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FXで使う5つのテクニカル指標チャート(移動平均線、一目均衡表、ボリンジャーバンド、MACD、ストキャスティクス)

目次

移動平均線

移動平均線を理解する

移動平均線とは、過去における一定期間の価格の平均値をグラフ化したもの。移動平均線で相場全体の方向性が分かる。一定の価格の平均値を時系列的に見ていくのが移動平均線。多くの投資家はこの移動平均線で相場全体の方向性を見ている。移動平均線はfx業者のサイト等で見れる。9日移動平均線、21日移動平均線など、期間によって移動平均線は違ってくる。どの期間をどのように利用するかは投資家それぞれ。短期間のマーケットの動きを知りたい場合には短期間の移動平行線を利用する。

 

移動平均線は過去一定期間の終値の平均値を結んだ線。たとえば5時間移動平行線の場合、現在から5時間前までの1時間ごとの終値を足して、5で割った値が現在の値となる。5時間以外に、25時間、50時間、75時間、単位が分、日、週、月などさまざまな期間の移動平行線がある。また、複数の移動平行線を表示したときは、期間の短いものは短期戦、長いものは長期線と呼ぶこともある。

 

この「移動平均線の傾きを見れば相場のトレンドが見えて来る。複数の移動平均線を表示させたときに、短期線が上向きなら短期的には上昇トレンド、長期線が下降していれば長期的には下降トレンドと判断。期間の異なる移動平均線を比べると、長期線は直近の相場の動きを反映するまでにじかんがかかるので、ローソク脚が上昇してもすぐには上向かない。一方短期線は反応が早いため上下の波が激しくなる。移動平均線が上向きなら上昇トレンド、下向きなら下降トレンド、水平ならトレンドがないと判断

 

中長期予測に有効なトレンド系指標

トレンドや相場の転換点を探る移動平均線

テクニカル指標には、中長期予測に有効なトレンド系と、短期予測に有効なオシレーター系がある。まずは、株式投資でもよく使われるトレンド系の移動平均線だ。移動平均線とは、ある期間の平均レートをグラフ化したもので、その線の動きや位置からトレンドや相場の転換点を探ることができる。短期、中期、長期の3本のラインがあり、一般には短期は5日、中期は25日、長期は75日の期間が用いられる。移動平均線を見る時のポイントは、移動平均線と為替レートの位置と、移動平均線のクロスの2つ。移動平均線が右肩上がりでかつ現在の為替レートが移動平均線よりも上にあるときは上昇トレンド。逆に、移動平均線が右肩下がりで、かつ現在の為替レートが移動平均線よりも下にあるときは顔好トレンドのパターン

 

ゴールデンクロスとデッドクロス

短期の移動平均線と長期の移動平均線を利用して買いと売りのタイミングをはかることができる。短期、長期の移動平均線が交差していることをクロスと呼んでいて、さらにクロスの仕方によってゴールデンクロス、デッドクロスがある。短期の移動平均線が長期の移動平行線を下から上に付き抜けているクロスは、ゴールデンクロスと呼ばれていて、買いのシグナル。次に、短期の移動平均線が長期の移動平行線を上から下に突き抜けたクロスはデッドクロスで、売りのシグナル。ただしあくまでもこれは目安、参考程度。

 

移動平均線は過去に売買した人の買い値の平均

何度も言うが、FXではトレンドに乗ることが勝つためのポイント。そしてそのトレンドを判断するものの一つがトレンドライン。ただこれはチャート上にすでに書き込まれた線ではなく、各々が引くので、悪く言えばあいまいだったり恣意的になる傾向もある。そこで移動平均線を見たい。これはチャート上にあらかじめ引かれている曲線で、決められた機関の為替レートの終値の平均値を出し、線で組んだもの。例えば、5日移動平均線といえば、過去5日間の終値を足して5で割った平均値を順に結んだもの。常に5日間の平均なので、1日増えれば5日前をはずして5日分の平均値を出す。見方を変えると、5日移動平均線というのは過去5日間にその通貨を売買した人たちの平均買いコスト(買った値段ということになる

