アルカリイオン水や重曹でうがいをするのは口臭対策になる?
『アルカリ度が高くなると洗浄力が強くなる』ので、重曹やアルカリイオン水でのうがいは高い洗浄力を期待できます。
口腔内に常在する細菌は『酸性』のpH環境を好むので、唾液の力を使って『中性』に戻す必要があります。つまり、唾液のpHは『中性』なので、特にアルカリ性にこだわる必要はなく、普通の真水(中性~弱アルカリ性)でうがいをしても問題ないということです。
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ハニワくん
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アルカリ性は体にいい?悪い?
下記の記事にも書きましたが、『アルカリ性の環境下では皮膚常在菌が繁殖しやすく、汗のにおいが強くなってしまう』傾向があります。
『気になる口臭・体臭・加齢臭』にはこうあります。
不安や緊張などによる『精神性発汗』も、突発的かつ大量にかくため、ミネラル分の再吸収が追い付かず、悪い汗となります。
また、よい汗は蒸発しやすく、また少量の塩分を含んでいるので皮膚表面を酸性に保ち、皮膚常在菌の繁殖を抑えてくれます。したがって、よい汗をかいている分には、体はそれほど臭くなりません。
しかし、悪い汗はべたべたして蒸発しにくく、ミネラル分を含んでいるため、皮膚表面をアルカリ性にしてしまいます。アルカリ性の環境下では皮膚常在菌が繁殖しやすく、汗のにおいが強くなってしまうのです。
これが『皮膚常在菌』に対する常識です。ですからよく『赤ちゃんにも優しい弱酸性で体を洗おう』などというキャッチフレーズがあるわけです。ですからやはり、一番肌にいいのは肌と同じpH値である『弱酸性』ということになります。それでは、各pHの洗浄剤をまとめてみましょう。
各pHの洗浄剤
酸性(弱酸性) | 洗浄力は弱いが、肌に優しい。赤ちゃんや、何度も洗うケースに最適。 |
---|---|
アルカリ性 | 洗浄力が強く皮脂汚れをしっかり落とす。 |
このうち、下記の記事に書いた重曹のアルカリ度は、8.4とかなり低く『弱アルカリ性』と言えます。8~14までがアルカリ性ですからね。
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先生
ハニワくん
アルカリ度が高くなると洗浄力が強くなる
しかしとにかく、『アルカリ度が高くなると洗浄力が強くなる』ということは事実ですね。これは、口内でも皮膚上でも同じことです。したがって、
- 重曹は確かにアルカリ性ですが、アルカリ度の低い『弱アルカリ性』であり、酸性の皮脂汚れをしっかりと落としてくれるし、皮膚へのダメージも低い
ということになります。また、アルカリ性の洗浄剤を使うことで、普通に考えると肌がアルカリ性になり、皮膚常在菌が繁殖してしまい、ニオイの原因になってしまいますが、実際にはそれを洗い流す『水』が『中性』のため、すぐに肌は中性に戻ります。更に、弱酸性の化粧品を使えば肌は弱酸性になるわけですね。
こと『体臭』対策で考えるときは、pHをこのように考えることがあります。
先生
ハニワくん
口腔内に常在する細菌は『酸性』のpH環境を好む
では、口腔内はどうでしょうか。実は口腔内に常在する細菌はアルカリ性ではなく、『酸性』のpH環境を好んで繁殖します。全く逆ですね。では、虫歯になる流れを見てみましょう。
もう一つの流れがこうですね。
ここにある『ミュースタンス菌』等の細菌が好んで繁殖しやすい環境は、pHで言うところの『酸性』なわけです。
アルカリ性か酸性化を示す数値。0~14まであり、7.0が中性で、それ以下が酸性、それ以上がアルカリ性となる。健康な肌のpH値は4.5~5.5程度の弱酸性。
そしてこの歯に穴をあけてしまう『脱灰』が行われるのは、弱酸性である『5.5』以下になったとき、つまり『酸性』に傾いたときです。つまり、こと口の中のことで言うならば、pHは酸性に傾いてしまうことを避けたいんですね。
『歯周病予防と口腔ケア (ホーム・メディカ・ブックス・ビジュアル版)』にはこうあります。
口の中は細菌が最も多いところ
歯周病は、歯茎(歯肉のほか、歯槽とも呼ばれる)から膿が出る(膿漏)ということから、かつて『歯槽膿漏』と呼ばれていました。歯周病のおもな原因は、歯肉近くのエナメル質表面に付着するプラークです。プラークは歯垢ともいわれますが、実は細菌と細菌がつくりだす物質(酸性物)のかたまりで、それがパックされた集団(バイオフィルム)となって、歯の表面にへばりついています。口腔内は全身の中でも細菌が最も多いところですから、このプラークがたまりやすいのです。
では歯周病になる流れを見てみましょう。
先生
ハニワくん
プラーク1mgの中には10億個の細菌が含まれている
