『ヒト』を最適化しよう。

2020年鑑賞映画(IQ.)7

1936作品

目次

2020年

 

『マーシャル・ロー

邦題の「マーシャル・ロー 」 というのは「戒厳令」の意味で、原題の『シージ』というのは『包囲』の意味。どちらにせよ、何か特殊な問題が起きてその町やエリアを包囲して隔離しなければならず、そこには軍事介入も必要であるという、緊急事態の状況を意味する。これはあくまでも仮定で、もしニューヨークで大規模なテロが多発した時、警察やFBI、軍隊はそれにどう対処するべきかということに焦点が当てられている。

 

  • FBI:アメリカ国内
  • CIA:アメリカ国外

 

これを最初に理解しておけば早い。管轄だ。だが今回の場合、そのCIAと連邦軍(陸軍等)が国内を動き回る。本来の管轄であるFBIが、彼らの『理解を超えた行動』に直面。デンゼルワシントン演じるFBI捜査官と、ブルースウィルス演じる陸軍の将軍が衝突することになる。

 

イラクやクウェートが舞台の湾岸戦争が終結してから数年後、サウジアラビアのアメリカ海兵隊駐留基地が爆弾テロに遭い、大勢の海兵隊員が死亡する事態が発生。これは1998年の映画だ、この映画の3年後2001年9月11日に実際にアメリカ同時多発テロ事件がニューヨークで発生した。ハリウッドの大物が共演したということもあるが、そういう意味で、非常に注目に値する映画である。

 

 

豪華共演、911(華氏911)、テロ

『ムーンウォーカー

ムーンウォーカーとは本来月面を歩いた人であり、具体的には、アポロ計画で月面に降りた次の12人だ。

 

  • ニール・アームストロング(アポロ11号船長)
  • バズ・オルドリン(アポロ11号月着陸船パイロット)
  • ピート・コンラッド(アポロ12号船長)
  • アラン・ビーン(アポロ12号月着陸船パイロット)
  • アラン・シェパード(アポロ14号船長)
  • エドガー・ミッチェル(アポロ14号月着陸船パイロット)
  • デイヴィッド・スコット(アポロ15号船長)
  • ジェームズ・アーウィン(アポロ15号月着陸船パイロット)
  • ジョン・ヤング(アポロ16号船長)
  • チャールズ・デューク(アポロ16号月着陸船パイロット)
  • ユージン・サーナン(アポロ17号船長)
  • ハリソン・シュミット(アポロ17号月着陸船パイロット)

 

だが、地球上にもう一人月を歩いた人がいる。ビートルズやエルヴィス・プレスリーに次いで史上最も売れた音楽家として名を連ね、史上最も多くの賞を受賞したアーティストとしてギネス世界記録に認定されている男こと、マイケル・ジャクソンその人である。Bad、Smooth Criminalなど数々の彼の名曲が流れる映画というより『壮大なPV』映像だ。

 

 

ミュージカル、偉人

ヒトラーへの285枚の葉書』

ペンと葉書を武器にナチス政権に抵抗した夫婦の実話である。1940年のナチス・ドイツの全盛期のベルリンにおいて、息子を戦争に殺された復讐として、正義の道にスポットライトを当てる使命に駆られたこの夫婦は、世界最狂にして最凶と言われる存在のヒトラーを引きずり降ろそうと画策する。

 

ヒトラー時代にユダヤ人虐殺(ホロコースト)で犠牲となったユダヤ人は少なくとも600万人以上であり、広義で考えるなら900万から1,100万人になると言われている。これは彼の前に世界の独裁者として歴史に名を刻んだナポレオン時代の、ナポレオン戦争の死者数を超える数である。

 

ユダヤ人だけでその死者数だ。この表にあるように第二次世界大戦での死者数は世界最悪の数字。ナチスはその戦争の火付け役にして元凶そのもの。日独伊三国同盟を結んだ日本も全く人のことは言えないが、そのナチスの本拠地にあってその行動を取ることは、あまりにも危険な行為だった。

 

ヒトラーを欺いた黄色い星』というドキュメンタリー映画にも近い映画では、ホロコーストの対象であるユダヤ人がその身分を隠して生き延びた話が展開される。7000人いたユダヤ人が1500人生き残った。それもまたこのベルリンであった事実なので、併せて観るとより奥行きが理解できるだろう。

 

あの地獄のような時代、そしてその地獄の中心地で、『そこが地獄である』という決定的な事実から目を反らさずに行動した人物がいた。そのことを忘れてはならないのだ。

 

 

ナチス、ペンは剣よりも強し(ちうね、ラッカ)、ベルリンの恐怖

『コレクター 暴かれたナチスの真実』

隠蔽されてきたナチスの実態をオランダ人ジャーナリストが暴いていく実話ベースの物語である。大富豪のアートコレクター、ピーター・メンテンが第2次世界大戦中にナチスに肩入れし、大勢のユダヤ人を虐殺したというのである。ナチスとコレクターというのは関連性の高いキーワードで、彼らは『戦利品』として色々なものを巻き上げていた。時にはその為だけに人をはめて殺し、死体から金品を奪い取るようなこともあった。

 

ただ、昔に遡るならもっと事例はいくつもあるはずだ。例えば三菱商事の創始者であり、坂本龍馬と同じ時代を息した岩崎彌太郎は、戦争で使う銃を輸入してそれを売りつけ、元手を作った。これはアメリカがやっていることと同じだ。1929年にアメリカは『世界恐慌』を引き起こし、一時壊滅的な状況に陥る。そこでフランクリン・ルーズベルトが『ニューディール政策』によって回復を試みるが、実際にアメリカが回復できた理由は1939年の『第二次世界大戦』で武器生産体制が強化されたからだ。

 

[グラバー(右)と岩崎弥之助]

 

金銀財宝のすぐそばには、常にこうしたきな臭い話が漂う。こうなると彼らだけが悪いのではなく、もっと何か根本的な部分で人間は判断を見誤った(道を踏み外した)のかもしれない。

 

 

ナチス1976年、実話、

『リバー・ランズ・スルー・イット』

『スティング』や『明日に向かって撃て!』で有名なロバートレッドフォードが監督の作品。彼の作品をいくつか見たのだが、そのどれもがなかなか奥が深い物語を展開している。この映画も特に何か大きな出来事は起こらず、スーパーヒーローも出てこないのだが、なんとも哀愁のある一つの家族の話を描いている。大自然があり、そこに寄り添いながら大恐慌が始まる前のアメリカを生きたある家族があった。

 

人間には心がある。心があるから人間なのだ。その心が物語を複雑にする。それは人々の胸を苦しくするドラマチックな展開もそうだが、人々の心をかきむしる理不尽な展開にも発展させる。人間がいなくなればそのドラマはこの世から消える。そして大自然はそんな人間たちの都合に関係なく、いつもそこに在る。

 

哀愁、ロバート映画

『アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発』

1961年、イェール大学で社会心理学を研究していたスタンレー・ミルグラムはなぜホロコーストが発生したのかを調べるために実験を行った。アイヒマンというのはナチス・ドイツ時代のドイツ人で、ミルグラム曰く、彼は『普通の人』だった。そしてそれを実証するために実験を行う。「ミルグラム実験」(アイヒマン実験)である。この実験の結果は世界に衝撃を与える一方、実験が非倫理的であることを理由にしたミルグラムへの批判も相次いだ。本作はそのミルグラム実験がどのようなものであったのかを克明に描き出す。

