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ボン・クレー『友達を…見捨てておめぇら明日食うメシがうめぇかよ!!』

もし、目の前で子供が車に轢かれそうになるのを見た時、自分が命を掛ければ、自分は死ぬ確率は高いが、子供は助けられる可能性が高い。さて、どういう選択肢を取るか。どういう選択肢を取れば、この世を悔いなく、生きることに繋がるか。そう考えて、いつでも自分の死は突然訪れることを覚悟し、毎日を、人生の最後の日だと思って全力で生きている人は、どれぐらいいるか。そういう人でない限り、なかなかその場面で、躊躇せず命を張ることは、できないだろう。

 

もし普段、自分の私利私欲のことばかり考えて利己的な人生を送り、『触らぬ神に祟りなし』と、腫れものには触れず、『出る杭は打たれる』と、自分の意見は押し殺し『平安』、『安定』と念仏のように唱え、神社があったら何の神様かはわからないがとりあえず祈願し、場当たり的にこの一度しかない人生を生きている人は、そういう場面に直面したとき、身体が硬直して動かないだろう。見て見ぬふりをして、やり過ごす癖がついているからだ。

 

人生を他力本願で考え、主体的に生きていく覚悟がないからだ。対象者が”他人”だからだということもあるかもしれない。だが本当にその対象が、友達や、恋人、家族であったら、命を懸けることが、出来るだろうか。この世には、『生きながらえる』という言葉がある。

 

新世界の3Dを圧倒的なクオリティで演出した『アバター』が登場するまで、世界で一番観られた映画『タイタニック』。あの最強ヒーロー映画『アベンジャーズ』でさえその記録を抜くことが出来なかった、世界最高の映画だ。その中で登場する、ヒロイン、ローズの婚約者。彼の生き様と、ローズの生き様は、対照的だった。裕福な環境で何の不自由もなく生まれ育った婚約者の男は、最後までローズを、力ずくで自分のものにしようとする。ジャックを冤罪の罪に嵌めたり、銃で撃ち殺そうとしたり。

 

そして沈没の時、女、子供が優先で先に脱出ボートに乗れと言うのに、取り仕切る兵隊に金を掴ませ、賄賂で持ってローズを連れて我先に逃げる準備を画策していた。そしてローズにそれを強く振りほどかれても、最後まで”力”ずくで、自分の命を優先させて、逃げたのだ。方や、ローズは違った。ローズは、

『先に逃げろ。後で俺も必ず行くから。』

 

と軽い口調で言うジャックの真意を見抜いた。ジャックが、死を覚悟して自分を心配させないように、そういう状況を作ってくれたということを、見抜いた。ジャックが自分のことを、本当に愛してくれていることを、見抜いた。そして、ボートが海へと吊るされるそのわずかな時間に、ジャックの目を瞬きもせずに見据えたとき、決断したのだ。

 

(──死ぬのは怖い。このままボートで逃げれば助かるかもしれない。でも、もし私だけ生還して、ジャックが帰ってこなかったら、私はどうするだろうか。ジャックがいない人生を、私は気持ちよく生きていけるのだろうか。今ここで自分だけボートで逃げたら、後悔する──)

 

そしてローズは、ボートから船に飛び移り、ジャックの元へ走った。その後、船は沈没。ジャックは最後までローズを想い、ローズの身体を木片の上で休ませた。ジャックが死んだのを、凍えるような厳冬の夜の海面で、命からがらかすかに確認したローズは、助けに来た船の明かりに最後の力を振り絞り、だが、もう声を出す力が残っていないのだ。ローズはそのまま、そこでジャックと共に死ぬことを覚悟した。

 

だが、ローズは、ジャックとの約束を思い出した。ジャックとの愛を、思いだした。そして、ジャックが命を懸けて自分にしてくれた勇気を、思いだした。そのとき、ローズの全身に潜在した、最後の渾身の力が振り絞られた。そしてローズは、近くにあった水死体の首にかかっていた笛を取り、命からがら、その笛を吹くことができ、救出されたのだ。

 

方や、婚約者の男は救出された後もローズの行方を捜し、その数年後に、事業が失敗して自殺したという。まるで二人の男女のこの話は、人生の黄金律。なりふり構わず『生きながらえた』婚約者の男大切な人の為に『死を覚悟した』ローズ。その二人の人生の周りを取り囲んだ気運を見ているといささか、死を覚悟するのも、悪くないと思えてくる。いやむしろ、死から逃げて人生に悔いを残すよりは、死と向き合う覚悟をして人生を生きることが、悔いのない人生に繋がっているのだということを、教えられるのだ。

 

『誰にも運命は変えられない。だが、ただ待つか、自ら赴くかは決められる。』

by映画『もののけ姫』

 

『なんでまたあいつの為に死に場所に戻る様なマネをしなきゃならねぇんだ!!』

『友達”ダチ”だからようっ!!!!理由なんざ他にゃいらねェ!!!!』

『命を懸けて友達を迎えに行く友達を…見捨てておめぇら明日食うメシがうめぇかよ!!』

 

 

Vアニメ「ワンピース」15周年記念!15の名場面で綴る感涙PV

※画像は以下の参考文献から引用しています。

 

一言

この記事は2009年に書いたものです。とても未熟な時期に書いたものなので、いずれまた修正いたします。またこの記事は運営者のワンピースに対するリスペクトの想いから書いていますが、もしこの画像の著作権が問題になる場合は、画像をすぐに削除いたします。