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ルフィ『─全部任せろ兄ほし 友達じゃねェか!!』

人が他人にされて嫌なことのずば抜けた上位に、 『誤解されること』がある。 これは私は、声を大にして、いやそれどころか、 全世界の人の腹の中まで貫く超音波にして、主張したいことだ。 まずはこの言葉だ。

 

byエマーソン

Pythagoras was misunderstood, and Socrates and Jesus, and Luther, and Copernicus, and Galileo, and Newton, and every pure and wise spirit that ever took flesh. To be great is to be misunderstood….

(誤解されるのはそんなに悪いことだろうか。ピタゴラスは誤解された。 ソクラテスイエスルターコペルニクスガリレオ、 そして、ニュートンも誤解された。古今のあらゆる清純で賢明な魂も誤解を受けた。 偉大であるということは誤解されるということだ。)

 

彼らは皆、自分を貫いたことによって、周囲の人から誤解された。 だとしたら、誤解されず、スムーズに、潤滑に行かせるためには、 自分を偽り、主張を捻じ曲げ、周囲に同調、あるいは追従する必要があったのだ。 さしずめ、その『潤滑油』とは、 社交辞令であり、表裏的な態度であり、慇懃無礼な態度である。 共通点は全て、(真実とは裏腹の態度を取る)ことである。

 

私も随分この問題に頭を抱えた人間の一人だ。 まず最初に、生まれて気がついたら、両親がクリスチャンであることを私に強要していた。 しかし、私はクリスチャンではなかった。 それは今でもこれからも、永久に変わることのない事実である。 どちらかというと、ニュートラルにイエス・キリストのことは尊敬していて、 しかしそれだけではなくブッダやソクラテスや孔子も尊敬しているのである。

 

若き日の私は、確かに感じる自分の気持ちへの違和感と、 親に対する違和感の正体を論理的に具現化し、それを表面化するだけのボキャブラリーや、 覚悟、知性を持ち合わせていなかった。 真実が誤解され、それは歪曲してまかり通り、挙句の果てには被害者のすり替えまでされ、 気がつけば私は、悪役になっていたのである。 私は世を怨んだ。 私は親の死を願った。 そして主体性と責任を放棄し、人生を真正面から生きることをやめたのである。 しかし、そんな私でも一つだけやらなかったことがある。

 

 

それはここにも書いたが、 家庭内暴力を振るわなかったことである。 確かに、死は願ったこともある。 しかし、本当に憎ければ、殺していただろう。 だが、相手も悪気が無いことは、あの頃の私にもわかっていた。

 

(殺すほど、殴るほど憎くはない。 だけど俺の人生は放っておいてくれ。)

 

必死に叫ぶ私の魂のその裏側には、 ひっそりと、だが確実に、親を愛する気持ちが、こびりついていたのかもしれない。

 

『広場に降りた時から おれ達はジンベエと一緒に 魚人島は誰にも傷つけさねェって決めてるんだ!!! ─全部任せろ兄ほし  友達じゃねェか!!』

 

それから15年以上の月日が流れた。 父親は17歳の頃に、肝臓がんで亡くなった。 実に色々なことがあった。 しかし30歳という年齢になって、ようやく私は母と極めて和解に近づく関係性になった。 無論最初は、自分の信仰を押し付けてくるところから始まった。 しかし、10年ぶりに会った私にはすでに、子供ではなかった。 理路整然と、信仰、宗教、キリストやソクラテスについて話をし、 『真理』が何であるかについて説得し、 少しばかりの『力を誇示』し、30年頑迷だった母を、論破したのだ。 母の為に黙っていることもあった。 それも少しだけ説明したのだ。説明しなければ、永遠に『誤解』されたままだから。

 

我々は波乱万丈な半生を生きた。 取り返しのつかないこともたくさんあった。 しかし、 お互いが歩み寄る最後の一歩を後押ししたのは、 『愛』だった。『愛』は闇をも打ち砕く。 この答えのない世界に差す一片の、光である。 『誤解』されることは確かに、苦痛だ。 苦痛だが、それはもしかしたら『演出』なのかもしれない。それを乗り越えて理解し合った先にあるのは、 生きていることについ感謝してしまうほど、喜ばしい感動だ。 まるで、心底で乾ききった心の中の井戸が、 10数年ぶりに水で満たされて潤ったような、 魂が震える、喜びである。

 

(その感動は、最初から潤いがあって、在り得たか?) そう考えると、いささか『誤解』されることは、悪いことではないのかもしれない。

 

 

Vアニメ「ワンピース」15周年記念!15の名場面で綴る感涙PV

※画像は以下の参考文献から引用しています。

 

一言

この記事は2009年に書いたものです。とても未熟な時期に書いたものなので、いずれまた修正いたします。またこの記事は運営者のワンピースに対するリスペクトの想いから書いていますが、もしこの画像の著作権が問題になる場合は、画像をすぐに削除いたします。