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キケロ『人々の善が最高の法律である。』

名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!

ふむ…。

運営者

考察

『最高の法律』など存在しない。常に疑うべきである。何しろ、その法律を決める人間自体が、恒久的に未熟なのだ。そしてこの世は常に流動変化している。その時代に絶対不変だと思った法律が、500年後にはその価値を失っている、そういう事実は想定の範囲内でなければならない。しかし、それでも人々は常に『最高の法律』を熟考して捻出しなければならない。その際、その判断をするのは当然、現存する人間たちである。その人間たちのなかでも、識者たる賢人たちた知恵を出し合って検討し、法律を定めるのだ。

 

その法律が、たとえ500年後に姿形を変えてしまう可能性があっても、現時点では、そういう気配が全く感じられない。そう思うからこそ、その法律を制定したのだ。しかし、彼らがただ賢いという理由だけで法律を決めたのなら、その法律には穴が空いていると考えるべきである。

 

例えば、人を殺してはいけない。そんなことは当然だ。賢い人でも、そうじゃない人でも、大体その考え方には賛同できる。だが、目の前で最愛の人理不尽な暴漢に殺されてしまうまさにその時、その暴漢を近くにある鈍器で殴打する以外には、その絶体絶命のピンチを乗り越えることが出来ないというとき、人は本当に『殺さずの誓い』を守ることが出来るだろうか。打ち所が悪くて死んでしまっても、本当にそれは罪になるだろうか。過剰防衛と正当防衛の境界線は、どこにあるだろうか。正当防衛だからといって、殺していいのだろうか。

 

今からおよそ350年前、不倫は男女同罪とされ、夫は、密通した間男をその場で殺してもよいと定められていた。それだけではなく、現場にいない賢者たちが、本当にその状況を正当に評価できるかという問題もある。あるいは、本人ではない人間が、人の気持ちを正当に理解し、正当に裁くことなど出来るのだろうか。あるいは、そのような行為は越権的ではないのだろうか。

 

他の一切の動物はそのような行為をしているだろうか。していないなら、その法律には穴が空いている。たとえ、その法律を強制的に定めることで抑えられる人間に衝動があるとしても、それはあくまでも犯罪の抑制であり、その『犯罪』自体が人間が決めたルールなのだから、その法律には穴が空いているのだ。

 

最後の最後には、人間の善が最高の法律である。法律は、その様なことを考えて考えて、考え抜かれて生み出された英知だ。だから基本的に、それを順守していれば、トラブルは起きず、スムーズに行くだろう。もし法律がなかったら、人間の世界は、今よりもうんと混沌に陥っている可能性は高い。

 

しかし、サミュエル・ジョンソンはこう言った。

 

もしかしたら、法律が多くあることの方が、不健全なのかもしれない。道教の創案者の一人、老子もこう言った。

 

そもそも『仁義』という概念を人間が謳うようになったのは、それを掲げて依存して、道標としなければならなかったからであり、本来、別に必要なかった。

 

儒教の始祖、孔子は言った。

孔子

 

つまり儒教の教えは、

『徳による支配の為、支配者がしっかりしていれば、法律など必要ない。』

 

というものであり、人間に主体性があり、意志を大事にする矜持があるなら、国家や法律といった外部要因に依存する必要などないのだ。人間の良心には、『愛』がある。愛こそは、この世における究極の真理だ。何しろ、『愛=真理=神』だ。この図式だ。全ての人々の心に『それ』が宿れば、この虚無たる混沌の宇宙の闇に、確かな光が差し込む。

 

 

 

MEMO

※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。

 

 

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