人々だけではなかった。

 

実話、収容所、理不尽、ナチス


参考
『シャトーブリアンからの手紙』youtube

 

私の頭の中の消しゴム

もちろん問題は残る。『ロング、ロングバケーション』のように高齢でアルツハイマーになった場合と、この場合は違う。若いからこそ美化されるところもある。だがあえてそれを除いて考えた場合、ここにあるのは切なく、儚い純愛である。もしこの映画を好きな人がいる時に映画館で観たのなら、私は間違いなく最後まで席を離れることはできなかっただろう。

 

教訓、病気、エンドロール、哀愁、記憶系(リピーテッド、瞳の中の、デスノート、メメント、ロングロング


参考
『私の頭の中の消しゴム』youtube

 

ニュートンナイト 自由の旗をかかげた男』

歴史を少し勉強すれば、あのアメリカ史上最も愛されたはずの大統領リンカーンが、奴隷解放というのは名ばかりで、黒人奴隷問題に対してはそう強いこだわりがなかったという事実にたどり着く。確かに形はとても必要だ。それはカースト制度が廃止された事実と似ている。根深い問題はそう簡単には消えない。だが、渦中にあって彼らと共に戦った真の平和主義者がいたのだ。ニュートン・ナイトその人である。

 

実話、偉人、革命、併せて(南北、リンカーン系、KKK


参考
『<b>ニュートン</b>・<b>ナイト</b> 自由の旗をかかげた男』youtube

 

『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』

視聴者リクエストナンバーワンの映画だからとかそういう理由では私の心は動かない。だが、確かにこの作品は他のコナン作品と比べて、心がぐっと動かされるシーンが多くあり、女性のファンなども感動することができるだろう。私は『怪盗キッド』や『YAIIBA』時代から彼の作品を観ている。まだまだ彼の作品は終わらない。

 

純愛、


参考
『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』youtube

 

アバウトタイム ~愛おしい時間について~』

これは残念ながらポスターの写真で機会損失を起こしている。タレントの梨花が馬鹿笑いしている顔に似ているのだ。私は別に彼女が嫌いではないが、彼女はロンブーなどとこの顔で馬鹿笑いしている印象があるので、なぜかこの作品も低俗だという印象が出てしまっている。しかし実際には違う。これはこのポスターからは全く想像できない展開を見せることになる。そして誰もが、今日という時間の過ごし方について、考えさせられるだろう。

 

時間


参考
『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』youtube

 

野性の呼び声

これはハリソン・フォードのイメージにある冒険映画ではなく、犬が主人公だ。最初からそれがわかっていればこの世界に入りやすいだろう。1903年に出されたこの物語はこれで6度目の映画化だという。また、『ゴールドラッシュ』という当時の歴史も押さえておきたい。アメリカ大陸を白人が開拓したとき、金の採掘に躍起になったのだ。そんな時代の物語である。

 

自然、動物(


参考
『野性の呼び声』youtube

 

リメンバー・ミー

もしこの世に音楽がなければ、この世は実に閑散としたものになるだろう。だがそれはなぜか。音楽がなくても海や山や森や動物や昆虫や草木があり、太陽が照らせば温かく、冬もコントラストとして立派な要素として存在している。理由は一つだ。人間には心がある。その繊細で複雑な心が、音楽を必要とするのだ。この儚い人生に楽しい意味をもたらす。我々はそういう音楽がとても、大好きである。

 

芸術


参考
『リメンバー・ミー』youtube

 

ランペイジ 巨獣大乱闘

これもそうだし『ジュマンジ』『センター・オブ・ジ・アース』などの作品は、私が子供だったら喜んで観ただろう。だが、わざわざ大人の男が一人で観るような映画ではない。ただ、子供が観たいと言えば一緒に観て楽しむ。そういう映画もこの世には必要である。『ドラえもん』や『ドラゴンボール』など、私はよく親と観に行って楽しい時間だったことを覚えている。

 

怪物


参考
『ランペイジ 巨獣大乱闘』youtube

 

奇蹟がくれた数式

シュリニヴァーサ・ラマヌジャン。それは、インドの天才数学者で、数学を知る人ならだれもが知る人物である。あの核廃絶に対する共通の想いから親交のあったあのアインシュタインと「ラッセル=アインシュタイン宣言」を打ち出したバートランド・ラッセルも登場する、貴重な作品だ。彼らは接触していたのである。

 

実話、天才、偉人、人種、病気


参考
『奇蹟がくれた数式』youtube

 

ミスト

ある時、街に妙な『ミスト(霧)』がかかった。血だらけの男曰く、その霧の中には何かがいて、襲い掛かってきたというのだ。私がもう少し経験がなければ、この映画を単なるSFの一種だとして片づけただろう。だが違う。想像力を働かせるのだ。すると、この話を完全否定することはできないことを知り、物語に信憑性が増してくる。あなたがこの立場に陥ったらどうするだろうか。

 

そして、『宗教がどのようにして広がっていくか』ということについても、客観視できる。

 

宗教、意外、衝撃

 

ウォーターワールド

もし温暖化が進んで北極・南極の氷が溶けた場合、海面が上昇し、この世界は海だけになる。そんな世界で生きていくとしたら、彼らにとっては『陸地』がパラダイスとなるのだ。しかし、陸地でしか生きられない人間は逆のことを想うだろう。これは、人間がこの世界で生きていくためには、多様性を軽んじてはいけないことを意味するのだ。

 

孤高、併せて(マッドマックス

 

 

ラブ・アクチュアリー

正直に言おう。これが光であるなら、私は闇にいた。だから公開当時の私には無縁の話だった。観たが、何一つ内容を覚えていなかった。あれから随分経った。多くを学び、多くの失敗をした。その上でもう一度この映画と向き合った時、私はこの映画がこの世界に存在するべき作品だと、確信したのだ。

 

安心、恋

 

『エルネスト もう一人のゲバラ』

彼を『もう一人のゲバラ』と言うのは大げさすぎである。だが、それは彼という人物が実在したことに対する敬意であり、彼と共に確実に時を過ごした戦友たちからすれば、寸分狂わぬ事実なのだ。誰よりも勤勉で真面目だった彼が、なぜわずか25歳という若さでこの世を去らなければならなかったのか。衝撃の最期を、見逃すな。

 

実話、併せて(ゲバラ系、キューバ危機系)、命の


参考
『エルネスト もう一人のゲバラ』youtube

 

フィフス・エレメント

フィフス・エレメント。それは『5番目の要素』である。では一体なんの話をしているのか。それは物語の冒頭ですぐに理解るようになっている。時は2263年。ずいぶんと進化して様変わりした世界を舞台に、物語は繰り広げられる。だが、どんなことがあろうが未来永劫そこに人間がいる限り、大切な要素は、変わることはないのだ。

 

ロング・トレイル!

確かにこれは、とても渋い内容だ。だが、だからといってこれを避けて通るのは無知であり臆病だ。若い時代が永遠に続き、未来永劫今の自分の生活スタイルが崩れないと過信している。そんなはずはないのである。そこまで考えた時、我々はこの映画に対する心構えが整っている。登山をしたことがあるかどうかも問われる。わかる人にしかわからない、人生が詰まったドラマだ。

 

自然、老後(ロンバケ、最高の人生の、龍三、あなたへ


参考
『ロング・トレイル!』youtube

 

ビッグ・アイズ

目の大きな人物の絵画で知られているアメリカ合衆国のアーティストであるマーガレット・キーン。だが実は彼女のその絵は、『違うキーン』が描いたこととして世に知られていた。才能があるのは彼女だ。だが、『別の大きな才能』を持っていたのはもう一人の人物だった。これは教訓映画でもある。良いものを作る人間が必ずしも売れているとは限らない。そんな世界を渡っていくために処世術が必要なことも、この騒動の原因なのである。

 

女性、実話、偉人、教訓、金


参考
『ビッグ・アイズ』youtube

 

ディーン君がいた瞬間』

1955年のハリウッド。24歳という若さでこの世を去ったスーパースターがいた。ジェームズ・ディーンである。彼は言った。

『エデンの東』、『ジャイアンツ』、『理由なき反抗』といくつもの名作を残した彼は、その言葉通り彗星のごとく現れ、そして去っていった。なぜ彼はこの若さで達観にも似た境地に達していたのだろうか。我々は、ハリウッドの輝く星のような宝を早くに、失っているのである。

 

実話、偉人


参考
『ディーン、君がいた瞬間(とき)』youtube

 

スキャンダル

FOXニュースの創立者で元CEOのロジャー・エイルズのセクシャル・ハラスメントに対する女性職員の告発を描いている。ジョージ・エリオットは言った。

 

アメリカでは体毛や体臭がある女性が増えているという。強気に意見を言う女性も日本以上に大勢いるように見える。だが、それでもまだまだ多くの問題を抱えている。例えば、今回のような問題である。

 

女性、実話


参考
『スキャンダル』youtube

 

プロミスト・ランド

『エコロジカルフットプリント』とは、『人間が地球を踏みつけた足跡』である。環境破壊。地球のことを考えたら人間なんて本当はいない方がいいという意見もある。例えば、原発はどうだ。あっていいのか。悪いのか。では『シェールガス』はどうだ。2013年2月、米国での天然ガス生産は2012年にロシアを超え世界最大になった。実に、世界の3分の1を生産していることになるわけだ。アメリカは2020年までに輸出国になると予想されている。

 

そんなアメリカ人を筆頭としたすべての『地球の住民』は今、環境問題について熟考しなおさなければならない局面を迎えている。

 

自然、意外、教訓


参考
『プロミスト・ランド』youtube

 

パディントン(2)

ヘンリー・ミラーは言った。

 

