睡眠不足で『糖尿病・高血圧・動脈硬化』になるリスクが上がる?

睡眠不足で『糖尿病・高血圧・動脈硬化』になるリスクが上がる?

上がります。

睡眠の質がインスリンの働きや、ブドウ糖を処理する能力に影響し、それが原因で糖尿病になるリスクが上がります。また、睡眠不足が続き、自律神経が乱れ、交感神経が常に活発に働き続けるようなことがあると、眠りとともにスローダウンするはずだった血管がフル稼働を強いられ、ボロボロになり、高血圧になるのです。高血圧と動脈硬化は密接につながっていますので、動脈硬化のリスクも同時に引きあがるわけです。

先生

睡眠不足は糖尿病とかだけじゃなく、86もの病気のリスクが上がるよ!
更に詳しく知りたい人は、以下の記事を見るっす!

ハニワくん

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睡眠不足と病気の関係

『睡眠不足で死ぬことはない』という言葉がありますが、その答えの一つは、『睡眠不足になると強制的に眠くなって結局寝るので、その時の睡眠によって体調は回復する』というものです。

 

睡眠の質が悪いと86もの病気にかかる?

『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』にはこうあります。

睡眠の質が悪いと86もの病気にかかるリスクが生まれる

『睡眠不足で死ぬことはない』ときどきこうした言葉を耳にしますが、睡眠専門家の立場からすれば、とんでもない話です。睡眠の質が健康に及ぼす影響を甘く見てはいけません。たとえ睡眠不足が直接の死因にはならなくても、睡眠の時間的な不足や質の悪さがもとで病気になり、命を縮めるケースもはいくらでもあります。

 

睡眠が不足すると86もの病気にかかるリスクが生まれ、早死にする確率も高まるとカナダのラバル大学とアメリカのウィスコンシン大学の研究チームが警鐘を鳴らしています。そしてその中には日本で『5大疾患』とされる、

 

  1. がん
  2. 脳卒中
  3. 心筋梗塞
  4. 糖尿病
  5. 精神疾患

 

も含まれています。これらのリスクすべてが睡眠不足によって高まる危険性があるということなのです。

 

先生

睡眠不足で病気になるなんて、人にとって睡眠は本当に大切なんだね!スマホが充電しないと機能しないみたいな感じに似てるね!
たしかに!

ハニワくん

 まとめ✔
  1. 睡眠の質が悪いと86もの病気にかかるリスクが生まれる。

 

糖尿病

なぜ睡眠不足で糖尿病になるのでしょうか。

 

糖尿病になる流れ

その前に糖尿病になる流れについて簡単に見てみましょう。まずは健常者のケースです。

 

STEP.1
炭水化物(糖質)を食べる
ごはん、パン、麺類等。

STEP.2
消化されてブドウ糖に変わる
 

STEP.3
ブドウ糖は臓器や筋肉を動かすためのエネルギーとして全身に廻る
 

STEP.4
誰もが一時的に血液中のブドウ糖は増え、高血糖状態になる
 

STEP.5
膵臓から『インスリン』が出る
ブドウ糖を臓器や筋肉に運んで筋肉内に取り込まれやすくしたりする。

STEP.6
血液中のブドウ糖が一定レベルに保たれる
 

 

これが人が食事をした際に動く通常の血糖値の流れです。血糖値は誰もが食後に高くなりますが、その後インスリンの分泌によってそれが元に戻りますので、何も問題は起きません。しかし、糖尿病になると違います。

 

STEP.1
炭水化物(糖質)を食べる
ごはん、パン、麺類等。

STEP.2
消化されてブドウ糖に変わる
 

STEP.3
ブドウ糖は臓器や筋肉を動かすためのエネルギーとして全身に廻る
 

STEP.4
誰もが一時的に血液中のブドウ糖は増え、高血糖状態になる
 

STEP.5
何らかの理由で膵臓から『インスリン』が出ない
あるいは働きが悪くなる。

STEP.6
いつまでも高血糖状態が続き、糖尿病になる
 

 

何らかの理由で膵臓から『インスリン』が出なくなるんですね。これが糖尿病の正体です。これによって高血糖状態が続くので、血管がもろく、ボロボロになってしまい『血管病』になります。そして、それによって適正な栄養の供給が途絶えて全身の臓器にさまざまな障害が起こってきます。

 

  • 脳梗塞
  • 心筋梗塞
  • 狭窄症
  • 閉塞性動脈硬化症

 

