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レム睡眠とノンレム睡眠の特徴とは?睡眠の深さ、見る夢、記憶への固定

レム睡眠とノンレム睡眠の特徴は?

レム睡眠=浅い睡眠。ノンレム睡眠=深い睡眠です。

最初、ほとんどの生物(変温動物)はレム睡眠で十分だったのですが、鳥類や哺乳類、人類といった大脳が発達した生物が誕生し、レム睡眠だけではうまく休息できませんでした。エネルギー消費の節約や大脳機能の低下ができなかったのです。そこでノンレム睡眠という大脳を休ませる新しい睡眠スタイルを習得したわけですね。ちなみに人はノンレム睡眠(深い睡眠)のときに強制的に起こされると不愉快になります。したがって、レム睡眠時に起きるように調節すると、目覚めがよくなります。

先生

レム睡眠のときに起きるようにして良い目覚めをしよう!

更に詳しく知りたい人は、以下の記事を見るっす!

ハニワくん

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レム睡眠とノンレム睡眠

人の睡眠は、

 

  • レム睡眠
  • ノンレム睡眠

 

の2種類の眠りを繰り返して行われます。

 

レム睡眠だけの動物もいる

ここで『人』と挙げたのは、爬虫類や両生類はそうじゃないからです。それらの生物は『レム睡眠』だけで睡眠を取ります。ほとんどの生物は最初このレム睡眠だけしか取っていなかったので、これが原始的なスタイルと言えます。つまり、人が行う『ノンレム睡眠』というのは、新たに加えられた睡眠方法なのです。人以外にもノンレム睡眠を取る生物がいます。それが、

 

  • 鳥類
  • 哺乳類

 

です。これらの生物は人と同じく大脳がとても発達している恒温動物です。これらの生物が登場したことにより、新しい生体防御技術を習得する必要があり、ノンレム睡眠という睡眠スタイルが生まれたのです。

 

 

恒温動物(こうおんどうぶつ)

気温や水温など周囲の温度に左右されることなく、自らの体温を一定に保つことができる動物。

変温動物(へんおんどうぶつ)

外部の温度により体温が変化する動物。

 

各動物の種類

恒温動物 鳥類、哺乳類、人類等
変温動物 爬虫類、魚類、昆虫等

 

実際には、鳥類や哺乳類の中にも変温動物がいたり、またその逆のパターンもあったりするので必ずしも上のまとめ方は該当しませんが、往々にしてこのように動物を分けることができます。人も恒温動物ですね。よく『基礎代謝』という言葉を聞くと思いますが、人も何もしていないときでも基礎代謝等によってエネルギーを使っていて、体温を温めています。この場合、例えば真冬の夜中に外にいれば『外部の温度により体温が変化する』ことになりますが、そういう考え方ではなく、あくまでも『自らの体温を一定に保つ機能』が備わっているかどうか、ということですね。

 

先生

昔はレム睡眠だけで済んでいたけど、動物が進化するとともにノンレム睡眠も生まれたわけだね!

なるへそ!

ハニワくん

 まとめ✔

  1. 人の睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返して行われる。
  2. レム睡眠だけの動物もいる。
  3. 大脳がとても発達している恒温動物はノンレム睡眠という生体防御技術が必要だった。

人が熟睡するために必要なこと

 

睡眠時の人の脳波の動きや流れ

さて、ここで一度簡単に、睡眠時の人の脳波の動きや流れを見てみましょう。

 

STEP.1
目をつぶる
 

STEP.2
脳波は起きているときに出ているβ(ベータ)派からα(アルファ)派に変わる
 

STEP.3
さらにウトウトするとΘ(シータ)派が出る
 

STEP.4
意識が遠のいてδ(デルタ)派という脳波が出てくる
これが熟睡している状態。ここまでに約90分(1時間半)かかる。

 