 

移動平均線との乖離で売買チャンスをつかむ

移動平均線には5日、13日、25日、75日などさまざまな期間のものがあるが、経験上、短期線なら10か20日。長期線は40日が傾向を見やすい。一般に為替チャートをみるとローソク足音一緒にこの3本が表示されていることが多い。具体的な使い方としては、まず相場の動きを見る。移動平均線が上向きなら上昇トレンド、下向きなら下降トレンド。またローソク足が移動平均より上にあれば上昇トレンド、下なら下降トレンドになる。さらに現在の為替レートが移動平行線からかい離していないかどうかを見る。為替レートは移動平均線から離れて急上昇、あるいは急下降しすぎると調整しおようとする力が生じ、移動平均線に近づく傾向がある。

 

つまり、移動平均線から上にかい離し過ぎると買われ過ぎの状態、下にかい離すると売られ過ぎの状態で、以降、そこから反転する可能性が大なのだ。離れると居心地が悪い。ちなみに短期の移動平均線が長期の移動平均線を上抜くことをゴールデンクロスといい買いサイン、短期の移動平均線が長期の移動平均線をした抜くことをデッドクロスといい、売りサイン。信憑性は確実ではない。

 

一目均衡表

5つのラインと雲から相場を読む一目均衡表

一目均衡表は、5本のラインと雲(抵抗帯)で描かれる。

 

1)基準線
過去26日間の最高値と最安値の平均レートを結んだ線。トレンドを表す

2)転換線
過去9日間の最高値と最安値の平均レートを結んだ線

3)先行スパン1
基準線と転換線の平均レートを26日先に記入した線

4)先行スパン2
過去52日間の最高値と最安値の平均レートを26日先に記入した線

5)遅行スパン
当日の終値を26日前に記入した線。運航スパンが現在の為替レートを上回ってきたときは上昇相場に向かうシグナル

6)雲
先行スパン1と先行スパン2の間を指す。雲と現愛の為替レートの関係に注目

 

転換線と基準線から相場転換を読む

 

一目均衡表の一般的な3つの見方を紹介

1)現在の為替レートと雲の位置関係からトレンドを読む
現在の為替レートが雲の上にあるときは、上昇トレンド、雲の中にあるときは横ばい、そして雲の下にあるときは下降トレンドを死している

 

2)基準線と転換線のクロスから相場の転換点を読む
転換線が基準線を下から上に抜けるゴールデンクロスは上昇トレンドへの相場転換シグナル。逆に転換線が基準線を上から下に抜けるデッドクロスは下降トレンドへの相場転換シグナル

3)先行スパン1と先行スパン2のクロスから将来の相場の転換点を読む
先行スパン1と先行スパン2がクロスしたときは、その時点が将来の相場転換の目安とされる

 

※一目山人…本名、細田悟一氏のペンネーム。コンピュータがなかった昭和初期に2000人の学生と約7年の月日をかけてテクニカル指標一目均衡表を開発したといわれている。

 

トレンド転換のサインを出す玄人好みの一目均衡表

一目均衡表は時間的な概念に注目してつくられた指標。いちばんわかりやすいのは雲。一目均衡表は5本の線からなっていて、このうち先行スパン1と先行スパン2の2本の線にはさまれている網目部分が雲と呼ばれ、この雲より上にいる間は持ち続けてOKと判断。

 

転換線と基準線がゴールデンクロスで買い

一目均衡表は3つのトレンド転換サインを出してくれるが、1つ目が、雲をしたから上に突破したら上昇サイン。雲を下に突き抜けたら下落サイン。要するに雲は重要な抵抗帯。まさしく雨の日の雲のように、雲の下は天気が悪いけれど、雲能へへ抜ける富原氏が良いというわけ。2つ目は転換線が基準線を上回ったら買い、3つ目は基準線が上向きに転じたら買い。転換線とは、(過去9日間の高値+安値)÷2.転換線が基準線を上回るというのはゴールデンクロスを意味する。逆はデッドクロス。また、遅行スパンが26日前の価格を上回る遅行スパンの好転は、移動平均線でいう25日移動平均線が上向きになることと同じ意味で、強気転換シグナル。一目均衡表はほかの指標と組み合わせず、単独で使っていい。