等の様々な問題を引き起こす可能性が高くなってしまうのです。また合併症で言えば、

 

  • 糖尿病性網膜症
  • 糖尿病性腎症
  • 糖尿病性神経障害

 

の3つはとりわけ危険な病気だと言われています。もしこれらの病気になると、やがて『失明』してしまったり、『人工透析』なしでは生きていかなくなり、あるいは『足の切断』も余儀なくされることがあります。糖尿病性神経障害になると、ささいな怪我で足が壊疽し、切断に追い込まれるのです。糖尿病がいかに恐ろしい病気かがわかりましたね。糖尿病の人がよく注射器を体に打つシーンを見たことがあるかもしれませんが、あれがこの『インスリン』なのです。インスリンが出ないものだから人工的に打ち、血糖値を正常に戻しているわけですね。

 

 

睡眠不足で糖尿病になる理由は?

ではどうして睡眠不足で糖尿病になるのでしょうか。『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』にはこうあります。

睡眠の質がインスリンの働きを左右する

近年、そうしたインスリンの働きが、睡眠不足によって低下するという研究結果が続々と報告されています。オランダのライデン大学の研究チームは『睡眠時間が短すぎると、たとえ血糖値が正常な人でも、インスリンの作用を受ける細胞の感受性自体が悪くなり、糖尿病になるリスクが高くなる』との研究結果を発表しました。またアメリカのシカゴ大学も興味深い発表を行っています。その内容は、健康な若者たちの睡眠時間を4時間に制限したところ、ブドウ糖を処理する能力が急激に落ち、たった1週間で初期の糖尿病患者のような高血糖状態になってしまった、という衝撃的なものでした。

 

  • インスリンの作用を受ける
  • ブドウ糖を処理する

 

この2つの能力が糖尿病の予防にとって重要だということは、先ほどの糖尿病の流れを見ればわかりますよね。睡眠不足が続くとたとえ健常者でも『軽い糖尿病状態』になってしまうという事実がわかっているのです。

 

睡眠不足が原因で病気になる?良質な睡眠で『癌、認知症、うつ病』等のリスクを下げよう

 

糖尿病

 

カギを握る徐波睡眠

更に、上記の記事で『徐波睡眠』について書きましたが、この徐波睡眠ができるかどうかも糖尿病に関係してきます。

 

徐波睡眠

最初の90分のノンレム睡眠で、睡眠の中で最も深い睡眠状態。脳波を測定すると、非活動状態であることを示す『大きくて徐行運転のようなゆっくりとした波形』が出現することからつけられている。

 

人間の睡眠で一番深い眠りは、最初の90分のノンレム睡眠にあります。したがって、この時間の寝入りをどれだけスムーズに行えるかで、睡眠の質が変わってくるわけですね。睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返して行われます。

 

レム睡眠

脳は起きて身体が眠っている。浅い睡眠。Rapid Eye Movement。急速な眼球運動を伴う眠り。瞼の中で目がぎょろぎょろと動いていることから、REM睡眠と名付けられた。

ノンレム睡眠

脳も体も眠っている。深い睡眠。

STEP.1
90分かけてノンレム睡眠へ
(睡眠1時間半経過)

STEP.2
15分ほどレム睡眠状態になる
(睡眠1時間45分経過)

STEP.3
90分ほどノンレム睡眠になる(2回目)
(睡眠3時間15分経過)

STEP.4
15分ほどレム睡眠状態になる
(睡眠3時間30分経過)

STEP.5
90分ほどノンレム睡眠になる(3回目)
(睡眠5時間分経過)

STEP.6
15分ほどレム睡眠状態になる
(睡眠5時間15分経過)

STEP.7
90分ほどノンレム睡眠になる(4回目)
(睡眠6時間45分経過)

STEP.8
15分ほどレム睡眠状態になる
(睡眠7時間経過)

 

このように、『δ派のノンレム睡眠』を『4回』ほど繰り返すと睡眠時間は『約7時間』になります。しかし、ベッドについてその瞬間に眠れる人はいませんから、ベッドに0時についた場合、『約7時間半』ほど経った、7時30分に起きられれば、十分な睡眠ができたことになります。しかし、この中で最も重要な部分はどこかと強いて言う必要があるならば、最初の90分の徐波睡眠であるということになるわけです。 ただ、徐波睡眠は最初の90分だけではなく、(3回目)ほどまでのノンレム睡眠がそれに該当すると言われています。しかしとにかく徐波睡眠はとても大事だということですね。