もし、この世に残せる映画に限りがあるとしたら、どのようなものを選べばいいだろうか。非日常的な展開が楽しめるマフィアの映画?欲望を刺激する爽快なアクション映画?いや違う。それは、パディントンのような映画だ。

 

安心、ニコール・キッドマン(ペーパー、ワイドシャット、パーティで、王妃、アラビア


参考
『パディントン』youtube

 

ハッピーデスデイ

ホラティウスは言った。

 

では、あなたは彼の言うように人生を生きることができているだろうか。この彼女の場合も、そうとは言えなかった。この世界は自分を誤魔化すツールがたくさんあって、内省の時間を作れない人が圧倒的に多い。では、どうやったら人は内省できる?例えば、こんなことが起きたら、どうだろうか‥。

 

合わせて(オールユーニードイズキル


参考
『ハッピー・デス・デイ』youtube

 

『HUNGER/ハンガー』

この映画を観る時は事前にいくつかの知識を入れておくのがいいだろう。どういう意図でこの映画があるのかを知る必要がある。これは実際にあった話だ。北アイルランドがイギリスにどのような仕打ちを受けたのか。そして、その事件で踏みにじられた『人の命』は、どれくらい重いのか。彼らの生きざまと覚悟から伝わる、命の重みを見よ。

 

イギリスの歴史、命の使い方、牢屋(シンドラー、プリズン、グアンタナモ、ショーシャンク、あめひす、大脱走、マルコムX、グリーンマイル、読む人、ライフイズビューティフル、


参考
『HUNGER/ハンガー』youtube

 

あと1センチの恋

失ってから気付くことは多い。私も父親を早くに亡くし、私の身近にいる知人は幼少期に兄を亡くした。そういう例は周りにいくつもあって、中にはいまだにその『空いた穴』を塞ぐことで精いっぱいの人もいる。我々は失ってから気付く、愚かな生き物だ。だが、それでも生きている限りは、何度でもやり直せる。人間、自分に素直に生きるということに、遅すぎるということはないのだ。

 

純愛、すれ違う・めぐり合う恋(あの夏、ヤングアダルト、ウォールフラワー、プレイブック、愛を読む、レディバード、ホリデイ、愛と青春の旅立ち


参考
『あと1センチの恋』youtube

 

セブン・シスターズ

普通、この手のSFものはB級作品になりがちである。だが、そうはならない。主役の彼女がこの難しい役を見事の演じ切り、展開、音楽、シナリオのクオリティの高さと相まって、とても見応えのある緊張感を作り出している。主役をトム・クルーズが務めていてもおかしくない設定だ。そして教訓性も高い。これは、単なるSFの中の妄想物語ではない。

 

女性、教訓

世界にひとつプレイブック

少女漫画でウケる内容が、少年漫画でウケるとは限らない。もちろんその逆もしかりだが、とにかくあまり恋愛を前面に押し出さないでもらいたいのだ。男女のことだ。男も十分楽しめる。そして、私はあまりこういうストーリーを恋愛ものだとは考えない。人間である以上、すべての人に共通する、愛の物語である。

 

病、リスタート


参考
『世界にひとつのプレイブック』youtube

 

『容疑者、ホアキン・フェニックス』

事情を知らなければこの作品の意味が分からないかもしれないが、私は知ってしまっていたので、ところどころで大爆笑して観てしまった。笑ってはいけない環境だからこそ人は笑ってしまうというが、これだけのことをやってのけた彼だからこそ、『ジョーカー』があり得たのである。

 

不思議


参考
『容疑者、ホアキン・フェニックス』youtube

 

『ウォールフラワー』

あるところにウォールフラワー(壁の花)のように、目立たない少年がいた。だが人間には理由がある。彼がそういう生き方をする人間になった理由が、ちゃんとあるのだ。だが、彼はそれに気づいていないらしい。『最初から』そういう人間だと言い聞かせていたのだ。では一体なぜそんなことを。どうして自分の心に蓋をするような真似をして生きているのか。

 

この世界には様々な人間がいて、その人間の分だけ事情があり、生きた環境がある。一つだけ言えることは、この世界には素晴らしいものもたくさんあるということだ。例えばウォールフラワーの花ことばである『逆境にも負けない強い愛』のように。

青春、リスタート、精神


参考
『ウォールフラワー』youtube

 

MERU/メルー

普通の人は『富士山』の前で絶句する。だが、その先を行くとそこに立ちふさがるのはあの世界最大の山『エベレスト』だ。しかし、この世界にはまだまだ上がある。インドのヒマラヤ山脈のメルー峰。その中で、『シャークス・フィン(サメのヒレ)』での登頂をすることは、エベレストを制覇したような猛者中の猛者でも最大級の困難を極める。

 

寒すぎて手足の感覚がない。手や足が濡れたままだと塹壕足(ざんごうそく)という腐った状態になる。そんな中、意識を正気に保ちながら、数々の試練と責任を背負いながら、その目標を本当に達成できるか。いや、できない。普通はできないのだ。しかしそれを成し遂げた男たちがいた。

 

自然、命の使い方


参考
『MERU/メルー』youtube

 

愛を読む人

普通愛は、『読まない』。伝えたり、育み合ったりするもので、読むのは『本』だ。では、一体なぜ彼は愛を読むのだろうか。何か事情があるのだろうか。そう。読んだ相手に事情があるのだ。彼は彼女を愛した。しかし彼女には『愛を読む必要』があった。それは届くか。それとも届かないか。いずれにせよ彼らはとても数奇な人生を歩むことになりそうだ。

 

哀愁


参考
『愛を読む人』youtube

 

1917 命をかけた伝令

1917年4月6日、第一次世界大戦最中に、イギリス軍はある重要な指令を部隊に届ける必要があった。通信手段がろくに揃っていないこの時代、伝令兵の存在は重要で、それ次第では多くの人間の命が無意味に失われることもあった。

 

I(想像力)×V(臨場感)=R(リアリティ)。我々はIとVの数値を引き上げることによって、映画体験をより自分の人生の糧にすることができる。では、もし『戦場』でVの数値をここまで引き上げたらどうなるか。我々はこの映画で戦場の新境地を見ることになる。

 

実話、戦争、衝撃


参考
『1917 命をかけた伝令』youtube

 

世界一キライなあなたに

男は『胸キュン』映画など観ない。少女漫画に出てくる描写は、少年漫画には出てこないのだ。だが、どうもこの映画は、単なるラブストーリーではないようだ。もし自分が彼らの立場になったら、どうするだろうか。この映画の結末に賛否両論があるのは、人の命があまりにも、尊いからだ。そして尊いからこそ、深遠なのだ。

 

病気、純愛、命の使い方


参考
『世界一キライなあなたに』youtube

 

愛と青春の旅だち

私はしばらく探していた『粋な教官』を、この映画でようやく見つけることができた。まだ映画を真剣に観ていない頃、しかしそのシーンだけは心に刻まれていたのだ。それがこの映画だった。なぜか古い映画には、それだけで低いクオリティだと決めつけてしまうところがある。だが違う。不朽の名作というのは、やはりどれだけの歳月が経っても、人の心を揺り動かすのである。

 

純愛

 

ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命

1963年、ケネディ大統領は暗殺された。日本ではなじみはないかもしれないが、当時のアメリカでは彼も彼の妻のジャクリーン・ケネディこと『ジャッキー』もとても有名で、あの頃の彼女の心境が観れるとなれば、大勢の人が興味を抱くのである。あの時、ホワイトハウスと最も近い存在であった彼の家族は一体どういう心境だったのか。

 

1960、ケネディ


参考
『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』youtube

 

『大統領の執事の涙』

かつて黒人は白人の奴隷であり、『所有物』だった。だからどう扱っても関係ない。強姦しようが、射殺しようが、『物』を扱うように扱えばいい。‥今の表現を見ただけで虫唾が走る人は、『正常』である。だが、彼らの歴史は根深い。そして、黒人を忌み嫌うKKKのような集団は、現在進行形で存在する。

 

この映画は、1950年代のアイゼンハワー大統領から、2009年のオバマ大統領までに至るまでのアメリカの歴史が見える、教訓映画でもある。マルコムXもキング牧師も殺され、ケネディは兄弟そろって暗殺された。ベトナム戦争、ウォーターゲート事件。様々なことがあった。それを黒人に執事目線で見ることができる、貴重な作品である。

 

KKK,黒人、ケネディ、1960


参考
『大統領の執事の涙』youtube

 

黄金のアデーレ 名画の帰還

1998年のロサンゼルス。一人の女性がこの世を去ったことによって、ある遺産について検討しなければならなかった。残された女性は、それをオーストリアからアメリカに返還するべきだと考えた。なぜなら、それが本来の持ち主の意向だからだ。だが、その遺産である『絵画』は、そのあたりにある美術品とは一線を画す代物だった。『オーストリアのモナリザ』とも言われる国宝級の絵画だったのである。

 

かつて、ナチスはユダヤ人の命を侮辱した。そしてそれだけじゃなく、彼らの持っていた値打ちのあるものをすべて取り上げ、自分のものにしていたのだ。あの時代が犯した大きな罪を、清算しなければならない。しかしそれだけのお宝だ。あらゆる人間が利権を狙って妨害しようとしてくる。女性はただ、亡き絵画の持ち主の為に、在るべき場所に、それを返したかっただけなのだ。

 

実話、ユダヤ、


参考
『黄金のアデーレ 名画の帰還』youtube

 

