映画を始めて観たときから、およそ30年。そして、毎週映画館へ行く生活を送るようになり、もうすぐ15年の時間が過ぎようとしています。1,300作品以上の映画を観てきた私が、『フランスの歴史』編をご紹介します!
目次
フランスの歴史
フランスもイギリス同様、ローマ帝国の東西分裂以降にできた国であり、987年に西フランク王国でユーグ・カペーによるカペー朝が成立し、『フランス王国』となった。『ノルマン・コンクエスト』のウィリアム1世は、フランスのノルマンディーを拠点とした北方ヴァイキング・ノルマン人のロロ(860頃~930年)の子孫。フランスとイギリスの戦いはその時から行われていたのである。ちなみに、ロシアの大元となる人物リューリク(830~879年)も、ヴァイキングだ。
イギリスとの『百年戦争』で領土を奪い合い、あるいは宗教が理由で様々な戦争を起こした。1100年~1300年頃まで続いた『十字軍の遠征』では、
- イギリスの獅子心王、リチャード1世
- フランスの尊厳王、フィリップ2世
- 神聖ローマ帝国の赤髭王、フリードリヒ1世
といった各国の人物が『キリスト教徒(十字軍)』として集まったわけだが、そこにあったのは『キリスト教』というバックボーンで、彼らはそこに仲間意識を覚えることができたからだ。しかしフランスでは、新旧の宗派対立からユグノー戦争(1562年 – 1598年)が勃発し内乱が続いた。フランスのカトリックとプロテスタントが休戦を挟んで40年近くにわたり戦った内戦である。そして絶対王政の時代を経て、その代償が第三市民(一般市民)に押し付けられたことにより『フランス革命』が起き、王が処刑される事態に。
そこで登場するのがナポレオンである。フランスの英雄ナポレオンは世界を獲りかけたが、一時的なエネルギーに過ぎなかった。そしてフランスもイギリス同様、植民地の独立、度重なる戦争による支出と損害によって国力が衰退し、アメリカに追い抜かれてしまった。
『征服王ウィリアム ソード・コンクエスト』
『ノルマン・コンクエスト』の中心人物ウィリアム1世は、フランス語を話すノルマン人であり、イングランドを制圧したあとは、王族や貴族社会の公用語がフランス語となった。100年後の獅子心王リチャード1世は英語をしゃべっているのでわずかの間だが、イングランドではフランス語が常識だった時代があるのだ。
ウィリアム1世の先祖である北方ヴァイキング・ノルマン人の首領ロロは、西フランク王国の単純王シャルル3世からノルマンディーの地を与えられた。ロロは腕っぷしが強すぎて国外追放されて海賊となっていて、シャルル3世は彼を止める為にやむを得ず彼と和平を結んだのだ。
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2015年製作/90分/フランス
原題:GUILLAUME, LA JEUNESSE DU CONQUERANT
『ロビン・フッド』
イギリスの歴史とフランスの歴史は重複するところがある。この映画にもフランスの尊厳王フィリップ2世が登場するから、フランスの歴史でもある。時は1199年。イギリスの獅子心王リチャード1世がイングランドに帰る途中から物語が始まる。だが、その行く手をフランス軍が阻む。イングランドが十字軍として戦った時代背景を観ることができる。
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監督 | リドリー・スコット |
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脚本 | ブライアン・ヘルゲランド |
原案 | ブライアン・ヘルゲランド イーサン・リーフ サイラス・ヴォリス |
出演者 | ラッセル・クロウ ケイト・ブランシェット ウィリアム・ハート マーク・ストロング マーク・アディ オスカー・アイザック ダニー・ヒューストン アイリーン・アトキンス マックス・フォン・シドー |
『キングダム・オブ・ヘブン』
十字軍を追い詰めたイスラムの英雄サラディンと、ライ病にも関わらずそのサラディンを追い詰めたことがある十字軍の英雄ボードゥアン4世。本物の戦士同士、彼らはその実力をたたえ合っていたが、ボードゥアンが死に、十字軍のパワーバランスが崩れると、その均衡も崩れた。この時、時はすでに1200年。古代イスラエルが滅亡してから2000年もの時間が過ぎていたが、この時も、そして現在進行形で、パレスチナ問題としてエルサレムの奪い合いは続いている。
十字軍の一人が、サラディンに『あなたにとってエルサレムとは何か』と尋ねると、サラディンは言った。
無だ。…だが、すべてだ。

