ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る
■著者:ダニエル・カーネマン
これを私の周りの人に話しても誰にも理解されなかったが、
私は中学生の頃、学校をさぼりたての頃こそ、
がんじがらめの家庭や社会の義務からの解放感に満たされて快楽を感じていたが、
夏休みになり、みんなが楽しそうに下校するのを見て、ある違和感を覚えていた。
(夏休みか。でも俺は、毎日が夏休みみたいにふるまってきたから、別に楽しくないな。
なんだろうこれは。なんか、人生、大きな損をしている気がする。)
あれから15年。
あの葛藤は、人から無視され、流され、馬鹿にされるような規模の小さなものじゃなかった。聖書やノーベル賞のレベルにまで影響する、
これらの心理背景に焦点を当てたあの頃の自分を誇りに思う。