 

徐波睡眠がもたらす恩恵

  1. 成長ホルモンを分泌し、細胞組織を修復する
  2. 免疫機能を高める
  3. 熟睡感を作り、新たな活力を生み出す

 

先ほどの記事に、上記3つのポイントについて詳しく書きましたので、徐波睡眠が担う役割についての詳細はそちらでご確認ください。

 

さてそんな徐波睡眠が糖尿病にどう関係しているかというと、同じくシカゴ大学の研究者がその徐波睡眠になった若い被験者に対して、騒音を流し、わざと『浅い睡眠』に引き戻す実験を行いました。するとこういう結果が出たのです。

 

STEP.1
徐波睡眠に入った若い被験者に対し、騒音を流した
 

STEP.2
被験者は浅い睡眠に引き戻された
 

STEP.3
被験者は徐波睡眠の平均時間100分→20分程度に落ちた
20分は60代の平均時間である。

STEP.4
インスリンの働きが25%低下し、血糖値は23%も上昇した
 

 

つまり、徐波睡眠をしっかり取らなければ高血糖になるということがわかったのです。これはつまり『軽い糖尿病状態』です。したがって、睡眠不足だけじゃなく、睡眠がいかに深いか、という睡眠の質も糖尿病と関係しているわけですね。

 

それで言うと、糖尿病(2型糖尿病)患者のうち、72%が睡眠時無呼吸症候群があったというデータがありますが、睡眠中にこうした無呼吸や低呼吸があっても、インスリンの働きは悪くなるというのです。そしてそれは、無呼吸や低呼吸が改善されれば元通りに戻ることからも、やはり無呼吸症候群をそのままにしていると『死に近づく』というのは、いささか大げさな話ではないということになります。

 

睡眠中のいびきや無呼吸は危険?原因と対策は

 

しっかり寝れば糖尿病リスクは下げられる

 

 

では一体どうすれば睡眠不足による糖尿病のリスクを下げられるかというと、答えはあまりにも簡単ですね。文字通り、睡眠が不足しないように、たっぷりと寝ることが重要なのです。ポイントとして挙げるなら、

 

  • 夜更かしをしない
  • 無呼吸症候群の原因を作らない
  • 朝しっかり起きて太陽光を浴びる
  • 夜に電子機器に触れない

 

などということを押さえるのが大事ですね。まず『夜更かしをしない』ことですが、これは当然、今の話を聞いていればわかりますね。夜更かしをすればその分睡眠時間が不足しますから、それだけでも『インスリンの作用を受ける細胞の感受性自体が悪くなり、ブドウ糖を処理する能力が急激に落ち、糖尿病になるリスクが高くなる』わけですからね。また『無呼吸症候群の原因を作らない』ことですが、これは下記の記事を参考にして詳細を確認してください。骨格などが原因での無呼吸症候群は仕方ないにしても、

 

  • 肥満
  • 飲酒

 

によるそれは防ぐことができるはずです。『睡眠時無呼吸症候群』(文藝春秋)にはこうあります。

アルコールは大敵

さて『ビール』です。アルコールはいびきや睡眠時無呼吸があれば、それをさらに悪くします。アルコールによって、喉の奥の空気の通り道(上気道)の筋肉がゆるむため、上気道がふさがりやすくなるのです。

 

特にこの2つはそのまま悪化させるとそれだけでも糖尿病や動脈硬化等の生活習慣病の原因となりますから、必ず避けたいものです。更に飲酒ですが、『お酒や薬に頼らない「必ず眠れる」技術』にはこうあります。

『寝酒』は害の方が大きい

寝酒は良くない。常識的に誰もが言うことです。(中略)飲酒をすると、大脳皮質が制限されます。飲み屋で理路整然と法律の話の出来る人などいませんし、難しい数学の問題を解ける人もいません。これはすべて、前頭葉や頭頂葉、言語中枢などの大脳皮質の働きが抑えられているからです。このことによって、床に入ってあれこれ考えるということが少なくなり、入眠潜時が短くなり、ねつきがよくなります。そして、その後の深い睡眠にも入りやすくなります。この作用のために、多くの人がお酒を飲んで寝ようとするのです。しかしいいことはここまでです。寝つきはよくなりますが、その後のレム睡眠の時間は極端に短くなります。ノンレム睡眠の深度も浅くなります。つまりすぐに目が覚めてしまうのです。