人が熟眠感を得るためには脳波をこの『δ(デルタ)派』にする必要があります。この状態になると自律神経は副交感神経が優位になっていて、体温は低下しています。これが『ノンレム睡眠』といわれる深い睡眠です。

 

レム睡眠

脳は起きて身体が眠っている。浅い睡眠。Rapid Eye Movement。急速な眼球運動を伴う眠り。瞼の中で目がぎょろぎょろと動いていることから、REM睡眠と名付けられた。

ノンレム睡眠

脳も体も眠っている。深い睡眠。

 

人間の睡眠で一番深い眠りは、最初の90分のノンレム睡眠にあります。したがって、この時間の寝入りをどれだけスムーズに行えるかで、睡眠の質が変わってくるわけですね。睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返して行われます。

 

STEP.1
90分かけてノンレム睡眠へ
(睡眠1時間半経過)

STEP.2
15分ほどレム睡眠状態になる
(睡眠1時間45分経過)

STEP.3
90分ほどノンレム睡眠になる(2回目)
(睡眠3時間15分経過)

STEP.4
15分ほどレム睡眠状態になる
(睡眠3時間30分経過)

STEP.5
90分ほどノンレム睡眠になる(3回目)
(睡眠5時間分経過)

STEP.6
15分ほどレム睡眠状態になる
(睡眠5時間15分経過)

STEP.7
90分ほどノンレム睡眠になる(4回目)
(睡眠6時間45分経過)

STEP.8
15分ほどレム睡眠状態になる
(睡眠7時間経過)

 

このように、『δ派のノンレム睡眠』を『4回』ほど繰り返すと睡眠時間は『約7時間』になります。しかし、ベッドについてその瞬間に眠れる人はいませんから、ベッドに0時についた場合、『約7時間半』ほど経った、7時30分に起きられれば、十分な睡眠ができたことになります。

 

人が熟睡するために必要なこと

  • 脳波を『δ(デルタ)派』にする
  • 自律神経を副交感神経優位にする
  • 体温を低下させる
  • ノンレム睡眠に入る

 

上のポイントを一つずつ見てみましょう。

 

人が熟睡するために必要なこと

 

脳波を『δ(デルタ)派』にする

まず脳波を『δ(デルタ)派』にすることについてですが、これに関してはそのまま特に言うことはありません。人間には脳波の揺らぎがあって、覚醒しているときと寝ている時の脳波が違うというだけです。人が熟睡するためには脳波をこの 『δ(デルタ)派』にする必要があるということですね。

 

 

自律神経を副交感神経優位にする

自律神経を副交感神経優位にするということですが、

 

  • 交感神経が優位=緊張、不安
  • 副交感神経が優位=リラックス

 

ですから、睡眠前に何か興奮してしまうようなことをしてしまったり、あるいは不安があったりすると眠れなくなります。子供のころ、翌日の遠足が楽しみで寝られないあの現象がこの自律神経の問題だったということですね。

 

体温を低下させる

この『体温を低下させる』という理由ですが、そうすることによって消費するエネルギーを抑えることができるからです。『図解雑学 睡眠のしくみ』にはこうあります。

変温動物にとっての眠りとは肉体的な疲労回復を主目的とした休息法だった。骨格筋の緊張が解かれた麻痺状態に肉体を置くことで体温を低下させ、エネルギーの消費を抑えたのだ。

 

変温動物も、少しバージョンアップしたような恒温動物も、同じように睡眠時には、エネルギーの消費を抑えることで疲労を回復します。単純に、携帯電話の充電をするとき、わざわざ照明をガンガンにつけた状態で充電せず、ディスプレイを真っ暗にして行いますよね。また充電時じゃないときもそうですが、そうすることによってエネルギーの消費を抑えられます。睡眠中はなるべくエネルギー消費を抑えることが大事なのです。

 

ノンレム睡眠に入る

そしてノンレム睡眠に入ること。これが人が熟睡するために必要なことです。そもそも、

 

  • レム睡眠=浅い睡眠
  • ノンレム睡眠=深い睡眠

 

ですからね。もしレム睡眠だけしかできなかったという場合は、睡眠の質が悪かったということになります。人が熟睡するためにはノンレム睡眠を行う必要があるのです。

 

先生

でも、ノンレム睡眠の段階で起きると不愉快な寝起きになるよ!