オンリー・ザ・ブレイブ

2013年にアメリカのアリゾナ州で発生した実際の事件。『ヤーネルヒル火災』。それに挑んだのは、巨大山火事消防精鋭部隊『ホットショット』のメンバーだった。『カウンターインテリジェンス』とは、事件が悪化する前に水際で止める知性のこと。例えば、テロリストを空港で見極め、テロを実行する前に確保することなどがそうだ。ホットショットのメンバーも、そうして森林火災を前始末してきた。だが、今回の火事はやばそうだ。

 

果たして、彼らはこの火事を止めることができるか。我々は最後、なぜこの実際の事件が映画化されたのかを知ることになる。

 

実話、自然、災害、リスタート、


参考
『オンリー・ザ・ブレイブ』youtube

 

『ブラック・クランズマン』

1972年、それはマルコムXとキング牧師が暗殺されてから間もない時代である。そんな人種差別の真っ只中にあるアメリカで、アフリカ系アメリカ人(黒人)として初めて警察官に採用された男がいた。あろうことか、彼が担当したのがあのKKK(白人至上主義団体)の潜入捜査だ。彼らは黒人であれば平気で首を吊ったり、家を燃やすような過激集団。そんな連中の組織に潜り込み、素性がばれたらどうなるか分からない。

 

そこでその黒人警官ロンが考えたのが、奇想天外な意外なアイディアだった。

 

実話、黒人、KKK、1970、


参考
『ブラック・クランズマン』youtube

 

哭声/コクソン

とある変死体が発見された。かなり奇妙なケースで、その事件に『人間ではないもの』が関わっていたとしてもおかしくはなかった。だが、そんなはずはない。普通、そういうことはまずありえない。だがどうも様子がおかしい。事件の深部に入っていけばいくほど、そこに漂うのは『人間ではないもの』の気配だった。

 


参考
『哭声/コクソン』youtube

 

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』

1920年代。この時期のアメリカは禁酒法が施工され、人々の欲望は枯渇していた。この時代、シカゴにはアル・カポネが暗躍。ちょうどその時代のニューヨークに、彼らのようなアウトローがいてもそうおかしくはなかった。彼らは少年時代から固い絆で結ばれていた。‥はずだった。一体彼らに何があったのか。我々はこの映画のある登場人物の、衝撃的な最期を目の当たりにする。

 

アウトロー、音楽、絆、合わせて(禁酒法

 

 

戦場のピアニスト

映画を楽しむためには、知識と情熱、そして『覚悟』も必要である。この映画が放映されて話題になった2002年、私はそのすべての要素を持ち合わせていなかった。しかし、あれから18年。私は多くを経験し、歴史も一から学び直した。ここで描かれる話がどんなことであれ、すべてを受け入れる覚悟が備わったのだ。

 

戦場で、一人の男がピアノを弾いている。だが、音色が聴こえない。一体どういうことなのか。いや違う。『弾いてはいない』。そう。弾くとまずいのだ。その音で存在がばれれば、まるでゴミでも扱うように、命を踏みにじられる。これは、ユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの体験記を脚色して映像化した映画だ。ユダヤ人がヒトラー率いるナチスにどんな扱いをされたか。我々は『シンドラーのリスト』に匹敵する衝撃的な映像を目撃する。

 

そしてこのピアニストが弾くピアノは、無情な戦場で、誰に、どんな影響を与えるだろうか。

 

実話、衝撃、アート、ユダヤ人

 

ビッグ・フィッシュ

トム・クルーズが主演の『ワルキューレ』という映画を観た時、その時期に続けざまに見ていた他の多くの戦争・歴史映画と比べて圧倒的に見応えがあったのを覚えている。つまり、もっと淡々と描くことはできるのだが、エンターテインメントを意識してそうはしないのだ。では、我々の人生はどうか。味気ない空間を華やかに装飾するのはどうか。我々の命は虚しく、儚い。だが、それを尊いものにするのが、人間の意地だ。

 

安心

 

バッドボーイズ フォー・ライフ

ウィル・スミスらが演じるこの警官たちは、『バッドボーイズ』という名前がよく似合う、破天荒な性格だった。だが、どうやら彼(マイク・ラーリー)のこのギャング風のスタイルには理由があったらしい。今回、マイクの過去がついに明かされることになる。一体彼は何者なのか。

 

爽快


参考
『バッドボーイズ フォー・ライフ』youtube

 

猟奇的な彼女

この映画でたったの一度しか鳴らない携帯の着メロを聞いて、涙が出そうになった理由を、私はもう忘れてしまった。だが、脳裏に焼き付いていたのだ。物語の内容は断片的にしか覚えていたなかったが、この映画から伝わる胸が熱くなる気持ちは、私の心底に植えついていたようだ。恋愛映画は観ない。少女漫画と違って、少年漫画には恋愛ではなく格闘が多い。

 

男には男性ホルモンのテストステロンが色濃く存在していて、そのせいで攻撃的な性格になる。だから街中でクラクションを鳴らす9割が男性で、傷害事件を起こすのも圧倒的に男性である。では、この女性は男っぽいのだろうか。いや違う。彼女は誰よりも、女の子なのである。

 

 

純愛、エンドロール、意外

 

ザ・ファイター

プロボクサーのミッキー・ウォードディッキー・エクランドを描いた伝記映画である。しかし、この兄弟は中々変わった環境で生きている。陽気な兄、ディッキーは麻薬をやっているし、両親はバラバラ、大勢いる姉たちは皆、イケイケ。悪く言えばこの家族は、下品そのものである。そんな中、ミッキーだけはまだマシだった。

 

常に兄と比較され、能力も兄以下と揶揄されたミッキーだが、こうした環境も手伝って、ついに自立することを決意する。だが、そう簡単にはいかない。『出る杭は打たれる』だ。周りの人間も彼の足を引っ張ろうとする。しかし、もっと深い心底の部分では、彼らはリスペクトし合っていた。それはそうだ。彼らは下品な悪友。だが、それ以上にかけがえのない、家族なのだ。

 

スポーツ、実話、絆、リスタート


参考
『ザ・ファイター』youtube

 

ボルベール〈帰郷〉

人間には事情がある。人には言えない事情がある。ある人はコンプレックスのことで、ある人は損得勘定の計算で、それぞれその事情をあえて話さない。話せば自体が複雑化し、状況が悪化する可能性があるからだ。では、この家族には一体どういう秘密があるのだろうか。彼女らは三代揃って、極めて特殊な事情を抱えてしまったようだ。

 

特殊な家族

 

フォックスキャッチャー

デュポン財閥の御曹司ジョン・デュポンが起こしたある事件が映画化された。一体何が起こるのだろうか。冒頭から何かが起きそうな気配が常に漂っている。だが、いつまでたっても何も起こらない。起こるが、すべてある程度想定できることである。まさかこのまま終わってしまうのか。いや違う。我々はラスト15分で、衝撃的な展開を目の当たりにすることになる。

 

ウォーレン・バフェットは言った。

『金は人を変えない。金は人の本性を浮だたせるだけである。』

 

それであれば、最初から大金持ちだった彼はただ『子供のまま成長していなかった』だけだ。この財閥もまた、戦争時に武器を売って稼いだ金を資金源にして成り上がった一族だった。

 

実話、金、衝撃、意外、スポーツ

 


参考
『フォックスキャッチャー』youtube

 

風と共に去りぬ

『風と共に去りぬ』。この前につく言葉は『大いなる文化』だが、更にその前にあるのが『奴隷を従えた主人たち』である。南北戦争でアメリカが統一され、奴隷制度はなくなる。かつてアメリカの南部では黒人を奴隷として扱っていたのだ。そう考えた時『大いなる文化』というのは、いささか首をかしげざるを得ない。これは1939年に放映された映画だ。その意味で、時代を感じる作品となっている。

 

さて、それをさておいた場合、この映画で言いたいことは何だろうか。人生は自分の思い通りにはいかない。だが、くよくよしていても仕方がない。明日は明日の風が吹くのである。

 

南北戦争

 

プレステージ

映画を100%楽しむためには、知識と情熱が必要である。私が最初にこの映画を観た時は、それがなかった。だからこの映画の価値もクオリティも、奥行きも何もかも理解していなかった。ニコラ・テスラエジソンをしのぐ可能性を持っていた人物であるということさえ知らなかったのだ。あれから13年。私は歴史や偉人や、様々なことを学んだ。そして知ったのだ。この映画の本当の面白さを。映画は思っているより、深く、楽しいエンターテインメントだ。

 

意外、復讐

 

カジノ

1970年代アメリカ。ラスベガスにフランク・”レフティ”・ローゼンタールというカジノのボスがいた。作中では『エース』と呼ばれるこの男は、しかし、このエリアを仕切る頂点の男というわけではなかった。現実はそう漫画のようにはいかない。数々の人間の欲望が入り混じる、カオスの渦の中にいただけだ。その中にいたのは彼だけではなかった。彼の代わりに闇で暗躍する幼馴染のアンソニー・”トニー”・スピロトロ。作中で『ニッキー』と呼ばれる凶暴な男に、彼らのそのまた上に君臨するマフィアのボスたち。ラスベガスで強い権力を持つ地元有力者。そして、エースの妻となって引っ掻き回すこの映画の『影の主人公』とも言える問題児『ジンジャー』。彼女もまたジェリー・マクギーという実在した人物だという。

 

これが映画の中の空想の話ではなく、現実なのだから衝撃である。膨張は、必ず破裂する。踏むべき手順を踏まずして膨らんだ場合は、『成長』ではなく『膨張』なのだ。

 

実話、金、アウトロー

 

