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孔子『礼儀とは、表面的な挙措動作ではない。心がけの美しさだ。』


孔子の言葉


儒教の始祖 孔子(画像

 

人に仕事を頼まれてもグズグズしてなかなか取り掛からなかったり、大事な用事で呼び出されても自分が本位の身支度によって相手を待たせたり、呼ばれても返事をロクにしない者がいる。それでは、結果的にどんなに立派に仕事を仕上げたにせよ喜ばれない。

 

言われたこともできない人、言われたことしかできない人、言われたこと以上のことが出来る人、というが、当然、最後でなければならない。形だけ、表面だけ、上っ面だけ相手の機嫌をうかがう行動を取り、心の芯の部分では相手を尊重していない。こういう邪な気持ちは、相手に必ず伝わってしまうのである。

 

逆に言えば、用事を頼まれたとき、仕事を頼まれたとき、自分の身支度など二の次にし、その頼まれたこと以上のことをやってのける人間とは、相手から信頼されるのである。

 

さて、これは余談だが、以前私の祖母が、長野の病院に怪我で入院した。私は、長野まで見舞いに行った。すると祖母は、そのことについて喜んではいるようだったが、私がその院内の看護師や医師に必要以上に挨拶をしなかったため、私の話を遮り、これみよがしに私に、

『あの先生は若くて、礼儀もしっかりしてる。』

 

と言った。戦中、戦後を生きた祖母にとって、社交辞令と勢いだけでやり抜けた高度経済成長期では、そういうことを表面的にでも重んじてさえいれば、仕事が入ったのだろう。まるで、私がそこで『社交辞令』を重んじなかったことを遠まわしに、揶揄して、私を『未熟だ』と批判するかのような言い回しだった。

 

だが、東京に住み、忙しく会社を経営する毎日を送る私が、『長野まで見舞いに行った』ことと、仕事として利益が発生している若き医師が、数年後には名前すら忘れている他人である一人の青年が、『社交辞令の挨拶をしっかりとしていた』ことと、一体どちらが『礼儀』を重んじていると思うか。

 

『礼儀』の意味をはき違えている人間は、あまりにも多すぎるだろう。

 

 

 

追記:祖母はこの後、私に謝罪できた。詳細は、

 

黄金律

『人間の知性の高さと器の大きさは、受け入れなければならない事実に直面した時の、受け入れる時間の長さに反比例する。』

 

 

この記事に書いた。それから6年の月日が流れた、88歳のときだった。

 

 

参照:君、命じて召せば、駕を俟たずして行く。

(郷党第十-十七)

 

※これらの言葉は参考文献や史実に基づき、オーナーが独自の見解で超訳し、自らの生きる糧、自らを戒めるため、内省の為に日々書き留めたものです。史実を正確に把握したい方は正当な書物をご覧ください。

著者:一瀬雄治 (Yuji Ichise)

 

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