なるへそ!

ハニワくん

 まとめ✔

  1. 人が熟睡するためには脳波を 『δ(デルタ)派』にする必要がある。
  2. 自律神経を副交感神経優位にする。
  3. 人は、体温を低下させ、エネルギーの消費を抑えて疲労回復しやすくしてから睡眠する。
  4. 人が熟睡するためにはノンレム睡眠を行う必要がある。

 

レム睡眠とノンレム睡眠の役割

さて、これで大体人が睡眠をするときに起きていることや、睡眠する流れが見えてきました。では、なぜ魚類や両生類等の変温動物は『原始的なレム睡眠』を取り、鳥類や哺乳類、そして人類といった恒温動物はそれに加え、『バージョンアップしたノンレム睡眠』を取るのでしょうか。

 

人間がノンレム睡眠を欲した理由

まず前者ですが、そもそもこれは元々あったパターンの睡眠方法です。先ほどもこうありましたが、

変温動物にとっての眠りとは肉体的な疲労回復を主目的とした休息法だった。骨格筋の緊張が解かれた麻痺状態に肉体を置くことで体温を低下させ、エネルギーの消費を抑えたのだ。

 

これは『レム睡眠』の説明です。このようにしてあらゆる生物(厳密に言うと、大脳皮質が発達していない変温動物)は、肉体的な疲労を回復するためにレム睡眠といった睡眠スタイルを取っていたということですね。

 

 

そして『ノンレム睡眠』ですが、先ほどから何回か出てきているように、『大脳が発達』した鳥類や哺乳類、人類といった生物たちは、このレム睡眠だけではエネルギー消費の節約や大脳機能の低下ができませんでした。そうしたレム睡眠の欠陥を補うとともに、大脳を休ませる新しい睡眠スタイルが必要になり、ノンレム睡眠が誕生したのでです。

 

STEP.1
最初、ほとんどの生物(変温動物)はレム睡眠で十分だった
 

STEP.2
鳥類や哺乳類、人類といった大脳が発達した生物が誕生

STEP.3
レム睡眠だけではうまく休息できなかった
エネルギー消費の節約や大脳機能の低下ができなかった。

STEP.4
ノンレム睡眠という大脳を休ませる新しい睡眠スタイルを習得した
 

 

つまりノンレム睡眠というのは、大脳に休息を与え、かつ疲労回復もできる、睡眠のニューバージョンということですね。『図解雑学 睡眠のしくみ』にはこうあります。

大脳皮質に休息を与える機能を持つとともに、呼吸や体温、血液の循環やホルモン分泌などさまざまな生体の諸機能を調節することも可能な、高等動物だけが持つ優れた睡眠状態なのである。

 

それがこの『ノンレム睡眠』ということですね。

 

2種類の睡眠の相補関係

  ノンレム睡眠 レム睡眠
大脳の働き 鎮静化(↓) 活性化(↑)
脳の温度
脳の血流
ブドウ糖の代謝量
脳神経細胞の(皮質ニューロン)活動
意識の水準

 

レム睡眠は必要ないのか

さて、そう考えるとレム睡眠が『ノンレム睡眠の劣化版』のイメージになってしまいますが、そんなことはありません。レム睡眠にはきちんと役割があるのです。レム睡眠は、大脳に休息を与える能力こそ少ないですが、睡眠中における情報処理と記憶の固定という重要な役割を担っています。つまりこのレム睡眠の間に、『必要な情報』と『不要な情報』を整理して、記憶として固定させたり、あるいは消去したりして、脳の最適化を行っているのです。睡眠中は外からの情報は入ってこないので、脳内部で情報の再編成が行えるわけですね。

