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昼寝(仮眠)が睡眠に与える影響は?『寝だめ、食後の睡魔、睡眠負債』について

昼寝をすると夜眠れなくなる?

昼食後はどうしても睡魔に襲われて、仕事や勉強が手につきません。ただ、昼寝をすると夜の就寝に問題があるという考え方があります。たしかに、あまり寝てはいけないタイミングで寝てしまうと、夜いざというときに眠れなくなるという事実はあります。

 

 

人は睡眠を『寝だめ』できる?

例えば子供がごはん以外のタイミングでお菓子などを食べるとごはんが食べられなくなるので、お母さんが

 

母親

今食べるとごはん食べられなくなるよ!

 

としかりつけるシーンがありますが、あれと似たようなものですね。では、人は睡眠を『寝だめ』できるということでしょうか。ご飯の場合はお腹にお菓子が『溜まる』からご飯が食べられなくなるわけですよね。ということは同じように睡眠も『寝だめ』ができて、その溜めた睡眠のせいで夜眠れなくなる、言い方を変えると『起きていられるようになる』ということなのでしょうか。

 

そうだとしたら、便利だと感じる大人は大勢いますね。どうでもいい時間にしっかりと寝だめしておいて、活動したい時間を増やしたいという人はたくさんいるのではないでしょうか。例えば旅行です。旅行前にたくさん『寝だめ』をしておけば、限られた旅行の時間ではずーっと起きていられますからね。その分思い出もたくさん作ることができます。『お酒や薬に頼らない「必ず眠れる」技術』にはこうあります。

『寝だめ』はできない

不眠症の治療をしていると、ときどき『先生、寝だめは有効ですか?』と聞かれます。そのとき、私はその患者さんがどういう意味で『寝だめ』という言葉を使っているのかを確かめるようにしています。といいますのも、だいたい二通りのイメージで『寝だめ』が語られるからです。

 

『先取り睡眠』と『補充睡眠』

この本の著者である専門家は『寝だめ』はできないとしますが、それには、

 

  1. 先取り睡眠
  2. 補充睡眠

 

という種類が二つあって、そのうち『先取り睡眠』はできないと言っています。これは先ほど例に出した旅行のようなパターンと同じですね。いざという時に動きたいから、今のうちに寝ておくというタイプの睡眠はできないということです。しかし、『補充睡眠』という形なら少し違います。普段睡眠不足の人がいて、それを補うために睡眠をとるなら、これは効果があります。睡眠不足になると体は疲れ、自律神経が乱れてきます。そのせいで、

 

  • 頭痛
  • 肩こり
  • めまい

 

などの体調不良が起きるとなれば、この補充睡眠が必要になります。

 

 

睡眠負債とは?

『「いつも眠いー」がなくなる快眠の3法則』にはこうあります。

睡眠不足が続くことのリスク

睡眠不足が続くと『眠気』は私たちの脳にどんどん溜まっていきます。(省略)そして睡眠物質が充満すると、今度は分解が始まります。これが睡眠の始まりです。睡眠物質を消化しきると、また溜まり始めます。これが目覚めた状態です。(中略)睡眠を削るということは、睡眠物質を溜める時間を増やして、消化する時間を減らすということです。すると、脳には消化されなかった睡眠物質が残っていきます。この状態を『睡眠負債』と言います。

 

つまりこういうことです。

 

STEP.1
睡眠不足が続くと脳内に『睡眠物質』が溜まっていく
 
STEP.2
睡眠物質が充満すると今度は分解が始まる
これが睡眠の始まり。
STEP.3
睡眠によって睡眠物質が消化される
 
STEP.4
消化し終わったら目覚める
 
STEP.5
また睡眠物質が溜まったら眠くなる
 

 

これが通常の睡眠の流れなのですが、睡眠不足が続くと、その『睡眠物質』が消化できず、残ってしまいます。これが『睡眠負債』です。

 

STEP.1
睡眠不足が続くと脳内に『睡眠物質』が溜まっていく
 
STEP.2
睡眠をうまく取れない
 
STEP.3
『睡眠負債』が溜まる
睡眠物質がきちんと分解・消化できない。
STEP.4
一日中睡眠不足感を感じる
判断力や集中力も低下する。

 

その頭痛やめまいは、恐らくこの『睡眠負債』が影響していると考えられます。そういう意味でも、『補充睡眠』によってその不足している分の睡眠を補うことは有効だと言えます。つまり、分解しきれていない睡眠物質を消化するわけですね。

 

STEP.1
睡眠負債が溜まる
 
STEP.2
睡眠物質が消化・分解しきれていない。
 
STEP.3
何かしらの体調不良が起きる
判断力・集中力等も低下する。
STEP.4
補充睡眠を行う
 
STEP.5
分解しきれていない睡眠物質を消化する
 
STEP.6
体調が元に戻る
 

 

ということになるわけです。

 

睡眠負債は目を閉じるだけでも減らせる

またこの本では、その睡眠負債を減らすためには『目を閉じるだけでもいい』と言っています。下記の記事にいくつかの仮眠の種類をまとめましたが、ここでも少し見てみましょう。

 

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様々な仮眠の種類

ナノ・ナップ 瞬間仮眠。一瞬~数秒
マイクロ・ナップ 1分~数分。
ミニ・ナップ 10分。
パワー・ナップ 20分。
ホリデー・ナップ 90分。

 

つまり、『ナノ・ナップ』のような目を閉じるだけでも十分睡眠負債は減らすことができるというわけですね。逆に言うと、『ホリデー・ナップ』のような、30分以上の仮眠となると夜の睡眠(メジャースリープ)の質が低下するため、やめたほうがいいと言えます。ただ、厳密に言うとこの表は『仮眠』であり、この本が言っているのは『目を閉じる時間』ですから、少し違います。本では、『6~15分ほど目を閉じる』のが一番効果があると言っています。例えば、ホットアイマスクをして15分くらい目を閉じるだけでいいということですね。そこで実際に寝てしまっても、そのくらいの時間であればむしろポジティブな反応しか起きないと言えるでしょう。

 

 

ただ、やはり『寝だめ』というイメージが強いのは『先取り睡眠』の方ですよね。厳密には寝だめはできないと覚えておくのがわかりやすいでしょう。この補充睡眠は寝だめを意識するというよりは、

 

ふぅ、ちょっと寝不足気味だから仮眠するか…

 

という具合に『仮眠』の意識で行う人が多いはずです。寝だめというより仮眠。ですからこれが今回のテーマですね。今少し30分以上の仮眠について話しましたが、仮眠(昼寝)をすると、夜の睡眠にどういう影響があるかということを考えていきましょう。

 

 

先ほどの本にはこうもあります。

ただし、それには条件があります。『補充睡眠』をとりすぎると、『先取り睡眠』と同じことが起きてしまいます。つまり、寝すぎです。寝すぎると夜の睡眠に影響が出てしまいます。

 

やはり昼間の仮眠が度が過ぎると夜の睡眠に影響が出るようです。ではどのように補充睡眠をしたらいいのかというと、そもそも補充睡眠は睡眠不足を認識しているわけです。例えばいつも8時間寝ている人が、何らかの理由で早起きして、5時間しか眠らなかった。そういう場合はどこかで少し仮眠することが有効です。

 

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