 

雲は、ローソク足(相場)との関係性が重要。雲とローソク足の関係で代表的なシグナルは、

 

買いサイン:ローソク足が雲を飢えに抜けた時、上昇トレンド時のa値上がりで、ローソク足が下にある雲まで到達したとき(雲が下値支持線になる)
売りサイン:ローソク足が雲を下に抜けた時、下降トレンド時の根戻りでローソク足が雲まで到達したとき(雲が上値抵抗線になる

 

雲は厚くなったり薄くなったりするが、この雲の厚さも重要な情報となる。雲は下値支持線や上値抵抗線として機能するが、雲が厚いほど強く作用するといわれている。

 

ボリンジャーバンド

統計学の正規分布を使って分析するボリンジャーバンド

移動平均線を中心とする上下2本ずつ、合計5本のラインで構成されるオシレーター系のテクニカル指標。移動平均線の1本上の線は、+1σ、下の線はマイナス1σと呼ばれ、統計上、相場が『±1σ』の線の間に収まる確率は68.3%とされている。次の上の線と下の線は、それぞれ+2σ、マイナス2σと呼ばれ、±2σの間に相場が治まる確率は、統計的に95.5%。ボリンジャーパバンドで重要なのは±2σだ。現在値がこの範囲内に治まる確率は95・5%だから、現在値が±2σを超えたら確率はわずは4.5%しかない。そのため、プラス2σを超えたら統計的に買われ過ぎ(売りシグナル)マイナス2σを超えたら売られ過ぎ(買いシグナル)と判断するのが基本。

 

なお、チャートからもわかるように、ローソク足は±1σの範囲を頻繁にはみ出す為、売買シグナルとしての信用度が低い±1σはあまり重視されない。±3σを表示することもある。統計的に±3σの範囲内に収まる確率は99.7%となるため、信頼度は高いが、シグナルが出る回数は著しく減る。ボリンジャーバンドの幅を見ると、広がったり狭くなったりしていることがわかる。ボリンジャーバンドが広がったときは、その後にトレンドが収束することを示唆する。

 

値幅や相場反転を判断するボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、統計学的なアプローチにより今後のマーケットの値幅や反転を判断する指標。一般にボリンジャーバンドでは、20日移動平均線を中心として、標準偏差の1倍の数値を加減した線(±1σ)と標準偏差の2倍の数値を加減した線(±2σ)で描かれる。標準偏差とは、平均レートからどの程度バラツキがあるかを示す数値。統計学によると、為替レートがマイナス1σ~1σ治まる確率は約68%、マイナス2σ~2σに収まる確率が約95%とされている。

 

従って為替レートは特別な要因が発生しなければマイナス2σ~2σの範囲内で変動すると考えらえる。ところで、ボリンジャーバンドを読むときには2σを上値抵抗線、マイナス2σを下値支持線と考えるとわかりやすい。つまり、移動平均線が2σに近づいた(上回った)ときは売りシグナル、移動平均線がマイナス2σに近づいた(下回ったときは買いシグナルと判断する。ただし、ボリンジャーバンドの範囲内を突破したとしても、必ずしも反転するとは限らない。そのまま新しいトレンドを形成していくこともある。

 

オシレーター系との組み合わせが効果的

注意したいのはどの指標もダマシ(偽のサインが出るということ。これにだまされないためには、複数の指標で確認してみることが大切。それにはトレンド系とオシレーター系の指標を組み合わせるのが効果的だ

 

見やすさピカイチ標準偏差を使ったボリンジャーバンド

本来は逆張り系だが順張り指標として使う

ボリンジャーバンドは移動平行線を中心に、上下にバンド上に線を描くチャート。ジョン・ボリンジャーが開発した。中央の線は25日移動平均線で、移動平均線からの幅に標準偏差(σ)を使う。標準偏差とは平均値からの散らばり具合を示す指標。移動平均線の1本上野線を1σ線、その上の線を2σ線、逆に移動平均線の下の線をマイナス1σ線、同じ説明。±σから外に飛び出す確率は約32%、±2σの線の外に飛び出す確率は4.5%。

