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ジョージ・ワシントン『友情は成長の遅い植物である。それが友情という名に値する以前に、それは幾度か困難の打撃を受けて耐えなければならぬ。』

偉人たちの言葉に潜む『黄金律』を見抜け

ふむ…。

運営者

考察

友達を『知り合い』から昇華させるには、通るべき試練がある。『心のブレーキの外し方』にはこうある。

あなたがプラスに成長することを、無意識的にでも邪魔してくるような人たちは、そもそも”友達”と呼ぶに値しないのです。

自分の足を引っ張っていないか、あるいは逆に引っ張っていないか、見栄や虚勢の為に連れまわしている、虚無や孤独から逃げるために利用している、その関係性には、そういう邪(よこしま)な気持ちが一片も介入しない。本当にそう言い切れるか。

 

そりゃあ言うしかないだろう。だが、本性は土壇場で明るみになる。

 

小林多喜二は言う。

 

私は『友』について散々考え抜いた方だ。例えば、意識改革の為の小冊子を書いて渡した。しかも、私の様な悪童がである。女性の仲良しだったらわかるが、男の道を歩いた悪童でそんなことをする人間が居るだろうか。私はそれを行うことによる恥ずかしさや、見栄、外聞、体裁よりも、彼らを思う気持ちの方が強かったから、それが出来たのだ。そんな私が言うのである。正直人間関係など、『強度』次第だ。どれぐらいの強度に耐えられるか。

 

例えば、物を借りたまま盗んだり、恋人を寝取ったり、殴られたり、罵倒されたり、陰口を言われたり、裏切られたり、歯の矯正ばりの強い指導・教育を施したり、金を借りたまま返さなかったり、迷惑をかけたり、恥をかかせたり、嘘をついたり、捏造・隠蔽したり、することがなければ、そりゃあ和気あいあいと出来るに決まっている。

 

だが、人間というものは前述したようなことをしてしまいがちではないか。精神未熟な頃ならなおの事だ。とくに『強い指導・教育』等、やるべきならやらなければ、逆に友人ではない『強度』を弱めれば相手にかかる負荷は下がる。相手が、負荷を感じていなければ、相手は去らず、その人間関係はスムーズだろうだが、例えば今言った『強い指導・教育』ということは、時に、友であればやらなくてはならないことがある。

 

人間関係

 

そんな時、相手にそれを受け入れる体制が無ければ、突っぱねられて関係は絶たれる。そういう気配を漂わせてくる。そしてそれに追従して、意見を言わない。すると、理不尽がまかり通る。悔いの残る結果になる。

 

では、相手に『負荷』をかければいいのか、かけてはいけないのか。少しでも負荷をかけてきたら、もう絶縁なのか。それとも赦すのか。私が考えている『友』の定義は、ワシントンの言う様に、『どんな強度にも耐え抜いた強固な人間関係』のことである。『焼きを入れる』というのは、物騒な言葉になってしまっているが、実はそれをすると、鉄の強度が増して、丈夫になる。強固な人間関係は、この『焼き』を入れるか入れないかにかかっている。

 

焼き

 

それに耐えられないと思って、『負荷』を軽減させようと気を使い合えば、そりゃあ表面的にはスムーズに行くだろう。 だがイギリスの神学者、トーマス・フラーが言う様に、

 

実は、表面的にスムーズだからと言って、それが本当に強い絆で結ばれているかどうかはわからない。

 

社交辞令、慇懃無礼(表層だけ敬語だが実際は見下している態度)という言葉があるくらいだ。それを使い合う人間関係の表面は、当然スムーズに見える。しかし、実際の部分では見下していたり、仲が良くない。

 

慇懃無礼

 

この人間関係を『友』と呼びたいなら呼べばいいが、私は絶対に呼ぶことはないだろう。すぐに友達など出来ない。出来るのは『知り合い』だ。それを昇華させるために必要なのは、強度(焼き)である。

 

『友情は成長の遅い植物である。それが友情という名に値する以前に、それは幾度か困難の打撃を受けて耐えなければならぬ。』

 

私は、このようなワシントンの言うセオリーに逆らって、『短時間』で成長する植物がとても好きである。それは、『長い間連れ添った友人ならわかるが、こんなすぐに会った人と共鳴できるなんて』という、希少価値に感動しているということもあるが、私はその更に奥に、もっと大きなエネルギーの存在を感じる。例えば、黒澤明の『七人の侍』を原案にした映画、『マグニフィセント・セブン』では、会って間もない7人の猛者たちが、大義の為に命を燃やす男に吸い寄せられ、命を使うシーンを観ることができる。

