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内観と『思い出のマーニー』


2015年3月追加:この『内観』について、非常にイメージを描きやすい参考作品がある。公開からしばらく経った為、ようやく書くことが出来る。2014年に公開されたスタジオジブリの映画『思い出のマーニー』である。

 

はじめに

患者は当初、過去の問題に起源を持つ自分の心の問題に無自覚である。しかし解釈の結果、患者は過去と現在をつなげ、より完全な自己理解が得られる。この持続により、感情や態度、行動や人格の変化がもたらされる。

─『心の病と精神医学』

 

『杏奈!大好きな杏奈!』 、『マーニー!どうして私を置いていってしまったの?どうして私を裏切ったの!?』、『わたしたちのことは秘密よ。永久に!』

 

…私は最初あの映画のCMを観た時、わずかでもこう思ってしまった。

(これは、同性愛者の話なのだろうか…別にそれを差別はしないが、見づらいのかなあ)

 

…しかし、私の考えは浅はかだった。そしてこの映画に隠されたメッセージは、とてつもなく深いものだったのだ。

 

マーニー

 

 

なぜ、主人公の杏奈は、既に亡くなったはずの祖母であるマーニーに会うことが出来たのだろうか。あの現象は何だったのだろうか。『幽霊』なのだろうか。それとも、単なるフィクションの世界なのだろうか。いや、後者の方はあえて否定しない。私も、スタジオジブリの作品を観て育った。しかし、もしあれが『内観』であったと考えた場合、その全てに説明がつくようになっているのである。

 

その蓋然性が高い理由がいくつかある。

 

  • 杏奈は、心底に『人に打ち明けられないような鬱憤』を溜めこんでいた。
  • 杏奈は、『身の回りに(義理の母を含む)自分の理解者がいない』という意識を強く持っていた(義母の親戚のあの二人にも、部屋で一人になった時に、部屋の悪口を言っていることで、それは明白である)。
  • 杏奈は、『親戚のその家で、日常の喧騒から離れた環境(一人になる時間)』を確保することが出来た。
  • 杏奈は、『記憶の奥深くに眠る潜在意識に、かつて愛を注いでくれたマーニーという亡き祖母へのわだかまり』が刷り込まれていたが、その心の箱に鍵をかけ、あえて記憶を曖昧にし、自己防衛していた。(『人は不快な記憶を忘れることによって防衛する。』
  •  

    つまりこういうことだ。杏奈は、一人になって自分の心と向き合い、抱えている鬱憤、疑問、未解決問題を解決しなければならない状況に陥っていて、たまたま気分転換に訪れた義母の親戚の家で、その家の住人である二人の夫婦が、『放っておいてくれるマイペースな人たち』だったことが功を奏し、自然と自分の心と向き合う時間が確保されていった。

     

    更に、偶然にもその場所は、自分の心のわだかまりを解くための『カギ』とも言える、マーニーという亡き祖母が住んだ場所だった。そして、そういうただならぬ気配は自分の心とシンクロし、『違和感』として杏奈に何らかのサインを与え、杏奈の潜在意識にこびりついた問題の解決を促した。

     

    杏奈の問題解決のカギは、『愛』だった。両親を事故で亡くし、義母に育てられた杏奈がかすかに覚えている『本物の愛』は、マーニーのそれだった。しかし、実際には杏奈は、その『本物の愛』に囲まれて今も生活していた。それに気づいていないだけだった。しかし、杏奈の心の中は違う。杏奈が思う『本物の愛』は、マーニーとのそれや、亡き両親から受けるはずだったそれだった。

     

    本物の愛

     

    杏奈が、あれほどまでにマーニーとの触れ合いに依存していたのは、そこに、杏奈が心底から欲している『本物の愛』という『カギ』が眠っていることを潜在的に知っているからだった。マーニーとの記憶のシンクロと共に、自分が今置かれている状況、周りの人間関係との間にある関係を再考する杏奈。

     

    イギリスの神学者、トーマス・フラーは言った。

    『見えないところで私のことを良く言っている人間が、私の友人である。』

     

    …自分の見てないところで自分の味方をしてくれる義母の親戚の叔母。自分が冷たく、そっけない態度を取っても何も言わずにいてくれる二人の義母の親戚。そんな二人が注ぐ無償の愛を通して、少しずつ自分の中に固く閉ざした心のドアノブを開けていくことになる杏奈。

     

    マーニーは杏奈の記憶の中で叫んだ。

    『杏奈!大好きな杏奈!』 、

     

    杏奈『マーニー!どうして私を置いていってしまったの?どうして私を裏切ったの!?』

     

    マーニー『ごめんなさい、そんなつもりはなかったの。だってあのとき、あなたはあそこにいなかったんですもの』 、

     

    杏奈『どういうこと?』、

     

    マーニー『ああ杏奈あたしもうここからいなくならなくてはいけない。あなたにさよならしなければいけないの。だからねえ杏奈お願い、許してくれると言って!』、

     

    アンナ『もちろんよ!許してあげる!あなたが好きよ!』

     

    これはまさに、杏奈が、かつてお別れの挨拶もろくに出来ないまま、一方的にいなくなってしまった、『本物の愛』を注いでくれた唯一の家族、亡き祖母マーニーと交わしたかった杏奈の本音であり、心の叫びだった。

     

    マーニーは言った。

    『わたしたちのことは秘密よ。永久に!』

     

    …違う。これは多くの子供が見づらいような、少数派の為の物語ではない。全ての人間にとって極めて重要な事実に焦点を当てた、稀代の傑作だ!

