『ヒト』を最適化しよう。

『人間は今、『最高到達地点』にいない。』(2ページ目)

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真理と呼ばれるものを鵜呑みにするな

『超訳 ニーチェの言葉』で有名な白取春彦の著書、『頭が良くなる思考術』にはこうある。

真理と呼ばれるものを鵜呑みにするな

 

それが真理かどうか、調べる方法がある。すなわち、どの時代にあっても、どんな場所においても、子供にも老人にも、病人にも、正しく通用するかということである。現在のところ、このすべてにおいて一点も欠くことなく合格し、真理とされているところのものは、愛しかない。

 

現在の人間が、人間の最高到達地点まで辿り着いたかどうかは定かではない。

 

ガリレオとコペルニクス

例えば、ガリレオコペルニクスが『地動説』を説くまでは、キリスト教で信じられていた『天動説』が常識だった。

 

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しかし真実は、『地動説』に近かったわけで、

 

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更には、地球も太陽も、宇宙の真ん中ではなかったのだ。しかし、この時代の人間は、『天動説を信じていた(間違った事実を、真実だと勘違いしていた)』のである。

 

空飛ぶ機械

これらの話をするとき、『妖怪ウォッチ』が日本を席巻する少し前に、その制作会社であるLEVEL-5とスタジオジブリが生み出した傑作ゲーム、『二ノ国 白き聖灰の女王』に備えられている書物、『マジックマスター』にある短編集、『空飛ぶ機械』のストーリーを、書いておかなければならない。この話はとても深遠である。熟読される可能性が低いゲームの説明書の片隅に何気なく書かれているこの話には、スタジオジブリが世に訴える真髄とも言える、エッセンスが込められている。忘れようと思っても、忘れられない。

 

二ノ国 白き聖灰の女王伝説の物語

 

 第11話『空飛ぶ機械』

夢見る男あるところに空を飛ぶことを夢見る男がいました。子供のころから魔法使いに頼んで空中散歩をさせてもらっては喜んでいましたが、自分には魔法の才能がまったくありません。厳しい修行も嫌なので、到底魔法使いになれないのですが、それでも自分で自由に空を飛びたいという望みをどうしても諦められないのです。あるとき男は一ノ国に旅行しました。その頃、一ノ国とは穴で繋がっており、二ノ国の人たちは誰でも好きな時に向こうへ行けたのです。一ノ国には魔法がありませんから、向こうの人たちは空を飛ぶことなどできません。

 

ところが、男はある噂を聞きつけました。自力で空を飛ぶことを考えている画家がいる。というのです。男がその家を探し当てて行ってみると、画家はちょうど留守でした。勝手に中に入ってみたところ、スケッチを見つけました。奇妙な渦巻きの形をした機械の絵で、どうやらこれを使って空を飛ぶようです。男は心の底から驚きました。魔法が存在するのが当たり前である二ノ国では、物を造って不可能を可能にするという発想がありません。男はその絵を紙に書き写し二ノ国へ持ち帰りました。

 

そして数年後、スケッチをもとになんとか装置を完成させ、男は魔法を使わずに、ふわりと宙に浮くことが出来ました。それはもう嬉しい一瞬でした。たとえ数秒間でも空を飛んだことには違いないのですから。賢者と若い魔法使いそれからしばらくして、男の下に一人の賢者がやってきました。

『お前が一ノ国から持ち帰った知識を捨てなさい』

 

賢者の言葉に、男はびっくりしました。

『なぜですか!?俺は自分で好きなように、空を飛びたいだけです!』

『魔法でやるべきことを、機械の力で実現すれば、二ノ国の在り方を脅かし、毒することになるのだ。』

『どうして毒することになるのです』

『魔法というのは、正しき心を持ち、一心に修行することで初めて使えるようになる。自然の力のごく一部をわが身に借り受け、自然を人間の為に操るのだ。それは邪念のない清らかな心を持った者にのみ許される行為である。機械の力で自然を屈服させるなど、正しき者のすることではない。』

 

機械を使えば、未熟な心やよこしまな精神の持ち主でさえ、自然を思い通りに操ってしまう。それは、神様に対する驕りである。というのが賢者の言い分です。賢者の言うことに間違いはないに決まっています。男は仕方なく、持ち帰った紙を賢者に渡しました。そのとき、二人のやり取りを見ていた、若い魔法使いが口を挟みました。

 

『賢者様、そもそも魔法とは人間の暮らしをよりよくするために使う物。機械でそれができるなら、なぜ使っていけないことがありましょう。』

『誤った人間が使えば、機械は誤った存在となる。』

 

『私は一の国の事情とも通じております。あの世界の者たちは、機械をはじめとした科学という学問を、神聖なものと考えております。鉄と鉄の金属を混ぜ合わせて、もっとかたい金属を作れば、石だらけの土地でも耕せる。そうやって人々の暮らしが豊かになっていくのです。』

 

『では聞くが、その科学の力を金儲けの道具にしか考えない者はおらぬか?民を支配するためにそれを利用しようという者が本当におらぬと言えるか?』

 

若い魔法使いは言葉に詰まりかけましたが、すぐに言いました。

『魔法使いにしても、悪用しようという勢力はいるのではありませんか?』

 

男は二人のやりとりをじっと聞いていましたが、難しくてよくわかりませんでした。男はただ、空を飛んでみたいだけなのです。

 