 

ですから、このあたりのことを理解していないと、『一夜漬けで試験に臨む』という例の精神論を正当化しかねません。『脳も体も冴えわたる1分仮眠法』にはこうあります。

『一夜漬け』の記憶は長続きしない

(省略)一夜漬けで覚えたことは数日経つとほとんど忘れてしまします。なぜなら繰り返す回数が少ないうえに、覚えたことが『睡眠』という記憶の整理作業を通過していないからです。

 

レム睡眠はこのようにして『記憶の整理』を行う重要な睡眠ですから、『ノンレム睡眠の劣化版』ではなく、これはこれでしっかりと意味があるのです。だからレム睡眠とノンレム睡眠を両方交互に行う、という睡眠スタイルを採用しているわけですね。

 

学力と睡眠時間に関係はある?一夜漬けはあまりにも古すぎる勉強法!

 

 

レム睡眠とノンレム睡眠の役割

 

ノンレム睡眠よりも深い徐波睡眠の力

更に厳密にいえば、ノンレム睡眠にもこの『記憶の定着』をする役割があります。『脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠』にはこうあります。

仮眠を取ると記憶力までアップする!

(省略)このことは睡眠学的にも証明されます。眠っている間の脳波を見ると、宣言記憶(言葉で表現できる記憶)は脳の眠りであるノンレム睡眠のうち、深い睡眠(徐波睡眠)のときに脳に固定されるからです。この徐波睡眠は、夜の睡眠では前半部分に多く現れます。つまり、勉強したことをしっかり記憶したければ、午前0時には眠りについて、寝付いてからの1時間半から3時間の睡眠が重要となってくるのです。

 

『言葉で表現できる記憶』というのは、まさに自分のものにした記憶ですね。それくらい鮮明な記憶として脳に定着させるためには、『徐波睡眠』というノンレム睡眠の中でも深い睡眠が必要になります。先ほどの睡眠の流れで、『人間の睡眠で一番深い眠りは、最初の90分のノンレム睡眠にあります』と言いましたが、まさにこの段階の睡眠が、徐波睡眠です。レム睡眠もノンレム睡眠も、人が常に健康に生きるため(例えば、不要な記憶を持ち続けたら、そのせいでネガティブになり、うつ的になる)、あるいは成長し続けるために必要不可欠な睡眠スタイルだということですね。

 

ただその『90分』ということですが、必ずしも90分という時間が当てはまるわけではありません。『スタンフォード式最高の睡眠』にはこうあります。

レムとノンレムは90分周期じゃなかった!?

(省略)ただし、スリープサイクルにはかなり個人差があるため、実際の1周期はおよそ90~120分と幅がある。そこで、『睡眠時間は120分の倍数が良い』としている研究者もいる。したがって、起きるタイミングも個人の睡眠周期によって異なるのだ。

 

実際には睡眠周期は『90~120分』と幅あるので、『最初の90~120分』と言った方が正確かもしれません。しかしとにかく徐波睡眠はとても大事だということですね。この徐波睡眠を取らないと病気にかかりやすくなるという事実についても、下記の記事で書いています。

 

睡眠不足が原因で病気になる?良質な睡眠で『癌、認知症、うつ病』等のリスクを下げよう

 

では、徐波睡眠をとらないとなぜ大脳に悪影響を与えるのかという流れを見てみましょう。

 

STEP.1
運動によって乳酸、日中の活動で『ガンマヒドロキシ酪酸』という疲労物質が溜まる
 

STEP.2
大脳にたまったガンマヒドロキシ酪酸は徐波睡眠にしか取り除けない
筋肉中の乳酸は体を休めれば徐々に消える。

STEP.3
睡眠不足が長く続くとガンマヒドロキシ酪酸が大脳に残り続ける
 

STEP.4
判断力、創造力、論理的思考力、意欲、自己評価等が一律に下がる
 

STEP.5
精神的なストレスによってうつ状態になることもある

 

