映画を始めて観たときから、およそ30年。そして、毎週映画館へ行く生活を送るようになり、もうすぐ15年の時間が過ぎようとしています。1,300作品以上の映画を観てきた私が、『大日本帝国の歴史』編をご紹介します!
大日本帝国の失墜
日本はかつて『大日本帝国』として、帝国主義を貫いていた。つまり、近隣の色々な諸国を併合し、自国の領土として支配し、この世界を少しでも自分たちの思い通りにしようとした。もちろんそれは単なる野心の暴走ではなく、外国の列強に支配されないための自衛という目的もあった。しかし、日清戦争、日露戦争と戦争に勝っていくうちにその目的は野心と化し、破滅の道を進んでしまったのである。
『八甲田山』
1900年、当時、青森にある八甲田山で山岳修行をすることは、日露戦争の為に欠かせない要因だと考えられた。かつて、世界を獲ったと称されるナポレオンは、イギリスのウェリントン、ネルソンの2人に加え、もう一人勝てなかった相手がいるが、それがロシアのアレクサンドル1世である。彼は、ナポレオンのモスクワ遠征の時、地の利を生かそうとしてわざと少しずつ敗北しながら、フランス軍をロシア内部におびき寄せる。そして冬を待ち、環境に適応できず弱体化したフランス軍を倒したのだ。実にナポレオン軍は、戦死と凍傷で61万もいた兵士が5千人に激減してしまったという。
ロシアは寒さに強い。したがって、日本もそのロシアと戦うためには、当時で考えられる日本最大の極寒の地である八甲田山を体験する必要があったのだ。小便をすると凍り付き、歩くたびに人の足音が少なくなるその過酷な登山で、一体どれほどの人間が生き残ったのか。そして、その生き残った彼らは、日露戦争でどれだけの活躍をしたのか。210名中199名が遭難した事件(八甲田雪中行軍遭難事件)を基に作られた、高倉健の名作の一つである。
監督 | 森谷司郎 |
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脚本 | 橋本忍 |
原作 | 新田次郎『八甲田山死の彷徨』 |
出演者 | 高倉健 北大路欣也 加山雄三 丹波哲郎 |
『二百三高地』
二百三高地。それは中国にある山のようになっている高地、旅順のことである。ロシアが作った旅順要塞を攻略することが、日露戦争の重要なカギになった。日本の兵力は20万人、資金は2億円。方やロシアは、300万人であり、資金は20億円だ。その圧倒的不利な状況の中、日本は大国ロシアに勝たなければならなかった。伊藤博文は、
『成功するより、命を懸けることが大事だ。』
と主張し、旅順攻略に関わったすべての軍人も、彼同様に命を捧げてそのミッションに挑んだ。攻略の指揮を執った陸軍の乃木希典(のぎまれすけ)を筆頭とし、約1年かけて旅順攻略を遂行。それが、その後の東郷平八郎のバルチック艦隊の撃破の為に欠かせない条件だった。
ちなみに、ここに登場する夏目雅子はとにかく美人で、現代でも通用する人だ。若くして亡くなったということもあるだろうが、突出した美しさを持っている。
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監督 | 舛田利雄 |
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脚本 | 笠原和夫 |
原作 | 笠原和夫 瀬島龍三 原四郎 千早正隆 |
ナレーター | 内藤武敏 |
出演者 | 仲代達矢 三船敏郎 森繁久彌 |
『日本海大海戦』
1904年、日本は南下政策で不凍港を得ようとするロシアと衝突していた。日露戦争である。ロシア以外の列強は義和団事件で引き揚げたというのに、ロシアだけは残ったのだ。もしロシアに満州を占領されたら、そこを橋頭保にされて日本にとっての脅威となりうる。帝国主義が当たり前の時代のど真ん中で、それは何としても阻止する必要があった。陸軍には乃木希典(のぎまれすけ)、そして海軍には東郷平八郎がいた。乃木が旅順を落としてくれれば、東郷も動ける。世界最強と言われたロシアのバルチック艦隊を倒すためには、旅順攻略が不可欠だった。

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監督 | 丸山誠治 |
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脚本 | 八住利雄 |
出演者 | 三船敏郎 加山雄三 仲代達矢 |
『連合艦隊』
『連合艦隊』自体は日清戦争あたりから浮上していた名前で、1904年からの日露戦争でも東郷平八郎らの戦艦はすでに連合艦隊と呼ばれていた。やはり、日本の戦艦で有名なのは、『世界三大名鑑』として挙げられる、東郷平八郎の『三笠』、そして『大和』である。日米開戦前年の日独伊三国軍事同盟の締結から始まり、真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、南太平洋海戦、ソロモン諸島攻防戦、山本五十六の戦死、レイテ沖海戦などを経て、沖縄水上特攻作戦に向かった戦艦大和が坊ノ岬沖海空戦で壮絶な最期を遂げるところを描いた、歴史映画である。
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監督 | 松林宗恵(本編) 中野昭慶(特技監督) |
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脚本 | 須崎勝彌 |
出演者 | 小林桂樹 永島敏行 金田賢一 中井貴一 古手川祐子 財津一郎 高橋幸治 長門裕之 中谷一郎 藤岡琢也 佐藤允 神山繁 丹波哲郎 奈良岡朋子 佐藤慶 小沢栄太郎 金子信雄 鶴田浩二 森繁久彌 |
『ラストエンペラー』