 

夢をかなえた男それからもたくさんの人々が一ノ国を訪れ、一ノ国で、蒸気で動く機械が造られたことが大いなる驚きをもって二ノ国へ伝えられました。賢者たちはついに決断しました。一ノ国に通じている穴を、塞いでしまうことにしたのです。これ以上、魔法を危険にさらすわけにはいきません。

 

とはいえ、全く禁止にしてしまったわけではありませんでした。穴の代わりに魔法の門、『ゲート』を設け、高位の魔法使いであれば、一瞬だけ開くことができ、一ノ国へ自由に行き来できるようにしたのです。男はそれを聴いて、少しがっかりしました。魔法など使えないので、もう二度と向こうの世界へはいけないのです。けれども、自由に空を飛びたいという夢は、ちっとも消えません。

 

男は何日も考え、ようやく名案を思いつきました。魔法の力を動力にした、機械を作ればいいのです。それなら賢者の言うように、魔法を大切にするということにもなりますし、機械を操作することで、魔法に縁のない自分でも、好きなように飛べるでしょう。とうとう男は、空飛ぶ機械を完成させました。賢者と言い争ったあの若い魔法使いに頼んだところ、快く動力に魔法を与えてくれました。

 

いよいよ迎えた試運転の日、男は大空へ飛び立ちました。翼のついた機械は、ふんわりふんわりと飛んでいきます。魔法力のおかげで、何時間でも空中にいられます。男は下を観ました。草原の羊たちが、ネズミのように小さく見えます。山の向こうには、朝日に輝く海も見えます。とても幸せな気分で、まるで天国にいるようです。この空飛ぶ機会は、二ノ国の世界に、どんな影響を与えるのでしょう。美しい景色に心を奪われてしまっている男には、到底分りません。その答えは、誰にもわからないのです。

 

 

人間は最初、『飛行機を使って人に爆弾を落とす』発想は持っていなかった。だが、飛行機が誕生したことによって、その発想が生まれることになった。では、飛行機を作ったことは、『善かった』のか?『悪かった』のか?『原発』は?あれこれと騒いではいるが、結局答えは何なのか?

 

月狂い(ルナティックス)の精神異常者

存命中は知らない人がいなかったとされるアメリカの天才、バックミンスター・フラーの著書、『クリティカル・パス』にはこうある。

当時は、その後の二つの公式の世界戦争と、三番目のもっと長期にわたる、甚だしく凶暴な、非公式な世界戦争を経た、1980年のわれわれが知っているような『世界』はまったく想像もつかなかった。H・G・ウェルズは空中戦争について書いていたが、自動車や電子のことは考えついてはいなかった。人類の約99%は読み書きが出来なかった。世界言語で考える人はほとんどいなかった。というのは、人間の概念的世界はほぼ『無限』であり、それゆえ、現実的に考えることができなかったのである。すべての人間が月に到達することなどありえないことを『知って』いた。そんなことを考えて時間を費やす者はみな、月狂い(ルナティックス)の精神異常者と片付けられてしまった。

 

原子力エネルギーに対する反感

また本にはこうもある。

さらに、石油や原子力エネルギーの所有者たちは、もし人類が石油を使いつくし、その活用を放棄するならば、自動的に原子力エネルギーに切り替わることをずっと以前から想定してきた。人類はこれらのことに関して何一つ発言すべき情報を持たなかった。

 

(中略)また、人類の直感的知恵が発揮された結果、結局原子力エネルギーへの反感が生まれ、パイプ輸送ができ、メーターで計量できる液体燃料への転換によって『所有可能』となる炭鉱や泥板岩へと、法律家資本主義を逆戻りさせることは、大衆も政府も予想していなかった。しかし、この利己的に開発可能はエネルギー燃料戦略が、惑星地球上の生物を維持できる大気圏を容赦なく破壊していることが判明したとき、知識ある人類の直感的な知恵が、石炭や泥板岩が液体エネルギー燃料に全面的に転換されることを阻止できるくらい強いものなのかどうかは、大衆にも、政府にも、法律家資本主義にとっても、いまだ測り難いことなのである。

 

(中略)いまや、原子力世代の人々にとって事態はいたるところで悪化し始めている。放射性廃棄物をどう処理するのか、いざ始めたところで、科学者ばかりか民間企業の原子力施設所有者も、何ら安全な解決策をもっていなかった。しかし、人類の直感は論理的に覚醒し、大衆の原子力エネルギーに対する反感は急速に広がっている―世界のエネルギー企業連合(カルテル)が、大多数の人々に対して原子力エネルギーを『支持させる』ための宣伝活動に何十億ドルもの資金をつぎ込んでいるにもかかわらず。

 

もちろんこの本は、『2011年』よりも前に出たものである。

 

アインシュタインは言った。

 

だとしたら飛行機も原発も、この世に存在すること自体は、悪ではないことになる。だが、本当にそうだろうか。確かに世界の20%ほどの人間は聡明であり、アインシュタインの言葉をすんなり受け入れることが出来るだろう。だが、残りの80%という圧倒的な規模の人間はどうする。彼らがマッチで火を点け、大統領の家を放火したら、彼らが核爆弾を利益に目が眩んで不法所持し、発射したらどうする。それが人類滅亡の第一歩となるのではないだろうか。

 

 

 

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