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『20センチュリー・ウーマン』 レビュー(感想)と考察

『20センチュリー・ウーマン』

ポスター画像出典:『Amazon

 

年間735本の映画鑑賞の経験があり、コロナ前には13年間連続で毎週映画館で映画を鑑賞!3000本以上の映画を観た映画好きが、映画の紹介をさせていただきます!

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※検索したら『年間700本』という人が一番っぽかったから、皆様に映画への熱意をお伝えするためにとりあえずその人以上の数字を出しただけです・・

 

『レビュー(感想)と考察』

主演のアネット・ベニングはもう中年以降の年齢なので、この映画に華を期待することはできない。エルファニングはいるが、彼女の華で勝負しているような映画ではない。『マレフィセント』などはそうだ。彼女がマレフィセントの『守るべき娘』として、王女のように扱われるから華が光っている。だがこの映画は批評家・観客の双方から称賛され、特にマイク・ミルズの脚本と演出及びアネット・ベニングの演技は「キャリアベストの仕事」と絶賛されたようだ。

 

アネットは、ここからほぼ20年前の40歳頃の映画に、デンゼルワシントンとの映画『マーシャル・ロー』があるのだが、その映画では『昔は美女だったはずのベテラン女優』ぶりが見られることから、更に10年以上若ければもっと美貌が光ったのかもしれない。

 

だが彼女の10年前というのは1988年で、実はそこがデビューの年ということもあるのか、大した作品には出ていないのである。コリンファースとの『恋の掟』は見たが、あまり彼女の美貌には気づかなかった。今回の映画の前の6年前に『キッズ・オールライト』というニッチな映画に出ていて、彼女は賞も受賞している。そういう意味もあってか、彼女は難しい役どころを演じる方が似合っているのかもしれない。だが、個人的にはマーシャルローの彼女も中々はまっているように見えた。

 

演技派ということなのかもしれない。だから難しい役も務めることができる。今回の映画は「キャリアベストの仕事」と称賛されたのだから、そうなのだろう。だが実は、彼女がこの映画でそう大きく目立つことはない。『キャプテンマーベル』のようにドカンと前に出るわけではないし、『ブラック・スワン』のナタリーポートマンのように彼女中心に動くわけでもない。どちらかというと『下宿の管理人』という役通りの、縁の下の人である。

 

また、息子であるジェイミーの俳優がほぼ無名であることからも、かなり面倒な仕事を任されている感じだ。だが、それが良かったのだろう。その無名の反抗期の息子がいて、独特の価値観を持った知人がいて、複雑でニッチな環境の中、いかに彼女が自分の生きる道を見失わず、正しい道を選択できるか、ということが問われるわけで、その役をこなすのは容易ではない。

 

子供は『それまで教えられてきた常識』から逸脱することで、自我の存在を確認するもの。思春期にちょっとした悪さをしてしまうのは、自我が芽生え始めたからだ。

 

(親はこうだと言ってたけど、こうもできるじゃん。)

 

テストの意味も兼ねて色々やってしまうこの時期に、しかし、取り返しのつかないこともやってしまうもの。シングルマザーとして男役も演じなければならない中、彼とともにどう生きるか、ということを道を模索する彼女の姿に、教訓を見るということなのだろう。

 

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