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あがり症治療の薬は即効性があっても副作用が心配

即効性を求めるのならあがり症の薬物治療

大勢の人の前で何かをしようとすると、あがり症の症状が酷くて失敗してしまうことに、いつも悩んでいる人は少なくないでしょう。あがり症の治療方法としては、大きく分類すると薬物治療と心療治療に分けることが可能です。あがり症の症状が出るのは、その人自身の性格や考え方などと深く関係しているため、薬物治療では一時的な解決をしたに過ぎません。そのため、根本的な解決を望むのであれば心療治療が必要だといえます。

 

ですが、数回心療内科に通院すれば、すぐにあがり症の症状が改善するという訳ではありません。性格や考え方といった根本的な部分を、ライフスタイルを変化させることにより変えていくわけですので、当然ですが時間はかかります。「人前で何かをするたびに失敗するのはもう嫌だ、今すぐあがり症の症状をなんとかしたい」そんな即効性を重視している人は、薬物治療を選ぶべきでしょう。では、薬物治療にはどんな種類があり、どれぐらいで効果が出るのか紹介しましょう。

 

薬物治療の種類と効果

「インデラル」は、医師の処方箋が必要なあがり症の治療薬です。動悸を抑えてくれますので、手や声の震えも出なくなります。人前で何かをする1時間前に服用すれば、その後6時間程度は効果が持続します。副作用が少なく即効性があるため、あがり症の代表的な治療薬だといえるでしょう。

 

「デパス」も、医師の処方箋が必要となる、あがり症治療薬です。デパスは脳のリラックス系の神経を活性化させる作用があるため、不安を和らげる効果が期待できます。効果はインデラルと同様に即効性がありますが、持続効果は6時間程度と一時的です。

 

「イララック」は、医師の処方箋を必要としない市販薬です。そのため、ドラックストアなどで手軽に入手することが可能です。植物由来の天然エキスがイライラに効果があり、緊張を緩和させてくれます。服用後1時間程度で効果が出るため即効性はありますが、医師の処方薬と比較すると効能が弱くなります。なので、軽度のあがり症になら効果がありますが、重度になると効かない可能性があるようです。あがり症が重度な人は、市販薬ではなく医師から処方された治療薬を服用することをおすすめします。

 

慢性的なあがり症に

「SSRI」も、医師の処方箋が必要になる、あがり症の治療薬です。ただし、こちらは今までの治療薬と異なり慢性的なあがり症に対する薬で、毎日服用する必要があります。SSRIは脳内のリラックス効果があるセロトニン物質の伝達を良くする作用があり、緊張を緩和させる効果が見られます。

 

ただし、服用直後にすぐ効果が出るわけではありません。最初は少なめの量から様子を見ながら服用し、適量に増やしていきます。そして、服用から2週間程度になって効果が現れます。

 

あがり症の治療薬の副作用を理解しておこう

スピーチをするなど人前で話す行為に緊張し、頭が真っ白になってしまう人がいます。一般的にはそれをあがり症と呼びますが、意外と多くの人が苦しんでいます。そんなあがり症に困っている場合は、治療薬を服用することであがり症の症状は改善される、ということを知っておきましょう。しかし、この治療薬は一時的な効果しかなく、副作用の可能性があるということも理解しておく必要があります。では、あがり症の治療薬にはどのような副作用があるのでしょうか?

 

あがり症の副作用について

まず効果が高いといわれている医師の処方が必要な治療薬の副作用ですが、代表的な「インデラル」は、あがり症のための治療薬の中で最も使用されている薬です。そのため安全性の高い薬ですが、それでも副作用の可能性は考えられます。インデラルを服用すると血圧が下がってしまいますので、めまいを感じる場合があるのです。また倦怠感や気分が落ち込む、眠れなくなるなどの症状が出たり、心臓への負担がかかるので長期間の服用を続けるのは危険です。

 

「デパス」には、重い副作用はありません。眠気やふらつき、倦怠感などの症状に注意しましょう。ただし、デパスも長期間飲み続けると依存症に陥りやすいので、一時的な使用に留めるようにしましょう。

 

「SSRI」は安全性の高い薬として定評がありますが新薬のため、まだ副作用の全貌が分かっていません。そのため異変を感じたら、すぐに服用を止めた方が良いでしょう。今まで分かっているところでは神経が過敏になり、不安やイラつきの症状、そして発汗や震えの副作用が出るケースがあるといわれています。

 

「イララック」は市販薬なので軽度のあがり症にしか効果がないため、効能が弱く副作用はないだろう、と思う人もいるかもしれません。ですが発疹や吐き気、食欲不振などの副作用が現れる場合があります。そのため服用した人の中には、あがり症の効果は全くないのに副作用だけ出た、という人もいるようです。その場合には、直ちに服用を止めなければいけません。

 

副作用がない治療薬はない

医薬品は安全性を考慮して作られていますが、それでも副作用が全くない薬を開発するのは難しいというのが現状です。そしてあがり症の治療薬は、特に長期間服用を続けると副作用が大きくなります。そのため、あがり症の治療として即効性を求めるのであれば、一時的には薬物治療で症状を改善させ、さらに同時進行で心療治療も進めていきましょう。心療治療には即効性はなく、完治までには時間もかかってしまいます。

 

しかし、薬物治療では根本的な改善にはなりませんし、薬の服用は続ける必要があります。心療治療であれば副作用はありませんので、ゆっくり時間をかけて治療を実感できるでしょう。