『ヒト』を最適化しよう。

『簡潔、単純、シンプルが知性だ。』(2ページ目)

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更なる詳細を追求する

世界の規模

映画『トランスフォーマー』で、

『日本の製品はなんでもかんでも複雑すぎる』

 

とぼやかれるシーンがあったが、今、世界に通用している製品やサービスを見てみると、確かにどれもこれも、シンプルなものに仕上がっている。

 

 

Googleは検索するだけ。Facebookは好きな写真や記事を投稿するだけ。Twitterはつぶやくだけ。Instagramはシンプルなボタンで写真をアップするだけ。iPhoneのデザインはシンプルで、Amazonはマウスを何度かクリックするだけで、翌日に商品が届く。確かに、日本は単純すぎるGoogleよりも、様々な情報が散らばっているYahooの方が好まれる傾向があるが、やはり、世界規模で見るなら、シンプル・イズ・ベストだ。

 

 

スティーブ・ジョブズとビル・ゲイツ

例えば、テキストベースのコマンドを入力して操作するのが常識だったパソコンに、マウスでコマンドを指示して、誰もがわかりやすく使えるようになった。グラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)の環境を持つパソコンを登場させたスティーブ・ジョブズが率いたアップル社の『マックOS』、ビル・ゲイツ率いるマイクロソフト社の『ウィンドウズ』がそうだ。マウスで簡単に複雑なパソコンを操作できるようにした、この二人の名前を知らない人はいないだろう。彼らによってパソコンは、『使いこなす』必要がなくなったのだ。 一家に一台が当たり前の時代を築き上げた。つまり、『マジョリティ(大多数の)層』にパソコンを受け入れさせたのである。

 

マウス

『心の法則』

世界的に知られるマーケティングの戦略家、アル・ライズとジャック・トラウトの著書、『マーケティング22の法則』にはこうある。

『心の法則』

 

世界初のパーソナルコンピューターはMITSアルテア8800だった。『一番手の法則』からすれば、MITSアルテア8800(なんと呼びにくい名前だろう)が、パーソナルコンピューターのナンバーワンブランドになっているはずである。ところが不幸なことに、この機種はもはやこの世に存在しない。

 

(中略)第1章の一番手の法則にはどこか誤りがあるのだろうか。そんなことはない。ただ、『心の法則』がこれに修正を加えるのだ。市場に最初に参入するよりも顧客の心の中に最初に入り込む方がベターなのである。一番手の法則においては、心の中に最初に入り込むことはあまり強調されないが、実はこれこそマーケティングのすべてである。市場に最初に参入することは、そうすることで、心の中に真っ先に入り込めるという限りにおいて重要であるに過ぎない。

 

(中略)顧客の心をつかむにあたってのアップル社の問題点は、単純で覚えやすいネーミングによって助けられた。競合各社の製品は覚えにくい、複雑な名前だったのである。当初5つのコンピュータがスタートラインに立っていた。

 

  • アップル2
  • コモドール・ペット
  • IMSAI8080
  • MITSアルテア8800
  • ラディオ・シャックTRS-80

 

の5機種である。どの名前が一番覚えやすいか、考えてみるといい。

 

シンプルにするということは、他人への思いやりでもあるわけだ。思いやりがないならそこにあるのは、エゴである。

 

簡単なことを難しくしたがる

世界で最も成功した投資家、ウォーレン・バフェットの著書、『バフェットの教訓』にはこうある。

人間には、簡単なことを難しくしたがるひねくれた性質があるらしい

 

極言すれば、あらゆる職業は素人を騙すことで成立している。得体のしれないものが現れたとき、素人はその道のプロを頼るしかなく、専門家は謎を解き明かす見返りとして、素人に高い料金をふっかけることが可能となる。そして、謎が複雑であればあるほど、その複雑さを解きほぐすための指導が必要となり、専門家に対するニーズも高まるわけだ。

 

ここにある『複雑さ』に思いやりはない。あるのは一方的に考えられたアドバンテージ(有利性)である。

 

他人にうまく説明できない場合は、自分で理解していない

また、本にはこうもある。

アイディアを自分で理解しているなら、他人にも理解できるように説明できるはずだ

 

ウォーレンは投資を実行する前に、自分が投資先を本当に理解しているかどうかを、独自の手法を用いてテストする。それは、他人に説明してみるというものだ。他人にうまく説明できない場合は、自分で理解していないという意味だから不合格。彼は理解していないビジネスには決して投資を行わない。あなたもこの姿勢を見習うべきである。