疲労物質は徐波睡眠によって取り除かれるため、これがないと大脳に悪影響を与えるわけですね。また、成長ホルモンが担う役割も見てみましょう。本来人の体の細胞は日中の活動でダメージを受けるのですが、成長ホルモンが毎晩修復を行うため、病気になりません。

 

STEP.1
体の細胞が日中の活動でダメージを受ける
 

STEP.2
徐波睡眠ができない
成長ホルモンが十分に分泌されない。

STEP.3
ダメージの修復作業ができない

STEP.4
疲労がたまりやすくなり深刻な病気を引き起こしやすくなる
 

 

ということで、徐波睡眠を取ることは人が健康に生きていくためには欠かせないことなのです。

 

徐波睡眠

最初の90~120分のノンレム睡眠で、睡眠の中で最も深い睡眠状態。脳波を測定すると、非活動状態であることを示す『大きくて徐行運転のようなゆっくりとした波形』が出現することからつけられている。

 

人が熟睡するために必要なこと

 

老化によって睡眠の質は変わる

 

 

また、これらの睡眠のパターンは、年齢によって変化が起きます。『ササッとわかる「睡眠障害」解消法』にはこうあります。

運動量や社会活動の低下などの影響で『年齢とともに睡眠は浅くなる』

睡眠の内容は年齢とともに変わってきます。生まれて間もなくのころは、レム睡眠とノンレム睡眠が同じくらいの量ですが、次第にレム睡眠が少なくなり、10歳ごろまでにノンレム睡眠が多くなります。中高年になると、ノンレム睡眠の3~4段階の量が減り始め、60歳代になると、4段階がほとんどなくなり、70歳代になると3段階も少なくなってきます。また、生体時計のリズムが前にずれやすくなります。高齢になると『夜中にたびたび目が覚める』『朝早く目覚めてしまう』という訴えが多くなるのは、これらの理由によるのです。

 

この『段階』というのは、睡眠の深さを表す言葉です。

 

  • 1段階:少し深い眠り
  • 2段階:ある程度深い眠り
  • 3段階:結構深い眠り
  • 4段階:かなり深い眠り

 

イメージはこういう感じですね。そして高齢になると、2段階程度の眠りしかできなくなり、『夜中にたびたび目が覚める』『朝早く目覚めてしまう』等の現象が起きてしまいやすくなります。子供の場合はすぐに熟睡でき、成長ホルモンが多量に分泌される深い眠りの時間が長いのが特徴です。

 

植物で考えたとき、新芽は水をはじいてみずみずしく潤い、鮮やかな色を出して光り輝いていますが、枯れてくるとそのすべての機能を低下させます。同じように、人も含めたあらゆる生物の行きつくところは『死』ですから、『徐々に死に向かって準備をする』ことが老化現象と言うのかもしれません。もし動画でこのレム睡眠とノンレム睡眠について説明してほしいという人は、以下の動画を見るといいでしょう。今のところyoutube上にある動画では、わかりやすく説明してくれているものです。

 

 

夢を見るのはレム睡眠だけ?

ただ、ここにある『レム睡眠に人は夢を見る』ということですが、厳密に言うとこれは違います。たしかに多くの睡眠の専門書にはそういうことも書いてありますが、下記の記事に書いたように、1957年にはノンレム睡眠の状態でも人は夢を見ることがわかりました。

 

『悪夢・寝言・夜驚症』の原因とその対策は?夢をコントロールする方法はあるか

 

『図解雑学 睡眠のしくみ』にはこうあります。

人はなぜ夢を見る?

