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『ONE PIECE FILM RED』 レビュー(感想)と考察

『ONE PIECE FILM RED』

ポスター画像出典:『公式

 

 

 

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※検索したら『年間700本』という人が一番っぽかったから、皆様に映画への熱意をお伝えするためにとりあえずその人以上の数字を出しただけです・・

 

『レビュー(感想)と考察』

  1. ONE PIECE FILM STRONG WORLD
  2. ONE PIECE FILM Z
  3. ONE PIECE FILM GOLD
  4. ONE PIECE STAMPEDE

 

ときて、REDになる。人気投票でStrong worldが一番だったらしいが、私からするとこの中では最も下だ。それまでは『子供騙しのアニメ映画』の粋を出ず、観ようとも思わなかったが、『Z』で単なる子供映画の枠を超えた。

 

だが『GOLD』でまた少し『本編にはそうカンケイない、観ても観なくてもそう変わりはないお祭り』のような方向に行ってしまうが、『Stampede』で全てを取り戻す。ワンピースがようやくここまで来たと、大人の心も揺り動かす展開があった。

 

そして『RED』だが、元々『竜とそばかすの姫』で幻滅してしまっていて、多分タイアップ的に歌手の歌を聴かされるんだろうなあと。そして、また『本編にはそうカンケイない、観ても観なくてもそう変わりはないお祭り』になるような気がして、期待はしていなかった。ファンでもないし歌手がAdoであってもその期待は変わらないが、だが、(もしかしたら)という一縷の望みがあったのは確かだ。

 

結果、確かに歌手とのコラボにありがちの、『まず曲があってそれをしっかりと流して、アニメをそれに合わせて踊らせる』という展開がある。そうなると客は、『歌がどれだけいいか』ということと『アニメとどれだけシンクロするか』ということだけに注目せざるを得ないことになる。

 

グレイテスト・ショーマン』でも途中で『歌の上手い女性の歌をどうだ、とばかりに聴かされる時間がある』のだが、確かに上手いし、頭一つ抜けている何かがあるのだが、『タイタニック』の背景で流れる挿入歌なんかと違って、『どや!』とされると、人は少し抵抗を覚えるものである。

 

ボディガード』のホイットニーヒューストンは劇中でも歌うが、静かに歌いだして『どや感』がなく、自然と調和して心をつかみ、そのまま心を揺り動かしてくれるのでうっとりとできるが、あまり劇中でがっつり歌われると、まるでテレビ番組の中に挟まってくるスポンサーの広告か何かを見ているような、そんな冷めた気持ちになってくるものだ。

 

『新時代』という中田ヤスタカプロデュースの曲が流れる。(やはり、どこか押しつけがましい)と抵抗を覚える。綺麗ごとを歌っている嘘の景色のようにも見え、ワンピースの世界が少し穿って見えてしまう。

 

 

・・だが、もしかしたら『それ』も計算通りかもしれない。途中、物語の真相が徐々に明らかになっていくうちにつれ、『逆光』という曲が流れて雲行きが変わっていくと、急にこの作品の持つ実力が発揮されてきた。これがAdoの実力だ。

 

 

そして終盤、『あの男たち』の登場で、物語は最高のクライマックスを迎える。今回、過去最高の映画だった『Stampede』を超えたかは分からないが、それに匹敵する名作を楽しむことができた。もしかしたら色々な『風刺』が混じりこんでいるかもしれないような、意味ありげな展開もあって、『時代』『新時代』というキーワードというのはこの映画の枠だけに収まらないかもしれない。

 

 

ここからはほんの少し内容に触れる。

 

最後3000本観た映画ファンから『映画の完成度』という観点から言わせてもらうと、タイアップとか後付けってことをもっと隠すために、ウタはせめて最後、

 

『歌(楽譜)に飲み込まれていく』

 

という感じにしたらもっと良かった気がする。

 

『え・・何この楽譜すげえ・・』

 

みたいにどんどん歌に乗っ取られていって、狂っていくという風に。ちょっとすべての歌が『最初から最後まで完璧に歌いすぎてる』ところが、Adoとのタイアップ感が出てしまい、もったいなかった。

 

『抑揚』だ。『ボディガード』のそれのように、作品との一体化レベルを引き上げるためには、途中でCDを入れて流したような感じにしない方がいいので、歌いながらそんなことを呟いて、もっと作品に『なじませた』方がシンクロ率が上がって不自然感がなくなり、最高に仕上がったかもしれない。

 

Adoのような歌い方は簡単にまねできるものではないし、パワフルで狂気に満ちていて、若い世代の心を掴むだけにふさわしい能力があるが、『抑揚』をコントロールすれば更にとんでもない化け物アーティストになるかもしれない。

 

 

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