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ブッダ『手柄を捨てろ。手柄に執着することは、愚かである。』


ブッダの言葉


仏教の開祖 釈迦(画像

 

このテーマについては、私はまだ偉そうに断言できない。まだ理解に及んでいないのだ。どこまでこれを追及していいか。追求するべきなのかを。『手柄』である。人が何かを成し遂げたとき、当然『手柄』はその人にある。だが、もちろん人として、その『手柄』を受け取らない方が、かっこいい。

 

ついこの間、宮崎駿最新作『風立ちぬ』でもあったが、主人公の堀越二郎が、震災のとき偶然居合わせた女性が怪我をしたのを目の当たりにしたとき、有無をいわさずその女性を背中に背負い、長い長い道のり、山道を歩き続け、避難場所まで無事にその身体を届けた。

 

途中、もちろん堀越は、疲労の為体勢を崩し、女性を落としそうになることもあった。しかし、堀越はそれについて一つも言い訳、弱音を吐かず、『私に任せなさい』という態度を貫き、男を成し遂げた。別れ際、名前を聞かれるが、堀越は背中越しに手を挙げ、潔くその場を去ったのだ。

 



私の本音は、これを見て、心の底から、堀越の高潔な心構えに感動した。私も常々、こういう人間で在り続けたいと思って、心掛けているということも、本当だ。だが、『仕事』や、『報酬』、あるいは、家族、友人、親族、その他の自分の人間関係という、一度きりではない関係性の場合に、もし、不当な評価をされていたら、どうだろうか。

 

私はこのテーマについて、散々悩まされてきた。例えば、『みにくいアヒルの子』。あのアヒルは、”白鳥”だった。だが、周りに見る目が無かったから、他と違うその”白鳥”は、できそこない呼ばわりされ、いじめ、虐待を受けたのだ。結局この”白鳥”も、堀越二郎も、後でそれらが報われているのだ。

 

堀越二郎の場合は、数年後、『震災のときは、本当にありがとうございました。』と、健気に堀越のことを思い続け、再会することが出来た。『あなたは私たちの王子様なんですよ』と言われる。

 

この感動は、『不遇の時代』があってこそのものだ。『不遇』に屈さず、自分の正義を貫く。それこそが、あとで大きな感動を生む。だから、自分で自分の手柄をひけらかし、相手を屈服させ、認めさせることに躍起になり、執着してはならない。ブッダはそう言っているのだろう。

 

だが、私はこのテーマについていつものようにはまだ断言できない。未熟なのだ。何を隠そう、私は連続して7年間もの間、地元の友人たちに、自分では大きく貢献しているつもりだった。だが、それを理解している人と、理解していないどころか、全く真逆の評価をする人間とに分かれたのだ。

 

そのうちの一人はこう言った。

『お前、自分が特別だと思ってんじゃねえの?』

 

私は、私が貢献してきたことの見返りが、感謝ではなく、その心無い言葉だったことに直面したとき、思わず、涙が止められなかった。涙など、男として何年も封印していたつもりの私が、止められなかったのだ。

 

『不遇』である。

 

それ以来私は、『手柄』を、ある程度主張するようになった。それにどうやら、ビジネスの世界ではそれは当然のようにまかり通っていて、先にその『報酬』や『手柄』を決めることが圧倒的に多く、(自分に足りなかったことは、この『手柄の主張』だったのかな)と、思う最近だったのだ。

 

そんな中、ブッダはこう言う。

『手柄を捨てろ。手柄に執着することは、愚かである。』

 

もちろんブッダというのは『悟りを開いた者』という意味だから、ブッダにしてみれば、『この世に執着すること自体が罪』だという突き詰めた考え方をしている。だからこそ、今回の『手柄』についても、執着は見苦しい、と説いているのだろう。

 

だが、私はこれらすべてをふまえて考えても、まだこのテーマについては断言できない。まだ、余地がある気がしてならないのだ。これは、生きている間に、突き止めよう。目をそらなければ、必ずいつか、わかる日が来る。

 

 

参照:法句経73

 

※これらの言葉は参考文献や史実に基づき、オーナーが独自の見解で超訳し、自らの生きる糧、自らを戒めるため、内省の為に日々書き留めたものです。史実を正確に把握したい方は正当な書物をご覧ください。

著者:一瀬雄治 (Yuji Ichise)

 

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