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就寝前のストレッチやヨガは快眠効果があるが『運動』は逆効果!

睡眠前にストレッチしてもいいの?

睡眠前にストレッチをすることは効果的です。といっても、やりすぎるストレッチは『運動』に近くなり、逆効果なのですが、筋肉や心がリラックスする程度のストレッチは入眠準備を整えるための『ルーチン』として効果があります。ルーティーンとも言いますが、これは『入眠儀式』、あるいは『就眠儀式』ともいわれます。

 

 

『就眠儀式』とは

『疲れが確実にとれる「眠り方」のコツ』にはこうあります。

自分だけの就眠儀式を作ろう

(省略)『歯磨きだけはしないと絶対に寝つけない!』と言い張る人もいるし、必ず歯磨きが先でトイレが後、と順番にこだわる人がいたりもする。(中略)このような習慣化された就寝前の行動パターンを『就眠儀式』という。就眠儀式は、もともと育児の分野で使われる心理学用語。子供は寝るときにおしゃぶりをくわえるとか、お気に入りのぬいぐるみを抱っこするとか、絵本を読んでもらうとか、一定の就眠儀式をもっている。

 

このような入眠儀式たるルーティーンの一環として、ストレッチを取り入れている人は大勢いるのではないでしょうか。そしてそれは適切に行われている場合は、とても効果があるということです。私も寝る前は必ずやっていますが、やらないと気が済みませんね。私の場合は体を鍛えているし、デスクワークだし、ということもあって、人一倍ストレッチをするべき状況が揃っていますので、そういうこともあります。

 

激しい運動は逆効果

さて、ではなぜやりすぎの『運動』がいけないのかということです。ストレッチも大きく言うと運動なのですが、ここではあえて『激しい運動』のことを運動と呼ぶようにします。本にはこうもあります。

寝る前の運動で不眠を解消するコツ

(省略)とはいえ、まったく運動していない人が、不眠解消のために急に運動するのはやめたほうがいい。寝つきがどうとかいう以前に、体に余計な負担がかかる。疲れをとるために眠りたいのに、疲れすぎて、かえって眠れなくなる恐れもある。また運動の内容は、いわゆる有酸素運動がいい。それも汗がちょっと出る程度の軽いレベルで十分だ。

 

 

ストレッチが過ぎて『運動』になっていますと、余計な負担がかかって逆に眠れなくなるからですね。またここで挙げられているジョギング等の軽い有酸素運動も、『寝る直前』ではなく、『寝る2~3時間前』の話です。今回考えている『寝る前のストレッチ』はまさに寝る直前。大体30分前でも通用することですので、そこに違いがあります。本にはこうもあります。

快眠にきくストレッチ&マッサージって?

入浴でも運動でも『熱すぎるとよくない』『激しすぎるとよくない』としつこく繰り返しているのには、大きな理由がある。というのは、熱い湯や激しい運動は交感神経を刺激するからだ。

 

熟睡に必要な体温は?睡眠の質を上げる入浴法と、冷え性に効果的な湯たんぽの使い方

 

上記の記事に入浴のポイントについて書きましたが、熱い湯や激しい運動は交感神経を刺激してしまいます。ではここで睡眠時の人の脳波の動きを見てみましょう。

 

STEP.1
目をつぶる
 
STEP.2
脳波は起きているときに出ているβ(ベータ)派からα(アルファ)派に変わる
STEP.3
さらにウトウトするとΘ(シータ)派が出る
 
STEP.4
意識が遠のいてδ(デルタ)派という脳波が出てくる
これが熟睡している状態。ここまでに約90分(1時間半)かかる。

 

人が熟眠感を得るためには脳波をこの『δ派』にする必要があります。この状態になると自律神経は副交感神経が優位になっていて、体温は低下しています。これが『ノンレム睡眠』といわれる深い睡眠です。

 

  • 交感神経が優位=緊張、不安
  • 副交感神経が優位=リラックス

 

ですから、自律神経は副交感神経が優位になっていなければ睡眠できません。

 

レム睡眠
脳は起きて身体が眠っている。浅い睡眠。Rapid Eye Movement。急速な眼球運動を伴う眠り。瞼の中で目がぎょろぎょろと動いていることから、REM睡眠と名付けられた。
ノンレム睡眠
脳も体も眠っている。深い睡眠。

 

これが、熱い湯や激しい運動は交感神経を刺激するからNGだという理由ですね。

 

活性酸素が溜まると睡眠障害を引き起こす

そもそも激しい運動は、活性酸素という疲労物質を溜める原因となってしまいます。『トップアスリートが実践している最強の回復法』にはこうあります。

激しい運動では活性酸素が大量発生する

(省略また、マラソンのように無酸素運動に近い、激しい運動をした場合、体内は酸化が進み、活性酸素が大量発生します。

 

そして活性酸素が増えると、

 

  • 動脈硬化
  • 心筋梗塞
  • 脳梗塞
  • がん
  • 糖尿病

 

等の多くの病気のリスクが高まります。この活性酸素によるダメージを『酸化ストレス』と言いますが、酸化ストレスは実はこれだけじゃなく、『睡眠障害』の原因でもあるのです。『なぜあなたの疲れはとれないのか』にはこうあります。

激しい運動は『体を痛めつける』だけ

(省略)激しい運動をした場合、自律神経は酸素需要の増大に応じて呼吸を早め、心拍数を上げ、発汗を促しては体温の上昇を防ぐなど、1000分の1秒単位でフル稼働します。この状態でそのまま運動を続ければ、フル稼働にさらにムチを入れることになり、自律神経の中枢は疲弊していきます。運動による疲労とは、実はこの自律神経の中枢の疲労のことなのです。

 

つまりこういうことです。

 

STEP.1
激しい運動をする
STEP.2
自律神経がフル稼働する
 
STEP.3
自律神経の中枢はそのうち疲弊していく
 
STEP.4
自律神経が酸化ストレスによってさびつき、機能を果たせなくなる
酸化ストレスとは、活性酸素によってダメージを受けること。
STEP.5
自律神経失調症が起きる
頭痛、めまい、ふらつき、耳鳴り、体温調節機能の低下、血圧の変動、睡眠障害など。

 

この自律神経は、激しい運動によって疲弊します。そして最後には自律神経失調症を招くことになり、睡眠障害を含めたあらゆる体調不良を引き起こしてしまうことになります。『肥満外来の女医が教える熟睡して痩せる「3・3・7」睡眠ダイエット』にはこうあります。

寝る前は運動しない

(省略)ところが、せっかく副交感神経が優位になり、気持ちよく眠りにつこうとしたところに腹筋やランニングといった激しい運動をすると、ふたたび活動モードに入ってしまい、交感神経の方が優位になってしまうことになるのです。つまり、リラックスしていたところにハードな運動をすると、体も頭もシャキッと目が覚めた状態になってしまう、ということです。

 

これで寝る前の『運動』が逆効果であることがわかりましたね。

 

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