時は1200年。『ロビン・フッド』の翌年から始まる。ほとんど同時代だ。そして、映画の最後には獅子心王リチャード1世も登場する。
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監督 | リドリー・スコット |
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脚本 | ウィリアム・モナハン |
出演者 | オーランド・ブルーム リーアム・ニーソン ジェレミー・アイアンズ |
『ジャンヌ・ダルク』
この映画の感想に、きれいごとではない戦争の惨劇について書かれているものがあったり、あるいは強姦、処女検査などの描写をカットしなければならないなどの問題をピックアップしているものがあるが、この映画の肝は残念ながらそんなところではない。これは、『宗教』の話である。私は兼ねてから彼女(ジャンヌ・ダルク)が一体どういう人物なのかが気になっていた。もちろんこれは映画だが、『神のお告げ』を聞いたフランスの英雄ジャンヌ・ダルクが本当に見たものは、一体何だったと思うだろうか。

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監督 | リュック・ベッソン |
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脚本 | リュック・ベッソン アンドリュー・バーキン |
出演者 | ミラ・ジョボヴィッチ ジョン・マルコヴィッチ フェイ・ダナウェイ ダスティン・ホフマン |
『王妃マルゴ』
『三銃士』で有名なアレクサンドル・デュマ・ペールの小説『王妃マルゴ』を映画化したもの。といっても、ルターの宗教改革の後のヨーロッパ、フランスで、カトリックとプロテスタントらが衝突し、凄惨なサン・バルテルミの虐殺が行われる話が軸になることを考えると、あながち単なるフィクションというよりは、歴史映画である。同時代、この1600年頃のイギリスには、エリザベス女王がいたが、フランスでは王妃マルゴがいた。しかし、『処女王』と言われたエリザベスと違って、彼女は自由奔放だった。それだからこそ、毛色が全く違う物語になっていて、多様性があって面白い。

監督 | パトリス・シェロー |
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脚本 | パトリス・シェロー ダニエル・トンプソン |
出演者 | イザベル・アジャーニ ダニエル・オートゥイユ |
『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』
若かりし三銃士とダルタニアンの活躍。というかルイ13世のこの時代が、三銃士の活躍の舞台だ。この後、『鉄仮面の男』で彼らが老い、そして君主はルイ14世になる。ぜひ、併せて観たい映画だ。この作品の場合、若い三銃士が恋に戦いに、爽快に駆け回るため、あまり深く考えなくていいメリットがある。
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監督 | ポール・W・S・アンダーソン |
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脚本 | アンドリュー・デイヴィス アレックス・リトヴァク |
『仮面の男』
アレクサンドル・デュマの『ダルタニャン物語』をベースに作られた、『三銃士』のその後の話である。三銃士と言えば、ダルタニアンと共にルイ13世と戦ったフランスの騎士たちだが、これはその息子のルイ14世の話だ。この話は実によくできている。私は歴史を学んだ時、ルイ14世にある二つの顔に疑問を覚えていた。『太陽王』と呼ばれ、歴代最高の名君とさえ中国の皇帝も見習ったルイ14世は、ヴェルサイユ宮殿を建てたとき、お金が余っているわけではなかった。
そしてその後ルイ16世とマリー・アントワネットの時に『フランス革命』が起きる。それは、皇族だけが贅沢をし、貴族や聖職者は課税を免れ、第三市民と言われた一般庶民だけにしわ寄せが来たことが原因で起きた、必然的な革命だった。そして彼らはギロチンで処刑された。一国の王と王妃の残酷な最期に、世界中が震撼したのである。では、フランス革命というのはルイ16世とマリー・アントワネットの浪費と散財が原因なのだろうか。そう考えたとき、私がすぐに思いついたのがルイ14世の時代にあったヴェルサイユ宮殿の強引な建築である。