1905年~1987年までの中国を描いた作品。中国の皇帝、溥儀(ふぎ)は、中国の最後の皇帝となった。ラストエンペラーである。彼が亡くなったのは1967年だ。だから内容的には溥儀の子供時代から老いて死んでいくまでの一生を描いた、壮大な歴史映画である。もし、日本人で彼の名や、その生きた道を知らなかった人がいるなら恥を覚えるだろう。それくらい日本人にとっても彼は重要人物なのだ。最後にはきっと彼の生きた壮絶な人生を想像し、感慨に浸るだろう。

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監督 | ベルナルド・ベルトルッチ |
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脚本 | ベルナルド・ベルトルッチ マーク・ペプロー |
出演者 | ジョン・ローン ジョアン・チェン ピーター・オトゥール 坂本龍一 ケイリー=ヒロユキ・タガワ |
『戦場のメリークリスマス』
1942年、日本統治下にあるジャワ島レバクセンバタの日本軍俘虜収容所。『Merry Christmas Mr.Lawrence』。繊細な人間の心の隅々に染み渡るこの曲は、あるとないとでは、その作品の価値に天と地の差が出る。そして、この映画が他の戦争映画と一味違うところは、ラスト10分の次のセリフが存在するところである。
Mr.ロレンス
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監督 | 大島渚 |
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脚本 | 大島渚 ポール・メイヤーズバーグ |
原作 | ローレンス・ヴァン・デル・ポスト |
出演者 | デヴィッド・ボウイ 坂本龍一 ビートたけし トム・コンティ |
『硫黄島からの手紙』
第二次世界大戦における硫黄島の戦いを日米双方の視点から描いた「硫黄島プロジェクト」の日本側視点の作品。多くの人はこの作品だけで一つの作品だと思っているが、実は『父親たちの星条旗』という、アメリカ側の視点で描いた硫黄島の戦いの映画があるのだ。山本五十六が死に、戦艦大和が沈没し、連合艦隊は壊滅した。1945年2月19日。もう終戦までわずか半年しかない。しかし、この硫黄島を落としたら敵に橋頭保を与えることになる。ここにアメリカの戦闘機が着陸すれば、敵の戦況がさらに優位になる。本土の為に、命がけで硫黄島を死守する日本人たちの行方はいかに。
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監督 | クリント・イーストウッド |
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脚本 | アイリス・ヤマシタ |
原案 | アイリス・ヤマシタ ポール・ハギス |
原作 | 栗林忠道 吉田津由子(編) 『「玉砕総指揮官」の絵手紙』 |
出演者 | 渡辺謙 二宮和也 伊原剛志 加瀬亮 中村獅童 |
『ハクソー・リッジ』
1945年5月の沖縄。宗教をあまりにも押し出し過ぎても、多くの人は見づらい。私もそうだった。今の私ならたくさん勉強したから、別に難しくてもいいのだが、やはりそうだとしても、宗教が現代を生きる人にどう有効なのか、ということを理解することは、とても重要だ。この映画で、人間が宗教を持つ意味を理解することができるだろう。私はあまりこの作品に期待していなかったが、思わぬ収穫を得た。
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監督 | メル・ギブソン |
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脚本 | ロバート・シェンカン アンドリュー・ナイト |
出演者 |
アンドリュー・ガーフィールド
サム・ワーシントン ルーク・ブレイシー テリーサ・パーマー ヒューゴ・ウィーヴィング レイチェル・グリフィス ヴィンス・ヴォーン |
『永遠の0』
神風特攻隊を、日本人は美化してはいけない。だが同時に、海外に目を向けると、その日本人の魂に、畏怖と称賛の念を向ける人が存在するのが事実だ。しかし、この映画の主人公は、決して『特攻隊』ではなかった。彼には本当は、帰る場所があった。
監督 | 山崎貴 |
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脚本 | 山崎貴 林民夫 |
原作 | 百田尚樹『永遠の0』(太田出版) |
出演者 | 岡田准一 三浦春馬 井上真央 濱田岳 新井浩文 染谷将太 三浦貴大 上田竜也 吹石一恵 田中泯 山本學 風吹ジュン 平幹二朗 橋爪功 夏八木勲 |
『火垂るの墓』
私はスタジオジブリの映画が好きで、宮崎駿作品はすべて見ている。だが、家のすぐ近くにある三鷹にあるジブリ美術館にはまだ行っておらず、この作品やいくつかのジブリ作品は見ていないままである。そこにある感情は、『もったいない』というものだ。宮崎駿の作品はすべて見たいが、ジブリ作品は未開拓の状態でいたい。そういう気持ちがこのような結果に繋がっているのである。だが、今回ようやくこの作品を見ることになった。
かつて、大島渚やダウンタウン浜田雅功と殴り合って喧嘩をした野坂昭如の壮絶な戦争体験を基に作られた、実話ベースの衝撃の作品。これを観ると、宗教に悩まされ、宗教が嫌いになった私ですら、宗教がこの世にあってほしいと願ってしまうのである。また、暴れん坊で品性がない印象があった野坂に対する見方も大きく変わることになる。彼がどういう思いで戦後の人生を生きてきたかを考えると、あんな事件もこんな出来事も、彼にとっての戦争(戦い)だったのだ。
監督 | 高畑勲 |
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脚本 | 高畑勲 |
原作 | 野坂昭如 |
出演者 | 辰巳努 白石綾乃 |