 

 

その7人のうち、陽気で気さくな銃の凄腕のアイルランド人と、尖って粗暴なメキシコ人は、口を開けば喧嘩をして、いつまでもなじまない。所詮、大義ある男に吸い寄せられたといっても、報酬が出る。金に目が眩んで集まった人間関係などこんなものかと誰もが思ってしまうわけである。だが、いざ戦いが始まり、アイルランド人が撃たれると、メキシコ人はその撃った相手に激高し、必要以上に鉛弾を打ち込んだ。会って間もない彼らが、金が目当てで集まって、表層では喧嘩をしていて、絆が浅いように見えても、実際のところでは真実の絆を結びたがっていた。

 

私は、『結ばれていた』ではなく、『結びたがっていた』と表現したい。こういう土壇場でその人間の本性が明るみになるのを見たとき、私は人間が人為的に構築された一切の常識や、自分の生きてきた環境、それで培われた性格、周りに完全に広がっている固定観念を打ち破り、ようやく真実の姿をさらけ出し、素直になれた瞬間だと思って、感動する。

 

『友情は成長の遅い植物である。それが友情という名に値する以前に、それは幾度か困難の打撃を受けて耐えなければならぬ。』

 

ワシントンは『普段なら成長は遅い』と言う。だが、人が本当に命を懸けて切磋琢磨すれば、その植物が育つのに時間はかからないのである。

 

友情

 

 

MEMO

※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。

 

Check

こうして名言と向き合って一つずつ内省したその数『8000』。では、なぜ「1万」ではないのか──それは、内省の後半になるにつれ、『同じ的を射る言葉』が増えてきたからです。そして私はその浮かび上がった真理を、『38の黄金知』としてまとめました。

 

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名言提示(再掲)

ジョージ・ワシントン『友情は成長の遅い植物である。それが友情という名に値する以前に、それは幾度か困難の打撃を受けて耐えなければならぬ。』


一般的な解釈

この言葉は、「真の友情は一朝一夕では築かれず、時間と試練を通して初めて確かなものになる」という趣旨を持っています。ジョージ・ワシントンは、18世紀のアメリカ独立戦争と国家建設という激動の時代に生き、個人と国家の信頼関係の重要性を誰よりも実感していた人物です。この発言は、心理学的・人間関係論的な観点からも評価されており、友情が表面的な感情ではなく、試練を経て確立される「人格的な結びつき」であることを示しています。


思考補助・内省喚起

この言葉は、「自分の築いている関係性は、困難を乗り越える力を持っているだろうか?」という視点を与えてくれます。日々の行動や選択の中で、「友情とは、試されることによってこそ真価を発揮する」という価値観を意識できているか――その問いかけ自体が、この言葉の核心と響き合うものと言えるでしょう。


翻訳注意・文化的留意点

この言葉に含まれる表現や語調は、直訳では意味が失われやすい可能性があります。翻訳にあたっては以下のような注意が必要です。

文化的背景:

友情を「植物」にたとえる比喩表現は、英語圏では詩的かつ慎重な育成を暗示する手法としてよく用いられます。一方、日本語では植物比喩がやや直喩的に受け止められる傾向があるため、語感の調整が求められます。

語彙の多義性:

「友情に値する」は英語では worthy of friendshipdeserving of the name friendship などで表現されますが、これらの表現には道徳的な含意が含まれるため、ニュアンスを損なわない語選びが重要です。

構文再構築:

原文では「〜以前に」「〜なければならぬ」という構造が複層的に用いられています。これを英訳する際は before it deserves the name of friendship, it must… などのように、時間的条件と義務を自然に組み合わせた構文が必要となります。


出典・原典情報

※出典未確認

この言葉は複数の媒体や文献で紹介されていますが、一次資料(書簡・演説録等)における明確な出典は確認されていません。伝聞・再構成された可能性があります。


異訳・類似表現

異訳例:

「友情とは、ゆっくりと時間をかけて育まれ、試練を乗り越えて初めて真価を発揮するものだ。」

「本物の友情は、困難をくぐり抜けて初めて名乗るに値する。」

思想的近似例:

「患難にあってはじめて真の友を知る」── ※思想的共通性あり(出典未確認)

「Friendship is born at that moment when one person says to another: ‘What! You too? I thought I was the only one.’」── C.S.ルイス

 

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