名言を自分のものにする

広告

 


エゴチズム(自己中心主義)


日本のドラマでも、ごく稀だがズバリ的を得たセリフを言ってくれるときがある。
を中心に物事を考え、あるいは地位を確立し、それに依存している人間は、
どこか性格が歪曲している。


そんな連中とのやりとりを描いたドラマのシーンは、”よくあるシーン”である。
私は、5000万円以上、10億円未満の資産をもつ20代、30代の人間と
共同で仕事をしようとしたが、もれなくその両方の傲慢な態度にあきれ果て、
こちらから願い下げをした。
当然真正面から急所をズバリと突けば、根も葉もない詭弁をまくしたて、自己
防衛本能から正当化を図る。
『窮鼠猫を咬む』である。
二人の共通点は、私の人格を”見誤った”こと。
そして、最後まで『自分が正しい(金があるから、地位があるから』という
傲慢な態度で歯向かってきたところだ。
一人は権力をアピールし、弁護士や、多額な賠償金をちらつかせ、自己防衛を
図った。
もう一人に関しては、ほんのわずかの私の資産を横領し、トンズラするという、
あまりにもレベルの低い『鼬(イタチ)の最後っ屁』であった。
彼の横領した額など私は半月もしないうちに取り返せるが、彼がそれとともに
失ったものは、一生かけて取り返せるか否かの、あまりにも大きなものである。
自分が得をし、『Win-Lose』したかったのだろうが、非常に悲しすぎる結末で、
私は元友人として逆に彼の将来が救われるよう、祈るばかりである。
この二人(いや『鼠(ネズ)ミ』『イタチ』だから”二匹”というべきか)に対して
意見を言うなら、離婚弁護士の雨宮弁護士が、作中、同じような類のIT系
社長に向かって言った言葉が、的を得ている。
『可哀そうに。お金目当ての人にしか、相手にされてこなかったのね。』


それまでの半生のあらゆる”障害”を、お金で解決してきた彼らにとって、私の
ような”はした金で信念がぶれない人間”は驚異的であり、そのイレギュラーな
私に対するスムーズな問題解決方法を知らなかったのだろう。
私ごときの人間に『Win』するために、そこまで乱れる必要もなかっただろうに。

 


『プロフェッショナル・マネージャー』


の巻末に、ご存じユニクロこと、ファーストリテイリング社長、柳井正がこう書いて
いる。
『根拠のない自信に満ち溢れたエゴチストほど、異業種交流会に積極的に参加
しないといけないと主張し、いくつもの交流会にかけもちで参加する。
成功したベンチャー企業の経営者は、なぜか業界団体に集い、人脈を広げると
称して、夜の会合やパーティに好んで出席する人が少なくない。
だが、異業種交流会も、お客様や社外の人間と接することの少ない内側の仕事を
している人にとっては、ときには必要だと思うが、やりすぎても効果は無いだろう。
”人脈”といっても、その人が自分を信頼していくれるという状況にならない限り、
人脈があるとはいえない。
人脈をつくるには、自分の本業に専念することで信頼してもらうしかない。
本業で結果を出せば、全然知らない人でも、訪ねれば会ってくれるし、どんな質問
にも答えてくれるものだ。
エゴチズムの真の害悪は、抑制されない個人的虚栄心が高進すると、その本人が

自分自身の為にこしらえた賛辞を信じ込むようになる。

そして自分自身と虚栄心の中にのめり込んで、他人の感情への感受性を失って

しまう。

常識も客観性も失われる。

そして意思決定の過程を脅かす厄介者となる』
まさに、この事件を的確に叱咤するにふさわしい言葉である。

彼らのような人間は、世に溢れている。
だが、その度に雨宮弁護士のこのセリフを思い出せばいい。
『可哀そうに。お金目当ての人にしか、相手にされてこなかったのね。』

彼らは、可哀そうな人々なのだ。むしろ、祈ってあげなければならない。

 

 


by:一瀬雄治 (Yuji Ichise)
サルベージエンタープライズ株式会社代表取締役社長。
1983年、東京都生まれ。


エゴチズム(自己中心主義)

スポンサーリンク

広告

 

↑ PAGE TOP