 

どのように非倫理的なのか。まず『倫理』とは、人が必死に守っている境界線のことを言う。私が書いた記事にこういうものがある。

 

例えば人が動物を殺してその肉を食べるのがいいが、人間にそうすることは間違っている。ここで挙げたすべての『境界線』を超える行為となる。では、動物を殺すのはいいのか。真理で考えたら、殺生戒があるブッダの教えの方が優れているように見えるが、皆はこれを心底で(そうかもしれない)と理解しておきながら、今日も明日も動物を殺してその肉を食べ続ける。

 

マクドナルドはどうだ。中国人が工場で肉を落として、それをまた戻すというずさんな態度はあまりにも人としてぞんざいであり、その影響で私の家の近くに古くからあったマクドナルドの店舗は潰れてしまった。だが、マクドナルドの肉というのは栄養士から言わせれば『ゴミの塊』。そのゴミのようなものを最初から売りつけることがいけないのではないのか。それで巨万の富を得た関係者たちの存在は認められるのか。

 

映画を観て確かめてみよう。一つだけ言えることは、私がこの映画の教訓性が非常に高いものであると感じたということだ。人は『知覚を持った人形』であり 『操り人形』。それを理解してはじめて自由に一歩近づくことができる。アイヒマンは普通の人だった。彼はただそれを命じられただけなのだ。彼がその責任ある立場でやったことは人間の『境界線』を大きく超える行為だ。だが、誰もがアイヒマンになりえたかもしれない。そう背筋を凍る人が大勢いるだろう。

 

ちなみに個人的には、これを観れば私のことがよくわかる映画として紹介できる、貴重な作品だ。私は当てはまらない。私は皆が左に行けば、右になにがあるかを疑い、主体的にどちらに行けばいいかを考える人間である。さすがに常には警戒していないのでマジックに騙されることはあるが、そこはある種『あえての油断』だ。そうじゃなければお化け屋敷を楽しむことはできない。

 

あんなもの作り物だ。ゴキブリだってただの虫。気を張ればどれもこれもが冷静に対処できる。だが、そうすることに特に意味はない。そうしてもいいし、しなくてもいいという些細なことにいちいち気を張るのは面倒だ。だが、私が一たび気を張って慎重に考えた時、私は操り人形にはならない。それは、私の波乱に満ちた人生が影響しているのである。

 

何を隠そう私も洗脳された人間の一人だ。キリスト教である。私の両親が私が物心つく前からキリスト教徒であるように仕向けて育て、気が付いたら長野のどこかしらないキャンプ場で聖歌を歌ったり、カレーを食べたりしていた。私の話は割愛するが、波乱に満ちた半生を送った。だからこう偉そうに言えるのだ。私に洗脳は通用しない。気を張れば操り人形から脱することは可能だ。私は長い間、操り人形だったのだから。

 

しかしこの世界には私のような『経験者』以外の人が大勢いるのが現実だ。その人達と私のような人間には決定的な違いがある。私はよく『浮く行動』を取ることがある。中学生時代からすでに周りの人間に『何を考えているか分からない』と言われ、大人になりこのサイトにあるような形而上的な解釈をしてみせ、周囲と一切同調、追従、慣れ合った関係をしないことからそうなり、私と『距離の詰め方が分からない』と思う人が後を絶たないだろうが、その理由がこの映画で何となく見えてくるだろう。

 

精神、教訓、天才、ナチス、非凡

『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』

2020年現在の英国女王エリザベス2世の叔父にあたる存在、イギリス国王エドワード8世とアメリカ人既婚女性ウォリス・シンプソンとのロマンス、いわゆる「王冠をかけた恋」を題材にしている。歌手のマドンナが監督をしたということもあり、角度が芸術的である。ここで言う芸術というのは『常識とは違う非常識な観点』であり、例えばよくある芸術作品で『絵が部屋の外にある』などの狙いに『なぜ絵が部屋の中にしかないと決めつけるのか』という考え方があるが、そういう観点があるということが言いたいのである。

 

離婚歴のある平民のアメリカ人女性と結婚するためにグレートブリテン王国成立以降のイギリス国王としては、エリザベス2世がその最長記録を持っているのに対し、彼の場合は歴代最短の在任期間わずか325日。彼はこの時多くの批判を受けたが、マドンナの視点からすると、『なぜそれがいけないことなのか?』ということになるわけだ。

 

別にそういう視点があってもいいだろう。それはある意味、これ以上ないくらい純粋なもので、ロマンチックではないかそう感じる人は世界に大勢いるはずだ。イギリスの王族の映画はいくつもあるのでまとめてみよう。

 

  1. 英国王のスピーチの真実~ジョージ6世の素顔~
  2. ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋
  3. 英国王のスピーチ
  4. エリザベス2世 知られざる女王の素顔
  5. ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出

 

こういう順番で観ていくのが一番いい。更にその間に、

 

  1. ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男
  2. マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙
  3. ダイアナ

 

を観ればより完璧だ。エドワードは『英国王のスピーチ』の主人公ジョージ6世の兄だ。そしてジョージ6世の娘がエリザベス2世である。

 

英国、実話

エリザベス2世 知られざる女王の素顔

2020年現在も英国の女王を務め、2015年9月9日には在位期間が63年と216日となり、ハノーヴァー朝第6代で『大英帝国全盛期』のヴィクトリア女王を抜いてイギリス史上最長在位の君主となったエリザベス2世のドキュメンタリー映画。このあたりの映画がいくつもあり、更にすべてイギリスの要人たちの重要なシーンだからまとめてみよう。

 

  1. 英国王のスピーチの真実~ジョージ6世の素顔~
  2. ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋
  3. 英国王のスピーチ
  4. エリザベス2世 知られざる女王の素顔
  5. ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出

 

こういう順番で観ていくのが一番いい。更にその間に、

 

  1. ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男
  2. マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙
  3. ダイアナ

 

を観ればより完璧だ。エドワードというのは『英国王のスピーチ』の主人公ジョージ6世の兄だ。そしてジョージ6世の娘がエリザベス2世である。

 

彼女の現在の顔と、その豪華絢爛ないで立ち、取り巻き、環境を見ると、正直『いけすかねえ権力ババア』という印象が一瞬でも頭をよぎってしまう。しかしこれはニーチェの言うところのルサンチマン(弱者の強者への妬み)に近い、嫉妬交じりの男性的エネルギーであり、彼女の実態を表すために十分な感想ではない。

 

今回、もちろんこれがイギリスが作ったドキュメンタリー映画ということもあり、美化正当化の可能性を考えながら半信半疑で観たわけだが、歴史的な事実を大きく捏造はできない。断片的には可能だが、長い歴史をつなぎ合わせてつじつまを合わせるのは難しい。だから真実を語った方が早い。そういう意味で、歴史を紐解きながら解説していくこの映画には、過度な捏造はないように見えた。違和感はない。

 

