『女王トミュリス 史上最強の戦士』
ポスター画像出典:『映画.com』
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『どんな人におすすめ?』
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『レビュー(感想)と考察』
これは歴史的に非常に価値がある作品だ。トミュリス(Tomyris)は、紀元前530年頃の人物で、中央アジアのカスピ海東岸に勢力を有していたマッサゲタイ族の女王である。トミュリスを最初に書いた歴史家がギリシア人であったため名前はギリシア風に呼ぶことが多い。その最初の歴史家であるヘロドトスは自著歴史でトミュリスに関して、
「マッサゲタエ族の国を侵略したアケメネス朝ペルシアの王キュロス2世率いるペルシア軍を破り、キュロスを殺害した」
と記している。紀元前5世紀に、証拠を集めて解釈することによって過去への問いかけをはじめておこなったのが、古代ギリシャの著述家ヘロドトスとトゥキディデス。『歴史(ヒストリー)』という言葉はヘロドトスが初めて使ったもので、これはギリシャ語で『探究』を意味する。まさに、当サイトにうってつけの名前だ。彼の存在は大きい。
さて、どれだけこの話が歴史的価値があるというと、ヘロドトスの話とは関係ない。映画だ。映画としてこれまで、この時代の、この部分を切り取った映画がなかったのだ。ではここで、この世界の覇権の推移を見てみよう。
ヨーロッパの覇権の推移
今回はここまでだ。ここでいう、ペルシャ帝国の映画は『300』で、そこで抗ったギリシャの伝説『レオニダス』もそこで描かれる。更に、マケドニアのアレキサンダー大王については『アレキサンダー』でコリンファレルが演じ、ローマ帝国の話なら多くの映画がある。したがって、このトミュリスがやってのけた歴史を映画で観れるのは、有難いことなのである。
カザフスタンの映画ということで少しチープさを覚悟したが、そんな心配はいらなかった。これだけのクオリティなら十分だ。今後もこうして世界の映画技術が発展し、動画配信サービスなどの普及が進んでいくにつれ、埋もれていた歴史映像を容易に見ることができるようになるだろう。
[トミュリス女王(ティアラをした左から6人目の女性)ピーテル・パウル・ルーベンス作]
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