 

しようと思って簡潔に説明ができないというのなら、それは理解していないことと同じだ。

 

一の為に十を知る

『東大生が書いたやさしい経済の教科書』にはこうある。

著者あとがき

 

本を作ったことはすごくいい経験でした。ほんとうにみんなりがとう!!あと、一のことを書くには五も十もわかっていないと書けないことを痛感。勉強になりました。by重見安早子(しげみん)

 

6歳の子供にわかりやすく説明できなければ、理解しているとは言えない。その為には、『十を知る』のが大前提であり、『一』として説明できなければ、それはただ『十まで理解していないだけ』なのである。

 

単純化して考える

松下幸之助から『経営の神』の異名を受け付いだ現代の経営の神、稲盛和夫の著書、『心を高める、経営を伸ばす』にはこうある。

単純化して考える

 

(省略)下手な人は、もつれた状態のまま解こうとしますから、ますますもつれ、紛糾し複雑怪奇な様相を呈して、解決できなくなってしまいます。やさしいことを複雑に考える人が多いのです。

 

物事を複雑にしてしまう人間は、何も理解していないか、自分だけ理解して他人に理解させようとしていないかだ。

 

一発OKの文書、NG文書

また、PRESIDENT、2015.1130号にはこうある。

一発OKの文書、NG文書

 

書類作成で最も重視されたのは、『資料の目的が明確』であること。次が『文章表現』『数字の正確性』と続く。見栄えのいい資料を作ろうと思いがちだが、まずは誰に何をどう伝えたいのか。基本が肝心だ。資料の枚数にも注意したい。枚数をかけて細部まで説明するより、サマリーを簡潔に伝えるほうが喜ばれる。プレゼン資料は『2~3枚が最適』とする声が多かった。『優れている資料とは』に対する答えも『短くて簡潔』が1位。

 

資料提出の目的は、あくまでもその資料に目を通す人間に理解してもらうことだ。その人々が皆、その資料を作ってもらった人間の活動を全て把握しているとしたら、そもそもその資料に目を通す必要はなかった。自分で出来たから、そんな会議は必要なかった。しかしその人にその資料作成を任せていた。だとしたら、自分は何も知らない状況だ。もっと言えば、自分はその資料を作成している人と、違う活動をしている。その人と自分とが、全く違う活動をしているのだ。だとしたら資料作成とその報告、お互いにどのようにするべきか。

 

すぐれたプレゼンには何が必要か

同じく本では、脳科学者の茂木健一郎がこう言っている。

すぐれたプレゼンには何が必要か

 

プレゼンは簡単なようで、奥が深い。ノウハウだけでは、なかなか人を感動させられない。すぐれたプレゼンには何が必要なのか。改めて考えてみたい。

 

(中略)ある分野についての入門者、初心者は、自分の能力に自信がない。調べたことをすべて相手に伝えようとしてしまう。例えば、ある事柄について三つのポイントだけを伝えるとする。初心者は、実際に三つのポイントしか知らないということが多いから、それだけでは不安になってしまう。自分が安心する為に、さらに多くのポイントを積み上げようとしてしまうのである。その結果わかりにくいプレゼンになる。

 

(中略)一方、その分野についての知識も深く、経験も豊かな人は、自信があるから、たくさんのことを列挙して自分の優位性を示す必要がない。むしろ、ナイーブに見えるくらいにポイントを絞って、わかりやすく伝えることが出来る。

 

 

シンプルにするべき必要性は、ある。

 

医療保険機能つきの住宅ローン

関西大学会計専門職大学院特任教授、吉本佳生の著書、『どちらがトクか選べ!』にはこうある。

医療保険機能つきの住宅ローン

 

住宅ローンの借り手が、ガン・糖尿病・心筋梗塞・脳卒中などになったとき、ローン負担が軽減されるという保障がついた住宅ローンがある。『○大疾病保障付住宅ローン』などと呼ばれるものだ。絵井剛が住宅ローンを借りたとき、小野銀行はこのタイプの住宅ローンを扱っていなかった。医療保険機能つきの住宅ローンといえる。剛が住宅ローンを借りている銀行も、あとからこのタイプを用意するようになった。最近になってそれを知った絵井路子は、悔しがった。『うちの夫も、その住宅ローンが選べたらよかったのに』と。