例えば、彼女の若い頃の顔だ。それは見たことがなかった。子供の頃どういう人で、家族とはどういう仲で、どういう責任を負ってきたか。どんな時に笑顔になり、どんな恋愛をし、どんな決断をしてきたかという長い歴史をつなぎ合わせて考えていくと、彼女の全体像が浮き彫りになる。すると、彼女に抱いていた感想は大きく変わった。

 

彼女はとても誠実で、芯のある人間であり、『英国のシンボル』として相応しい存在で、称賛に値する生き方をしてきた。もちろんこう思わせる為のドキュメンタリー映画だろうから半信半疑でいいが、しかし、我々が今まで平成天皇に思い抱いてきた印象と同じように、悪く思うようなところはなく、むしろ寛大で、器が大きく、穏やかかつその根幹には絶対に譲れない信念を抱えていて、強く優しい国のトップに相応しいポテンシャルを持っているように見えた。

 

ただ彼女は不動産王の一面も持っている。2017年11月6日、エリザベス2世英女王の個人資産のうち約15億円がタックス・ヘイヴン(租税回避地)で運用されていたことが明らかになった。規制当局に処罰されたり、税金滞納で破産申請したりしたバミューダ諸島やケイマン諸島の企業が含まれていた。これに関してはノータッチであることから、全容は見れないだろう。かつて、エリザベス1世が当時の覇者であったスペイン帝国に負けないイギリスの基礎を作り、その後ヴィクトリア女王時代にはこの世界のトップに君臨するまでの『大英帝国』を作った。

 

ということは、その帝国の栄光の『生贄』になった国や人々がいるわけだ。インドを筆頭に、それに抗う人々が世界で続出。フランス同様戦争後に植民地という『収入源』を大きく失い、この世界のトップから引きずり降ろされ、その代わりにトップになったのがアメリカ合衆国だ。

 

映画『マンソンの女たち』では黒人が『1619年にこの地に来た』と言うセリフがあるが、『ワンピースマガジン10巻』にはこうある。

大航海時代以降、カリブ海のスペイン領ではさとうきびを生産するプランテーションが発達した。しかし、プランテーションが拡大するに伴い、労働力が不足するようになってきた。そのような状況下、目をつけられてしまったのがアフリカ大陸の人々だ。

 

更なる詳細は本にあるが、ここにはそのエリザベス1世も暗に関わっていて、この時代の闇が暴かれている。イギリスが世界を支配したのはなぜか。この世界でモンゴル帝国と並んで世界一その領地を拡大したと言われるイギリスが、モンゴル帝国よりもソフトな印象があるのは、その辺りの情報操作を上手にやっているからなのかもしれない。

 

実話、ドキュメンタリー映画、イギリス

ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出

1945年の4月、ヒトラーが自決したことによりドイツ軍は無条件降伏文書に調印し、6年に及んだ第二次世界大戦における欧州戦線は終戦を迎えた。まだ日本は交戦中だったが、ヨーロッパ線は終わりだ。そのヨーロッパ戦勝記念日(VE-Day)の夜、後の英国女王、つまり2020年現在もそうだが、エリザベス2世が、妹マーガレット王女と共に外出を許され、臣民と共に戦勝を祝った」という史実に着想を得て、一夜の経験を通じて王女の成長を描いたフィクションドラマである。

 

この物語時代はフィクションだが、彼女たちが外に出たのは本当で、これはドキュメンタリー映画『エリザベス2世 知られざる女王の素顔』で見ることができる。このあたりの映画がいくつもあり、更にすべてイギリスの要人たちの重要なシーンだからまとめてみよう。

 

  1. 英国王のスピーチの真実~ジョージ6世の素顔~
  2. ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋
  3. 英国王のスピーチ
  4. エリザベス2世 知られざる女王の素顔
  5. ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出

 

こういう順番で観ていくのが一番いい。更にその間に、

 

  1. ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男
  2. マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙
  3. ダイアナ

 

を観ればより完璧だ。エドワードというのは『英国王のスピーチ』の主人公ジョージ6世の兄だ。そしてジョージ6世の娘がエリザベス2世である。彼女のように皇族として生きてきた人々は世界の覇者のような一面もあるが、それと代償にいくつもの自由を奪われているという悲劇の一面もある。羨ましいけど、可哀そう。憧れるけど、なりたくはない。そういう何とも言えない貴重な存在の思春期を想像しながら、この映画を楽しみたい。

 

実話、偉人、女性、イギリス、

『ゴースト・オブ・ミシシッピー』

1963年に起きた公民権運動家メドガー・エヴァーズ射殺事件。それは、当時を生きるアメリカ人にとってはあまりにも大きな事件だった。『ヘルプ ~心がつなぐストーリー』でも彼の死のシーンが、そして今回の映画ではまさに彼の遺族が主人公として描かれる。ミシシッピというのは『ミシシッピバーニング』という映画もあり、それも実話だが、アメリカの南部にある。地図を見てみよう。

 

 

アメリカの『東部の南部』にあることがわかる。アメリカは『西部開拓史』という映画があり、西部劇としてカウボーイハットを被ったカウボーイたちが、荒野で活躍する話は有名だ。例えばバックトゥザフューチャー3でもこの時代にタイムスリップしてしまったドクを追いかける物語が展開されるが、この時もそうだ。ドクが戻ったのが1885年。つまり、まだつい最近まで西部というのは荒野だった。そしてあのリンカーンが奴隷解放宣言を出し、

 

『1863年1月1日に、アメリカ連合国各州の奴隷はその日以降永久に解放される』

 

と言ったのがその時期だから、ドクがまだ荒野そのものである西部の時代に行ったとき、すでに奴隷解放宣言は出されていた。つまり、あの頃の西部はまだ頭部と違って『荒野』であり、『これから開拓していく場所』だったのである。ハリウッドなどがある有名なロサンゼルスも、この時はまだ未発展の地。スペインやメキシコが関与していたりと、アメリカの顔としては成立していなかった。そして、南北戦争があったのはそのリンカーンのいた時代だ。

 

北部の経済は、産業資本家による商工業が中心で、

 

  • 保護貿易
  • 連邦主義(集権)
  • 共和党支持
  • 奴隷制反対

 

という体制があり、南部の経済は、大農園主によるプランテーションが中心で、

 

  • 自由貿易
  • 州権主義(分権)
  • 民主党支持
  • 奴隷制維持

 

という体制があった。こうして見るだけでも、南北で支持する政党から何から、全く考え方が違うことがわかるわけだ。

 

北部の人

奴隷は解放して『労働力』にしようや!
馬鹿野郎!奴隷がいなくなるのは考えられねえよ!

