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ゲーテ『大衆は有能な人を欠かすことができない。しかも有能な人は大衆にとって常に重荷である。』

名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!

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ふむ…。

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考察

『しかし、有能な人は』ではなく『しかも、有能な人は』である。ということは、『欠かすことはできない』という言葉が、『好んでそれを欲している』という意味ではなく、『やむを得ずそれを欲している』と言う意味になる。逆接の接続詞である『しかし』が入っていたのなら、

 

『好んでそれを欲している。しかし、重荷であることが玉に瑕だ。』

 

という意味になるわけで、『玉に瑕』的な話だから、どこかこう二者択一(トレードオフ)的な、『それを取るなら、その代償は仕方ない』的な、ジレンマについて考える話に、これはなるわけだが、『しかし』ではなく『しかも』だ。そういう、逆接の接続詞ではなく、添加の接続詞だ。付け加えている。とどめを刺している。強化している。『それにもまして』という風に、強く協調している。

 

ということはこれは、

『やむを得ずそれを欲している。しかも、重荷でもあるから厄介だ。』

 

という意味になるわけで、出来ればそれを欲したくないし、重荷も負いたくない、という感情が垣間見えるわけである。

 

 

やむを得ずそれに依存している。その有能な人が持つ力があまりにも甚大なので、それに屈し、あるいは従うしかないのだ。それは例えば、組織における従属関係がそうだろうか。ある会社という組織に入れば、そこにいる目上の人間が自分の上司となることは避けられない。しかし、その人たちがいるおかげで今日の当社の繁栄が成立しているわけで、その事実に関しては否が応にも素直に受け入れるしかない。例えパワハラ、セクハラがあったとしても、その人の首を切るより、被害者の首を切った方が企業にとっては都合がいいのか。

 

また、それは例えば、お金や社会制度に対する完全依存状態もそうだろうか。働き、学び、お金を稼ぎ、お金を使う。この圧倒的なルールという軸に従う以外の道を選べば、たちまち社会の枠の外へ放り投げだされ、生きることさえままならないようになる。そこにあるのは従属関係ではないのか。フランスの哲学者、ルソーが書いた著書『人間不平等起源論』の文中にはこうある。

「人間が一人でできる仕事(中略)に専念しているかぎり、人間の本性によって可能なかぎり自由で、健康で、善良で、幸福に生き、(中略)。しかし、一人の人間がほかの人間の助けを必要とし、たった一人のために二人分の蓄えをもつことが有益だと気がつくとすぐに、平等は消え去り、私有が導入され、労働が必要となり、(中略)奴隷状態と悲惨とが芽ばえ、成長するのが見られたのであった」

 

つまりルソーは、『人間は元々平等だったが、 その平等さを追い求めた結果、『不自然な不平等』が起きた』と言う。それが『法律』、『政治』、『家族』、『勤労』といった『社会制度』であり、地位や名誉、そして財産による階級の差異、差別化である。ルソーはその『従属関係』に首をかしげていたようだ。また、リヴァイアサンとは、 旧約聖書に出て来る海の怪物だ。

 

イギリスの哲学者、トマス・ホッブズはこの怪物を、『リヴァイアサン=本性』という図式に当てはめて本を書いた。人間は元々、生存競争をして争いを繰り広げるのが、『自然状態』だという。しかし、あまりにも禍々しい人間の本性(リヴァイアサン)、その自然状態が見るのが嫌で、抗い、争うことの権利を政府に譲り渡し、その代わりに本人たちは安穏な日々を追い求めた。政治家は、大衆にとって『有能な人』であり、自分達がリヴァイアサンに支配されたくないという理由で、それを『押し付けた相手』だ。彼らの存在は、『欠かすことはできない』。だが、大衆は常に彼らに対して、文句ばかり言っている。

 

 

MEMO

※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。

 

 

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