 

つまり、だいたいボリンジャーバンドの枠内(±2σ)に入るということ。±2σ線から飛び出す確率はわずか5%しかないのだから、これは異常事態ととらえ、バンドの一番下の線についたら買いサイン、一番上の線まで上昇したら売りサインと見るのが通常

 

偏差値で将来の価格を予測する

偏差値に悩まされた人がいるはずだが、このボリンジャーバンドは偏差値を計算するときに必要な標準偏差を用いて計算される。学力の偏差値は偏差値50を中心に偏差値20~80の間に約99.7%が入るとされるが、その考え方を将来の値動きを予測するために用いたのがボリンジャーバンド。とくに重要なのは±2σの2本線。統計学上、σの内側に現在値が存在する確率は次のようになっている。

 

現在値は±1σ内に63.8&の確率で存在する
現在値は±2σ内に95.5%の確率で存在する
現座値は±3σ内に97.7%の確率で存在する

 

ここで重要なのは±2σ。なぜなら±2σの範囲外に現在値が存在する確率はわずか4.5%しかないから。一方、±1σはその範囲外に現在値が存在する可能性が36.2%もあるので無視していい。つまり、ローソクが足がプラス2σの線を飢えに抜けたら相場が行き過ぎ(買われ過ぎであると考え、行き過ぎた相場はいずれ±2σの範囲内に吸収される可能性が高いので、この後は下落する(売りサインだと考える。

 

マイナス2σも同様に、ローソク足がマイナス2σの下に突き抜けたら売られ過ぎと考え、この後は上昇する(買いサインと考える。また、現在値が±2σの範囲内からはみ出る可能性が低い事を逆手に取り、±2σの線に現在値が接近したら突破せずに反転するという実花あたもできる。なお、±3σは、その範囲外に現在値がはみ出す確率が2.3%しかないため、極端に売買サインがでなくなるが、±2σでの売買サインよりも信頼度は高くなる

 

ミドルラインの向きも同時に観ることも必要

中央の線、ミドルライン。を合わせてみることで予測をより精度の高いものにできる。ボリンジャーバンドで買いサイン(売りサインが出ているときに、ミドルラインが上向き(下向きであれば、その後上昇する(下落する可能性が高いと考えることができる。一方、買いサイン(売りサインが出ているときにミドルラインが下向き(上向きであれば、そのサインはダマシになる可能性が高くなる

 

MACD

トレンドを見ながら売買タイミングを計ることが出来るMACD

数学的に加工した移動平均線の動きに注目して、売買のポイントを探るテクニカル指標。オシレーター系のテクニカル指標だが、算出の元になっているのは移動平均のためトレンド系指標としての性格も併せ持っている。

 

この指標はMACDとシグナルという2本のラインで構成される。売買タイミングはMACDとシグナルの位置関係で判断する方法と、ゼロの目盛り(0ライン)とMACDの関係で判断する方法があり、それらの見方は以下の通り。買いシグナルは、1)MACDがシグナルをしたから上に抜いた時(ゴールデンクロス)、2)MACDが―ラインを上に抜けた時。売りシグナルは、1)MACDがシグナルを上から下に抜いた時(デッドクロス)、2)MACDが0ラインを下に抜けた時。

 

MACDは単純移動平均(SMA)より直近の価格をじゅうしする『指数移動平均(EMA)を使って計算される

トレンドの方向や転換点を示すMACD

MACD(移動平均収束拡散法)は、2本の期間の異なる指数平滑移動平均線(EMA)の価格差の伸縮に着目し、その動きによってトレンドの方向、およびその転換の兆候を把握するというものだ。EMAとは、突発的なニュースで価格が大きく動いたときに、移動へ菌が直近の価格に比べて遅行するという問題を克服するため、直近価格への比重をより高める方法で算出した移動平均。

 

