『セデック・バレ 第一部 太陽旗、第二部 虹の橋』
ポスター画像出典:『Yahoo!映画』
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『セデック・バレ』 (原題:賽德克·巴萊 /Seediq Bale、セデック語で「真の人」の意)は、2011年の台湾映画。監督はウェイ・ダーション。
監督 | ウェイ・ダーション |
---|---|
脚本 | ウェイ・ダーション |
製作 | ジョン・ウー、テレンス・チャン、ホァン・ジーミン |
出演者 | リン・チンタイ |
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『どんな人におすすめ?』
- 美男美女ったら美男美女!
- 気軽に、楽しく、爽快に!
- 新しい目線で考えさせられたい!
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『レビュー(感想)と考察』
二部形式で、計4時間半の大作。1930年、日本統治時代の台湾で起こった先住民セデック族による抗日蜂起事件である霧社事件を描く。台湾の映画で、外国が描く日本人ということで貴重な作品である。基本、自分たちの国を英雄に仕立て上げるのが相場だ。だから歴史映画を観る時は、それがどこの映画で、どれだけの国が関わっているかということなどをチェックする必要がある。例えば、抗日運動をしている間に作られた中国の映画では、日本が登場するならそれはもうかなり偏った内容となる。
もちろん、大日本帝国時代の日本が作る外国の様子もそうだ。だから歴史映画を観る時にその信憑性を図るためには、いくつかの条件をクリアしていなければならない。例えば『ラストエンペラー』や『MONGOL』などでは、中国の最後の皇帝、溥儀(ふぎ)、そしてチンギス・ハンが描かれているが、その映画に参加している国の数は多い。そういう世界の歴史的にも貴重な人物や時代を切り取るなら、公明正大な目線で真実に近い形で記録に残すべきだという『人々の使命感』が、人を集めるのである。
だが、今回のようにかなり狭い範囲の知名度の少ない歴史の場合で、台湾でのみ作られたなら美化・正当化を疑う必要がある。まずはそれが初期設定だ。偏ってはならない。
だが、吉本のキム兄が出演しているなど有名な日本人も関わっていることから、事実と違うところはあるようだが見た限り過度な正当化はなさそうだ。当時の日本は日清、日露と勝利して思い上がり、帝国を作るためにナチスと足並み揃えて世界の支配者を気取っていた。だから当時の日本人が多少暴力的でも全く偏りはないだろう。それは、『日本人は残酷』として批判されたアンジェリーナジョリーの『アンブロークン』の映画で描かれる日本人もそうだ。あのくらいのことなら平気でやっただろう。
観た印象、正直とても素晴らしい映画だった。大国に出会った小国や小民族が淘汰されて消えていくことは、1500年頃のコロンブスたちコンキスタドール(征服者)たちのやったことというハッキリとした時代もさることながら、歴史の闇に消えているような部分で、細かく、世界中で起こり続けていたこと。そしてそれは人間だけじゃなく、動物や昆虫、植物の世界でも全く同じことが起きている。
自然も大きく関わっている。
この画像は(CNN)のものだ。 クジラやイルカを含む鯨類は、5000万年ほど前は現在よりも小型の4本足の動物だった――。南米ペルーで出土した化石を調べていた国際研究チームが、2019年の生物学会誌にそんな研究結果を発表した。陸で暮らすことができなくなったので、海で暮らすようになり、長い年月を経てそこに特化した肉体に変化していった。こうした自然淘汰や生命のサバイバルは、宇宙からの俯瞰視点で考えた時、当然のように行われているのである。
だが、それを人間が『当然だ』と言った途端に道から逸れている印象を強く覚える。企業の世界ならギリギリ言えるだろう。『ファウンダー』というマクドナルドを世界企業にしたレイクロックは、『ライバル企業が溺れていたら、近づいて行って、ホースの水を口に突っ込み、溺死させことができなければ、経営者はできないる』と言っているが、それはシビアなビジネスの世界で息をする人々からすれば、よく知るところではないだろうか。
では、多様性はどうか。もし彼らが『妙な宗教』を盲信していたらどうか。それは『多様性の一つ』なのか。それが暴走して世界的なテロが起きても、それは『多様性の一つ』なのか。では、生き残ってシェアを広げているキリスト教、イスラム教は人間の代表的な考え方なのか。彼らのような小民族の一生を考える時、もちろんそこには宗教や思想も考える必要があるわけだが、様々なことが頭の中を駆け巡り、あっという間に時間が過ぎてしまう。
この世には、世界の波に押し負けて淘汰された人々がいる。彼らが正しいとは言えない。だが、生き残った人が正しいということでは決してない。一つだけ言えるのは、彼らのように誇り高き人々がいたということ、そしてそれを日本人が壊滅に追いやったこと、その決定的な事実を、忘れてはならないということだ。
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