南部の人

 

南北戦争で北部が勝利するも、実際にはその後150年以上経った今でも、南部では強くその人種差別的な発想が根付いているのである。とりわけ、この1960年代というのは黒人の風当たりが強かった。それは黒人がこの時代に強く主張したからでもあった。

 

  1. メドガーエヴァース
  2. マルコムX
  3. キング牧師

 

を筆頭に、モハメドアリら有名な黒人代表者たちが声を上げ、そして弾圧されてきた。上に挙げた3名は全員暗殺されてしまっている。今回の映画のタイトルは、主人公である地方検事ボビー・デローターの娘クレアの部屋に出るという幽霊と、アメリカ合衆国南部に根強く残る“人種偏見”を亡霊に喩えたもの。彼は遺族と共に、30年以上経った1990年代に真犯人を追求。果たして、この国で南部の人々の考え方を改めさせ、この歴史的問題を有罪にすることができるだろうか。

 

実話、黒人、非凡、偉人、正義、裁判、オズワルドとベックウィズ(JFK)、ミシシッピの闇(バーニング)

『セデック・バレ 第一部 太陽旗、第二部 虹の橋』

二部形式で、計4時間半の大作。1930年、日本統治時代の台湾で起こった先住民セデック族による抗日蜂起事件である霧社事件を描く。台湾の映画で、外国が描く日本人ということで貴重な作品である。基本、自分たちの国を英雄に仕立て上げるのが相場だ。だから歴史映画を観る時は、それがどこの映画で、どれだけの国が関わっているかということなどをチェックする必要がある。例えば、抗日運動をしている間に作られた中国の映画では、日本が登場するならそれはもうかなり偏った内容となる。

 

もちろん、大日本帝国時代の日本が作る外国の様子もそうだ。だから歴史映画を観る時にその信憑性を図るためには、いくつかの条件をクリアしていなければならない。例えば『ラストエンペラー』や『MONGOL』などでは、中国の最後の皇帝、溥儀(ふぎ)、そしてチンギス・ハンが描かれているが、その映画に参加している国の数は多い。そういう世界の歴史的にも貴重な人物や時代を切り取るなら、公明正大な目線で真実に近い形で記録に残すべきだという『人々の使命感』が、人を集めるのである。

 

だが、今回のようにかなり狭い範囲の知名度の少ない歴史の場合で、台湾でのみ作られたなら美化・正当化を疑う必要がある。まずはそれが初期設定だ。偏ってはならない。

 

だが、吉本のキム兄が出演しているなど有名な日本人も関わっていることから、事実と違うところはあるようだが見た限り過度な正当化はなさそうだ。当時の日本は日清、日露と勝利して思い上がり、帝国を作るためにナチスと足並み揃えて世界の支配者を気取っていた。だから当時の日本人が多少暴力的でも全く偏りはないだろう。それは、『日本人は残酷』として批判されたアンジェリーナジョリーの『アンブロークン』の映画で描かれる日本人もそうだ。あのくらいのことなら平気でやっただろう。

 

観た印象、正直とても素晴らしい映画だった。大国に出会った小国や小民族が淘汰されて消えていくことは、1500年頃のコロンブスたちコンキスタドール(征服者)たちのやったことというハッキリとした時代もさることながら、歴史の闇に消えているような部分で、細かく、世界中で起こり続けていたこと。そしてそれは人間だけじゃなく、動物や昆虫、植物の世界でも全く同じことが起きている。

 

自然も大きく関わっている。

 

鯨類の祖先が4本足だったことを示す証拠が南米で初めて確認された/A. Gennari

 

この画像は(CNN)のものだ。 クジラやイルカを含む鯨類は、5000万年ほど前は現在よりも小型の4本足の動物だった――。南米ペルーで出土した化石を調べていた国際研究チームが、2019年の生物学会誌にそんな研究結果を発表した。陸で暮らすことができなくなったので、海で暮らすようになり、長い年月を経てそこに特化した肉体に変化していった。こうした自然淘汰や生命のサバイバルは、宇宙からの俯瞰視点で考えた時、当然のように行われているのである。

 

だが、それを人間が『当然だ』と言った途端に道から逸れている印象を強く覚える。企業の世界ならギリギリ言えるだろう。『ファウンダー』というマクドナルドを世界企業にしたレイクロックは、『ライバル企業が溺れていたら、近づいて行って、ホースの水を口に突っ込み、溺死させことができなければ、経営者はできないる』と言っているが、それはシビアなビジネスの世界で息をする人々からすれば、よく知るところではないだろうか。

 

では、多様性はどうか。もし彼らが『妙な宗教』を盲信していたらどうか。それは『多様性の一つ』なのか。それが暴走して世界的なテロが起きても、それは『多様性の一つ』なのか。では、生き残ってシェアを広げているキリスト教、イスラム教は人間の代表的な考え方なのか。彼らのような小民族の一生を考える時、もちろんそこには宗教や思想も考える必要があるわけだが、様々なことが頭の中を駆け巡り、あっという間に時間が過ぎてしまう。

 

この世には、世界の波に押し負けて淘汰された人々がいる。彼らが正しいとは言えない。だが、生き残った人が正しいということでは決してない。一つだけ言えるのは、彼らのように誇り高き人々がいたということ、そしてそれを日本人が壊滅に追いやったこと、その決定的な事実を、忘れてはならないということだ。

 

実話、小民族、革命、哀愁、命の使い方、エンドロール

『彷徨える

実在の学者リチャード・エヴァンズ・シュルテスとテオドール・コッホ=グリュンベルグの手記を基にしていて、時代は1900年代。先住民たちがまだアメリカ大陸の奥深くにいる時代に、学者がそこへ探検・研究しにくるという内容だ。・・というのはかなり浅い説明で、実際にはそれを言うなら『アポカリプト』のような映画の方がそれに近い。詳細は下記の記事に書いた。

 

アメリカ大陸発見!そしてピサロがインカ帝国を、コルテスがアステカ王国を征服! | IQ. (a-inquiry.com)

 

15~16世紀にケチュア族によってインカ帝国が興る。『メソアメリカ』といわれるマヤ、アステカの文明は、『石器』を中心とした文化を持っていた。彼らは、ピラミッド建築に長けていたり、マチュピチュ遺跡を作り上げるなどして、独自の高度な技術を持っていた。

 

[『インカの失われた都』マチュ・ピチュの風景]

 

スペイン、ポルトガルのコロンブス、ピサロ、コルテスを筆頭としたコンキスタドール(征服者)がこの地に来たのは1500年頃。それよりも更に400年も前の時代だ。だからさらにその時代の映画というなら、『アギーレ 神の怒り』などがそうだ。ピサロがさがしたエルドラド(黄金郷)を探す人々の様子が描かれる。ちなみに、このエルドラドに憑りつかれた冒険者の代表者と言えば、イギリスの冒険家パーシー・ハリソン・フォーセットだ。PS4ゲーム「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」においては、主人公ララ・クロフトがフォーセットの謎を解き、失われた都市がペルーにあると推定する。

 

今回の場合はエルドラドというより、『謎の植物』を探し求めている。見た限り麻薬のようなもので、先住民しかその場所を知らず、悪用・乱用するなら紹介はできないという流れがある。それももちろん興味深いが、それよりも目を疑うのはカニバリズム(食人)である。先住民のような小規模な民族にあったその習慣は、『アポカリプト』のような人身供養の儀式を考えると蓋然性が高く、宗教の実態としても貴重なシーンである。

 

これを観てグリーンインフェルノ』というB級映画に位置付けていた作品が、現実味を帯びてきた。 無知時代、こんなものはあり得ないし、子供が出演していることに腹が立っていたが、歴史を一通り調べたあと、この映画の舞台となったエリアを調べたら、ペルーだった。その意味がわかるだろうか。

 