ボーイズ・ライフ

作家で大学教授のトバイアス・ウルフの若き日を描いた自伝小説を映画化したものだ。普段はこういう書き方はしないが、今回はぜひ書かせていただきたい。デ・ニーロの演技が素晴らしい。正直、彼の存在は邪魔そのものだ。だがもし彼が引っ掻き回さないなら、この映画はちっとも面白くならない。腹立たしいが、ついつい爆笑してしまう滑稽な男を演じ切る。さすがである。少年時代のディカプリオの演技も、負けてない。

 

実話、子供、キャラ(デニーロ

 

 

ファントム・スレッド

ファッション業界で働く人にとっては生唾ものとなる。

約半年の間に50着以上の衣装がこの映画のためだけに制作された。それぞれのドレスに数メートルの生地を使用、そこに17世紀の実際のレースがあしらわれている。 アンダーソン監督とのタッグも長く、数々の衣装を手掛けたブリッジスでも、その貴重さに裁断時には手が震えたという。それらほとんどが手作業で縫い合わされ、まさに贅沢の極みといえよう。 ‥youtubeより

 

粋で大人な映画だ。

 


参考
『ファントムスレッド』youtube

 

her/世界でひとつの彼女

『Ok google!』『Hey Siri!』気づけば我々は、そうしてAIに向かって話しかける新しい常識を当たり前のものとしている。では、このような事態に発展することは本当にないだろうか。『恋は社会的に受容された狂気である』。エッフェル塔と結婚する人がいるのがこの世の現実だ。ここにある恋もきっと、純粋なのだ。

 

純愛


参考
『her/世界でひとつの彼女』youtube

 

『はじまりへの旅』

知性を探究すると、いつかこの考え方にたどり着く。ある有名な男性経営者は『賢い女性たちって、田舎に行っちゃうよね』と言ったが、ニーチェがキリスト教で人間の潜在能力が埋没することを危惧し、老子が『小国寡民』を理想郷とし、孔子が法律に依存する社会を認めなかったように、この人生を主体的かつ個性的に生きようと思えば、よく厳選し、吟味された無駄のない生活を生きるべきだという答えが見えてくるのである。

 

アインシュタインはユダヤ人『ではなかった』から、葬式では踊りも歌もなく、牧師もおらず、人数もわずか12人だった。そして遺灰は近くのデラウェア川に流した。もしあなたが無宗教なのであれば、冠婚葬祭で行われる常識的儀式に、疑問を覚えたことはないだろうか。確かに隙はあり、未熟で、課題も残っている。だが、この映画で彼らが生きようとした人生は、真理の後光が差しているように見える。

 

教訓、宗教、病気、絆、特殊な家族、併せて(ヴィレッジ

 


参考
『はじまりへの旅』youtube

 

『トゥルー・グリット』

昔、敵討ちが認められていた時代があった。敵討ちじゃなければ殺人とみなされていたのだ。『賞金首』と『賞金稼ぎ』が存在することを想像すれば、そういう輩を捉えようとする人がいたことが見えてくることになる。では、自分の家族が殺された場合、どうしたらいいだろうか。自分が諦めれば犯人は捕まらない。そんな時代を生きて翻弄された一人の少女が、決死の覚悟を持って犯人を追いかける。

 


参考
『トゥルー・グリット』youtube

 

あの頃、君を追いかけた

恐らく多くの日本人は、この映画にある種の時代遅れ感を覚えるだろう。だが、よくよく観てみるとそういうことはどうでもよくなってくる。これを観ると、この世界に『言語の差異』があることが邪魔で仕方なくなってくる。我々人間の人生は皆、似たようなものなのだ。『恋は奪うもの、愛は与えるもの』。少年はこの物語で、真実の愛を知った。

 

純愛

 

アラビアの女王 愛と宿命の日々

かつて、“砂漠の女王”と呼ばれたイギリス人女性がいた。ガートルード・ベルである。時は1900年前後。彼女は人生を大いに冒険するためにアラビア半島へと旅立つ。この時期の英国人とアラビア。何か引っかからないだろうか。そう。『アラビアのロレンス』である。パレスチナ問題でも重要なイギリスの三枚舌外交に巻き込まれ、名作映画として君臨するあの作品の彼も、ここに登場する。そういう意味で、これはとても貴重な作品だ。彼女はイラク王国建国の立役者的役割を果たした。

 

女性、実話、冒険、併せて(ロレンス、イギリスの

 


参考
『アラビアの女王 愛と宿命の日々』youtube

 

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』

『ナイブズ・アウト』。それは『多くのナイフが出ている』という意味であり、ここで考える場合は『容疑者がたくさんいる』状態だ。しかしそれは推理ものの話では常識的な状況。問題は、なぜ『ナイフ』が随所にこの映画に登場するかだ。我々は最後まで『ナイフ』から目が離せない。

 


参考
『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』youtube

 

『ブロークバック・マウンテン』

私はノーマルだから、男同士の関係には抵抗を覚える。『キャロル』なら美人同士だからいいし、『リリーのすべて』も俳優が迫真の演技をするから見応えがあった。だが『ムーンライト』はだめだった。では今回はどうか。観終わった後私はこの映画を、このジャンルにおけるトップ3に入れるべきだと考えた。1位にしてもいいかもしれない。

 

性別

 

『私の中のあなた』

アンドレ・マルローは言った。

 

この物語を観て『想像を絶する悲劇』と捉える人もいれば、恐らく『羨ましい』と思う人もいるだろう。これがこの世界の不思議なところである。人は必ず死ぬ。早くその使命を遂げた人は、それを教える恩師である。

 

病気、子供

 

ジーア/悲劇のスーパーモデル

尾崎豊、hide、シド・ヴィシャスジェームズ・ディーン。伝説の人の寿命は、皆短い。だが、『太かった』。1980年代に活躍し、若干27歳でこの世を去ったアメリカのスーパーモデルジア・キャランジ。彼女の場合はどうか。薬に負けて、虚しい人生に走るか。それとも尊い人生にできるか。

 

実話、病気、女性、性別、アウトロー、ドラッグ(アメギャン、ブルーニ、さらば、ラスベガス、ブロウ、クイーン

 

『アウトブレイク』

『人類の優位を脅かす最大の敵は、ウイルスである』。ちょうど今世界はウイルス問題で騒いでいるから、この言葉を真剣に熟考する人は多いだろう。だが、重要なのはこの映画や『コンテイジョン』といった映画は、この騒動が起きる前に存在したということだ。それに気づけるかどうかが問われている。全人間がだ。

 

病気、感染(コンテイジョン、バイオ、ワールドウォーZ、人食い

 

『バックドラフト』

そう言えば、消防士を描いた映画を観るのはこれが初めてかもしれない。最近の映画もないし、今までに観たこともない。昔は消防士や警察官は憧れの職業だったかもしれないが、今は以前ほどのはない。だが、これからも人間がいる限り『火』は燃え続ける。そしてそれに立ち向かう男たちの使命も、消えることはない。

 

仕事(タクシー、弁護士、パイロット、飛行機、電車、消防士

 

『ケープ・フィアー』

やはり映画は地上波で観るべきではない。午後ローで観た時のこの映画は、なんだか全体的に中途半端で、テレビのサスペンスか何かを見ているような印象だった。だが、ノーカット版で観ると全然違う。この映画の核は、まさにそのカットされてしまった彼の狂気にあるのである。一番怖い人間は、感情をコントロールしながら凶行を淡々と成し遂げられる人間だ。

 

復讐、狂気

 

L.A.コンフィデンシャル

1940年頃、アメリカのLAにはミッキー・コーエンという泣く子も黙るギャングのボスがいた。だが彼は逮捕された。だから街に平和が戻ってくるはずだ。しかし実際には、彼が逮捕された後のLAの利権を巡り、不穏な動きが見え隠れしていた。これは『LAギャングストーリー』と併せて観るといいだろう。存分に暗躍する彼を描いたその映画の、直後のLAを描く、フィクション作品である。

 

正義、併せて(LAギャング1940→1950

 

『セブン』

キリスト教における『7つの大罪』とは、『傲慢、強欲、色欲、暴食、怠惰、嫉妬、憤怒』である。この映画のタイトルは『セブン』。つまり、この話の根幹にあるのは『神の目線』というある種の芸術の領域なのである。だが、それを無理矢理人間の世界にねじ込んだらどうなるか。確かに我々は皆、罪を犯しながらも、その罪を正当化して生き永らえている。だが、今回ある男によって加えられた制裁というのは、あまりにも歪んでいる。それは彼の詭弁か。それとも神の鉄槌なのか。もしあなたがブラッド・ピットが演じた男と同じ立場だったら、どうするだろうか。

 

衝撃、復讐

 

『ドゥ・ザ・ライト・シング』

マルコムXキング牧師は、考え方が違う。前者は融和を考え、後者は自衛の為の暴力を『知性』と呼んだ。しかし、彼らは互いに心底では尊重し合っていた。それは彼らのルーツが、同じアフリカだからだ。アフロアメリカン。彼らは自分たちのルーツにプライドを持っているが、それと同時に劣等感を持っている。そのせいで今回のような事件が起きてしまうのだ。だが、忘れてはならない。我々は何人たりとも、同じ人間なのだと。

 

人種、併せて(マルコム、キング

 

『グッドフェローズ』

1955年から80年のニューヨーク・マフィア界で生きたヘンリー・ヒルを題材としたアウトロー映画である。『グッドフェロー』の意味は『いい仲間』とかそういうことである。確かにとても仲が良さそうだ。酒を酌み交わし、キツイ冗談を言ってゲラゲラと笑いこけている。だがこの男たち、普通ではない。これは、実際にあったアメリカのアウトローたちの、『悪い大人の見本』である。

 

実話、アウトロー、金

 

