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ソクラテス『何人も本意から悪人たるものなし。』

古代ギリシャ哲学者 ソクラテス画像

内省

以前、とある巨大な暴力団の幹部が、記者のインタビューに対し、こう言っていた。

 

暴力団幹部

生まれ変わったらなにになりたいかって?そりゃあ、坊ちゃんだろ。金持ちの坊ちゃんに生まれたんなら、ヤクザなんかやらなくてよかったんだから

 

彼の言っていることの是非については置いておいて、どんな理由で悪の道を歩き始めたかはわからないが、心の底から悪人になりたいと願って生きる人はいない。もし、

 

いや、俺は違う。俺は悪人になりたいと思った。

 

と思っても、それは、本意ではない。『環境』に、影響を受けただけだ。つまり、その心構えを形成したのは、『環境』である。『環境』とは往々にして、『自分以外の周囲』である。つまり、『外部』。『本意』とは、『内部』なのである。

 

漫画、テレビ、両親、友人、恋人、権力者、貧乏、育児放棄、教育放棄、虐待、離婚、不和、確執、実にこの世の『外部』には、自分の心を歪曲させ、悪の道に方向転換させるだけの罠がそこらじゅうに散らばっている。それらに踊らされ、支配されただけなのだ。人間とは、そういう弱き生き物なのだ。

 

だが、『弱い』というだけでは、なにかネガティブな言い回しに聴こえる。『繊細』だと考えればいいのだ。ガラスの耐久性は、『弱い』。ガラスは、『繊細』だからだ。そう考えると人間は、『弱い』のではなく、『繊細』。悪の道に逸れたかと思えば、他人のために命を投げ出す、高潔な人生の幕引きを、誰もがする可能性を、『内部』に秘めているのだ。

 

 

注意

※これらの言葉は参考文献『これならわかるソクラテスの言葉』や史実に基づき、自らの生きる糧、自らを戒めるため、内省の為に日々書き留めたものです。史実を正確に把握したい方は正当な書物をご覧ください。

関連する『黄金律

『人間が戦うべき相手は外にはいない。「内」にいるのだ。』

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