実話、宗教、南米

私はあなたの二グロではない

1960年代のアメリカには実に様々なことがあった。ベトナム戦争、ウォーターゲート事件、ヒッピー文化、アメリカン・ニューシネマ、そして今回のテーマでもある『公民権運動』だ。これは黒人が差別の為に立ち上がった運動である。その公民権運動指導者の代表者と言えば、

 

  1. メドガー・エバース
  2. マルコム・X
  3. マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師)

 

だ。後の二人は有名だが、アメリカではメドガーエヴァースも有名。テレビで常に黒人の代表者として真理を主張し続けてきたことが、記録に残っている。彼が言っていることは真理だ。だが、当時のアメリカ人は真理から逸れた生き方をしているので、彼が間違っていることを言っているかのような雰囲気が作られてしまう。

 

この映画はドキュメンタリー映画で、サミュエル・L・ジャクソンがナレーションを務める。彼も『ドゥ・ザ・ライト・シング』でDJ役を務めながら、映画のテーマでもある人種差別問題についてメッセージを主張する役を演じていて、この手の問題について無関係ではない。当たり前だ。それは彼がそうこうという理由がなくても、黒人だからである。ちなみに、第44代アメリカ合衆国大統領バラク・オバマが妻のミシェル・オバマと初めてのデートで観に行った映画が『ドゥ・ザ・ライト・シング』だった。

 

このドキュメンタリー映画は一見すると重苦しい様子があるが、観た方がいいだろう。私も実は観るまではメドガーエヴァースの存在を知らなかったが、彼のことを知ると他の映画でも彼の死がこの時代の黒人たちにとっての重要すぎる一コマだったことを理解できるからだ。『ヘルプ ~心がつなぐストーリー』でも彼の死のシーンが、そして『ゴースト・オブ・ミシシッピー』ではまさに彼の遺族が主人公として描かれる。

 

マルコムXとてそうだ。デンゼルワシントンが『マルコムX』で彼を演じ、ウィル・スミスは『ALI』でマルコムと親しかったモハメドアリを演じる。キング牧師も『グローリー/明日への行進』で、ヘルプに出演した黒人牧師の俳優が演じている。

 

私は映画を完全に娯楽の道具として使っていた時、こういう映画を観ようとも思わなかった。だが、今はもう違う。映画から多くのことを学びたいと考えている。そういう人間にとっては、時に脚色された通常版よりも、こうしたドキュメンタリー映画の方が質の高い教訓を得られることが多い。

 

ドキュメンタリー映画、

サウルの息子

この映画にまた低評価ついてるがきっと着眼点を間違えてる。他の映画に影響されて『常識』に囚われ、『その常識通りの展開』がないから肩透かしを覚えるのだろう。だが、これは極めて貴重な映画である。 私は強制収容所経験者の『夜と霧』を読んだが、絶対にこれが映像化されることはないと確信したものだった。彼らがアウシュビッツを含めた強制収容所で経験したことを具体的に描写することは、あまりにもおぞましく、一生のトラウマになる人も現れると感じたからだ。

 

その後『シンドラーのリスト』など様々なホロコーストの映画を観た。それぞれとても衝撃的だった。だが、この『サウルの息子』ほどこの内容を描いたものはなかった。だが、これももちろん直接は描いていない。あくまでも 『収容所で人探しをしてさまよっている人の、背景に映りこんでいる』 という体で、ボカシたり部分を映したりしてそれを描いているのである。だから着眼点を間違えたら、

 

なんなんだよこの映画、さっきからさまよってばっかで、何がしたいんだよ

 

ということになるだろう。しかしそれは知識と経験と想像力不足だ。 『彼が動き回るから全体像が映せる』のだ。そして『これが限界』なのであり、そしてこれはそれ以外の軸で考えても、とても貴重な『資料』である。

 

ユダヤ、収容所、狂気

欲望のバージニア

アメリカ禁酒法時代にバージニア州フランクリン郡で密造酒を売るボンデュラント兄弟が主人公で、彼らは実在した人物だ。この時代、例えばこの東の地バージニアから少し北西に移動したところにあるシカゴでは、アル・カポネという有名なマフィアが同じように密造酒によって暗躍していた。また、少し北に移動したとこにあるニューヨークではダッチ・シュルツというマフィアが暗躍。他にも大勢いるが、それぞれ『アンタッチャブル』、『ビリーバスゲイト』という映画でそれを見ることができる。

 

今回の兄弟の場合はマフィアというよりは『強い絆の兄弟』だ。絆の強い荒くれ者の彼らが、その時代を生きていくために手を伸ばしたのが密造酒だった。この時代、マフィアが暗躍するだけじゃなく、それ以外の人たちも法律ギリギリの綱渡りをすることが多々あった。あの『俺たちに明日はない』で有名なボニーとクライドも、この時代を生きた人間だ。彼らのように強盗に走った人間もよくいた。

 

 『シンデレラマン』のボクサーもこの時代だ。彼らのように正道を歩いて、逸れずに苦労した人間も多い。だから道を逸れた人間たちを美化することはできない。では、血気盛んな半生を生きてきた私ならどうするだろうか。それは環境次第だ。環境のせいにするということではなく、子供が環境によって大きく影響されて性格が作られるように、無数の目に見えない要素が複雑に絡み合って人間の人格が決まっていく。

 

彼らのような人生を美化はできなくても、完全に悪くも言えない。そういう不思議な時代の人たちのワンシーンを見てみよう。

 

実話、アウトロー、

エスコバル 楽園の掟

パブロ・エスコバル。それは、コロンビアの国会議員であり、慈善事業にも熱心な実業家。・・いや違う。それだけではない。彼の本当の顔はは世界一の麻薬王。これは、コロンビア最大の麻薬組織を創設した麻薬王の姪と恋に落ちてしまった男の、危険すぎるひと時を切り取った映画である。

 

 

これは実際の彼の顔だ。大富豪であったエスコバルは自宅に飛行場、動物園、私設軍隊まで所有していて、『俺たちに明日はない』で有名なボニーとクライドが乗ったとされる車やクラシックカーも所有していたという。

 

自身はコカインはいっさい嗜まず大麻を愛用したと伝えられる。世界最大の麻薬消費国であるアメリカをはじめ世界中でコカインを密売し世界有数の大富豪の一人に上りつめた。その様子は彼を描く他の映画

 

  • バリーシール
  • 潜入者
  • ブロウ

 

などで見ることができるだろう。トムクルーズやジョニー・デップ、ペネロペクルスなど、トップスターが彼に関する映画に出演している。

 

 

パブロ、実話、アウトロー、国から出ろ(アルゴ、ラストキング)、俺たちに明日はない

『ゲルニカ』

1937年に起きたゲルニカ爆撃を背景にした作品で、ヘミングウェイの名作『誰がために鐘はなる』の舞台と同じスペインの内戦を舞台にした映画。モデルはイギリス人ジャーナリストのジョージ・スティアであり、彼の速報が世界にゲルニカ爆撃を知らしめることに。そしてそれがピカソの「ゲルニカ」に繋がっていったのだ。

 

実話、スペイン

『女王トミュリス 史上最強の戦士』

これは歴史的に非常に価値がある作品だ。トミュリスTomyris)は、紀元前530年頃の人物で、中央アジアのカスピ海東岸に勢力を有していたマッサゲタイ族の女王である。トミュリスを最初に書いた歴史家がギリシア人であったため名前はギリシア風に呼ぶことが多い。その最初の歴史家であるヘロドトスは自著歴史でトミュリスに関して、