虫歯も歯周病も、その原因はプラーク(歯垢)です。そしてそのプラークは、実は細菌と細菌がつくりだす物質(酸性物)のかたまりなんですね。実はプラーク1mgの中にはおよそ10億個の細菌が含まれていると言われています。
つまり、細菌です。細菌は酸性が好きでしたよね。ですから、口の中が酸性状態になっていると、そのプラークも生き生きとしてしまうイメージが浮かぶはずです。
口腔内に生息するおもな細菌(口腔常在菌)
細菌の名称 | 性質と作用 |
---|---|
アクチノバシラス・アクチノマイセテムコミタンス | 侵襲性歯周炎の原因と言われる細菌 |
アクチノマイセス・ビスコーサス | 虫歯の原因となる放線菌 |
コリネバクテリウム・マツルショッティイ | 歯石の形成(石灰化)に関与するグラム陽性桿菌 |
ストレプトコッカス・ミュースタンス | 虫歯の原因となる連鎖球菌 |
ストレプトコッカス・サングイス | 虫歯の原因となる連鎖球菌 |
ストレプトコッカス・サリバリウス | 唾液中に多い連鎖球菌 |
スピロヘータ | 歯周炎の進行に関与する細菌 |
プレボテラ・インターメディア | 妊娠性歯肉炎や侵襲性歯周炎の原因菌 |
ポルフィロモナス・ジンジバリス | 侵襲性歯周炎の原因となる嫌気性菌 |
(その他に、連鎖球菌、グラム陽性球菌、歯石の形成に関与する放線菌など、約300種、数千億の細菌が常在している。)
出典:『歯周病予防と口腔ケア (ホーム・メディカ・ブックス・ビジュアル版)』
ちなみに『唾液』の中にも細菌がいます。しかも上に『数千億の細菌』とありましたが、本当にそれだけの数の細菌がいます。特に起床時はこの細菌の数が膨大になっています。
ではこの細菌の数はどれくらいなのか見てみましょう。
唾液1㏄当たりの細菌の数
食後 | 5400億個 |
---|---|
歯磨き後 | 3700億個 |
歯石削除後 | 3000億個 |
殺菌剤うがい後 | 1300億個 |
寝起き時 | 1兆7000億個 |
ちなみに、糞便1gに含まれる総菌数は『1000億個』ですから、朝起きると人の口の中には『大便スプーン一杯分』の細菌がいるということになります。
先生
ハニワくん
アルカリ性は体にいい?悪い?
唾液の持つ『緩衝能(かんしょうのう)』という力
しかしこの『唾液』には、酸性に傾いた口の中を中性に戻す『緩衝能(かんしょうのう)』という力があります。唾液が十分に分泌されて緩衝能が働けば、唾液中に含まれるミネラル分が再び歯の表面に取り込まれ、脱灰した部分が修復されます。これが『再石灰化 』ですね。
ですから、常に唾液を出し、緩衝能を促すことで口腔内の環境を最良の状態にメンテナンスすることができるわけです。唾液はとても重要なのです。
ですから例えば、『もう、口臭で悩まない!』にはこうあります。
飲食後の口腔内のpHコントロールが素早くできる
毎食後にガムを噛むと、ガムを噛むことによって大量の唾液が分泌されます。食後は口腔内の細菌がほとんど活動していません。酸性化を引き起こし、口臭やむし歯の原因となる舌の上や頬に挟まった飲食物残渣をガムにより素早く完璧に取り除くことが重要です。食後にガムを噛むことでこの目的はすぐに達成されます。
また、ガムが口の中に入れっぱなしであるために、途中でコーヒーや乳飲料などを飲んだ後も素早く口腔内の清潔保持や自浄性を向上させ、常に新鮮な唾液の流れを確保するように働くため、pHも安定するようになります。
『pHを安定させる』ということについて書かれています。ここで言う安定とは、『酸性に傾いたpHを元に戻す』、あるいは『酸性化しないようにメンテナンスをする』ということです。
『体の不調は「唾液」を増やして解消する』にはこうあります。
口の中は普段pH6.8~7.0の中性ですが、口の中に糖分が入るとすぐに、pHが5.5以下の酸性になり、歯の表面のエナメル質が溶け出します。これが続くと虫歯になるのですが、20~40分かけて『唾液の力』で中性に戻っていきます。
少しまとめてみましょう。
それぞれのpH値
普段の口の中 | 6.8~7.0(中性) |
---|---|
唾液 | 7.0(中性) |
食後 | 5.5以下(酸性) |
これがそれぞれのpH値です。そして食事をしても、唾液が正常に分泌しているとこうなります。
ですから、『酸性に傾いたpHを元に戻す』ということは、『酸性に傾いたpHを中性に戻す』という意味になるわけですね。
つまり、『健康な肌』のpHは『4.5~5.5』の『弱酸性』ですが、『健康な口の中』のpHは『6.8~7.0』の『中性』であることがわかります。そしてなるべく酸性にしたくないんですね。それが皮膚表面と口腔内の違いです。
それぞれのpH値
普段の口の中 | 6.8~7.0(中性) |
---|---|
唾液 | 7.0(中性) |
食後 | 5.5以下(酸性) |
健康な肌 | 4.5~5.5(弱酸性) |
体液 | 7.4前後(弱アルカリ性) |
先生
ハニワくん
アルカリ性の物質で洗浄するとどうなる?
