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青キジ『…徹底した正義は…時に人を狂気に変える』

原爆が落とされた広島の『原爆ドーム』と、大量虐殺が行われたポーランドの『アウシュビッツ強制収容所』は、 “負”の世界遺産として、永遠に人類の教訓として遺される。この矛盾や理不尽だらけの混沌の中で、一体何が正しい正義で、どういうパラダイム(価値観)を持って生きるか、選択肢が多様化すればするほど、見つけるのが困難になる。私もそれを見つけるのに、幾多の葛藤と、多くの代償を払った。そもそも『ワンピース』の主人公モンキー・D・ルフィは、麦わら海賊団。海賊である。ここが、この漫画の奥深いところなのだ。

 

  • 『海賊(犯罪者)が正当化されていいのか?』
  • 『海軍(正義)がやりたい放題やっていいのか?』
  • 『有権者が人を差別したり、奴隷のように扱っていいのか?』
  • 『終着点、ひとつなぎの秘宝(ワンピース)って一体、何だ?』

 

そういうことの背景にある壮大なテーマを、『ワンピース』は背景に抱えているのである。

 

人生は”常に”、無限のあみだくじの繰り返しである。さしずめそれは、あみだ道。1秒ごとに、目の前に無限の道が現れては、それを選択し、また新たな道が現れる。それを永遠に繰り返す。もっと細分化すれば、1日15時間動いたとして、それを秒数に直すと54,000秒。寿命が80年だとして、365をかけると、29,200日だから、54,000秒×29,200日=15億7680万秒。無意識の赤ん坊の頃から親が植えつけ、あるいは導く時間を含めても、実に15億回ものあみだ道の選択を、我々は行うのだ。

 

だらりとするか、シャキっとするかも、『選択』しているのである。何が『悪』で、何が『善』かということも、選択する。それは当然、地雷が埋まったカンボジアで生まれた人生と、皇族の王子として生まれた人生とでは、どの道を選択するかが、大きく違う。それが70億人いたらどうだろうか。計り知れない数の、『人格』が出来上がり、趣味嗜好が出来上がり、『正義』が出来上がるのだ。それをひとまとめにすることが容易ではないのは、いまだにやまない戦争や、国々で違う法律を見れば一目瞭然。では一体何を基準にして生きていけばいいか。何に道しるべをしてもらえば間違いないのか。

 

ここまで考えれば、50億人以上の人間が何らかの宗教をやっていることの背景が理解ってくるだろう。『規範意識』とは、その15億回訪れる無限のあみだ道の中から、常に『ここだ』と思う道を選択する意識能力のことである。ちょうど、その道だけ、パッと明るくなって、どの道を選択すればいいかが、わかる。それが出来る人は、人生に悔いを残さない。なぜなら、『誤った道を、選択しなかった』と、振り返るからである。

 

時には、『死』への道が光るときもある。目の前で子供がトラックにひかれそうになったのを見た時なんかがそうだ。それを見て見ぬふりをして今後の人生を生きるのか、あるいは、自分が犠牲になって助けるのか、生きていれば、そういうあみだ道に直面する時が必ず来る。その時に迷わず『悔いの残らない道』を選択できるか。そういうことが、人間はこの人生で問われているのである。

 

『…徹底した正義は…時に人を狂気に変える』

 

その『規範意識』を鍛えられるのが、いつも私が紹介する4つの映画だ。

 

  • 『ブレイブ・ワン』
  • 『ヴィレッジ』
  • 『アメリカンギャングスター』
  • 『ゴーン・ベイビー・ゴーン』

 

これは、その階層を意識して観るのと観ないのとでは、大きく感想が違うだろう。あなたの『規範意識』は、鍛えてあるだろうか。そしてそれは、最愛の子孫に、引き継ぐ準備はしてあるだろうか。この混沌として儚い、それでいて素晴らしい人生で、道に迷わないように。

 

 

Vアニメ「ワンピース」15周年記念!15の名場面で綴る感涙PV

※画像は以下の参考文献から引用しています。

 

一言

この記事は2009年に書いたものです。とても未熟な時期に書いたものなので、いずれまた修正いたします。またこの記事は運営者のワンピースに対するリスペクトの想いから書いていますが、もしこの画像の著作権が問題になる場合は、画像をすぐに削除いたします。