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孔子『リーダーが心得る3つの戒めとは。』(超訳)

儒教の始祖 孔子画像

内省

 

  1. 性欲
  2. 権力欲
  3. 名誉欲

 

 

順に見てみよう。

 

1.性欲

実に厄介かつ、莫大なエネルギー源だ。それは誰しもがよく理解していることだろう。つまらないものにも、少しだけエロの要素を取り入れれば、人の目は格段に集まる。また、脳がエロによって刺激されるそのとき、ドーパミンが放出され、身体能力が上がることが実証されている。それだけエロのパワーとは、甚大である。

 

ナポレオン・ヒルは、著書『成功哲学』でこう言っている。

性衝動を他の創造的なエネルギーに転換する方法を知っている人は幸せです。ナポレオン・ヒル博士は、成功者の研究によって、次のことを明記しています。

 

1.偉大な成功を収めた人は、強い性欲の持ち主であった。なおかつ、その性衝動をうまく転換する技術を自らの経験で学んだ人でもある。

 

2.莫大な財産を築いた人や文学、産業、芸術、あるいは専門分野で名を成した人々は、何らかの形で女性の影響を受けた人々である。

 

性欲があることはいい。それは否定する必要などない。むしろ、性欲が強い人間が往々にして、大きな結果を出しているのだ。だがそれは、前述したように『性欲エネルギーの転換』を成功させた人間だ。性欲ごときに支配されてはならない。逆に、支配してそのエネルギーを利用せよ。

 

2.権力欲

見栄の張り合いだ。自分の方が、自分の方がと見栄を張り合う。その姿は、なんと浅ましく、愚かな事か。私は昔、権力欲に溺れて理不尽に父親に投げ飛ばされたことがある。幼少だった私は何一つ身に覚えのないその『暴力』に対し、精一杯の暴言を吐いたが、逆にそれをねじ伏せるかのように一喝されたのだ。

 

その後は、確かに思い出しても数えるくらいしかそういうことはない。むしろ、圧倒的に愛情をかけられたことの方が多い。だが、私の記憶からそのときの光景が消えることは無い。見栄に支配された人間は我を失い、自分の権力をひけらかし、主導権を握ることで頭がいっぱいになっている。真のリーダーが、部下やその対象者を表層的にだけ支配して、心底では恨まれ、憎まれ、陰口を叩かれるだろうか。いや、むしろその逆だ。

 

byトーマス・フラー

 

 

3.名誉欲

実に奥深い話になる。我々は、賞や勲章を貰ったりすることが本当にうれしい。紫綬褒章や国民栄誉賞、金メダルに最優秀賞、当然この私も、これらの名誉ある賞を貰ったら、うれしいだろう。だが、芥川龍之介は、胸いっぱいに溢れるほどの勲章をぶら下げた軍人を、『幼児同然』と笑っていたという。

 

ロシア数学者グリゴリー・ペレルマンは、ノーベル賞を辞退してこう言った。

 

そしてイチローは、国民栄誉賞を2度も辞退して言ったのだ。

『この賞を貰うことは、本当に日本一名誉なことだと思う。でも、現役の今この賞を貰ってしまうと、自分の中で勝手に限界を作ってしまうことになる気がする。』

 

『超一流』の名に相応しい人間の『名誉』についての向き合い方を見て、自分を戒めるべきである。

 

ゲーテは言っている。

 

この言葉が、今回の孔子(論語)の言葉を、一括してくれているのではないだろうか。

 

 

注意

※これらの言葉は参考文献や史実に基づき、運営者が独自の見解で超訳し、自らの生きる糧、自らを戒めるため、内省の為に日々書き留めたものです。史実を正確に把握したい方は正当な書物をご覧ください。

参照文献

季氏第十六-七

子曰く、君子に三戒あり。少き時は血気いまだ定まらず、これを戒むること色にあり。その壮なるに及びては、血気まさに剛なり。これを戒むること闘にあり。その老いたるに及んでは血気すでに衰う。これを戒むること得るにある。

関連する『黄金律

『人間が戦うべき相手は外にはいない。「内」にいるのだ。』

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