『アメリ』

ジャケットの彼女の顔写真では、機会損失を起こしている。事実、ずっと前にこれを観た時私は、血気盛ん男の人生を生きていたこともあるが、この映画に魅力を感じなかった。だが、実際に観てみればそういうことはない。私の成長も関係しているだろう。この映画はとても穏やかで純粋であり、心が温かくなる。観る人が女性なら余計にそうだ。彼女はとてもキュートで、この繊細で可憐な世界観に共感を覚える女性は大勢いるだろう。

 

女性、孤独、純愛、平和、

 

『6才のボクが、大人になるまで。』

同じ俳優に実際に12年の時間をかけ、6歳から大学生になるまでの過程をドキュメントタッチではなく、映画タッチで描く。我々はハリポタで子が成長するのを客観視したが、あれに似て、しかしこの場合は魔法の国ではなく現実世界の何でもない日常を切り取った。

 

フォスディックは言った。

 

人生を生きていれば色々なことがある。だが、その後も人生は続くのだ。

 

特殊ファミリー(6歳、プレシャス、アメギャン、ファング、太陽、ホームアローン、ミラミラ、おおかみこども、マラヴィータ

 


参考
『6才のボクが、大人になるまで。』youtube

 

『アイズ・ワイド・シャット』

映画通っぽい人がキューブリックの映画を語る時、妙に通ぶっていることがあるが、それは気に入らない。だが、どうやらあながち彼らの思い上がりでもないらしい。『時計仕掛けのオレンジ』といいその他の作品といい、彼はやはり鬼才で間違いないようだ。時代のせいか何かは知らないが、今、こういう映画を作れる人はいないように見える。

 

衝撃、狂った

 

『ペット・セメタリー』

ある日子供がその短い一生を不慮の事故で終えてしまった。そういう例は、私の身近にも存在している。ある人は一生その子が生活していた部屋を変えることができず、ある人はその子の好きだった料理を一生作れなくなった。ではそんな彼らの前に、その空いた穴を埋められる可能性がある話を持ち掛けたらどうなるだろうか。これは神の救いか、それとも、悪魔の誘惑か。

 


参考
『ペット・セメタリー』youtube

 

50/50 フィフティ・フィフティ

W・H・オーデンは言った。

 

人は必ず死ぬ。だが、ある解剖医から言わせると、人は死や死体から目を反らし、生きていくことによって文明人を気取っているという。アンドレ・マルローは言った。

 

わかっていることは、我々はこれを読んでいる限り、まだ生きているということだ。

 

病気、時間、絆、教訓、リスタート、エンドロール、運命の人(ドンジョン、ヤングアダルト、ミッドナイト、キャストアウェイ、他純愛から

 


参考
『50/50 フィフティ・フィフティ』youtube

 

『イヴ・サンローラン』

ココ・シャネルやクリスチャン・ディオールと並び称されるフランスのファッションデザイナー、イヴ・サンローラン。やはり彼もまたその天性の鋭さと同時に、『非常識』な価値観を持っていた人間だったようだ。だが、彼が常識的であれば、頭一つ抜き出ていない。彼は非常識だからこそ、孤独で、そして卓越しているのだ。

 

アート、孤独、性別

 


参考
『イヴ・サンローラン』youtube

 

『インファナル・アフェア』

『ディパーテッド』を先に観て、いつか原作を見ようとは思っていたが、なるほど。やはりハリウッドでリメイクされるだけの衝撃がこの映画からも感じ取れた。この緊張感と、入り組んだ演出、人間心理の描写は秀逸である。これは、『中国映画』からつい連想してしまうような、表層がド派手なメッキではなかった。

 

『スクール・オブ・ロック』

もしこの映画のタイトルやジャケットを見て何らかの『距離』を覚える人がいれば、その感覚は錯覚だったことを知るだろう。予期せぬところで最高の出会いがある。それが映画鑑賞の醍醐味の一つだ。主役の彼の熱量と歌唱力、そしてユーモアのセンスが、この映画のクオリティを何段階も引き上げている。

 

アート、音楽、爽快、キャラ、子供

 

『ザ・サークル』

昭和の時代と少しでも縁がある人は皆知っている。この現代では、かつてほど犯罪がしづらくなったということを。暴走族が暴走行為をするのも、裏道で残忍な犯罪行為がまかり通ったのも、まるで『透明人間』になったかのような無敵状態たる自由を謳歌できたからだった。では、何もかもが変わった現代の世界ではどうだろうか。我々が利便性を追求し続ける先に待ち受けているものは、便利(自由)な人生か、それとも不便(不自由)な人生か。

 

AI、食った

 


参考
『ザ・サークル』youtube

 

『パーティで女の子に話しかけるには』

このタイトルから想像できるような展開は、あまり期待できない。むしろ、全く予想していなかった展開に巻き込まれるため、それを楽しむことができる人はいるだろう。

 


参考
『パーティで女の子に話しかけるには』youtube

 

ファング一家の奇想天外な秘密

ピカソは言った。

 

常識があるからこそ、芸術が存在する。そして、常識に囚われるが故に、彼女らは振り回される。アインシュタインは言った。

 

芸術、

 

フィールド・オブ・ドリームス

人生は一度だけ。やり直しは効かない。この世を生きるすべての人間が、そういう運命を背負ってこの一生を生きる。だからこそ安全な道を選ぶ。慎重に生きるからだ。それ自体はいい。賢明なことだ。だが、ヘンリー・ミラーがこう言うのだ。

 

人は、この唯一無二の儚い一生で、勝負しなければならないときがある。

 

安心、時間、不思議(マーニー、ミッドナイト

 

『プレシャス』

自分以外に人間がいなければ、比較する対象がないから劣等感に陥ることはない。自分以外に人間がいなければ、相手の価値観を一方的に押し付けられ、精神的に苦しむこともない。だが、自分以外に人間がいなければ、この奇跡の出会いはない。人間は、今日もこの多様性が混沌とした矛盾だらけのこの世界を、ただ、ただ、生き抜くだけだ。

 

女性、衝撃、病気、狂った、貧困から(アメギャン、さらば、シティオブ

 


参考
『プレシャス』youtube

 

ペーパーボーイ 真夏の引力

『ペーパーボーイ』。それは『新聞屋』である。真実を解き明かすことに使命感を負った男たちが、事件の真相に迫る。だが、この事件の深層にいる沼地に住む男の気配は、普通ではない。事件が泥沼化しようというまさにその時、男たちは彼のテリトリーについに侵入した。しかし、我々はそこで衝撃の展開を目の当たりにすることになる。この男、追うべきだったか、それとも、見逃すべきだったのか。

 

衝撃、哀愁、狂った

 


参考
『ペーパーボーイ 真夏の引力』youtube

 

『メメント』

これは映画というより芸術である。普通、美術館に行って芸術を見る時、そこに非常識な光景が広がっていても、むしろそれが逆に嬉しい。そこに常識や効率、合理性などを求めないのである。これもそれを楽しむ映画だ。迷路や芸術を楽しむつもりでこの世界観に没入すればいい。

 

精神(リピーテッド、バニラスカイ)病気(シャッター、マシニスト『余生

 

『私がクマにキレた理由』

多くの人が設定している人生の理想道には、往々にして『成功者』という名に相応しい地位や名声が備わっている。それゆえ、『それさえあればそれでいい』という短絡的な考えになり、知らぬ間に人の道から外れることになる。自分が道から外れたことを教えてくれるのは真理だ。だが、その真理を認識するのは様々な形である。今回は住み込みの子守『ナニー』がその真理に忠誠を誓ったようだ。

 

女性、教訓、リスタート

 

『hide 50th anniversary FILM「JUNK STORY」』

hideが死んだとき、私は自分の腕にカッターで彼の名前を彫り、墨を入れた。その傷跡は今はもうないが、自由に破天荒に生きた彼の生きざまを私は、忘れることはないだろう。私は色々ありすぎて誰かのファンになることはなくなったが、まだ幼かった私は彼の虜になった。彼を追って命を終える人もいた。それは悲しいことだが、それだけ影響力があった。それがhideという男だった。

 

アート

 


参考
『hide 50th anniversary FILM「JUNK STORY」』youtube

 

カイジ ファイナルゲーム』

この映画に何を求めたかは知らないが、カイジの世界は最初からこういうものだ。欲望があり、克己心を鍛えていないがゆえに金に翻弄される、弱き人間たちが、楽を求めて射幸的に、一攫千金を求めてギャンブルに魅了される。そこでは当然地獄のカードを引くこともあるあろう。だが、時に奇跡が起きることもある。それがギャンブルの世界だ。そこに魅力があるからこそ、この世からありとあらゆるギャンブルは消えることがなく、この作品はいつまでも面白いのだ。

 

 


参考
『カイジ ファイナルゲーム』youtube

 

『ウィンド・リバー』

アメリカの西部にある、ワイオミング州ウインド・リバー・インディアン居留地。そこはとても過酷なエリアである。マイナス30℃の雪山で遭難したら最後、人生は終わりだ。そんな地獄の雪道で、一人の少女が無残な姿で発見された。あなたはこの衝撃の展開をどこまで受け入れることができるか。これは、実話である。

 

実話、復讐、併せて(いんでぃあん・ジェロ、ブレイブ、レヴェナント、ダンスウィズ

 


参考
『ウィンド・リバー』youtube

 

『2ガンズ』

2ガンズ。それは、2つの銃である。では一体なぜそれをタイトルにするのか。それは、主人公の2人が持つその2つの銃は、それぞれに意味を持っているからだ。2人組である。しかし、なぜか1つではない。2人で1つでも、一心同体でもないのだ。それなのに、彼らはどうも仲がよさそうである。一体彼らは何者なのか。

 

アウトロー、金

 


参考
『2ガンズ』youtube

 