「マッサゲタエ族の国を侵略したアケメネス朝ペルシアの王キュロス2世率いるペルシア軍を破り、キュロスを殺害した」

 

と記している。紀元前5世紀に、証拠を集めて解釈することによって過去への問いかけをはじめておこなったのが、古代ギリシャの著述家ヘロドトスとトゥキディデス。『歴史(ヒストリー)』という言葉はヘロドトスが初めて使ったもので、これはギリシャ語で『探究』を意味する。まさに、当サイトにうってつけの名前だ。彼の存在は大きい。

 

さて、どれだけこの話が歴史的価値があるというと、ヘロドトスの話とは関係ない。映画だ。映画としてこれまで、この時代の、この部分を切り取った映画がなかったのだ。ではここで、この世界の覇権の推移を見てみよう。

 

ヨーロッパの覇権の推移

STEP.1
アッシリア
紀元前7世紀の前半~紀元前609年。オリエントの統一王朝を成し遂げるが、アッシュル・バニパルの残虐性のせいで帝国が破綻する。
STEP.2
アケメネス朝ペルシャ
紀元前525年~紀元前330年。キュロス、カンビュセス2世、ダレイオス1世また統一し直し、インド北西部からギリシャの北東にまで勢力を伸ばす。
STEP.3
アルゲアス朝マケドニア王国
紀元前330~紀元前148年。フィリッポス2世がギリシャを、アレクサンドロスがペルシャを制圧。
STEP.4
ローマ帝国
紀元前27年~1453年5月29日(完全な崩壊)。カエサルが攻め、アウグストゥスが守る形で『ローマ帝国』が成立。
STEP.5
モンゴル帝国
1200~1300年。チンギス・ハンが大モンゴルの皇帝となり、5代目フビライ・ハンの時にはアレクサンドロスよりも領土を拡大。
STEP.6
オスマン帝国
1453年5月29日~。かつてのローマ帝国は、『神聖ローマ帝国』と『ビザンツ帝国』の東西分裂をしていて弱体化していた。1453年5月29日、メフメト2世がビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルを征服。
STEP.7
スペイン帝国
1571年、スペインは『レパントの海戦』であのビザンツ帝国を滅ぼしたオスマン帝国を破り、地中海の制海権を奪取(正確にはまだオスマン帝国に制海権があった)。更に、『ポルトガルの併合(1580年)』で『スペイン帝国』は最盛期を迎える。

 

今回はここまでだ。ここでいう、ペルシャ帝国の映画は『300』で、そこで抗ったギリシャの伝説『レオニダス』もそこで描かれる。更に、マケドニアのアレキサンダー大王については『アレキサンダー』でコリンファレルが演じ、ローマ帝国の話なら多くの映画がある。したがって、このトミュリスがやってのけた歴史を映画で観れるのは、有難いことなのである。

 

カザフスタンの映画ということで少しチープさを覚悟したが、そんな心配はいらなかった。これだけのクオリティなら十分だ。今後もこうして世界の映画技術が発展し、動画配信サービスなどの普及が進んでいくにつれ、埋もれていた歴史映像を容易に見ることができるようになるだろう。

 

[トミュリス女王(ティアラをした左から6人目の女性)ピーテル・パウル・ルーベンス作]

 

実話、女性、立ち向かう小国(レッドクリフ、スパルタ、300)

海にかかる霧

さすが『パラサイト』で実力を知らしめたポン・ジュノ作品だ。私はそれを知らずして映画を観た。そして彼が『殺人の追憶』の監督というのも今知った。私は韓国映画で面白いと思うものを挙げるなら、その3つは必ず挙げたいと即断できるほどだ。2001年に起きたテチャン号事件。つまり、これは実際にあった話なのである。やはり、それがあるとないとでは全然違う。フィクションならどうにでも描けるが、実話は違う。

 

戯曲化し、映画用に脚色はしているが、それにしてもこの衝撃の事件は想像を絶する。命の重みが分からない人は、一体何が行われているのかよくわからないのではないだろうか。

 

実話、衝撃、キーワード霧(ミスト、レッドクリフ

イワン雷帝

1944年から1946年にかけて制作されたソ連映画で、“イワン雷帝”ことイヴァン4世の生涯を描いた作品。古すぎるから、それが玉に瑕だ。内容がスターリンの気に触れたので上映禁止となったりと様々な問題があるが、彼の存在は歴史の専門書にもロシアの歴史として必ず大きく出てくるほどなので、もっと後になってゆっくりと映像化してほしいものだ。

 

だが、彼の圧倒的な存在感はこの役者の怪演から伝わってきた。世紀末、ロシアの原型となる『キエフ公国』が建国される。キエフ大公ウラディーミル1世は、ビザンツ皇帝のバシレイオス2世の妹と結婚し、ロシア正教の洗礼を受け、キリスト教化によって国家を統一し、同時にビザンツ文化も導入した。

 

『十字軍問題』や『ボニファティウスの屈辱』でキリスト教会の権威が失墜!『ローマ帝国の継承者』は誰に?

 

キエフ公国のあと、ロアはモンゴル帝国の一部となったが、モスクワ大公国が成立すると再び独立し、シベリアへの領土を拡大して大国への道を歩み始める。イヴァン3世が分裂していたロシアを統一し、モスクワを中心とした中央集権国家をつくりあげ、2世紀半も続いたモンゴルによる支配を終わらせたのだ。

 

13世紀にあったチンギス=ハン一家の野望!『死体の山(ワールシュタット)』を作りながら領土を拡大

 

更に、『雷帝』と呼ばれたロシア史上最大の暴君イヴァン4世の時代に絶対君主制を導入し、大帝国ロシアの基盤を築いた。この映画では1546年頃からの彼が描かれる。

 

 

ロシア、実話、

無言歌

1960年、中華人民共和国の反右派闘争(1957年に毛沢東共産党主席が発動した反体制狩り)によって、多数の人間が甘粛省の砂漠にある政治犯収容所に送られ、強制労働についていた。世界にはこんなところが存在したのか。中国の闇を覗くようで、複雑な心境になる。確かに毛沢東は中華人民共和国を作ったその創始者だが、同時におよそ5000万人以上の国民を死なせた暴君でも有名。詳細は下記の記事に書いた。

 

中華人民共和国の創立者『毛沢東』はなぜ5,000万人以上の国民を死なせたのか?