かつて、ムガル帝国5代目皇帝のシャー・ジャハーンは、愛妃ムムターズ・マハルの墓として、『タージ・マハル』を作った。その建築には18年とか22年の歳月が使われた。ルイ14世は、彼とほとんど同時代を生きた王であり、晩年は奢侈(しゃし)や戦費がかさんで国庫は激減し、衰退していった。ここにあるのは、王族の特権の乱用の気配である。そう考えたとき、ルイ14世というのは一体どういう人物だったのか。そういう疑問が頭をよぎるわけである。

そんな時、この映画で想像された通りのシナリオを当てはめた場合、見事につじつまが合うのである。しかも、『鉄仮面の男』というのは実際に存在していて、この映画のようにフランスのバスティーユ牢獄に収監されていた。当時フランスにあった様々な逸話や伝説を交じり合わせながらこの映画を鑑賞した時、この映画のタイトルが『鉄仮面の男』ではなく『仮面の男』ということであることさえも深い意味があるのだという妄想に浸ることができ、感心するのである。
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監督 | ランダル・ウォレス |
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脚本 | ランダル・ウォレス |
出演者 | レオナルド・ディカプリオ ジョン・マルコヴィッチ |
『王妃マリー・アントワネット』
1770年、マリー・アントワネットがルイ16世の元にとついだときには、すでに王室は腐敗していた。ルイ14世の時代に『王権神授説』が唱えられ、絶対王政の体制が取られてから、ヴェルサイユ宮殿のような世界遺産ができたのはいいが、民衆との間には深い溝ができ、民衆の宗教すらそれを阻害するための危険因子として警戒された。
兼ねてからこの言葉の真意について論議されてきたが、あるフランス人の意見としては、『高い物が食べられないなら、安い物でも十分よ』という意味で、多くの人がこの言葉だけを短絡的に解釈して、浪費癖のある王妃のイメージを想像してしまっていたようだ。しかも、この言葉自体も、彼女が言っていたかどうかが定かではないという。
映画でも、これが彼女の言葉ではないと断言している。だが、続けて『そう言われてもおかしくない生活をしてしまっていた』として、結局彼女らに浪費癖があり、散在するだけの浮世離れした悪しき習慣があったというのである。仮面をつけて外で遊び、大きくお金を浪費。自分のドレス代は年間10億円というのだから、やはり彼女に悪い噂が立つのは仕方ない。
そこに起きるのが『首飾り事件』である。とにかく、王妃の支出が増えるたびに、国民の生活は窮地に陥り、聖職者と貴族は課税を免除される。包茎が理由でルイ16世と交わることができず、王室に窮屈さを感じていたことは同情するが、そんな事情を抱えている人間は大勢いるのである。『フランス革命』は起こるべくして起こった。これは、歴史をテキストで読んでも、こうして映像で観ても、やはり変わらない結論だと言えるあろう。処刑は、不安定だった国のブレーキ替わりであり、見せしめだった。ナポレオンが登場する直前のフランスの歴史である。

監督 | イヴ・シモノー フランシス・ルクレール |
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脚本 | ジャン=クロード・カリエール |
出演者 | カリーヌ・ヴァナッス オリヴィエ・オーバン ダニー・ギルモア |
『戦争と平和』
私が観たのは最新のドラマの方だが、オードリー・ヘプバーンの方を見たかったという本音もある。1805年のロシアは、まさにナポレオン戦争の真っ最中にあり、その時代を生きたロシアの人々のドロドロとした壮絶な人間ドラマが繰り広げられる。正直、最後まで観なければこの映画の真価は分からない。そこに至るまでに、何度もロシアの辛気臭くて暗いイメージを突き付けられた気がして、挫折したくなる。
だが、そこはトルストイだ。それすらも演出なのである。これは、単なる戦争の一コマを描いた映画というわけではなく、戦争という渦中でこれだけの群像劇が書けるというメッセージでもある。人が簡単に命を落とす地獄のような時代の中で、その一人一人にこうも濃厚なドラマがあるのだと。そういうメタメッセージ(暗に込められたメッセージ)が聞こえてくるのである。この映画からは、戦争に対する徹底的な批判と、『それでも決して戦争体験を無駄にしない』という、人間の矜持を感じた。

