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人間に初めてルールが作られた瞬間とは?

ハニワくん

先生、質問があるんですけど。
では皆さんにもわかりやすいように、Q&A形式でやりとりしましょう。

先生

いくつか質問があるんだけど、わかりやすく簡潔に教えて!

  1. 人間に初めてルールが作られた瞬間は?
  2. 昔の人は食べ物がないときはどうしていたの?

1.紀元前5000年頃、狩猟採集生活が終わり始め、農耕生活に(集団で暮らすように)なってからです。

2.人を襲ってでも食べ物を得ていました。

ハニワくん

なるへそ!
も、もっと詳しく教えてくだされ!

博士

当然ですが、人間には最初法律もルールもないわけです。

しかし紀元前5000年頃から、結構多めの人が集まって暮らすようになり、そこで秩序(ルール)の必要性を理解し始めます。紀元前5000年前からあった『狩猟採集時代』は、自分の食べ物がなくなれば他人のものを奪う略奪は当然で、そこで相手の命を奪うこともありました。しかし、集団生活でそれをやるとその生活が成り立ちませんから、自然にルールが決められていったのです。

うーむ!やはりそうじゃったか!

博士

ハニワくん

僕は最初の説明でわかったけどね!
更に詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

先生

 

狩猟採集→農耕生活へ

稲妻、洪水、地震。あまりにも力強いあの正体を知らないとき、人はそこに『何を見た』かわかるだろうか?

 

神話が生まれた理由は上記の記事に書いた。おそらく神話は狩猟採集中心の原始時代に生まれたと推測される。

 

原始時代

有史以前の時代。記録がない時代。

 

しかし、人間の集団生活の規模が大きくなり、徐々に人間の暮らしにも変化が起き始める。

 

STEP.1
人間の集団生活の規模が大きくなる
STEP.2
農耕と定着生活が始まる
STEP.3
氏族団体が部族団体に拡大
STEP.4
部族が連合して部族連盟が形成
STEP.5
部族連盟の規模が大きくなって古代国家が作られる
STEP.6
人間の集団生活に新しい秩序が必要になる

 

『世界の神話 神話の生成と各地の神話。神々と英雄の活躍』にはこうある。

かつて狩猟採集時代には食べ物がなくなれば他人のものを奪う略奪は当然だった。略奪の過程で死傷するのも当然のこととされたが、多くの人が1つの場所に集まって住んでこんなことがあれば、共同生活自体が不可能な大混乱が起こるしかない。それで共同生活する構成員は自ら進んで秩序を守るようになる。泥棒を禁じ、殺人や、他人を害する行為を禁じた。つまり道徳や倫理が必要になった。

 

農耕と定着生活のメリットに気付く

狩猟採集時代は食べられるときと食べられない時があり、食べられないなら餓死するしかなかったが、こうした農耕と定着生活が始まれば、そのあたりのデメリットが改善されるわけだ。種をまけば実がなるこの世の仕組みを知った人間は、新たなステージへと進んでいった。その中でやはり重視されたのは、

 

  1. 広い土地を持つ
  2. 多くの労働力を持つ

 

ということだった。この2点のポイントを押さえることができれば人は餓死することがなく、あるいは腹いっぱい食べることができ、満足のいく生活を送れるわけである。そこで子供をたくさん産むようになるが、その頃はまだ『結婚』という概念がなく、そんじょそこらで性行動が行われていた。日本文芸社『脳とカラダの不思議』にはこうある。

一般の動物は、育てやすい季節に出産を行えるように発情期というものが脳の中にプログラミングされているが人間の場合はいつでもセックスが可能だ。これは、脳の中の大脳皮質が深く関係している。生殖に関するメカニズムを担っているのは脳幹にある視床下部であるが、人間の場合は大脳皮質の前頭連合野も性行動に深く関係している。もし、視床下部だけに性行動が支配されているとしたら、人はひたすら欲望の赴くままにセックスを求めて、社会的な秩序はあっという間に崩壊してしまう。

 

狩猟採集生活=母系社会。農耕社会=父系社会。

そもそも人間というのは動物と同レベルの知能しかなかったので、その名残がなかなか消えない。知能の発達とともに徐々に理性的になるのだが、それまでの動物のような生活をすぐに切り替えたわけではなく、時間をかけて徐々に変わっていくわけだ。この時はまだこのあたりのことについては秩序がなかったので、生まれて来るこの父親が誰かははっきりしなかった。

 

STEP.1
結婚や性生活の秩序がない
STEP.2
生まれてくるこの父親が誰かはっきりしない
STEP.3
しかし子を産む母親にはそれがわかった
STEP.4
狩猟採集社会では母親が中心となる母系社会となった
STEP.5
農耕が始まり力のある男が重要な立場に立つようになる
STEP.6
男に権力が備わり徐々に父系社会に変わる

 

原始時代の狩猟採集時代の方が、狩りに出る男次第で生きていけるかどうかが決まるから、男がリーダーであるような気がするが、実際には狩猟採集社会が終わり、農耕社会になったときに、ようやく男は権力を持ち始めたようだ。こうして男が社会のリーダーと変化していく中で、やはりテストステロンの影響もあってか、その上昇志向ゆえに権力争いが生まれるようになる。

 

主な性ホルモン

名称 効果
男性ホルモン テストステロン等 男性らしくなる
女性ホルモン エストロゲン等 女性らしくなる

 

詳しくは下記の記事に書いたが、ポイントをまとめるとこうなる。

男性ホルモン、とくにテストステロンは、男を狩りに向かわせ、獲物を殺させる攻撃的なホルモンだ。男にひげが生え、髪が薄くなり、優れた空間能力が持てるのはテストステロンのせいである。

『人生の免許』と『人が使うべき最強の自律ツール』とは

 

男にはテストステロンがあり、これが人に上昇志向や、攻撃性を持たせる。だからこの当時の男性も、

 

  • 女性
  • 労働力(子供、人)
  • 土地

 

このあたりの『力』を自分のものにしようと主張するようになった。

 

 

ルールの必要性に気付く

しかしそのせいでやはり争いが生まれ、農耕社会の秩序が保つことができなくなる。ルールが必要だと解釈するようになり、徐々に秩序が作られるようになる。

 

  • 一夫多妻
  • 殺人
  • 他人を傷つける
  • 盗む
  • 嘘をつく

 

こういった行為がタブーとされるようになった。これが『人間に初めてルールを作った瞬間』ではなく、厳密には狩猟採集時代にもある程度のものはあっただろうが、そのような原始時代は動物と同程度の知能しかなかった人間のことだから、ルールというルールが作られたのは、この農耕社会が定着し始めたあたりの時代だと考えられるだろう。

 

 

該当する年表

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