 

表面的には生産力が急増したと報告したが、実際には違ったし、できた鉄鋼の大半は粗悪品。また、食糧増産に成功したという虚偽の報告と現実の帳尻を合わせるために、農民から食料を没収して、それを生産品と偽り、これで数千万人の餓死者が出た。そしてここにも中国のあまりにも広大な砂漠地方の仄暗い地下洞で、餓死寸前の人々が、人間の尊厳ギリギリを保ちながら、生きるか死ぬかという地獄の綱渡りをしていた。

 

中国

戦場のレクイエム

国共内戦中3大戦役の1つとされる淮海戦役(わいかいせんえきは、国共内戦中の1948年11月6日から1949年1月10日にかけて発生した中華民国国軍と中国共産党の中国人民解放軍による戦闘)を背景に、中国も参戦した朝鮮戦争のエピソードを織り交ぜながら、激戦で全滅した部下の名誉回復に奔走する1人の兵士の苦闘を描いた戦争悲劇。

 

毛沢東と蒋介石が衝突する真っ最中の中国、そしてあまりスポットライトが当たらないが中国人も確かに参加した朝鮮戦争。かなりシリアスで重い映画だが、戦争とはそういうものだ。命は軽くはない。重いのだ。そう簡単に忘れていいものではないのだ。

 

実話、哀愁、中国

高地戦

時は朝鮮戦争末期の1953年冬。朝鮮戦争における南北境界線付近の高地をめぐって争いが行われる。場所は最前線の「エロック高地」だ。北にいるのは北朝鮮やソ連率いる共産国家、そして南である韓国はアメリカとイギリスの資本国家であり、この戦争を境に朝鮮は『北朝鮮、大韓民国』という二つの国に分かれてしまったのである。

 

だが、本当に彼らはその戦争があってすぐに敵同士となるのか。同じ民族同士、そしてそれ以前に同じ人間同士の彼らには、本当に『絆』はないのか。

 

あの丘、スナイパー(2秒680m)

『王の運命 -歴史を変えた八日間-』

朝鮮時代を描いた韓国映画は、彼らが描かなければ世に出ないので、それだけで貴重だ。時代は1728年頃の李氏朝鮮(1392-1897年)。時の国王は16代国王英祖(ヨンジョ、えいそ、1694年10月31日 – 1776年4月22日)である。『尚衣院-サンイウォン-』逆謀反乱の時代~』で描かれた時代と同じだ。基本、韓国が描く朝鮮映画は、時代が被らないように、潰し合わないように配慮されている様子があるが、彼の場合は朝鮮王朝の歴代君主中最も長生きした君主であり、在位期間もおよそ52年間と最も長かったため、その作品も多くなる。

 

英祖は遅くに生まれた息子を(セジャ/後継者)に育て上げようとするが、思惑通りには育たなかった。そして確執が生まれる。wikipediaにはこうある。

1762年。老論派が糸を引いた羅景彦が世子の非行を英祖に奏上した。英祖は羅景彦を死刑に処する一方、李を廃して米櫃の中に閉じこめ、李は8日後に飢死した。

 

つまり、彼ら親子の確執が手伝って、悲劇の死を遂げてしまった息子がいたのだ。英祖と正祖という2人の名君の間にあって、非業の死を遂げることになった荘献世子は、現代では歴史のミステリーとして韓国国民の興味を惹いているという。ちなみに、この時に死去した思悼世子の墓を、楊州から水原の顕隆園(隆陵)に移して、その周囲に城壁や塔、楼閣や城門を築いて防護を固めたものが、現在世界遺産にも登録されている水原華城(スウォンファソン)である。

 

 

これは私が実際にそこに行った時に撮った水原華城の写真である。

 

確執、実話

逆謀反乱の時代~』

朝鮮時代を描いた韓国映画は、彼らが描かなければ世に出ないので、それだけで貴重だ。時代は1728年頃の李氏朝鮮(1392-1897年)。時の国王は16代国王英祖(ヨンジョ、えいそ、1694年10月31日 – 1776年4月22日)である。『尚衣院-サンイウォン-』で描かれた時代と同じだ。基本、韓国が描く朝鮮映画は、時代が被らないように、潰し合わないように配慮されている様子があるが、彼の場合は朝鮮王朝の歴代君主中最も長生きした君主であり、在位期間もおよそ52年間と最も長かったため、実は2020年時点で3つ存在する。

 

  1. 『尚衣院-サンイウォン-』
  2. 王の運命 -歴史を変えた八日間-(2015年、配役: ソン・ガンホ)
  3. 逆謀〜反乱の時代〜(2017年)

 

である。そのうち、最初に関しては特にキャスト的に明言されていないが、時代背景的に彼の時代であるということになる。最も長生きした彼だから、それだけいろいろあった。今回の場合は王朝に反乱を起こした反乱軍のリーダーよる謀反と、それを阻止しようとする男の戦いが描かれる。

 

 

『王になった男』

朝鮮時代を描いた韓国映画は、彼らが描かなければ世に出ないので、それだけで貴重だ。時代は1616年頃の李氏朝鮮(1392-1897年)。時の国王は15代国王光海君(クァンヘグン)である。『代立軍 ウォリアーズ・オブ・ドーン』で描かれる光海君(クァンヘグン)とは違うもう一つの顔が描かれる。基本、韓国が描く朝鮮映画は、時代が被らないように、潰し合わないように配慮されている様子があるが、この場合、光海君は『二つの顔』を持っていたと言われるのでこういう展開もありだろう。

 

暴君としての顔があり、10代王の燕山君(ヨンサングン)同様に暴君として廃位された王であるため、廟号・諡号・陵名(太宗等)はない彼だが、ディカプリオが演じたルイ14世の『仮面の男』同様、このような展開があればそれもうなづけるというものである。

 

孔子の教えが根幹にある韓国の話は、王のあるべき姿を儒教を通して再確認しながらも、鑑賞者に人間が重んじる真理を啓蒙する形が多く、実際にそれはさすが孔子ということで、全世界に共通するレベルの圧倒的な説得力がある。

 

身代わり(私は王、影武者、プレステージ、仮面の男)光海君のその後(代位軍)

神弓-KAMIYUMI-

朝鮮時代を描いた韓国映画は、彼らが描かなければ世に出ないので、それだけで貴重だ。時代は1636年頃の李氏朝鮮(1392-1897年)。時の国王は22代国王仁祖(インジョ、じんそ、1595年12月7日 – 1649年6月17日)である。である。丙子の乱(1636年から1637年にかけて、清が李氏朝鮮に侵略して、制圧して服属させた戦い)を舞台としたアクション映画で、韓国で747万人を動員し、2011年の年間興行成績第1位を獲得したという。確かにそれだけ緊張感があり、スピーディに展開されていくため飽きずに物語を見進めることができる。

 

また、『安市城 グレート・バトル』でもそうだが、どうやら韓国、朝鮮では『弓』というのは特別な意味を持つらしい。韓国神話については下記の記事にまとめたが、

 

韓国人は『熊』ではなく『虎』かもしれなかった?紀元前2370年にあった『はず』のお話 | IQ. (a-inquiry.com)

 

朝鮮の神話で有名な『朱蒙(ちゅもん)』のwikipediaにはこうある。

「朱蒙」の名の由来は扶余の言葉で「弓の達人」と言う意味である。その名の如く7歳になると自ら弓を作り、矢を射ると百発百中だった。将来必ず異心を抱くとして扶余の人々は排除を望んだが、金蛙王は朱蒙を庇い馬の世話を命じた。

 

もはやこの朝鮮人たちの元祖とされる朱蒙が、弓の名手。したがって下記の記事にあるような『各民族のルーツにある神話』の理由も手伝って、韓国映画には弓がよく登場するのである。つまり、朱蒙がもし槍の名手なら、槍がよく出てきたということになる。

 

ついに各民族のルーツに『神』が存在する理由がわかった!