 

 

寝酒によってたとえ寝つきのよさを得られても、

 

  • レム睡眠の時間は極端に短くなる
  • ノンレム睡眠の深度も浅くなる
  • アルコールの耐性がついて飲酒量が増える
  • 利尿作用で起きてしまい眠りが浅くなる

 

等の様々な問題を引き起こすことになります。寝酒というのは、睡眠時無呼吸のリスクも上げるし、睡眠の質も下げて徐波睡眠を得るチャンスも逃すしで、踏んだり蹴ったりなんですね。

 

睡眠中のいびきや無呼吸は危険?原因と対策は

 

『朝しっかり起きて太陽光を浴びる』ということですが、詳細は下記の記事に書きましたので、併せてご確認ください。

 

寝室の『灯り』や『色』を最適化し、良質な睡眠を得よう!(インテリア、カーテン、アイマスク)

 

簡単にまとめるとこういうことです。

 

STEP.1
朝の光を浴びる
セロトニンが出る。

STEP.2
光は視床下部や光に反応する臓器や腺に『起きろ』と警告を送る役割を果たす
光(特に太陽光)には日中に分泌されるべきホルモンや、体内時計を調節する神経伝達物質の生成を促す力がある。

STEP.3
太陽光が引き金となり、身体が動き出す
 

 

まずは、日中に太陽光をたくさん浴びることが求められます。そうすることで身体が日中に活動的に動けるようになります。そして、熟睡に欠かせない『セロトニン』という神経伝達物質が光を浴びることによって分泌されます。そしてそのセロトニンが夜間に『メラトニン』という物質に変化します。

 

各神経伝達物質

セロトニン 活動を助ける
メラトニン 睡眠を促す

 

またこのメラトニンは、光を浴びてからおよそ15時間後に分泌されます。メラトニン自体は、太陽光や電子機器等の『光』に含まれるブルーライトを浴びた直後は、分泌が抑制されます。ですから、朝7時に太陽光を浴びた場合は、22時にメラトニンが分泌され、眠気が出てくるわけです。

 

STEP.1
セロトニンが体内で合成される
 

STEP.2
日光の光を浴びる
ブルーライトを浴びる。

STEP.3
直後はメラトニンの分泌が抑制し、覚醒する
 

STEP.4
約15時間後、セロトニンがメラトニンを作る
 

STEP.5
メラトニンのおかげで快眠できる
 

 

つまり、夜に電子機器から発せられているブルーライトを浴びてしまうと、快眠物質であるメラトニンの分泌が抑制されてしまい、そこから更に15時間待たなければいけない、というイメージになるわけです。そして下記の記事に書いたようなことが起きてしまいます。

 

電波は肌に影響がある?LED(ブルーライト)がニキビを作る理由とは

 

そしてこのメラトニンですが、実は快眠を促してくれるだけではないのです。『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』にはこうあります。

メラトニンには脈拍、血圧、体温を下げて深い眠りを促す働きがあり、分泌が増えるほど徐波睡眠を長くできます。しかも驚くべきことに、メラトニン自体にインスリンの働きを高める効果もあるのです。

 

なんとメラトニンはインスリンの働きを高めるため、糖尿病関連の問題で悩む人にとってはとても心強い味方となるのです。つまり、心身共に規則正しい生活を送ると、

 

  • 朝に太陽光を浴びてセロトニンを出せる
  • セロトニンによって活動的になれる
  • セロトニンから十分なメラトニンを作れる
  • メラトニンによってたっぷり熟睡できる
  • メラトニンによって糖尿病予防ができる
  • 徐波睡眠によって糖尿病予防ができる
  • たっぷりの熟睡でも糖尿病予防ができる
  • 肥満を予防して生活習慣病を予防できる
  • 肥満を予防して睡眠時無呼吸症候群を予防できる

 

等、こと糖尿病(生活習慣病)に焦点を当てただけでも、これだけの恩恵があるわけですね。やはり、規則正しく、健康的な生活というのは一生意識して生きていきたいものですね。特に自分の子供を育てる際に、こうした事実というのは大きなポイントとなるのではないでしょうか。自分の子供を本当に愛しているなら、子供たちにどういう生活リズムを与えるべきか、ということはもうわかりますね。

 

先生

簡単に言うと、とにかく睡眠を妥協せず、たっぷりと睡眠をとるべきだということだね!
なるへそ!