 

カフェでの対談では路子のぼやきを聞いた美位静花は、『いいえ、選べなくてラッキーよ!』と言った。静花によれば、『そんな住宅ローン、お得なはずないのよ』とのこと。ただし、静花は直感で喋っているだけだ。仲のいい静花なのだから、路子をなぐさめようとしているように思えて、路子は、逆に納得できない。

 

A:絵井路子は、医療保険機能つきの(○大疾病保障付)住宅ローンはふつうの住宅ローンより有利だと思っている。

B:美位静花は、医療保険機能つきの(○大疾病保障付)住宅ローンはふつうの住宅ローンより不利だと思っている。

 

さて、どちらが正しい?

 

正解はB。金融商品は、とにかく『シンプル・イズ・ベスト』だ。

 

(中略)著者は、どちらの銀行の関係者とも話をしましたので、それに基づいて、先の覆面座談会の内容を考えました。住宅ローンだけでなく、いろいろな金融商品についていえることですが、銀行員が『銀行にとってはあまり儲からない金融商品を、真に顧客のためと思ってすすめる』ことがあっても、日本では、善し悪しを見抜くことが出来ない顧客が、自ら不利なほうの(手数料などが高く、ぼったくり気味の)株式投資信託や住宅ローンを選んでしまいがちです。

 

本書の冒頭で述べたように、金融の世界では、複数のサービスを組み合わせたセット商品は、ほとんどの場合で顧客の損になります。住宅ローンに医療保険を組み合わせたものは、その典型例のひとつです。あれこれ機能がついているほうがいい、というのは完全な誤解で、各種の金融商品は『シンプル・イズ・ベスト』だと覚えておくべきでしょう。

 

複雑だからといってそれが=良いということにはならない。

 

シンプル・イズ・ビューティフル

リチャード・コッチの著書、『人生を変える80対20の法則』にはこうある。

シンプル・イズ・ビューティフル

 

『わたしはいつも、ものごとを単純化したいと努力している。そういう努力をする人が少ないので、生活必需品でさえ、ずいぶん値段が高くなっている。それは、ほとんどのものが必要以上に複雑になっているからだ。衣類も、食品も、家具も、もっと単純に出来るし、もっといいものがつくれる。』byヘンリー・フォード

 

シンプルに出来る人は、『余裕』がある。そしてその余裕がない人には、あまり『知性がある』という称号は相応しくない。

 

専門家などいない

存命中は知らない人がいなかったとされるアメリカの天才、バックミンスター・フラーの著書、『クリティカル・パス』にはこうある。

生まれついての専門家という者はいない。どんな子供でも幅広い興味をもって生まれ、もっとも包括的で理にかなった適切な質問をする。暖炉で燃える薪を指さしながら、ある子供が私に質問した。

『火ってなあに。』

 

私は答えた。

『火というものはね、薪となった樹木から解き放たれた太陽なんだよ。自転する惑星地球に太陽の炎の熱の放射が届くにつれて、樹木も回転していく。光合成によって、樹木の緑色の芽や葉は、太陽の放射する光や熱を炭水化物の分子へと転換する。その分子は樹木の外側の緑色をした形成層の細胞の内で構成される。樹木とは、回転させると円錐を形成する四面体なのだよ。樹木の四面体状に延びる三本の根は地中に拡がって木をしっかりと固定し、水分を得る。毎年、外側に新しい層ができる緑色をした樹木の円錐体は、365回転する。そして毎年、樹木は新しい淡い緑色の細胞の円錐体層を、樹皮のすぐ内側、前年までの蓄積された円錐体層の外側に育てる。のこぎりでひかれた薪にあるたくさんの年輪の、それぞれの輪はその年の太陽エネルギーの蓄えなんだ。だから火とは、長年にわたって閉じ込められた太陽の炎がやっと樹木から解き放たれたものだ。薪の火がパチパチとはぜるとき、それははるか昔のある日、さんさんと降り注いだ日光を急いで放出しているのだよ。』

 

型にはまった教育を受けた大人は、こんな質問に答える方法をほとんど知らない。彼らはあまりにも専門家されすぎているのである。

 

火

 

専門家ではないはずなのに、『自分は専門家だ』という自負を持ち、それに支配され、ある重要な要素を置き去りにする。その様子はとても滑稽であり、お世辞にも『知性がある』とは言えそうにない。

 

 

 

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