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『プロレタリア文化大革命』後、『天安門事件』で世界を驚かせたタンク・マン(戦車男)とは

プロレタリア文化大革命・天安門事件

中華人民共和国の創立者『毛沢東』はなぜ5,000万人以上の国民を死なせたのか?

 

上記の記事の続きだ。毛沢東が1966年~1977年まで続けた『プロレタリア文化革命』だ。『五か年計画』、『大躍進政策』で、列強を追い越そうとする独裁者気質の強かった毛沢東。やはりその強引すぎるやり方がたたって、数年で実に数千万人の餓死者を出す(その数3,500万人以上とも)。この失敗が原因となり、国家主席の座を失った毛沢東が、腹心『四人組』と権力奪回を図った運動のことである。

 

四人組
江青、張春橋、姚文元、王洪文といった政治家たち。

 

彼らは、毛沢東を辛抱する学生の団体を『紅衛兵(こうえいえい)』として組織し、教育機関や教会、寺院などを襲撃させた。また、彼らに逆らう知識人や勢力を『社会主義の敵』と定め、徹底的に迫害を行った。監禁、暴行、殺害され、その暴動は、毛沢東自身でも制御できないまでに膨れ上がってしまうことになる。

 

その後、1976年に毛沢東は死去。四人組が逮捕され、騒動は収束。しかし、そのせいで中国の教育や経済の一切が停滞してしまった。また、それらの動きは共産党によって否定されることになる。その後、鄧小平(とうしょうへい)が登場。かつて毛沢東の腹心の一人だった彼だが、『大躍進』の失敗で毛とは対立していた。

 

その後の中国の再建を担い、鄧は党主席制を廃止し、胡耀邦(こようほう)を総書記につかせるが、事実上の最高実力者として実権を保持した。こうして鄧小平時代が到来するのである。彼がやったのは、経済改革人権抑圧の二面的な政治だった。中国が経済大国に成り上がった背景にいたのは、この鄧小平だったのである。

 

 

1986年。反右派闘争などで冤罪となった人々の名誉回復に取り組む総書記の胡耀邦、国務院総理の趙紫陽(ちょうしよう)らに対する談話で、

「自由化して党の指導が否定されたら建設などできない」

「少なくともあと20年は反自由化をやらねばならない」

 

という発言をしている。しかし、その窮屈な政治体制、抑圧の影響で、民主化を求める学生や市民たちが天安門広場に集まり、デモ活動を行う。『第二次天安門事件』である。デモは北京にとどまらず、上海など主要都市に拡大し、鄧小平は戒厳令を出し、デモ隊の鎮静化に動く。それでも解散しない彼らに対し、ついに武力弾圧を行う。

 

以来、『経済は自由だが、政治は一党独裁を続行』というスタンスを維持したまま、胡耀邦政権、習近平(しゅうきんぺい)政権に受け継がれているのである。この事件は、徹底して秘匿されている。

 

この事件で世界的に有名になったのが、『タンク・マン(戦車男)』だ。政府はデモ鎮圧のために、戦車まで出動させた。北京の街の通りを進んでいた戦車の列が、あるところで急に止まった。先頭の戦車の真正面に、一人の男が立っていたのだ。白いシャツに黒いズボン。そして両手にはビニールのレジ袋をさげていた。

 

 

戦車が横から回り込もうとすると、その男も横に移動して、またしても戦車の行く手をふさいだ。同じことが何度も繰り返されて、戦車はとうとうエンジンを切った。そのうち、どちらも青っぽい服を着た二人の男が現れて、戦車の前に立ちふさがった男を急いでその場から連れ出した。その一部始終が、ビデオやカメラにおさめられ、戦車の前に立ちはだかる男の姿は、不正に抵抗する力強いシンボルとなった。

 

たった一人の男が、何の武器も持たずに戦車の列を止めたのだ。彼の名前も、その後も明らかにされていない。死刑にされたという説もあるし、逃げ延びたという説もある。

 

 

[中国人民解放軍の59式戦車]

 

とにかく、中国の昨今の躍進というのは、なかなかどうして単純なものではない。ただ、鄧小平は日本も含めた周辺国との関係改善に努めた人物であり、天安門事件の一軒はあるが、改革開放路線は維持した。

 

しかし、中国というのはあの『Google』が唯一音を上げた国でもある。wikipediaにはこうある。

中国国内では、インターネット上のウェブページで、反政府や同盟国の北朝鮮を中傷するページを閉鎖、または回線を切断させたりしていることが多い(中国のネット検閲)。2004年11月には検閲されていない違法なインターネットカフェ1600店余りを摘発し、更にはネット上で政府を非難する自国人を逮捕しメールの文章も検閲内容として規制されている。Yahoo!などのアメリカ企業も政府の検閲に協力している。こうした企業に対しては、国際的に多くの人々が、中華人民共和国国内での言論の自由を奪っていると非難している。

 

今や中国人の人口は10億人を超える。中国には間違いなく世界に誇る輝かしい歴史と伝統があるが、同じくらい首をかしげざるを得ない闇がある。良くも悪くも、今後、更に世界史を騒がせる国となる可能性がありそうだ。

 

 

該当する年表

年表で見る人類の歴史と映画一覧[宇宙誕生~紀元前2500年編]

参考文献