ハニワくん

 まとめ✔
  1. 糖尿病が悪化すると失明、足の切断等の大きな問題に発展する。
  2. 睡眠の質がインスリンの働きを左右し、糖尿病のリスクを上げる。
  3. 徐波睡眠をしっかり取らなければ高血糖(軽い糖尿病状態)になる。
  4. 糖尿病(2型糖尿病)患者のうち、72%が睡眠時無呼吸症候群。
  5. しっかり寝れば糖尿病リスクは下げられる。
  6. 寝酒というのは、睡眠時無呼吸のリスクも上げるし、睡眠の質も下げて徐波睡眠を得るチャンスも逃すしで、踏んだり蹴ったり。
  7. 朝に太陽光を浴びないと快眠できない。
  8. 夜に電子機器から発せられているブルーライトを浴びてしまうと、快眠物質であるメラトニンの分泌が抑制されてしまう。
  9. メラトニンはインスリンの働きを高めるため、糖尿病関連の問題で悩む人にとってはとても心強い味方となる。

 

動脈硬化と高血圧

さて、睡眠不足が糖尿病のリスクを上げることはわかりましたが、睡眠不足というのは他にも様々な病気の原因となります。例えば先ほど挙げた、

 

  • 脳梗塞
  • 心筋梗塞
  • 狭窄症
  • 閉塞性動脈硬化症

 

これらはすべて、『動脈硬化』が原因で発症する病気です。動脈硬化とは、動脈が硬くなったり、もろくなったりすることで、血液の流れが悪くなったり、血管がふさがったりする現象です。動脈硬化と高血圧は相関関係にあり、血圧が高まると動脈硬化になり、動脈硬化が進むと血圧が高くなります。

 

STEP.1
動脈硬化が進む
 

STEP.2
血圧が高くなる
 

 

STEP.1
血圧が高くなる
 

STEP.2
動脈硬化になる
 

 

睡眠不足によって高血圧や動脈硬化になってしまう理由

『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』にはこうあります。

たとえば、心臓に血液を送る冠動脈に動脈硬化が起き、血液の流れが途絶えれば『狭心症』になり、冠動脈が完全に詰まれば『心筋梗塞』になります。心臓から延びる血管の大動脈にこぶができる『大動脈瘤』、それが敗れる『大動脈瘤破裂』なども動脈硬化の合併症です。(中略)腎機能の低下がさらに進めば『腎不全』になり、やがては体内の老廃物を十分に排泄できなくなり、人工透析が必要になることもあります。

 

更に、脳の動脈に血栓が詰まって『脳血栓』となり、脳の細胞脈に血液が勢いよく流れ込んで破れることで『脳出血』となります。このあたりの病気になると死亡率も高く、たとえ治ったとしても言語障害麻痺などの深刻な後遺症が残るケースが大半です。動脈硬化と、その引き金となる高血圧の怖さがよくわかりますね。

 

 

では、なぜ睡眠不足によって高血圧や動脈硬化になってしまうかというと、そこには『自律神経』がかかわっています。自律神経は、

 

  • 消化器
  • 血管系
  • 内分泌腺

 

などの機能を調節する役目があるのですが、睡眠不足が続き、自律神経が乱れ、交感神経が常に活発に働き続けるようなことがあると、眠りとともにスローダウンするはずだった血管がフル稼働を強いられ、ボロボロになり、高血圧になるのです。

 

STEP.1
睡眠不足が続く

STEP.2
自律神経が乱れる
交感神経が優位=緊張、覚醒。副交感神経が優位=リラックス、睡眠。

STEP.3
交感神経が常に活発に働き続ける
 

STEP.4
眠りとともにスローダウンするはずだった血管がフル稼働を強いられる
 

STEP.5
血管がボロボロになり、高血圧になる
 

 

先ほど糖尿病の場合は、『睡眠時間が短すぎると、たとえ血糖値が正常な人でも、インスリンの作用を受ける細胞の感受性自体が悪くなり、糖尿病になるリスクが高くなる』という話でしたね。そして睡眠不足はこのようにして、高血圧の原因にもなるのです。高血圧と動脈硬化の関係性については、もう説明しましたね。したがって、糖尿病の対策同様、睡眠をしっかりとることがここでも求められます。そうすれば副交感神経が優位になる時間が増えて血管が修復され、高血圧が改善されるのです。

 

