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メソポタミアの神々の王『マルドゥク』とペルシャの絶対神『アフラ・マツダ』

ハニワくん

先生、質問があるんですけど。
では皆さんにもわかりやすいように、Q&A形式でやりとりしましょう。

先生

イラク・イランにも神話はある?わかりやすく簡潔に教えて!

あります。イラクは『メソポタミア神話』で、イランは『ペルシャ神話』ですね。

ハニワくん

なるへそ!
も、もっと詳しく教えてくだされ!

博士

どの地域にも独自の神話があります。

現在の『イラク近辺』にはメソポタミア神話がありました。その主神は『マルドゥク(アシュル)』です。現在の『イラン周辺』にはペルシャ神話がありました。その主神は『アフラ・マツダ』です。それぞれに物語がありますが、特に注目するべきなのはペルシャ神話です。その話の中で、アブラハムの宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)にも影響するゾロアスター教の創始者『ゾロアスター』が誕生します。ゾロアスターの死後1000年毎に救世主が出現し、救世主はこの世を悪から救いました。

 

そして最後の救世主は『乙女』から生まれると予言されました。それは『イエス・キリスト』のことでした。この世界に莫大な影響を与えた人物の話が、このペルシャ神話と関係しているのです。

うーむ!やはりそうじゃったか!

博士

ハニワくん

僕は最初の説明でわかったけどね!
更に詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

先生

この世界の長重要人物に関連する神話

韓国人は『熊』ではなく『虎』かもしれなかった?紀元前2370年にあった『はず』のお話
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上記の記事で韓国神話、中国神話、日本神話、インド神話について考えてきたが、今度はメソポタミアとペルシャの神話である。『メソポタミア文明』というのは誰もが一度は聞いたことがあるはずだが、『人類最初の巨大文明』だ。それくらい重要だからこそ、皆の頭の中に焼き付いているのである。『これくらいは覚えておく必要がある』ということだったわけだ。

 

メソポタミア(イラク)神話

以下の2つの国家をメソポタミアと呼ぶ。

 

メソポタミア

  1. バビロニア
  2. アッシリア

 

場所的には現在の『イラク近辺』である。そしてピラミッドがある、ナイル川の近くの場所あたりでできた文明が『エジプト文明』であり、モーセが活躍した舞台と同じである。それよりも地図上では少し右のほうだ。

 

 

 

世界四大文明は以下の通りだが、

 

  1. メソポタミア文明
  2. 中国文明
  3. インダス文明
  4. エジプト文明

 

そのうち、メソポタミア文明はイラクとイランの間あたり、エジプト文明はエジプトあたりとなっている。

 

このメソポタミアにも様々な『神々』がいたが、その主神は『マルドゥク(アシュル)』である。

 

メソポタミアの神々の王

マルドゥク バビロニアでの呼び名
アシュル アッシリアでの呼び名

 

STEP.1
アン、キ、エンキという主神がいた
シュメール時代から存在した神々。
STEP.2
アンとキの間にエンリルが生まれる
STEP.3
エンリルが主神となる
このエンリルがマルドゥク。『ベール』とも呼ばれていて、『太陽の子』という意味がある。
STEP.4
エンリルはナンナを産む
STEP.5
ナンナからウトゥとイナンナが生まれる

 

この『アン、キ、エンキ』の前にも神々がいたのだが、それは『怪獣の姿』をしていた。その怪獣の神『アプス』は、新しい神であるエンキらを殺そうとしたが、逆にエンキに殺された。その妻に当たるもう一人の神『ティアマト』は、怒り狂うが、マルドゥクがそれら『復讐組』を成敗。そしてティアマトの体を真っ二つに切り、その上半身で天、下半身で地を作った。そしてその『復讐組』を殺した時の血で人間を作った。

 

 

ペルシャ(イラン)神話

しかし、ペルシャ神話の最高神は下記の記事にも登場した『アフラ・マツダアフラ・マズダー)』である。『マツダ』という名前なので、日本人かと思うかもしれないが、それとは無関係である。ゾロアスターは、アブラハムの宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)にとっても重要な存在となるわけだが、彼が始めたこの『ゾロアスター教』でまつる全知全能の神が、このアフラ・マツダである。

 

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ペルシャは先ほどの地図で言うと、『イラン』方向にある。つまり、イラクとイランでは、大元になる神が違うのだ。

 

各地域の神話と神

イラク メソポタミア神話 マルドゥク
イラン ペルシャ神話 アフラ・マツダ

 

下記の記事で、民族のルーツに神がいるという話をしたが、イラクとイランはこのようにしてルーツとなる神が違うので、現在でも仲が悪いのである。

 

ついに各民族のルーツに『神』が存在する理由がわかった!

 

では、このアフラ・マツダの話をまとめてみよう。

 

STEP.1
ペルシャの最高神アフラ・マツダがいた
光と善の神であり、すべてのペルシャ人が崇めた神の中の神。
STEP.2
しかしアングラ・マイニュという対極の神もいた
闇の悪霊であり、アフラ・マツダの対極の存在。
STEP.3
2人の神は一体となってしまった
ヒンズー教では『破壊神、維持神、創造神』の『3神一体』だが、この場合は『2神一体』。
STEP.4
2人の神は闘う宿命にあった
光と闇、善と悪の戦い。
STEP.5
3000年に一度決闘をしようと約束
計3回、1万2千年かけて行う。アフラ・マツダのこの提案に、アングラ・マイニュは乗った。
STEP.5
それぞれ死闘を繰り広げる
アングラ・マイニュが勝ったり、アフラ・マツダが勝ったりして、ついに最後の3000年が始まった。
STEP.5
ゾロアスターが誕生
アブラハムの宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)にも影響するゾロアスター教の創始者。
STEP.5
ゾロアスターの死後1000年毎に救世主が出現
救世主はこの世を悪から救った。
STEP.5
最後の救世主は『乙女』から生まれると予言された

 

これらの神話は、徐々にユダヤ神話へと影響を与えていくことになる。

 

ユダヤ神話(一神教)とギリシャ神話(多神教)はなぜ和解できたのか?

 

『乙女』とイエス

さて、勘のいい人ならここで出てきた『乙女から生まれる最後の救世主』の存在が誰か、もうわかっただろう。イエス・キリストである。

 

 

下記の記事では、

イザヤ書が、乙女をさすヘブライ語『almah』を、処女を意味するギリシャ語『parthenos』に変えてしまったことである。簡単におかしてしまうまちがいだがこの一人の翻訳者の誤りが大きく膨らんで、イエスの母親が処女だったというまるっきり馬鹿げた伝説を生むことになる。

 

という衝撃的な『翻訳ミス』の話を参考文献から引用したが、今回参考にした『違う参考書』にも、処女ではなく『乙女』とはっきりと書いてあるのである。

 

イエスの母親は『処女』ではなく『乙女』の間違い!?世界最大規模の2つの翻訳ミスとは

 

これが世界最初の文明、メソポタミア文明にあったメソポタミアの神々の王『マルドゥク』と、お隣、ペルシャの絶対神『アフラ・マツダ』の伝説だ。そしてこのアフラ・マツダはゾロアスター教の神でもあり、そしてそのゾロアスター教がアブラハムの宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)へと影響を与えていく。

 

 

該当する年表

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