『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』

これは中々面白い。普通、映画というものはトラブルが起きて、話がややこしくなるから見応えがあるものである。だが、これはそうならない。『そうなる前』に結末を迎えるのである。言わば、盛り上がる前に未然に防いでしまうのだ。だから全く見応えがない。斬新である。

 


参考
『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』youtube

 

『ハンナ』

私はどんな映画からも何かしらの教訓を得ようと熟考するが、悪いがこの映画からはあまり得るものはなさそうだ。シナリオもいいし、音楽は面白いが、実はそれは逆に作品自体の迫力のなさを穴埋めするための余計な演出である。まあ、主役の彼女も若い時代なので、いい経験になっただろう。例えば、若きクロエ・モレッツがやったならまた違った印象を持っただろう。

 


参考
『ハンナ』youtube

 

『フラッシュダンス』

もしこの映画のファッションや音楽にある種の古臭さを覚える人がいるなら、問題ない。この映画にはそれを超越したエネルギーと見ごたえがある。人間は、あまりにも時代が離れていると違うが、少しだけ離れている時代のことは軽蔑するものである。『ダサい』のだ。だからそのダサい時代を生きた人間も同時に軽視してしまうことになる。だが、実際には違う。思い知ることになるだろう。いつの時代もそこに人間がいる限り、抱える悩みは同じで、進むべき道も一つなのだということを。

 

アート、音楽、女性、リスタート

 

『ブレイクアウト』

雨降って地固まる。それはもちろん、固めるためには雨に打たれる必要があるという教訓でもあるが、逆に考えた時、『なぜそれまで雨に打たれなかったのか』ということが問題である。そういう人生は普通、変だ。変な人生を送っていたなら、歪みは生まれるだろう。

 


参考
『ブレイクアウト』youtube

 

『ヤング≒アダルト』

アガサ・クリスティは言った。

 

女性は男性よりも、時間がない。綺麗ごとなどに興味はない。男は女の価値に『若さ』と『美しさ』を用いることがあるはずだ。とりわけ、当の女性はそれを痛感している。もちろんそれを通り越すところに真理はあるが、それを通り越し悟るのは容易ではない。この映画のキャッチコピーはこうだ。『あなたは、私を笑えない』。

 

女性、孤独、リスタート(決起)、イエスマン、チェンジング、カンパニー、キャストアウェイ、フラッシュ、マイインターン、プラダ

 


参考
『ヤング≒アダルト』youtube

 

『ジョジョ・ラビット』

この映画の登場人物は、『ジョジョ、ヒトラー、妄想ヒトラー、母親、ナチス、ユダヤ人』など、様々である。では、『ジョジョラビット』とはいったい何のことだろうか。それがこの話の重要なキーワードとなる。そう。もし彼がジョジョラビットじゃなければ、この物語は完成しなかったのだ。作品の中で彼の母親は、『愛は見えないが、最強の力だ』という話をする。これは、ヒトラーという『ドイツの救世主』であったはずのヒーローに洗脳された子供が、その洗脳から目を覚ますために通った道のりの物語である。

 

この映画の主人公はジョジョだ。だが、この映画の中心にあるのは、一体何だろうか。それはきっと、この世で一番尊い存在である。

 

 

哀愁、子供、併せて(ヒトラー、キャラ(ヨーキー

 


参考
『ジョジョ・ラビット』youtube

 

『レディ・バード』

人は死なない。銃も撃たない。マフィアも出てこない。だから範囲(世界)は狭い。だが、だからといって彼女がその範囲に納得しているわけではない。自分の中にある正義(善意)と悪魔(悪意)が葛藤する。隣の芝生を青く見せているのは悪魔の仕業である。この映画は、ある特定の人々からすれば、この映画はとても退屈である。だがそれはごく一部となるだろう。多くの人は彼女と同じ、こうした範囲の中で人生を生きている。だからきっと彼女のような生き方に共感する人は、大勢いるはずだ。

 

実は、この範囲の話はマーケティングを考える時に非常に興味深い現実だ。それは今回の話から逸れるからここには書かないが、世の中の8割以上、つまり大多数の人の生き方のモデルを理解することは、どちらにせよとても、参考になる。

 


参考
『レディ・バード』youtube

 

『ブラッド・ダイヤモンド』

『ブラッド・ダイヤモンド』とは、紛争の資金調達のため不法に取引される、紛争ダイヤモンドである。アフリカ・シエラレオネの内戦(1991年 – 2002年)を舞台に、ブラッド・ダイヤモンドを中心としたアウトローたちの物語が展開されていく。作品内で奥の深い言葉が登場する。『とうの昔に神はこの地を見捨てている』。『ホテル・ルワンダ』のエンディングでも、我々は『アフリカと神』について熟考させられるが、現在も20万人以上存在すると言われる少年兵たちや、麻薬、強奪、強姦、虐殺といった、あまりにも無残な現実を考えたとき、この話の奥行きは、何回層も深くなっていく。

 

ブラッドは、『血』である。この作品で流れたブラッドには、一体どのようなメッセージが込められているのだろうか。

 

宗教、金、絆、併せて(ジョジョ『洗脳された子供

 

『女神の見えざる手』

クラクションを鳴らす人の9割は男性である。それは男性ホルモンのテストステロンが影響しているという。そして、弁護士やら経営者やら、女性でその仕事や役職に就いている人は、往々にしてテストステロン値が高いというデータがある。つまり、異質に見える彼女はただ、テストステロン値が高いだけなのである。そう考えた場合、別に彼女の生き方は変ではない。あり得る話だ。だが、それが多くの人に共感されるかどうかは分からない。

 

女性、意外、正義


参考
『女神の見えざる手』youtube

 

『ディア・ハンター』

多くの人は、3時間あるこの映画の冒頭の1時間のシーンが、本当に必要なのかどうか、首をかしげるだろう。だが、黙って1時間見続けるのだ。すると、次第に悟ることになる。その最初の1時間の一見してどこか、当たり障りない軽薄な光景が、この映画に込められたメッセージを語るために決して欠かせない描写だということが。

 

ディア・ハンター。それは『鹿狩り』ということである。だが、実際にこの映画で鹿を狩るシーンは、1割あるかないかだ。重要なのはそこではない。これは、戦争を通して命の重さを理解する人間たちの、哀れで儚い、それでいて尊い物語なのである。

 

ちなみに、私がこの映画を観たのは偶然だったのだが、あまりにも衝撃的な映画だったので念のためメモしておいた『観るべき映画リスト』を見てみると、やはりこの映画の名前がそこに入っていた。

 

音楽、衝撃、哀愁、命の使い方(自殺、鹿)、併せて(ベトナムに歪む(プラトーン、ランボー、グラントリノ、

 

『ランボー(1~4)』

ジョン・ランボー。彼の名はもちろん私の心にも轟いていた。だが、シュワちゃん好きだった父親の影響で、私が観る映画にスタローンの作品が少なかった。だが当然、いつかは観ると決めていた。するとやはり、この男は映画界の歴史に残るだけの破壊力を持っていることがわかった。シュワちゃんが『プレデター』で演じた同じ元グリーン・ベレーのシェイファー少佐と、もしランボーが戦ったらどうなるか。シュワちゃんびいきをしたい私でも、ランボーの持つ潜在能力を見てしまったら、頭を抱えるところである。ランボーは無敵であってほしい。見終わった後には、そう考えている自分がいるのである。

 

併せて(エクスペンダブルズ(消耗品、孤高


参考
『ランボー』youtube

 

アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』

1990年代のアメリカにトーニャ・ハーディングというフィギュアスケーターがいた。彼女はとても波乱に満ちた人生を生き、その生き方と言えば波乱に満ち過ぎであった。したがって、共感されない。あまりにも異例の生き方をしたからだ。その代わり才能もピカイチだった。そんなスキャンダラスで魅力的な彼女の人生を冷静に客観視した時、我々の目に移るのは『うつけもの』だろうか。それとも『天才』だろうか。

 

女性、実話、併せて(リチャード『その男


参考
『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』youtube

 

『クリフハンガー』

山の怖さを知らない人やそれを軽んじている人は、ただ山を知らないだけだ。私も大自然をなめていた時、ふざけた態度で山と向き合い、痛い目に遭ったことがある。そうして人は学んでいくのだ。大自然の圧倒的な力の前に立ち、身の程を知っていく。だが、人間の中にはそれでも尚巨大な真理を自分の手でどうにかできると思い込む者がいる。20年前に観た映画を、久しぶりに見直してみた。

 

自然

ラッシュ/プライドと友情

F1レーサーのジェームス・ハントニキ・ラウダの、1976年のF1世界選手権での一コマだ。『フォードVSフェラーリ』という映画があるが、さしずめこれは『フェラーリVSマクラーレン』である。だがこの映画の場合はそれよりもずっとドライバーの人間性に焦点を当てている。野性的な前者に、コンピュータのように論理的な後者。彼らはまるで、水と油だった。

 

今日のレースで、人生が終わるかもしれない。レースの前にプレッシャーから嘔吐するのは当然の世界の中で、命を削って男のプライドがぶつかり合う。今日は前者が勝ち、明日は後者が勝つ。忌み嫌い反発していたはずの彼らは、次第に心底で互いの存在に敬意を払うようになっていった。だが、これはレース(勝負)だ。どちらかが負けなければならない。

 

さて、このレース(人生)に勝ったのは一体どちらなのか。そして本当に勝者はいるのか。

 

実話、絆、併せて(フェラーリVSマクラーレン


参考
『ラッシュ/プライドと友情』youtube

 