STEP.1
しっかりと睡眠をする
 

STEP.2
副交感神経が優位になる時間が増えて血管が修復される
インスリンの作用を受ける細胞の感受性に悪影響も出ない。

STEP.3
高血圧が改善されると同時に、動脈硬化のリスクも減る
糖尿病も予防される。

 

『30~50代の男女』は特に注意する

男性は30代以降の働き盛り、女性もそれ以降の更年期あたりに、飲酒、あるいは性ホルモンの分泌量の影響で、血圧が上がりやすくなります。この問題に一番目を向けなければならないのは、『30~50代の男女』だと言えるでしょう。しかしその場合も、『6.5~7.5時間』の睡眠時間を確保することによって、それらのリスクを減らすことができます。『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』にはこうあります。

それはアメリカのハーバード大学医学大学院が行った、睡眠と血圧の関係を探る調査の結果を見れば明らかです。1日の平均睡眠時間が7時間以下で、血圧が高めの男女22人を対象に、一日の睡眠時間を1時間増やす実験を6週間行ったところ、それだけで血圧が8~14㎜Hgも低下したというのです。

 

睡眠時間が平均より若干少ない人が睡眠時間を1時間だけ増やしただけで、高血圧のリスクが下がったというデータがあるんですね。

 

無呼吸症候群が引き起こす病気

ちなみに先ほど『糖尿病(2型糖尿病)患者のうち、72%が睡眠時無呼吸症候群があった』というデータがありましたが、実は無呼吸症候群というのは、高血圧の中でも『薬でも血圧が下がらない、治療抵抗性高血圧』という厄介な症状を引き起こす原因となっています。なんと、その治療抵抗性高血圧の8割が睡眠時無呼吸症候群だったということがわかったんですね。

 

 

重症の睡眠時無呼吸症候群の場合、睡眠時の血中酸素濃度は60%にまでダウンします。これは、エベレストなど8,000m級の山の頂にいるのと同じ異常な低酸素状態で、非常に危険な状態です。したがって、脳は交感神経を必死に働かせ、何とかこの状況でも生き延びようとします。そしてそのせいで、命は助かっても、払う代償があまりにも大きいんですね。

 

STEP.1
重症の睡眠時無呼吸症候群である
 

STEP.2
睡眠時の血中酸素濃度は60%にまでダウンする
これはエベレストなど8,000m級の山の頂にいるのと同じ異常な低酸素状態。

STEP.3
脳は交感神経を必死に働かせ、何とか生き延びようとする
脈拍を高め、血圧を急上昇させる。

STEP.4
代償に体中の臓器に相当な負担がかかる
無呼吸は同時に血管も痛めつける。

STEP.5
心臓肥大、不整脈、心筋梗塞等のリスクが引きあがる
脳出血、くも膜下出血、大動脈剥離のリスクも引きあがる。

 

このようなリスクにさらされている状態であれば、いくら生活習慣を改善し、薬を飲み続けたところで血圧は下がりません。しかし、逆に言うと、睡眠時無呼吸症候群を治療さえすれば、これだけの病気から自分の身を守ることができるようになりますので、睡眠時無呼吸症候群に悩む人はぜひこうしたデータを治療の動機として検討するといいでしょう。『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』にはこうあります。

睡眠時無呼吸症候群を治療しただけで治療抵抗性高血圧が劇的に改善され、ほかの合併症も芋づる式によくなるケースも決して少なくはありません。

 

とにかく、睡眠の質を下げる睡眠時無呼吸症候群のリスク、そして睡眠の質を高めるということがどれだけ大事かということがよくわかりましたね。ま高きの記事では、うつ病や認知症と睡眠の関係についても記載しています。

 

睡眠不足が原因で病気になる?良質な睡眠で『癌、認知症、うつ病』等のリスクを下げよう

 

先生

だから睡眠にはお金をかけるべきだね!ベッドや寝室やインテリアとかさ!お金を使うべきところだよね!
たしかに!

ハニワくん

 まとめ✔
  1. 動脈硬化と高血圧は相関関係にある。
  2. 睡眠不足によって自律神経が乱れると血管がボロボロになり、高血圧になる。
  3. 『30~50代の男女』は特に『6.5~7.5時間』の睡眠時間をしたい。
  4. 睡眠時間が平均より若干少ない人が睡眠時間を1時間だけ増やしただけで、高血圧のリスクが下がった。
  5. 治療抵抗性高血圧の8割が睡眠時無呼吸症候群。
  6. 睡眠時無呼吸症候群は思ってる以上に危険。

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