レム睡眠時、ノンレム睡眠時のいずれの状態でも夢を見る

(省略)かつては、レム睡眠時にのみ夢を見ていると考えられていたが、最近の研究結果では入眠時やノンレム睡眠時であっても、眠っている間はいつでも夢が表れることがわかった。ただし、入眠時やノンレム睡眠時に見る夢は印象が乏しく、ほとんど記憶に残ることはない。私たちが夢として認識しているものは、レム睡眠時に表れているものなのである。広島大学総合科学部の堀忠雄教授が行った実験によると、被験者の脳波からレム睡眠、ノンレム睡眠のいずれの睡眠段階にあるかを判定し、それぞれの状態のときに起こしてみたところ、レム睡眠時に『夢を見た』と答えた被験者は60~88%いたが、ノンレム睡眠時では0~54%という数字が出たという。非常に偏った数字ではあるが、この実験結果からもわかるようにノンレム睡眠時であっても私たちは夢を見ているのである。

 

ただ『ノンレム睡眠は深い睡眠なので、覚えていない』だけだったんですね。

 

 

それぞれの睡眠時の夢の特徴

レム睡眠 ストーリー性があり実体験に近い夢
ノンレム睡眠 抽象的でつじつまが合わない夢

 

ちなみにこの夢ですが、『まったく夢を見ない』という人であっても、一晩に3~4本の夢を見ています。それを朝起きたときに覚えていないだけのことなんですね。基本的に、先ほど挙げた『レム睡眠→ノンレム睡眠』の睡眠リズム通りに睡眠している人は、レム睡眠(浅い睡眠)時に起床しますので、夢を覚えていることが多いでしょう。私は最近必ずと言っていいほど起床時に夢を覚えているのですが、それは言いかえると『最近ほとんどの確率でレム睡眠時に起きている』ということになるわけですね。

 

レム睡眠を奪われると人は精神障害に陥る?

ちなみに、もし人からレム睡眠を奪うとどうなるかということを研究した人がいます。『図解雑学 睡眠のしくみ』にはこうあります。

レム睡眠を奪われると人は精神障害に陥る?

(省略)1960年にスタンフォード大学睡眠障害診療所のディメント博士が興味深い研究結果を発表している。博士によると、人からレム睡眠を奪うと不安感に襲われたり集中力をなくすなどの状態が起き、さらには精神障害を引き起こす危険性があるというのだ。

 

ただこの内容は事実ではなく、博士自体もその後間違いを認めています。しかし、このときの影響が強く、今でもレム睡眠を妨げると精神障害を引き起こすと信じている人が多いようです。しかしどのみちレム睡眠がないと、睡眠の質の低下や脳内の情報処理の不具合などが起きて、あまり健全ではありません。人は、心身を常に健康なものにするために、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返して行う現在のこの睡眠スタイルを確立させたのです。

 

先生

でも、ここが最終段階なのかね!次の睡眠のレベルっていうのがいずれ出てくるかもしれないね!

たしかに!

ハニワくん

 まとめ✔

  1. 『大脳が発達』した鳥類や哺乳類、人類といった生物たちはレム睡眠の欠陥を補うとともに、大脳を休ませる新しい睡眠スタイルが必要だった。
  2. レム睡眠は、睡眠中における情報処理と記憶の固定という重要な役割を担っている。
  3. 宣言記憶(言葉で表現できる記憶)はノンレム睡眠のうち、深い睡眠(徐波睡眠)のときに脳に固定される。
  4. 徐波睡眠をとらないと『ガンマヒドロキシ酪酸』という疲労物質が溜まり、大脳がリフレッシュされず、病気になる。
  5. 運動量や社会活動の低下などの影響で『年齢とともに睡眠は浅くなる』。
  6. レム睡眠時、ノンレム睡眠時のいずれの状態でも夢を見る。
  7. 『まったく夢を見ない』という人であっても、一晩に3~4本の夢を見ている。
  8. レム睡眠を奪われると人は精神障害に陥る、ということはない。

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