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老化によって睡眠はどう変わっていく?

高齢者になると見られる傾向

 

 

老化によって人はよく眠れなくなったり、朝早くに起きてしまうと言われることがありますが、それは本当でしょうか。では不眠の種類を見てみましょう。

 

不眠の種類

入眠障害 床についてから30分以上寝つけない
中途覚醒 夜中に何度も目が覚める。再び眠るまでに時間がかかることが多い
早朝覚醒 予定の起床時間より2時間以上早く目が覚める
熟眠障害 長く眠ったとしてもぐっすり眠ったという感じが得られない

 

このうち『中途覚醒』や『早朝覚醒』は加齢に伴って増えると言われています。しかも年代が上がるにつれて増えてくる傾向があります。『ササッとわかる「睡眠障害」解消法』にはこうあります。

中途覚醒が増えるのは、年齢を重ねるにつれて生理的に眠りが浅くなるため。早期覚醒は、高齢になると生活時間帯が前倒しになりやすく、その結果、夜は早くから眠くなり、朝早く目覚めてしまうことも一因と考えられます。

 

例えば中途覚醒の中には『夜間頻尿(夜中におしっこで起きる)』も含まれますが、その他にも以下のような理由が考えられます。

 

中途覚醒

  • 生理的に眠りが浅くなる
  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群
  • 周期性四肢(しし)運動
  • 夜間頻尿

 

早期覚醒

  • 生活時間帯が前倒しになり、夜早くから眠くなり、朝早く目が覚める
  • 日中の運動量が減るので疲労も少なく、睡眠が長く続かない

 

このうち、高齢者に多いのはやはり『日中の運動量の低下』でしょうか。やはり日中たくさん動いた人は疲労していますから寝つきがよくなりますよね。ただし、

 

  • 老化に伴う脳の生理学的な変化
  • 運動量の低下
  • 退職などによる社会活動の低下

 

などが影響して睡眠が浅くなると考えられていますが、実際のところはハッキリ原因はわかっていません。

 

子供→成人→高齢者

 

の順番で眠りは浅くなるというのが一般的な考え方です。子供のころの睡眠は、

 

  • レム睡眠(浅い睡眠)
  • ノンレム睡眠(深い睡眠)

 

をしっかりと3~4段階繰り返して行われ、ノンレム睡眠がたっぷりと取れることから熟睡できるのですが、成熟するにつれてこのリズムが狂いだし、『深い眠り』の『ノンレム睡眠』が十分に取れず、睡眠の質が低下してしまうと考えられています。

 

睡眠の質が低下する理由

『お酒や薬に頼らない「必ず眠れる」技術』にはこうあります。

お年寄りの早起き、実はすっきりしていない

(省略)あれだけ早起きしていながら、意外と熟眠感を感じてはいません。むしろ逆で、頭はすっきりしていないのです。なぜでしょう。それは年齢とともに睡眠時間全体が短くなり、レム睡眠もノンレム睡眠も減り、深い眠りが減ってしまうからです。特に第Ⅳ段階の睡眠は大幅に減ってしまいいます。これは加齢にともなう生理的な現象で、避けることができません。若い頃は睡眠中に成長ホルモンが分泌されるように、睡眠が成長に不可欠ですが、高齢者ではすでに成長が終わっているので、睡眠自体がさほど必要なくなるのです。

 

『第Ⅳ段階』というのは、深さを表しています。第Ⅰ~Ⅳまであり、Ⅳが一番深い眠りです。先ほどは『実際のところはハッキリ原因はわかっていない』と言いましたが、それは違う参考文献にあったものを記述しました。しかしこの参考文献の場合は『高齢者ではすでに成長が終わっているので、睡眠自体がさほど必要なくなる』とありますね。これだけで説明が済んでいるような気もします。加えて、

 

  • 脳動脈硬化症
  • 認知症
  • 老人性うつ病
  • 心身両面にわたる様々な原因

 

 

が加わって睡眠は障害されるとありますが、確かに睡眠時無呼吸症候群らと違って、これらの問題は加齢とともにリスクが増えるものですから、こうした問題が重なれば睡眠に悩まされることが多くなると言えます。例えば室内に、

 

  • ホコリ
  • 汚れた空気
  • カビ
  • 雑菌
  • アレルゲンの粒子

 

などがあると仮定しましょう。『肥満外来の女医が教える熟睡して痩せる「3・3・7」睡眠ダイエット』にはこうあります。

寝室を片付ければぐっすり眠れる

(省略)その中で眠ろうとすれば、必然的に眠っている間、呼吸をするたびに汚れた空気を体内に取り込んでしまうことになります。ところがもともと私たちの体には、侵入してきた異物は外に出そうとする働きが備わっています。そうなると寝ている間も吸い込んでしまった汚れた空気を体外へ排出しようと体が反応して活動をはじめるので、自然と眠りが浅くなってしまうのです。

 

私はハウスダストアレルギーですが、そのせいで室内が乾燥していたり、ホコリが舞っているとくしゃみが止まらなくなり、睡眠どころではなくなります。同じように、『花粉症』などもそうです。ですから花粉症に悩まされる人は、外出先から帰宅した場合は必ず衣服や髪の毛等についた花粉をすべてきれいに掃除する必要があります。室内に空気清浄機を設備することは必須となるでしょう。

 

 

ここで注目したいのは『寝ている間も吸い込んでしまった汚れた空気を体外へ排出しようと体が反応して活動をはじめるので、自然と眠りが浅くなってしまう』という部分。つまり人間は、『睡眠の邪魔をする要素が一切ない状態』でなければ、最高の熟眠感は得られないということになります。加齢によって体の節々に違和感が出るようになれば、もちろんそれだけでも熟眠を妨げる要因となるでしょう。また、夜間頻尿や、先ほどあったような病気や問題が頻繁に起こるようになれば、それだけでも熟眠感は得られません。

 

『お酒や薬に頼らない「必ず眠れる」技術』にはこうあります。

お年寄りで不眠を訴える方の典型は、次のようです。『最近、寝付くのにやたらと時間がかかるんです。寝付いても2,3時間ですぐに目が覚めてしまい、おしっこに行きます。二度も三度も行くことだってあります。それからがどうしても眠れなくて。そのくせ、朝や4時か5時に目が覚めてしまうんですよ。

 

この例も夜間頻尿によって睡眠を妨げられているようですね。子供のころは尿意があったっとき、『おねしょ』をしてでもそのまま眠ってしまいますから、その頃と比べればそのたびにトイレに行くことは、人として立派だと言えます。しかし、こと熟眠感ということで言うと、堂々とベッドの中でおねしょをしてでも睡眠を取る子供の方が、よく得られているということになりますね。

 

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