Contents|目次

”約”4コマWEB漫画『空飛ぶ機械とトンボの夢』

 

こんにちは!僕はトンボ!実はちょっとシリアスな状況で・・。僕が『興味本位』に作ってしまった『空飛ぶ機械』は、『腐敗の端緒』だったようで・・。

『二ノ国』って、知ってますか?

 

この世のどこかに、魔法を使う国『二ノ国』が存在する。そしてもう一つが魔法のない国『一ノ国』。皆は
一ノ国の住人だよね!

僕は『二ノ国』に住んでいて、『一ノ国』から空を飛ぶ技術を持ち帰ろうとしていた。そこに悪気はなかったんだ・・

 

僕はただ、空を飛びたかっただけだった・・。でも賢者は、

『その好奇心が仇となり、思わぬ落とし穴に落ちる』

と注意した。しかし結局僕は好奇心と探究心を抑えることができなかったんだ・・。

 

その賢者は神妙な面持ちで、僕にこう語りかけた・・

 

ユーラシア大陸の西のはずれに発生した産業文明は数百年のうちに全世界に広まり巨大産業社会を形成するに至った。

大地の富をうばいとり大気をけがし、生命体をも意のままに造り変える巨大産業文明は1000年後に絶頂期に達しやがて急激な衰退をむかえることになった。

 

「火の7日間」と呼ばれる戦争によって都市群は有毒物質をまき散らして崩壊し、複雑高度化した技術体系は失われ地表のほとんどは不毛の地と化したのである。

その後産業文明は再建されることなく永いたそがれの時代を人類は生きることになった。

 

・・最初は人間の『好奇心』と『探究心』じゃった。じゃが、それがその純粋な人間の心は、他の『そうじゃない人物』の悪しき心に毒されていった・・。

そして、この世界はとうとう草一つ生えない『人間にとって住みずらい世界』へと変貌してしまったのじゃ・・。

 

純粋な人は問題ではない。トンボ、そなた自体にも悪気はない。じゃが、ここで問題視されているのは『それを悪用する人間』についてなのじゃ。

そなたの持ち帰った技術がこの『二ノ国』に及ぼす影響を考えてみよ。もし、いずれその応用で『戦争の道具』が開発されてみい。そなた、責任を取れるか?

 

その延長線上で、『一ノ国』は世界を滅ぼしてしまうだけの兵器を開発するに至った・・。

『一ノ国』の哲学者、サルトルは言った。
『我々はつねに自分自身に問わなければならない。もしみんながそうしたら、どんなことになるだろうと。』

そういうことなのじゃ。トンボよ。

 

アインシュタインは自分の生み出したエネルギーの公式で原子爆弾が作られたため、日本に来日したとき、泣いて謝ったという。

また、ノーベルも自分の作ったダイナマイトが殺人に使われ、『生まれてすぐに殺された方がマシだった』と言ったという。

更にライト兄弟の弟オーヴィルも、

 

第二次世界大戦で飛行機が戦争に使われ、自分の人生を後悔したという。

だが、好奇心と探究心がなければ、マッチの発明もなければ、紙を作ることも、インターネットもこの世に存在していない。

探究心があり、上昇志向があるからこそコペルニクスやガリレオが天動説が間違いだと気づき、

 

ニュートンが万有引力の法則に気づき、アインシュタインが相対性理論を見出し、コロンブスが新大陸を発見し、マゼランが船による世界一周計画でこの地球が大部分が水に覆われた球体であることが証明し、リンカーンやキング牧師らが人の間に差別がないように奮闘した。

 

さて、我々人間は、どこまで探究心と好奇心を持っていいのか。『風の谷のナウシカ』の根幹にあるメッセージとは、あまりにも深いものなのである。

 

『僕は世の中にある物語で、「風の谷のナウシカ」と「天空の城ラピュタ」は2時間モノの作品では誰にも超えられないと思ってるんです。それぐらいパーフェクトなお話なんですよ。』

byワンピース作者 尾田栄一郎