     

    (育ててあげられなくてごめんね。淋しい思いをさせてごめんね。私(マーニー)は、杏奈の心にずっと一緒にいる。だから心配しなくていい。あなたは今、周りにいる多くの人達に愛されている。それに気づいて。杏奈。)

     

    …自分の事を想ってくれているのは、かつての祖母だけではない。それが、杏奈が自分の記憶を解(ほぐ)してたどり着いた、結論だった。

     

    杏奈は12歳なのだ。いっぱいいっぱいになって当然。精神不確かなこの時期は、こういう不思議な現象が起きても何ら不思議ではない。これは内観である。わたしは経験者だからよくわかるのだ。

     

    私の他にも内観をした人間がいて、その人間は大人数の前でその感想を発表するとき、こう言っていた。

    『…あの、別に信じてもらえなくていいんですけど。僕は、内観で死んだ父親に会いました。』

     

    宗教を持たない私が、オカルト的な話を信じることは絶対にない。ないが、私には彼が言っている意味が分かった。私の場合は、かつてトラウマとも言える宗教との問題の影響で、それらを識別する自我がしっかりしている為、そう表現することはないが、しかし、私は知っていた。彼がそういう嘘をつく人間ではない素直すぎる人間だということ。そして、どうして『亡き父親を見た』と言ってしまったのかということを。

     

    そしてこのマーニーのストーリー。これらを総合的に考えた時、見えて来るのは何だと思うだろうか。…そうだ。『カギ』だ。我々は『未解決問題』という心の奥の奥に秘めた『開かずの箱』のカギを開けて、その問題を解決しなければ前に進めないようになっているのだ。

     

    カギ 

     

    『思い出のマーニー』は、内観の体験者なら皆、杏奈が陥ったあの状況がそれに極めて近い体験であるということを、思い知ったことだろう。

     

    杏奈が前に進むために背中を押してもらいたいと願っていた存在は祖母(マーニー)であり、知人の男性が前に進むために背中を押してもらいたいと願っていた存在は、亡き父親だったのである。

     

    彼女らは、心の中に深く潜って彼らと対話し、心の中で『カギ』を握る重要人物と握手し、肩を組み、抱き合い、あるいは背中を押してもらうことによって、はじめて人生を前に進めることが出来ると、心底の部分で知っていたのである。それは、『内観(自分の心を深く掘り下げ、向き合うこと)』をしなければ出来るはずがないセルフコントロール(精神管理)だった。

     

    それは私も同じだ。私の親は、私に無理やりクリスチャンになることを強要しておいて、自分達には何一つ悪い点はないと考えるような人間だった。例えば、そんな親に反発するかのように自由を求めるようになった私が非行を犯すと、

    『恥ずかしいから周りには言わないようにしてくれ』

     

    という、この『義母の親戚』とは真逆の行動を取るようなこともあったのだ。決して『クリスチャン(あなたの罪は私の罪と考えるような人間)』ではなった。(残念ながらそれから十年以上経った後も『私たちにも少しは悪いところがあった』という表現をしている。)

     

    彼女らは自分の子供よりも、見栄や外聞を取るような自分本位で冷たい人間だった。『他の兄弟は出来ているのに、どうしてあなただけ出来ないの!』と言われたこともあった。だから私は、杏奈の気持ちがよくわかるのだ。私にも、私の周りに理解者など一人もいなかった。

     

    理解者

     

    しかし、父の余命が宣告されたとき、そんな親を『赦した』ことで、最初こそ捻じ曲がって頑迷だった私の心は(俺の勝ちだ)と思ってしまったが、人生を内省することができ、そして私の目からは、長らく封印していたはずの涙が一つ、こぼれていた。

     

    (…親にも親の理由があった。自分には他にも選択肢があった。命がなくなったら、人はもう、終わりか。いつか食事をすることも出来ないんだな。)

     

    私がその『内省』よりも更に深い精神統一である内観をしたのは、それから数か月後のことだった。

     

    この『マーニー』のストーリーの中でも、途中で杏奈が、マーニーの悩みを聞いてあげる立場に切り替わる。それは、それまでは『被害者』だった杏奈が、今度はマーニー(相手)の立場になって考えてみる、という新しい見地に立った証拠であり、自分のことだけを考えていた杏奈が、『人の事情』を考えられるようになった瞬間なのである。人間が『パラダイム転換』をする為に、この『スイッチ』、あるいは『客観視』は非常に重要なポイントとなる。

     

    杏奈が義母への不信感があったのは、義母が自分の存在を迷惑がっていて、それでいて国から手当てを貰っている卑怯で汚い大人に見えていたからだ。親戚の家に預けたのも、邪魔な存在だという扱いを受けていたからだと思った。

     

    しかし、これらの体験によって、どれだけ彼女が自分のことを愛してくれているか、ということを知った時、杏奈は最後、湖のほとりで知り合ったかつてのマーニー知り合いの久子に、義母の頼子をこう紹介したのだった。

     

    『…私の、母です。』

     

     

    『変わろうと思っている人だけが、変われるとぼくは思っているんです。』

    by『思い出のマーニー』監督:米林宏昌

     

     

     

    私は宗教が嫌いだった。

    だが、彼らと数年間本気で向き合って出した結論が、『自分の心と向き合うべき』だということを知ると、私は宗教を好きになった。なぜならそれは、私が自分の人生で、自力(正確には他力も含む)で出会った結論と、同じだったからである。 むしろ、『そのほかの事を言うなら絶対に認めなかった』とまで、言い切っていい。何しろこの世には、アウトサイド・イン の考え方が蔓延しすぎているからだ。


    いや、言い直そう。『宗教を好きになった』のではない。『宗教の起因を紐解き、その教えの真の目的を理解して、それに心底から共鳴した』 という方が正しい。なぜなら私はまだ、『宗教(?)が嫌い』なのだ。その理由は、次の記事で明らかになる。

     

     

     

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