このMACDは、相場のトレンドを追求するトレンド系指標と、振幅を測るオシレーター系指標の両方の特徴を持ち合わせている。さらに指数平滑移動平均を用いているため、単純な移動平均を利用した指標よりも反応が早いというメリットがある。具体的には、MACDと呼ばれるラインとMACDを移動平均線にしたシグナルというラインのクロスで、売買のタイミングを見つける。MACDがシグナルをしたから上に抜けるゴールデンクロスが買いシグナル、逆にMACDがシグナルを上から下に抜けるデッドクロスが売りシグナル。

 

ゼロラインを上抜けしたら買いシグナル

また、MACDがゼロラインを上に抜けてきたときは買い、下に抜けてきたときは売りのサインとされている。さらに、MACDがトレンドと反対の方向に動きだしたら相場転換を示唆していることも覚えておく。ただし、トレンドの中で天井や底を判断するんのには優れているが、MACDとシグナル線そのものが天井や底付近で交差すると為替レートとの逆行現象が多くなるため、トレンドが読みにくくなるというデメリットもある。

 

2本のクロスを見つけるのがMACD

MACDは、『Moving Average Convergence Divergence trading』。特殊な2本の移動平均線を使ってトレンドの転換や勢いを見る指標。この指標を作成する為の計算方法は複雑だが、見方・使い方が簡単なので個人投資家にも根強い人気がある。デイトレーダーが用いる分足チャートでもこのMACDを組み合わせて判断するシグナルが有効とされていて、ネット証券会社によっては分足チャートでMACDを見ることが出来るようになっている。MACDの2本の移動平均線は、1本がMACDと呼ばれ、日足チャートでは9日と26日の期間で特殊な計算をして求めた指標を表す線が使われる。(13日と26日を使う場合もある)。

 

週足チャートでは『13週と26週』の期間で求められた指標を表す線が使われる。もっと長い月足チャートになると、12カ月と24カ月となる。これにもう1本のシグナルという線を組み合わせて使うが、このシグナルは日足チャートでは5日のMACDの特殊な移動平均を、週足チャートでは5週、月足チャートでは5カ月が使われる。どちらの線も―40~150というように、一定のレベル(範囲を上下するように変化する(-400~200という動きをするものもあり、変化する範囲は固定的ではない)。2つの線の基本的な動き方としては、MACDが先行して、その後ろをシグナルが遅行するというパターン。MACDの使い方は、移動平均の見方に似ていて、これらの異なる2本の特殊移動平均線が、どのように推移しているのか、どこでクロスしているかを見ることで、売買シグナルを判断する

 

MACDがシグナルを上に抜けたら買い

基本的なMACDの使い方は、MACDとシグナルのゴールデンクロスを見つけること。MACDが0より下のゾーンでシグナルをしたから上に抜けると、今後上昇トレンドになるサイン。場合によって、ゴールデンクロスが0付近かその上で発生することもあるので、絶対0以下のゾーンでなければならないという決めつけは不要。ゴールデンクロス発生後、MACDとシグナルのどちらも0の水準を上回り、さらに2本とも上を向いている間は上昇トレンドが継続と判断する。

 

これは、MACDの向きでトレンドの方向性を見る方法で、ダマシが比較的少ないとされている。また、MACDでもコンバージェンスは発生する。株価が下落しているのにMACDが上昇を開始した場合は、それまでの下降トレンドが上向きに変化する兆しとして捉えることができるので、その後のMACDの方向や買いサインに注目しておくことで、株価上昇の初期段階を上手につかむことも可能

 

MACDがシグナルを下に抜けたら買いは見送り

ゴールデンクロスとは逆に、MACDが高い位置(高値圏)でシグナルを上から下に抜けた場合は、デッドクロスとなり、ここでの買い向かいは控えた方がいい。デッドクロス出現後、両方の線が下を向いて推移すれば、下降トレンド形成中と見ることになり、底値圏で推移している間は、買いのサインが出るまで見送るべき。株価が上昇している最中に、そろろ危なくなってくることを知らせるのがダイバージェンスで、他の指標と同様、株価が上昇中にMACDの向きが逆になる(下を向く)形が出た時。この場合、天井が近いことを示すので、こういった形の最中に買うのは危険。なお、高い位置(高値圏)という表現をするのは100以上か、150以上というように数値できめつけるわけにはいかないから。

