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『知者?無知者?自分が振る舞っている人格はどっちだ。』

第35の黄金律

『知者?無知者?自分が振る舞っている人格はどっちだ。』

 

『無知の知』。それは、『人間は生涯、全知全能になることはできない』ということを悟る知性。

 

 

同じ的を射た偉人(34人)

革命家  
政治家・リーダー 2
発明家・ビジネスパーソン 3
哲学者・思想家 6
作家・小説家・詩人 11
クリエーター・アーティスト 6
支配者・将軍・軍師・棋士  
アスリート・剣豪  
科学者・学者 2
登山家・冒険家  
身元不明  
四聖 4

 

同じ的を射た書物

5冊

  1. 『論語の活学』
  2. 『論語の教え』
  3. 『自分をもっと深く掘れ!』
  4. 『生きるということ』
  5. 『ソクラテスの言葉』

 

この黄金律の詳細

自分が無知者であるということを、私は受け入れられなかった時期があった。だから、『無知』という言葉を全く使いこなせず、それを言われたら、ただただ悪口を言われたと思って、相手を忌み嫌ったこともあった。

 

だが、それは実際には『君は伸びしろがある』と言われているのと同じだった。しかし、私は『お前は無知で、馬鹿な人間だな』と揶揄され、人格を否定されていると解釈してまっていた。

 

これらの事実をどう判断するかによって、人間の運命は大きく変わる。そもそも当時私はまだ、10代やそこらだった。それなのに、現在の自分が『自分の最高到達地点』だと考えていたことは、自分に対する侮辱だったのだ。それに気づかなかった。気づけなかったこと自体が、自分が無知である証拠であり、また同時に、そこからどこまでも伸びていく可能性を秘めていることの証でもあったのだ。

 

わかりやすいイメージ・ヒント

ヒント1

知者を振る舞う。だが、『知者』の認識は人によって違う。コンピューターに精通している人間からすれば、コンピューターについて無知なギタリストは『無知者』であり、その逆も然りだ。

ヒント2

知者を振る舞う。それには理由がある。それだけ努力したのだし、積み上げ、結果も出した。確信もある。違いもハッキリわかる。だが、自分が『知者』か『無知者』かをハッキリ見極める力がないのなら、そこにいる人の見識は大したことはない。総崩れさせたくないのなら、『正確な判断』をすることだ。

 

『知る』ことの意味

安岡正篤の著書、『論語の活学』にはこうある。

『知る』ことの意味

 

孔子が言われた。『由や、汝に本当の意味の『知る』ということを教えようか。知っておることは知っておるとなし、知らないことは知らないとなす、これが『知る』ということの意味である』≫

 

知らないことを『知らない』と正直に言えば、『損をする』と考えている人間が圧倒的に多い。だが、彼らは理解していない。それを隠蔽することで、その知らない情報を自分のものにすることに対する機会損失を起こしてしまっているということを。

 

 

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孔子とソクラテスの一致

慶応義塾大学を卒業し、慶應義塾高校で教職に就き、同校生徒のアンケートで最も人気のある授業をする先生として親しまれた佐久協の著書、『論語の教え』にはこうある。

知っていることだけを知っているとして、知らないことはハッキリと知らないと言う。それが本当に物事を知っているということなんだよ。

 

神託を得たソクラテスは、各所に知者として評判の高い人物を訪ね歩いた結果、『自分は知識に関しては他の知者と呼ばれている者たちとさして変わりがないが、他の知者たちは何でも知っていて知らないことがないような態度をとっている。しかし私は、自分が知らないことがあることを知っている。自分が知らないと公言することもできる。この一点に関して、私は他の知者よりも優れているに違いない』との結論を得た。いわゆる『無知の知』の覚りである。

 

ソクラテスの先輩格に当たる孔子もまったく同じことを言っているのだが、孔子は古参の弟子の子路を諭すかたちで述べている。もともと侠客出身の子路は、鼻っ柱が強く、古参の弟子ということもあって、弟弟子たちに知ったかぶりをするような面があったようだ。孔子は知識のための知識を嫌った。孔子は弟子たちに『自分は物知りではない』と再三述べ、単なる物知りになることを諫めている。

 

孔子とソクラテスが、全く同じことを言った。これだけで極めて注目に値することになる。

 

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無知のメリット

新渡戸稲造の著書、『自分をもっと深く掘れ!』にはこうある。

専門バカより『聞く耳をもつ』素人になれ

 

人と応対するときは、何か相手から利益を得るように心掛けることが必要である。自分が知らないことは、はっきり知らないとしたうえで、相手から何かを学ぼうとするのである。これは容易なように見えて、小心者には最もむずかしいことである。学ぼうとする人には三種類の区別がある。つまり、