スイス・アーミー・マン

スイスアーミーナイフとは、様々な機能を備えているアウトドアで活躍する便利グッズだ。誰もが一度は見たことがあるだろう。もし自分が無人島に漂流し、もう死ぬしかないという状況になるまで追い詰められたとき、その十徳ナイフのように色々な機能を持つ人間が現れたらどうするだろうか。もちろんたじろぐだろう。これは、現実には到底あり得ない話だ。

 

だが、『キャスト・アウェイ』のような展開というわけでもない。追い詰められるのは彼と同じだが、どうやらこの展開は違うようだ。一体この男の正体とは。

 

不思議


参考
『スイス・アーミー・マン』youtube

 

ワンダー 君は太陽

1万人あたり1人の新生児に見られる、トリーチャー・コリンズ症候群。両親が同じ遺伝子を持つケースにおいて、発症する可能性が出てくるという。つまり、彼の姉も同じ状況になっても不思議ではなかったのである。だが、大変なのは彼だけではない。その姉、友人、そして両親もそうだ。病気や障害は、本人も含めたその周囲の人々全員の問題として、一生付きまとうことになる。私の叔父も統合失調症だったからよく分かっていることだ。

 

だが、どんな状況になっても『付きまとう』などと悲観的に考えるか、あるいは違う考え方がある。軽はずみに発言できるような問題ではない。極めてセンシティブで、切実な問題だ。だが、常に忘れないようにしたい。人生は、インサイド・アウト(自分の心構え次第)なのだと。

 

病、子、絆


参考
『ワンダー 君は太陽』youtube

 

『リチャード・ジュエル』

小学校の頃、学校の誰かが『財布を警察に届けた』という理由で表彰されたのを見て、悪友と一緒に事実を捏造して作り上げ、自分たちもそのような称賛を浴びようと画策した。それは失敗に終わったが、そのようにして人間とは、往々にして一度は人生で人の注目を浴びたいと考えるものである。では、今回のケースではどうか。2人の命が失われ、100人以上が負傷する爆破事件が起きたのだ。もし、これがかつての私と同じ動機で作られた捏造であれば大変だ。果たして、彼は『聖人』か、それとも『悪人』か。

 


参考
『リチャード・ジュエル』youtube

 

『ヒトラーの忘れもの』

第二次世界大戦が終わった後のデンマークは、ドイツを心底から憎んでいた。それはもちろんデンマークだけではない。フランスを筆頭に、世界中の人々がナチス・ドイツを悪の権化とみなし、軽蔑した。そして、その対象はヒトラーだけではなかった。例えば、このデンマークでは捕虜だったドイツの少年兵に地雷の処理をさせたのだ。『忘れものを持っていけよ』。冷たい目をして、彼らは少年たちの命を踏みにじった。

 

地雷撤去を強要された2000人以上のドイツ兵のうち約半数が命を落としたり手足を失い、そのほとんどは少年兵だった。彼らがトータルで撤去した地雷の数は150万個。我々はただただ、戦争の悲惨さとそれが生み出す虚無を思い知ることになる。一人死に、二人死んでいく。果たして、彼らは本当に一生和解することができないのだろうか。心底からナチスを憎んだ鬼軍曹の心が、次第に変化していく。

 

子供、ヒトラー、復讐、絆


参考
『ヒトラーの忘れもの』youtube

 

『マンデラの名もなき看守』

南アフリカにデクラーク大統領が登場するまで、国のトップを務めたのはアパルトヘイトの完全撤廃を求める国際世論に対して抵抗し、その権威主義的な姿勢から独裁者とも批判されたピーター・ウィレム・ボータである。ネルソン・マンデラは、彼がその座に居座ったことも手伝って、27年という想像を絶する時間を人種差別を食らいながら過ごした。

 

この映画の主人公は『名もなき看守』だ。確かに、マンデラと比べたら彼の名はかすむことになる。だが、マンデラにとって長い間時間を共に過ごした彼が一体どれくらい大切な存在か。それは、長い間塀の中という、社会から隔離された閉鎖空間で生活した人間じゃなければ、理解できないだろう。だが、そんな大切な彼も、マンデラの意志なくしてはあり得なかった。

『刑務所の鉄格子の窓から、二人の男が外を見た。一人は泥を眺め、一人は星を眺めた。』

 

マンデラと南アフリカという題材だけでいくつもの映画が作られている。それだけ、彼が激動の人生を生きたということなのだ。

 

実話、人種、偉人、併せて、正義、反乱、絆

 

『完全なるチェックメイト』

IQ187の天才チェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーは言った。

 

そう。この話はまさにそのボビーの物語である。ベトナム、朝鮮、ベルリンの東西分裂にキューバ危機。しかし、米ソ冷戦は『盤上』でも行われていた。両国のトップも見守る仲、米ソの天才プレイヤーは衝突する。果たして、チェックメイトを受けるのはどちらなのか。

 

天才、偉人、実話


参考
『完全なるチェックメイト』youtube

 

『カンパニー・メン』

帝政ローマの哲学者、タキトゥスは言った。

 

人は、人生が思い通りに行けば行くほど、傲岸不遜に陥るものである。そして、往々にして転落する。得意時代に見失い、周囲の者に愛想を尽かされ、失意時代を強制されるのである。だが、彼はいささか幸せ者だったようだ。雨降って地固まる。

 


参考
『カンパニー・メン』youtube

 

 

『ブレイブ』

同じ格好をしていて演者が同じでも、ジャック・スパロウとは違う彼がここにいる。彼は一体、なぜ思い詰めているのだろうか。並々ならない事情を抱えているのだ。道もたくさん逸れた。迷惑もたくさんかけた。だが、心底では大切な存在が何かを理解していた。彼はけじめをつけたかった。そして、決意したのだ。もしあなただったら、彼がすることを止められるだろうか。最愛の存在の為に決意し、勇敢(ブレイブ)な男にすべてを託し、敬虔な神の僕の横を堂々と通り過ぎた彼を。

 

命、絆、教訓、金


参考
『ブレイブ』youtube

 

『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』

私は映画から常に教訓を得ようとして真剣に観ている。だから、最初からパロディだとか、そういう内容のなさそうな映画は観ないことにしている。それをするなら本を読んだ方がいい。だが、ごくたまに観るときもある。するとやっぱり、面白い。つい声を出して笑ってしまう。真剣に観て、笑う場面であっても何かを得ようとする私が、ただただ笑ってしまうのであった。

 


参考
『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』youtube

 

『ラッキー』

人はいずれ必ず死ぬ。それが早いか遅いかというだけだ。だが、W・H・オーデンがこう言ったように、

 

まさか自分が本当に死ぬとは想像していない。いや、できていないのだ。したくない。受け入れられないのだ。では、運よく90歳まで生きることができた人間ならどうだろうか。彼に取って死は、現実か、それとも、受け入れられない幻想か。

 

 


参考
『ラッキー』youtube

 

『フォードvsフェラーリ』

この映画の面白いところは、二つの次元が存在するところだ。確かに、米F社・伊F社の戦いではある。だが、それはあくまでも表層的なもので、この戦いのもっと中心部にある煮えたぎるエネルギー源は、命がけでレースをするドライバーに存在するのだ。しかし彼らはまるで部外者で、主役は経営者である。確かに彼らも利益という大きなエネルギーを賭けて戦っている。

 

だが、『命』はどうだ。そう考えた時、両者から伝わってくる体温に違いがあるのは、明白である。我々はこの二つの次元を客観視し、この世界にいつの間にか生まれた『階層』の滑稽さを目の当たりにすることになる。

 

アインシュタインは言った。

 

信念がなければ未踏未達の道は開拓できない。だが、それはそれで足枷となっていくつもの問題を生み出す。果たして我々は、この人生を一体どう生きれば悔いを残さないだろうか。これは、自分の人生を信じて突き進んだ、誇り高き男たちの物語である。

 

 


参考
『フォードvsフェラーリ』youtube

 

『ミッドナイト・イン・パリ』

ダリピカソゴーギャンT・S・エリオットシェイクスピアに、ガートルード・スタイン。錚々たる偉人たちがこの映画に登場する。だが、この映画のキーワードは婚約者の母が映画の感想として言った、何気ないこの言葉だ。『馬鹿馬鹿しくて幼稚で、機知も真実味もない。でも笑ったのなんの』偉人とは違う彼女がこう言い、物語は『偉人寄り』に展開していく。

 

そして偉人がこう言う。『いかに今の時代が空虚で想像に欠けているか』これで母親との間に乖離が作られ、我々は偉人たちの聡明な生き方と、現代人の軽薄な生き方のギャップを突き付けられる。だが、彼のこの言葉は同時に『現代の否定』でもあった。そうなると、過去は更に過去を。永久に現代が肯定されないのである。

 

2020年のこの現代でも、慎重な人とそうでない人がいる。それはいつの世でも同じことなのだ。岡本太郎は言った。

 

たった一度のこの人生。一番いいのは、自分らしく生きていくことだ。

 

 


参考
『ミッドナイト・イン・パリ』youtube

 

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』

子供時代に観たら楽しいだろう、という感想は、これが上映されていたときから抱いていた。95年に放映されたジュマンジも子供時代に観ている。内容は覚えていないし、今回ももしかしたら10年後には覚えていない。だが、それでも『刷り込まれている』。子供向けのエンターテインメント性の中に、しっかりと教訓があるからだ。子供に大人向けの難しい映画は観れない。だが、こういう映画は子供にとって、教科書である。

 


参考
『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』youtube

 

『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』

サリヤ・カハヴァッテの自伝がもとになっている。先天性の病気で視力の95%を失った。だが、彼は夢を諦めたくなかった。一流ホテルマンになりたかったのだ。この映画で印象的だったのは、主人公サリーの笑顔。夢を諦めず、希望を抱き続ける前向きな姿勢があるからこそそれを支援してくれる人がいるという、人生の黄金律を見ることができる。