 

銘柄によっては300以上でデッドクロスになったり、もっと低い数値(50以下)でデッドクロスになるものもあるので、この水準でデッドクロスにならなければいけないという決めつけができない。よって今自分が見ているMACDチャートを見て、その範囲における高値圏、安値圏という判断をする必要が出て来る。MACDはボックストレンドになると、2本の線が高値圏でもなく安値圏ともいえない水準でだらだらと推移するケースがあるが、ゴールデンクロスやデッドクロスがダマシになるケースが比較的少ないので、狭いレンジ(値幅)の中でも短期的に売買のチャンスを捉えることが可能。

 

MACDは発生・転換を捉えるエース的存在

方向性を測るのがMACDの得意技

MACDはトレンドを追うのが得意な順張り系の指標。移動平均を改良したもので、MACDとMACDの移動平均線であるシグナルの2つの線から買いサインと売りサインを張んだ。MACDは指数平滑移動平均(EMAをもとに算出され、日本語では、移動平均収束拡散法というのだが、その仕組みを理解しようとすると長男会。簡単にいえば短期の移動平均線と長期の移動平均線の乖離度合いを滑らかな曲線で表示し、その曲線の移動平均線との交差具合をみるもの。難しそうだが、サインの読み方は簡単。MACDが0ラインより上で、向きが上から下に向いてシグナルラインをした抜けたときは売り、反対に0ラインより↓で向きが下から上に向いてシグナルラインを上抜けたときは買い。

 

MACDは傾きとサインが出る位置も大事

MACDのチャートの右端にはメモリがあるが、マイナスが大きいほど値を下げた後ということなので、発動で、上がりだすと勢いよく上がることが多くある。つまり下に深いところでのサインほど大きな反発が期待できるということ。MACDはクロスだけでなく、角度と深さも重要

 

移動平行線をアレンジしたMACD

一般的に移動平行線と呼ばれ、広く利用されているのは単純移動平均線(SMAで、過去の一定期間の終値の平均値を算出したもの。一方、MACDで使われる指数平滑移動平均線(EMAは、直近の値をより重視するように設計された移動平均線。このEMAは遠い過去の値より近い過去の値の方が影響が大きくなるように作られている。MACDは短期EMA-長期EMA』という計算式で求められるが、EMAの計算式は複雑な説明は割愛。もう一つの線であるシグナrうはMACDを移動平均化したものとなる。

 

ストキャスティクス

レンジ相場に強いストキャスティクス

相場には大きく分けて2つある。値動きの方向性がハッキリ見えているトレンド相場か、一定の値幅の中で上下動を繰り返すレンジ相場(持ち合い)か。相場はこのどちらかに大別できる。ごちゃごちゃして方向感のわかりづらいレンジ相場で使いやすいテクニカる指標にストキャスティクスというものがある。RSI同様に、買われ過ぎ売られすぎを判断するオシレーター系のテクニカル指標のひとつ。

 

見方もRSIとよく似ている。ストキャスティクスも0%から100%の間で上下する。30%(20%)より下がれ過ぎゾーン、70%(80%)より上が買われ過ぎゾーンだから、売られすぎなら買いを、買われ過ぎなら売りを示すサインとなる。ストキャスティクスをチャートに表示させると2本のラインが出る。%Kラインと%Dラインだ。だから、%Dラインが%Kラインをしたから上に付き抜けたときは売りサインだ。

 

しかも買われ過ぎゾーンで突き抜けた時に限定すると、よりダマシが減る様だ。買いサインの場合も同様。売られすぎゾーンで%Dラインが%Kラインを上から下に突き抜けた時は買いサイン。レンジ相場のときに限っては、ストキャスティクスのシグナルはかなり有効だから、参考にする。あまり欲張らずに1万、2万円と目標を細かく決めて利食い損なわないようにする。ただし永遠に続くレンジ相場はない。レンジ相場は必ず終わる。レンジの上か下かどちらかを突き抜けてトレンド相場に変わる。だからストキャスティクスを使ってレンジ相場で細かく小遣いを稼ぐには、最後にレンジを抜けた時に大きくやられないよう、必ずストップロスを自分で置いておく