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『ナポレオンに勝ち続けた男-皇帝と公爵-』
この映画に、ハリウッド映画のようなエンターテインメント性はない。このタイトルにあるウェリントンの登場シーンも少ないし、ナポレオンとウェリントンの火花を散らす壮絶な喧嘩を見たい場合は、お勧めできない。『ワーテルロー』で多少そういう映像を見ることができるから、そっちを見た方がいいだろう。だが、私はこういう映像があってもいいと考える。きれいごとではない醜い人の本性が露呈する、戦争という地獄。おそらく、地獄をイメージして描いているのだろう。ド派手な演出よりも、真実の実態にスポットライトを当てた、禍々しい戦争の実態である。そこには、決して戦争を正当化するべきではないという、製作者のメッセージが込められているように見える。
監督 | バレリア・サルミエント |
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脚本 | カルロス・サボーガ |
出演者 | ヌーノ・ロペス ソライア・シャーヴェス マリサ・パレデス ジョン・マルコヴィッチ カルロト・コッタ |
『ワーテルロー』
1815年、ナポレオンはワーテルローの戦いを行う。だが、この戦いは皇帝ナポレオンにとって斜陽を決定づける最後の戦いだった。世界を獲ったとヨーロッパ中から認められ、畏怖と称賛の念を抱かれたナポレオンが敵わなかった三人の男がいる。そのうちの一人が、この戦いでイギリス軍の指揮を執ったウェリントンである。ナポレオンは革命家であり、馬にまたがった勇猛な戦士のような印象を持つが、実際にはチビ、デブ、ハゲの三拍子が揃ったハンサムとは言えない容姿であり、この映画ではそんなナポレオンの実態を正確に表している。そのほかの要素はともかく、デブに関しては節制すればいいだけだ。それでも自分を改めず、むしろ肖像画を誤魔化して見栄を張るあたりに、彼の弱さが垣間見えるのである。
監督 | セルゲーイ・ボンダルチューク |
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脚本 | セルゲーイ・ボンダルチューク H・A・L・クレイグ ヴィットリオ・ボニチェリ |
出演者 | ロッド・スタイガー クリストファー・プラマー ジャック・ホーキンス オーソン・ウェルズ ヴァージニア・マッケンナ |
『レ・ミゼラブル』
ヴィクトル・ユーゴーの名作。1815年10月。時はナポレオンの衰退が決まった『ワーテルローの戦い(1815年6月18日)』からすぐ後のフランス。とある男が教会を訪れた。男の心は荒んでいた。それは一体なぜか。そして、なぜその境界に訪れたのか。そして男はそこで何をしたか。普通は、懺悔や癒しの類の目的を想像するだろう。だが、『表面的には』違った。そこでの決定的な体験がこの作品の軸となり、核となっていく。
1830年7月27日から29日にフランスで起こった市民革命である『七月革命』。そして、1832年6月5日に勃発する『六月暴動』へなどの時代背景の中、劇的な物語が展開されていく。

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監督 | トム・フーパー |
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脚本 | ウィリアム・ニコルソン アラン・ブーブリル クロード=ミシェル・シェーンベルク ハーバート・クレッツマー |
原作 | 小説 ヴィクトル・ユゴー ミュージカル アラン・ブーブリル クロード=ミシェル・シェーンベルク |
出演者 | ヒュー・ジャックマン ラッセル・クロウ アン・ハサウェイ アマンダ・サイフリッド エディ・レッドメイン ヘレナ・ボナム=カーター サシャ・バロン・コーエン アーロン・トヴェイト |
『ダンケルク』
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』が会議室なら、現場はこの映画だ。チャーチルがイギリス本国で最善の政治を模索している時、フランスのダンケルクで行われていたのがこの『ダイナモ作戦』だった。確かに、観たことがあるようでない戦場の光景が斬新で、貴重だ。
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監督 | クリストファー・ノーラン |
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脚本 | クリストファー・ノーラン |
出演者 | フィン・ホワイトヘッド トム・グリン=カーニー ジャック・ロウデン ハリー・スタイルズ アナイリン・バーナード ジェームズ・ダーシー バリー・コーガン ケネス・ブラナー キリアン・マーフィー マーク・ライランス トム・ハーディ |
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