 

アルツィバーシェフは言った。

 


参考
『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』youtube

 

『ビューティフル・ボーイ』

ドラッグの怖さを知らない人は、奥行きが分からないだろう。これはドラッグを本当にやったか、あるいはそういう人が周りにいないと分からない映画だ。『ブルーに生まれついて』とはまた違った角度で、ドラッグの持つ甚大な依存性を思い知ることになるだろう。お腹いっぱいでもう食べれない。だが、気づいたらお腹が空いている。これが人間なのだ。

 


参考
『ビューティフル・ボーイ』youtube

 

『コロンビアーナ』

『ニキータ』、『レオン』に続くリュック・ベッソンの殺し屋映画。その二作のように直接的なつながりはないが、マチルダに基礎勉強をさせようとしたことなどと今回の物語はリンクがある。掃除屋、政府のスパイ、そしてマフィア育ちの暗殺者。それぞれに特徴と長所があるが、もしかしたら彼女らが戦ったとき勝利するのは、このカトレアなのかもしれない。

 


参考
『コロンビアーナ』youtube

 

ふたりの女王 メアリーとエリザベス

アン・ブーリンとヘンリー8世からエリザベス女王が生まれ、彼女はカトリックを信仰する『ブラッディ・メアリー』と言われる姉と戦った。だが、今回のメアリーは、同じカトリック教徒であってもその姉のことではない。むしろ『妹』である。従妹だ。そしてスコットランドのこのメアリ・スチュワートは、王位継承者として正当な血筋を持っている。

 

これは、ケイト・ブランシェットの『エリザベス』の続編と言ってもいいだろう。ちょうどあの映画が終わった後に何があったか。それを切り取った映画だ。歴史映画に造詣が深い人にはたまらない作品だ。事実、批評家の評価も高いという。あのエリザベス女王がなぜメアリよりも有名になったのか。そこには、やはりこうしたいくつかのからくりが存在したのだ。

 

『太陽の沈まぬ帝国』スペインが沈んだ理由は?フェリペ2世VS『世界一有名な女王』とその裏にいた重要人物

 

そして、メアリ・スチュワートの息子ジェームズ1世はエリザベス女王の跡を継ぎ、その後のチャールズ1世の時に、クロムウェルが登場するのである。

 

エリザベス女王の死後『ピューリタン革命』で王を引きずり下ろしたクロムウェル!『名誉革命』で王を『シンボル』にした英議会

 


参考
『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』(youtube

 

『ロング,ロングバケーション』

『老人、病気』。もしこれらのキーワードに対して少しでも抵抗を覚える人がいるなら、大丈夫だ。この映画を鑑賞した後、その類の感覚はすべて消え去っているだろう。そして、同時に恥を知るだろう。彼らの人生を、別次元の生き物を見るかのような感覚で捉えてしまったことについて。全ての人間が問われている。この人生をどう生き、どう死ぬかという決定的な事実が。我々は、たった一度の人生を生きているのだ。その事実を本当に理解したとき、人はこの世に存在する一切のしがらみから、解放される。

 


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『ロング,ロングバケーション』youtube

 

『ドライブ・アングリー』

B級スレスレだが、ニコラス・ケイジらキャストの実力でギリギリそうならない。だが、理解できない人は全く理解できないまま終わるだろう。世界観が独特なのである。例えば日本人が畳と着物、正座や障子などを見慣れているように、アメリカ人も見慣れていて、違和感を感じない世界観がある。その視点を理解していれば、アメコミを覗いているような、そういうユニークな時間を過ごすことができるだろう。

 


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『ドライブ・アングリー』youtube

 

『パラサイト 半地下の家族』

もしあなたに『伝えたいこと』があった場合、どうするだろうか。普通、残念ながらその内容がシリアスであればあるほど、多くの人には伝わらないのが相場だ。それはあなたがどんなに有名でインフルエンサーであったところで同じことである。一見賛同するように見えて、本質を理解する人は1割いるかどうかだ。だが、伝えなければその1割にすら伝えることができない。だから人はあの手この手を尽くして、人にそれを知らせる。では、この『話題の映画』に込められたメッセージとは何か。それは、各々が感じ取るべきことである。私にはこれをただの爽快な映画だと捉えることが、不謹慎のように感じた。ただし最後に一言。とても見応えがあり、満足度が高かった。

 


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『パラサイト 半地下の家族』youtube

 

ヒトラーに屈しなかった国王

ノルウェーとは、ドイツの上の方にある、ヨーロッパの左上にある国だ。近くにはデンマークやフィンランドがある。イギリスは左の方にある島国だ。ここに、ノルウェー史上初『国民に選ばれた国王』がいる。ホーコン7世だ。彼はヒトラーに密約を迫られた。『貴国の平和のために、手を組もう』。だが実際に求めているのは『降伏』である。そして密約で取引したら、民主主義ではなくなる。国民の意志を裏切り、悪魔と手を組むか。それとも、悪魔と手を組んで自国の被害を最小限に抑えるという誘惑に乗るか。果たして、ノルウェーの不屈の男が取った選択肢とは。

 

 


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『ヒトラーに屈しなかった国王』youtube

 

『オーバードライヴ』

実話という時点で、始まる前から鑑賞の心構えは他のフィクションとは違う。銃と麻薬と金。これらの存在があるうちはいつまでも人間が混沌から抜け出すことはできない。これは、自らの意志でその混沌たる麻薬カルテルの一味になった実際の物語である。だが、彼はなぜそんなことをしたのか。彼にあったのは単なる無謀か。それとも。

 


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『オーバードライヴ』youtube

 

『スカイスクレイパー』

この映画の広告を映画館で観た時、これを映画館でわざわざ観たいとは思わなかったのが本音だ。そして実際にテレビ画面で観てみて、やはりその発想は間違ってはいなかった。この映画がずば抜けて好きという人はいないだろう。もっとも、ドウェイン・ジョンソンの大ファンであればたまらない作品だ。どこかのパーティの大画面にサイレントでこれが流れていた場合、絵になる。

 


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『スカイスクレイパー』youtube

 

『ATOM』

海外版アトム。アトムの名前がAstroになっているなど、いくつか海外仕様が見られるが、随所に手塚ワールドのエッセンスが込められていて、ファンとしては見ていて面白い。ワンピース、ドラゴンボール、巨人の星の前が、『鉄腕アトム』だ。1950年代に生まれた人々は皆、この漫画を見て育った。

 

 

『真珠の耳飾りの少女』

一度は見たことがあるかもしれない、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』の絵。『青いターバンの少女』、『ターバンを巻いた少女』とも言われる、印象的な女性の絵である。美術館でわざわざ絵を見るような人じゃなくても、なぜか脳裏に焼き付く。一体あの絵にどんな力があるというのだろうか。もしかしたらこんなストーリーがあったのだ。これを観た後は、きっとこの絵を見るたびにスカーレット・ヨハンソンと、あの耳飾りにまつわる物語を、思い出すだろう。

 


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『真珠の耳飾りの少女』youtube

 

『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』

レイ・クロック。真剣に経営者を目指した人間なら一度は耳にする名前だ。柳井正孫正義が座右の書とする『成功はゴミ箱の中に』の著者である。だが、初見の人がまず最初に思うのはこうだ。(なぜマクドナルド兄弟ではなく、レイ・クロックという人なのか?)。鶏小屋に狼が入った。兄弟が言い放ったこの言葉には、一体どんな意味が込められているのか。

 

だが、実は栄養士から言わせればマクドナルドのハンバーガーは『ゴミの塊』である。しかし、我々はそれがとても好きで、現に彼らはこうしてこの世界に大きな爪痕を残した。マクドナルドとは一体何なのか。この世にとってどういう存在であり、この世界はどんなことを求め、そしてどう在るべきなのか。『ソフトパワー』と言われたアメリカの軍事力以外の重要な実態の一つが、明らかになる。

 

『ハード』も『ソフト』も強い『強いアメリカ』!『パクス・アメリカーナ』の時代が到来!

 


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『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』youtube

 

『山猫は眠らない1~7』

1時間半の映画なので、長めの連続ドラマを観たような感覚だ。だが『山猫は眠らない』というタイトルは機会損失を生んでいる。これは単純に原題のまま『スナイパー』の方が良かった。私自身がこの妙なタイトルのせいで長い間これを観ることを避けていたからだ。始めの方は確かにゲリラ的な戦争で『山猫』でいいが、その後の戦いでほとんどジャングルは出てこない。『スナイパー』に特化した映画は少ないので、貴重な作品だった。ベケットJr.の今後も楽しみである。

 


参考
『山猫は眠らない』youtube

 

『マスカレード・ホテル』

ホテルも警察も、難儀な仕事だ。以前、日本に『ホテル』というドラマがあったが、高嶋さんの口癖が『申し訳ございません』だったことを思い出した。私も多くの人に触れ合うサービス業をやっていたが、色々な人がいたものである。少しでも隙を見せたら客という立場を使って主導権を握ろうとしてくる。やってみてわかったことだが、この問題に対抗するためには、完璧な対応をするしかない。そして、後手ではだめで、常に相手の一歩先を行く必要がある。例えば『星野リゾート』だ。あそこはそういうことがよく分かっている。だから多くの客はいい気分になり、また次もこのホテルに来たいと考える。

 

性別や職業の違いによって表面に出ている態度は違うが、心底にある心構えが同じ、二人の男女の物語。もし彼らにそうした共通点がなければ、このドラマは生まれなかったのだ。

 


参考
『マスカレード・ホテル』youtube