 

0%~100%のは二で推移するストキャスティクスには2種類ある

ストキャスティクスは相場の過熱感を数値化し、それをもとに売買シグナルを探る指標で、1)%K、2)%D、3)Slow%D、の3ラインで描画される。いずれのラインの0%から100%の間で表示されるが、0%に近いほど売られ過ぎ、100%に近いほど買われ過ぎとなる。ストキャスティクスの計算式※N,Y,Y’の値は(9,3,3)、(14,3,3,)が多い。

 

%K=(当日の終値―N日間の最安値)÷N日間の最高値―N日間の最安値)×100
%D=(当日の終値―N日間の最安値)のY日間合計÷(N日間の最高値―N日間の最安値)のY日間合計)×100
%SD=%DのY’日移動平均

 

見方には、%Kと%Dを見るファストストキャスティクスと、%DとSlow%Dを見るローストキャスティクスの2つある。ファストでは、%Kまたは%Dが70~80%以上で、かつ%Kが%Dを上に抜けると買いシグナル、30~20%以下で、かつ%Kが%Dを下に抜けると売りシグナルとなる。スローも%DとSlow%Dの2つをチェックし、動揺に%DがSlow%Dをしたから上に抜いたときに買いシグナル、上から下に抜いたときは売りシグナルとなる。ファストストキャスティクスはクロスが頻繁に起こりダマシが多いため、スローストキャスティクスを用いるトレーダーが多い。ファストもスローも見方は全く同じ

 

天井・底を見極めるストキャスティクス

ストキャスティクスは価格が上昇(下降するにすれ、終値が価格変動幅の上限(下限に近付くというマーケットの性質に基づいて考えらえらたものだ。一定期間の価格変動幅のなかで、直近の終値が相対的にどのレベルにあるのかを測定する。RSIと同様、買われ過ぎや売られ過ぎの状態を0~100%の範囲で示すため相場の天井や底を見極めるのに役立つ。しかしストキャスティクスはRSIなどに比べて敏感なため、0%や100%といった極小値、極大値をつけやすいのが特徴で、売買シグナルの発生が早く、レンジ相場の逆張り指標として有効だ。使い方は移動平均線と同じように、%Kと%Dという2本の線のクロスで売買のタイミングを探る。前述したように、ストキャスティクスは一定期間の最高値と最安値のレンジの中でどの位置にあるのかを求めるものだが、その相対的な位置を表現するのが、それぞれ%Kライン、%Dラインと呼ばれる2本の線。

 

ストキャスティクスは基本的にファストとスローを組み合わせることでダマシを回避した判断をすることになる。この違いを知らずにただストキャスティクスを覚えると、混乱する場合があるので注意。自分の使っている証券会社のストキャスティクスはどういう表示がされているのかよく見てから判断する。

 

ストキャスティクスを使うならスローストキャスティクス。ダマシが少ない。これも2本の線を使うが、細かい動きをする線が%D、それよりも緩やかな動きをする線がSlow%D。計算期間は、ファストと同じ。基本的に、%DやSlow%Dが30%ゾーン以下にあると売られ過ぎ逆に70%ゾーンより上にあると買われ過ぎと判断される。ファストよりダマシになるケースが少なく、売買の判断として30%(20%)以下のゾーンで%DがSlow%Dをしたから上に抜けたら買いシグナルとなる。上昇途中での下落(調整)後にはこのクロスが高い位置(50%前後)ででることもしばしばある。その場合は、他の指標も参考にして上昇トレンド形成に大きな変化がなければそこえさらに買い増しすることも有効。

 