 

『まったく知らない人』、

『少し知っている人』、

および『大いに知っている人』

 

である。ただし、知らないことを知らないとしたうえで他人から聞くことを嫌がるのは、三者とも同じである。まず、まったく知らない人はひがみ根性を起こす。こんなことを知らないと言っては馬鹿にされはしまいかということを前提として、防御線を張ろうとし、知らないことも知った風をして、その知らないことを覆い隠そうとする。したがって人に聞くことができない。また、生知りの人に限って、何事でも知っているように思い込み、たとえ知らないことでも人からものを聞くことを嫌がる。

 

無知をさらすことができない人間は、知ったかぶりをし、全能のように見せる人間は、それらの行動が逆効果になっていることを知るべきである。

 

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専門バカより『聞く耳をもつ』素人になれ

ドイツの哲学者、エーリッヒ・フロムの著書、『生きるということ』にはこうある。

無知も、知っている者にとっては知識と同様によいものである。なぜなら両者ともに知る過程の一部であるからである。

 

『知ることが出来る』無知は、大歓迎しなければならない状態だ。それなのに知者を無理矢理振る舞い、その機会を損失することは、『知的』ではない。

 

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神託の謎解き

新國稔秧の著書、『ソクラテスの言葉』にはこうある。

神託の謎解き

 

真実に満ちた、ソクラテスの声が法廷に響く。

『みなさん!なぜわたしが、こんなことを話したのか考えてほしい。それは、わたしに対する悪口が、なぜおきたかを説明するためだ。カイレポンから、神託を聞かされてから、私は考え込んでしまった。”神様はなにを言おうとしておられるのか?この謎をどう理解すればよいのか?”。

 

というのは、自分の持っている智恵の値打ちは、たいしたものではないことを、わたしはよく知っている。それなのに、なぜ神様は『ソクラテスが一番の知者である』と言われたのか?その真意は?神はなにを言おうとしておられるのか?神様がうそをつくことはないのだから、わたしは神様から出された宿題のような謎をとこうと、長い間その意味について思い悩んだあげく、やっと、謎をとく方法が見つかった。

 

それは、世間で知恵があると思われている人を訪ね、この世の真理について相手に問いただし、わたし以上の智恵のある人物がみつかれば、『ほら、神様。この人の方が、わたしよりも知恵をお持ちですよ』。そう言って、カイレポンがもたらした神託に反論できると考えたのだ。

 

そこでわたしはさっそく、町の人たちから知者として、よく知られた政治家を訪ねた。この人物の名前まで語る必要はないだろう。この人はわたしを歓待してくれた。そこで早速『善とは』『正義とは』などについて、この男を観察しながら問答を重ねると、答えが一問ごとにあいまいになる。それで、こんな感じをうけたのだ。この人は、多くの人たちに知恵のある人物だと思われていて、自分でもそのように自覚しているけれども、実はそうではないのだ。

 

 

さて、自分は『知者』だろうか。それとも『無知者』だろうか。

 

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1.日本の海軍大将、山本五十六

2.南アフリカの大統領、ネルソン・マンデラ

3.日本の経営者、松下幸之助

4.日本の経営者、大山梅雄

5.日本の経営者、豊田佐吉

6.道教の創案者、老子

7.アメリカの牧師、ロバート・シュラー

8.フランスの哲学者、パスカル

9.日本の僧、法然

10.インドの思想家、ガンジー

11.オランダの法学者、グロティウス

12.日本の作家、遠藤周作

13.アメリカの作家、オー・ヘンリー

14.アイルランドの作家、オスカー・ワイルド

15.フランスの作家、ロマン・ロラン

16.日本の作家、宮沢賢治

17.ロシアの作家、トルストイ

18.ドイツの作家、ゲーテ

19.日本の作家、島崎藤村

20.イングランドの作家、シェイクスピア

21.イギリスの作家、ジョージ・エリオット

22.イギリスの作家、コナン・ドイル

23.イタリアの建築家、フィリッポ・ブルネレスキ

24.ウクライナのピアニスト、ホロヴィッツ

25.日本の画家、葛飾北斎

26.日本の映画監督、黒澤明

27.アメリカの俳優、ジェームズ・ディーン

28.アメリカのギタリスト、ジミ・ヘンドリックス

29.ドイツの理論物理学者、アインシュタイン

30.イギリスの自然科学者、ダーウィン

31.儒教の始祖、孔子

32.古代ギリシャの哲学者、ソクラテス

33.仏教の開祖、ブッダ(釈迦)

34.キリスト教の礎、イエス・キリスト