ヘンリー・デイヴィッド・ソロー『あまり道徳的になるな。自分を欺いて人生を台無しにしてしまう。』

名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!

ふむ…。

運営者

考察

『道徳』というのはそもそも『人間』が考え出した概念だ。『人間』は恒久的に未熟。つまりその人間が創り出した『道徳』に固執するということは、人間の未熟さから脱せないことを意味する。

 

例えば私の祖母の話だ。祖母は戦争体験者で、若い時期にたくさん試練をくぐった。 『子を産めないなら田舎に帰れ』と言われたり、借金が今の金額にして3億円ほどある中、会社経営のサポートと子供の世話をしたり。しかし乗り越え、中小企業の創業者の妻として、堂々とした一軒家を建てられるまでになった。戦争で焼け野原を経験した人間からすれば、これ以上ない喜びだっただろう。

 

 

そんな中で、娘の一人が早くに亡くなり、息子は精神分裂病を患い、もう一人の娘はわけもわからずキリスト教系の集会に通うようになった。夫が死んだ。長い年月を経て、その娘と、その息子、つまり孫である私と暮らすことになった。

 

私も私で、類稀な半生を送る人間だった。恐らくこれを読んでいる人が一生経験しない経験を何度もした。会社の経営者をやっているのは、そもそも誰にも人生を指図されたくないからだった。自分一人で立ち上げたのだ。祖母は常に離れて生活していたから、私の性格を熟知していない。短絡的にしか理解していない。間違いなく自分の方が、修羅場をくぐっていると自負していただろう。

 

確かに私は戦争は経験していない。神風特攻隊を喜んでやったかどうかもわからない。しかし、常に過去の人間が正しいというはずがない。だとしたら人の首を切り、君主にそれを手土産にした時代が正当化される。それはあまり人間のあるべく姿だとは思えない。それが私の考え方だ。だから偉そうにするなら、その何倍もの力でそれを弾き飛ばすのが私のやり方だ。

 

 

祖母は私の人生に口出しをしてしまった。『偉そうな態度で、私に仕事を依頼してきた』のだ。私がそれまで積み上げてきた波乱万丈な人生の中で見出したのは、『偉そうな人間に、偉い人はいない』ということなのである。

 

無論、『わざとそういう人間を装って、仕事の耐久性を強化してあげよう』と思った可能性もあるだろう。だが、彼女の歴史から言って、そうではなく、『偉そうにした』のがその時のありのままの真実だったのである。

 

私は、『偉そうにする奴は、客だと思わない』人間だ。あなたは、暴力団対策法によって『暴力団をお客さんとしてみなさない』ことをどう思うだろうか。それがまかり通るなら、当然『全ての人が客に値するわけではない』ということになるだろう。だとしたらその判断基準はどこにあるというのか。

 

暴力団の中には、入れ墨を入れずに、見た目も普通で、堅気に害を及ぼさないことを信念としている人がいるが、彼らはどうだろうか。それも『客ではない』のか。しかし、相手がそれを黙っていたらわからないだろう。

 

だとしたら基準はどうすればいいのだ。それはもう『社長(社員)の判断』以外にはないのだ。私は、祖母の様な態度を取る人間を、客だとは思わない。それがすべてだ。

 

私の判断基準は、『暴力団だから』とかいった、そういう外的要因に則ったものではない。私の心が違和感を覚えた。それが基準なのだ。そしてそれは、別に客かそうじゃないかということに限らない。『偉そうにしている人間に、偉い人はいない』のである。

 

 

祖母は、『自分の道徳』を自分なりに、自分の人生で培ってきたものを、未熟な私に教えてあげようと思ったのだろう。しかし、『偉そうな人間に、偉い人はいない』のだ。そうなると『どちらが未熟か』ということは、考えものである。

 

私はそんな彼女に、『いや、お金はいらないよ』と言った。私はそれ以上、偉そうな態度を取られなくなかったからだ。そんなことをされるぐらいなら、無料で奉仕し、親孝行とした方が良い。

 

だが、祖母は自分のやり方に執着した。

 

あ、お金払わないんだったら、頼まないわ。

 

何という愚かな執着だろうか。自分のやり方を崩したくないあまり、自分が握りたかった主導権の手綱を放したくなかったあまり、目の前のかげかえのない孫の愛情を無下にし、残り少ないコミュニケーションを台無しにしてしまったのである。

 

それから2年経つが、私はその件について、直接謝罪を貰っていないので、口をきいていない。裏では『悪かった。』と謝っているという。しかし、裏ではなく、私に謝ることが出来るか、それが残りの少ない人生の時間の中で、問われている問題なのだ。

 

自分の道徳(エゴ)を押し切ることで何か得るものがあるだろうか。もしかしたら、最も重要なものを隠蔽して成り立つその道徳は、ただのエゴなのかもしれない。『偉い』と思われたくて、今まで強いられてきた人生が報われたくて、つい『自分より未熟だと決めつけていた孫』に傲慢不遜な態度を取ってしまった。

 

しかしその孫は、およそ一般人が経験しないような類稀な経験をしていて、それをいちいち表面に出さないだけだった。つまりそんな一筋縄ではいかない私の心を掴みたいなら、取るべき行動は『北風』ではない。

 

 

『太陽』なのである。

 

 

もっとも、そんなことをしなくても私は祖母の偉大さを理解している。祖母がいなければ母はいない。母がいなければ私はいない。しかし、それとこれとは話が違うのだ。『育児』と『教育』が違う様に、彼女が押し通そうとしたやり方や、過去の全ての人の生き方は、別に模範的な人生とは、限らない。模範的な人とは、『過去の人』ではない。『真理に則った人』である。

 

追記:祖母はこの後、私に謝罪できた。詳細は、

 

『人間の知性の高さと器の大きさは、受け入れなければならない事実に直面した時の、受け入れる時間の長さに反比例する。』

 

この記事に書いた。88歳のときだった。

 

 

 

 

MEMO

※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。

 

 

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『他と違うことは恥ではない。誇りだ。』

『どれだけ生きるかではなく、いかに生きるかが重要なのだ。』

『この世には、自分にしか歩けない道がある。その道を歩くのが人生だ。』

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