底値圏で%K、%D、Slow%Dの3本ともの30%以下にあり、%DがSlow%Dを上に抜けてきたら、株価上昇も近い

ファストとスローを合わせて使う場合は、株価が安値圏で、ファスト、スローの両方を見て、%K、%D、Slow%Dの3本が30%(20%)ゾーンを下回っていて、後にスローストキャスティクスの%DがSlow%Dを上に抜けた時に買いシグナルとされる。ストキャスティクスは単体で使うとすれば、スローストキャスティクスを、そうでなければ、このようにファストとスローの両方を見て売買をするのが一般的。

 

ストキャスティクスはボックストレンドが得意。上値抵抗線付近からの下落や下値支持線からの反発上昇を上手に捉えることが出来る

ストキャスティクスで買いを控えるサインは次。『株価が高値圏で推移している過程で、ファストおよびスローストキャスティクスの3本すべての線が80%より上のゾーンにあり、その後スローストキャスティクスにおいて%DがSlow%Dを下に抜けてしまう』場合。このシグナルはボックストレンド形成中に威力を発揮する。ストキャスティクスは、上昇や下降といった強いトレンドを形成しているより、ボックストレンドのように株価が横に推移している最中のほうが、ダマシが少なく有効。しかし、ストキャスティクスもオシレーター系指標の『上昇相場が強い場合高値圏で指標が張り付いてしまう』という欠点を持っている。トレンドが下降から上昇に転換したあと、すぐにストキャスティクスが80%以上の売りシグナルになってしまい、慌てて売ったらその後の上昇でとれるはずの利益も取りそこなった』、となりかねない。

 

上昇トレンドが強いときにストキャスティクスだけで売買を判断すると、せっかくの株価上昇局面で利益を逃すことになるケースも

3本の線が80%以上のゾーンになったから!といっていつでもすぐにう売らなければならない(買ってはいけない)ということが当てはまらないので、まずは相場の方向性を大まかに確認してから、ストキャスティクスを活用するようにしよう。同様に、下降トレンド形成中はどうなっているか。上昇トレンドでは、高い位置(80%以上のゾーン)で3本の線が張り付いてしまう傾向があったのに対して、下降トレンド中は低い位置(30%以下のゾーン)で推移し、ちょくちょくクロスするので、買い信号と間違えないように注意が必要。

 

こういうトレンドのときは、買って利益を上げるのが難しいのだが、スローストキャスティクスを見ると、20%以下のゾーンで%DがSlow%Dを下から上に抜ける買いシグナルが頻繁に現れる。投資家がこのシグナルを全て信じて買い向かうと、手元には塩漬け株しか残らないという悲しい結果に。上昇トレンドが強いときの売りシグナルがあまり有効でないのと同様、下降トレンドが強いときの買いシグナルは、信用できないということが多い。上昇でも下降でもトレンドがはっきりしている場合は、そういう局面を得意とする指標(オシレーター系以外の指標など)を組み合わせて使うことで失敗を上手に避けるようにしたい

 

もみ合い相場は得意でも大きく動く相場は苦手なストキャスティクス

考案者のジョージ・レーンは、反応が早いファストストキャスティクスとスローストキャスティクスの2種類を作ったが、逆張り系の指標は反応の速さよりダマシの少なさが必要との判断から、スローを使う人が多い。この指標は桃合い相場では有効だが、一方向にウ大きく動く相場の場合には上下に張り付いてしまい役に立たないのが欠点。ボリンジャーバンドにしろRSIにしろ、いわゆる逆張り系の指標は売られ過ぎのサインで買うと、トレンドの勢いに負けてしまうのが難点。したがってトレンドがどちらを向いているかを見るトレンド系の指標、たとえば移動平均線なりMACDなりを併用して、相場の方向を確認することで信頼度が上がる。

 

2本の線で表されるテクニカル指標

  • %K『短期戦)と%D(中期線)と呼ばれる2本の線
  • %Kの計算式:%K=『(当日の終値―n日間の最安値)/(n日間の最高値―n日間の最安値』×100
  • %Dの計算式:%D『(当日の終値―n日間の最安値)のy日間合計』/『(n日間の最高値―5日間の最安値)のy日間合計)』×100

 

なお、nには9、yには3月買われることが多くなっている。

 

参考文献

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