ではそこに、『アルカリ性』の何かを投入したらどうなるでしょうか。先ほど話したのは『重曹』ですね。重曹のアルカリ度は、8.4とかなり低く『弱アルカリ性』と言えます。8~14までがアルカリ性ですからね。アルカリ性の水は色々ありますが、例えば以下のような商品です。
このように商品に『アルカリ』とついているものもあれば、ついていないものもありますが、水道水とミネラルウォーターのpHはこのようになっています。
水のpH値
ミネラルウォーター | 7~10(弱アルカリ性~アルカリ性) |
---|---|
水道水 | 5.8~8.6(中性~弱アルカリ性) |
先ほど『人間の体液』が『7.4前後』の『弱アルカリ性』に保たれているとありましたが、なるべくこのあたりのpHに近い水道水を飲むことが推奨されています。あまりアルカリ度の高いものを飲むと、例えば『pH9』を超えるアルカリ性の水は下痢を起こしやすくなったり、胃酸の殺菌作用が弱まることもあります。
実は口臭は、『毒出しうがい』で十分に対策ができます。これは『真水』を使うだけでもできることです。しかも、気持ち悪くさえなければうがいの後にその水を飲むこともできます。それだけ安全だということです。
このうがいを、アルカリ水でやることには、もちろんメリットがあります。元々ミネラルウォーターとして販売されているような飲料水ですから安全ですし、それを『うがいだけ』にして『飲み込まない』なら更に安全です。
しかも、アルカリ度の高い水を使うことによって、中性、弱アルカリ性の水よりも強い洗浄効果を期待することができます。もしお金に余裕があるなら水道水ではなく、アルカリ性のミネラルウォーターを使ってうがいをするのも一つの手段でしょう。
先生
ハニワくん
- アルカリ性の環境下では皮膚常在菌が繁殖しやすく、汗のにおいが強くなってしまう。
- アルカリ度が高くなると洗浄力が強くなる。
- アルカリ性の洗浄剤を使っても水が中性のため、すぐに肌は中性に戻る。
- 口腔内に常在する細菌は『酸性』のpH環境を好む。
- プラーク1mgの中には10億個の細菌が含まれている。
- 朝起きると人の口の中には『大便スプーン一杯分』の細菌がいる。
- 『唾液』には、酸性に傾いた口の中を中性に戻す『緩衝能(かんしょうのう)』という力がある。
- 食後のガムは食事で発生した唾液を維持し、口腔内環境を安定させる。アルカリ度の高い水を使うことによって、中性、弱アルカリ性の水よりも強い洗浄効果を期待できる。
わざわざアルカリ水を使う必要はない
ただし実際にはわざわざアルカリ水を使ってうがいをする必要もなく、普通の真水でも十分です。専門家たちもわざわざアルカリ水をピックアップして推奨しているわけではありません。一つの手段として覚えておくといいでしょう。その点重曹であれば費用対効果(コストパフォーマンス)は高いと言えそうですね。普段、お風呂掃除などに重曹を使っている人は抵抗があるかもしれませんが、重曹は料理にも使えるものなので、料理用のものを選べば口の中に入れても全く問題はありません。
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ただ、口臭の原因はたくさんありますからね。
様々な口臭の原因とニオイの種類
歯周病・虫歯 | イオウのニオイ |
---|---|
胃腸病 | 卵の腐ったニオイ |
肝臓病 | ネズミ臭(濡れ雑巾とニンニクが混ざったようなニオイ) |
糖尿病 | 甘い、甘酸っぱいニオイ(ケトン体) |
腎臓病 | アンモニアのニオイ |
呼吸器系疾患 | 生臭い、肉の腐ったニオイ |
心臓病 | 生臭い、肉の腐ったニオイ |
唾液の減少 | 雑巾や布巾のような生乾きのようなニオイ |
アルカリ水でうがいをしただけでは治らない口臭もありますから注意が必要です。
先生
ハニワくん
- わざわざアルカリ水を使う必要はない。
- アルカリ水でうがいをしただけでは治らない口臭もる。
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