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ブルック『男が一度…!!!必ず帰ると言ったのだから!!!』

人間は、捨てたものじゃない。2011年3月11日、東日本大震災は起きた。皆、油断していた。津波のリスクにあり、『てんでんこ』の言い伝えがある現地でさえ、油断していた。(天災というものは、そういうものだ。忘れた頃に、やってくる。)震災が起きて、パニックになった。日本中、いや世界中が、被災地を思い、心配した。その中で、皆気付いた。我々は、エコ(地球環境保全)よりも、エゴ(原発、利便性、私利私欲)を優先していたことを。

 

そして、戦後以来、住宅や家族の在り方が変わって、希薄化していたと思われていた人間関係の中にも、まだ、『絆』が強く残されていたことを。2011年を表す漢字は、『絆』になった。だが、それは『後付け』だ。つまり、最初に『絆』を発揮したのは、国でも政府でもなければ、海外からの要求や圧力でもない。我々だったのだ。私はあの時、被災による大きな悲しみに包まれると同時に日本人の、いや、人間の『絆』の強さ、そして底力を体験した。悪いニュースは腐るほどあるし、これからも起きる。だが、人間は捨てたものじゃない。

 

これからも人間は、幾多の試練を突き付けられるだろう。だが、その度に思いだすのだ。戦後を乗り切った『絆』、天災でまとまった『絆』、世界中からは『世界一誇り高い民族』だと評価され、世界で最も影響を受ける国に数えられた。もちろんまだまだ不完全な部分はあるだろう。批判点は探せばいくらでもあるだろう。我々は未熟さゆえ、いまだにその『絆』の持つ力を最大限に発揮できていない。

 

だが、少しずつの成長でいいのだ。我々がもしこの成長の延長線上にある『絆に命を懸ける』ことが出来たなら、我々の人生のGNH(国民総幸福量)は現状の数十倍以上に跳ね上がることだろう。それぐらい『絆』の力は大きい。我々の潜在能力や創造性を引き上げる『絆』が生み出す一つの恩恵に、『グループ・フロー』という精神状態がある。『フロー状態』とは、『至高体験』とも呼ばれ、スポーツ選手はよく、これを体験することが多い。NBAのボストン・セルティックスの名センター、ビル・ラッセルは、これについてこう語っている。

『セルティックスのゲームはヒートアップすることがとても多い。そうなると、ゲームは肉体を超え、精神さえも超えて、神秘的なものとなっていく。この感覚を表現するのは難しく、だから現役時代はこのことは決して口にしなかった。これが起こると、自分のプレイが新たなレベルに飛躍するのが感じ取れた。ゲームはふっと始まり、潮が満ちたり引いたりするように自然に流れ、ああ、バスケというのは、これほどリズミックで音楽的なものだったのだと改めて実感する。それはまるで自分達がスローモーションでプレイしているような感じだった。』

 

その『フロー概念』で有名な心理学者、キース・ソーヤー氏の著書、『凡才の集団は孤高の天才に勝る』には、グループ自体がフロー状態に入る、『グループ・フロー』を生み出す10の条件について、こう書いている。・適切な目標・深い傾聴・完全な集中・自主性・エゴの融合・全員が同等・適度な親密さ・不断のコミュニケーション・先へ先へと進める・失敗のリスクこれらの条件が揃った時、人間は『グループ・フロー』に入るというのだ。

 

震災の時、大勢の人が無意識に前述したような同じ条件を持った。だから我々は『絆』を強く、あの時確かに感じたのだ。もちろん、一億人という規模を『グループ・フロー』に入れるのは、容易ではない。国のトップや政治家達がまとまっていないのに、国民がまとまることはない。ましてや、国民全体の『グループ・フロー』突入を実現するのは、気が遠くなるほど程遠いことだろう。だが、身近なコミュニティなら、実現の可能性は高いはずだ。

 

何を隠そう、私もバレーボールの試合を通して、この『グループ・フロー』を体験した人間の一人だが、私の言いたいことは、全てビル・ラッセルが言ってくれている。我々はもっと信じていいのだ。我々の持つ、可能性(潜在能力)を。『絆』が生み出す、計り知れない力を。

 

『一本の矢なら折れるが、三本の矢なら折れないのだ。』

by毛利元就

 

『絆』ほど美しくて、力強いエネルギーは、他にない。『絆』にもっと、命を懸けよう。そうすれば我々の人生は、崇高になる。崇高になれば、”儚い”人生を、”尊い”人生に変えることになり、人生に、悔いを残さない。

 

『…大手を振って帰ってくると思っているかもしれない無責任に死んでしまった我々を彼が許してくれるとは思いませんけど身勝手な約束をして 声も届かぬ遠い空から死んでごめんじゃないでしょうに……!!!男が一度…!!!必ず帰ると言ったのだから!!!』

 

 

Vアニメ「ワンピース」15周年記念!15の名場面で綴る感涙PV

※画像は以下の参考文献から引用しています。

 

一言

この記事は2009年に書いたものです。とても未熟な時期に書いたものなので、いずれまた修正いたします。またこの記事は運営者のワンピースに対するリスペクトの想いから書いていますが、もしこの画像の著作権が問題になる場合は、画像をすぐに削除いたします。