 

だが、そうした裏話を排除して考えても、当時にあった主力の武器が剣や弓であったことは間違いないので、無理なく物語を追うことができる。爽快かなあってなかなか見応えがある映画だ。

 

 

王の涙―イ・サンの決断―

朝鮮時代を描いた韓国映画は、彼らが描かなければ世に出ないので、それだけで貴重だ。時代は1777年頃の李氏朝鮮(1392-1897年)。時の国王は22代国王正祖(イ・サン)である。1777年に起き正祖暗殺未遂事件という実話に基づく作品だ。

 

実話

観相師 -かんそうし-

朝鮮時代を描いた韓国映画は、彼らが描かなければ世に出ないので、それだけで貴重だ。時代は1453年頃の李氏朝鮮(1392-1897年)。時の国王は6代国王瑞宗(タンジョン、たんそう、正統6年7月23日(1441年8月9日) – 天順元年10月24日(1457年11月11日))である。11歳で王に即位した瑞宗の座を狙う首陽大君の政権抗争(癸酉靖難)に巻き込まれた天才観相師を主軸として描かれる。

 

『尚衣院-サンイウォン-』の記事に書いたように、朝鮮映画には

 

  1. 各映画で時代が重ならない
  2. 各映画で展開が違う(異なった色を持っている)

 

という共通点がある。それぞれを潰し合わないように、また朝鮮時代の歴史を一つ一つ埋めていくように、差別化を図りながら、ニッチを埋めながら、かつ興行的に成功できるように計算されているように見える。だから今回は観相師という『占い師』目線で見た王宮の話だ。聞きなれない職業で、かつ時代劇、更には暑苦しそうなオッサンということで、もっと華やかな演者や舞台で展開される映画違って地味に見えるが、そこは『パラサイト』で世界をあっと言わせたソン・ガンホだ。その味のある実力でこの時代の朝鮮を見事に切り取り描き切っている。

 

 

変なダンス(

『代立軍 ウォリアーズ・オブ・ドーン』

朝鮮時代を描いた韓国映画は、彼らが描かなければ世に出ないので、それだけで貴重だ。時代は1592年頃の李氏朝鮮(1392-1897年)。時の国王は14代国王宣祖(ソンジョ、せんそ、1552年12月26日 – 1608年3月17日)である。この時、ちょうど豊臣秀吉の朝鮮出兵(文禄の役=壬辰倭乱)が朝鮮を混乱させていた。その時代を描いた映画は少ないので、貴重な歴史映画である。

 

宣祖は、息子である光海君(クァンヘグン)を世子(王位継承者)に指名して逃げてしまう。この時燕山君は秀吉軍に対してどう対応したか。彼らの目線で倭の豊臣秀吉がどう見られていたかを知るために、会話の節々が貴重な資料である。この時の燕山君はまだ王になるかならないかという状態で、『小僧』のような状態。だからこその純粋さがこの物語を演出していく。

 

だが、彼が王として慣れてきた頃、もう一つの顔を持つようになってしまう。よって、10代王の燕山君(ヨンサングン)同様に暴君として廃位された王であるため、廟号・諡号・陵名(太宗等)はないのが特徴だ。

 

しかし実際に彼ら代位軍のような人々がいたと思うと、当時の人間の間にあった格差のシビアな現実に、驚かされる。

 

 

『背徳の王宮』

朝鮮時代を描いた韓国映画は、彼らが描かなければ世に出ないので、それだけで貴重だ。時代は1500年頃の李氏朝鮮(1392-1897年)。時の国王は10代国王燕山君(ヨンサングン、えんざんくん、1476年11月23日 – 1506年11月20日)である。朝鮮の様々な時代を切り取り、その時代の特徴にあった物語を展開していく朝鮮映画の中で、今回はかなり攻めた内容だ。

 

だが、これくらい攻めなければ人々に訴求できない。『退屈な時代劇』の域を出ることができないので、いい考え方だろう。だが、子供が見れるような内容ではないので、18禁かもしれない。

 

王に献上されたのは、1万人の美女―朝鮮史上最もスキャンダラスな時代を描く、刺激に満ちた官能エンタテインメント

 

という説明があるように、かなり過激だ。どこまで本当かは分からないが、本人の血筋も存在する中で、その家系を著しく侮辱することをしては問題になる。やはりある程度史実に則って作られているのだろう。事実燕山君は、15代王の光海君(クァンヘグン)同様に暴君として廃位された王であるため、廟号・諡号・陵名はない。あり得なくもない。そういうところを楽しむのも一つのポイントかもしれない。

 

常軌を逸した文化(ブーリン家、アポカリプト)乱れる性

『尚衣院-サンイウォン-』

朝鮮時代を描いた韓国映画は、彼らが描かなければ世に出ないので、それだけで貴重だ。時代は1750年頃の李氏朝鮮(1392-1897年)。時の国王は16代国王英祖(ヨンジョ、えいそ、1694年10月31日 – 1776年4月22日)である。映画を包括的に考えればわかるのだが、数ある朝鮮時代を描いた韓国映画で、時代が重なる映画というのはほとんどない。ほとんどが違う時代を描いている。それはつまり、製作者側が、

 

『うーん、この時代はもう描いたよな、そんで、こういう展開だろ、こうして復讐で・・』

 

という話し合いをしている可能性があるのである。実際には知らないが、そうあってもおかしくはない。その証拠に、

 

  1. 各映画で時代が重ならない
  2. 各映画で展開が違う(異なった色を持っている)

 

という共通点があるのだ。それぞれを潰し合わないように、また朝鮮時代の歴史を一つ一つ埋めていくように、差別化を図りながら、ニッチを埋めながら、かつ興行的に成功できるように計算されている気がするのである。

 

要は、各王の時代の何を切り取るかがポイントで、王がやること、王宮で行われることというのは大体同じだ。その決まり切ったルーチンワークに焦点を合わせるか、それとも、その時代特有の文化や習慣、事件や出来事などにスポットライトを当て、差別化を図りながら、間接的に当時の時代を描いて歴史を埋めていくか、と考えた場合、もちろん後者にするべきだと即断するはずだ。

 

今回の場合は『衣服』だ。当時の衣服を担当した人間の中には、もちろん王や王妃といった最上級の人間の衣服を扱う者もいた。では、そんな人物から見た王宮の実態とは。

 

ファッション(プラダを着た悪魔、イヴサンローラン、シャネル、ファントムスレッド) 活躍したのは兵士だけじゃない(武士の家計簿、ヴェルサイユ宮殿、天地明察) 嫉妬される天才(モーツァルト、清須会議、パガニーニ)、側近の人(女王陛下の、マリーアントワネット、大統領執事)

『純粋の時代』

朝鮮時代を描いた韓国映画は、彼らが描かなければ世に出ないので、それだけで貴重だ。時代は1398年の李氏朝鮮(1392-1897年)。李氏朝鮮の初代国王李成桂(りせいけい)の長男である、太宗(テジョン、たいそう、本名李芳遠(イ・バンウォン、り・ほうえん)』彼が三代国王を務めた時代である。李氏朝鮮が建国された7年が経つその頃、朝鮮は世継ぎ問題でいざこざを起こしていた。

 

ただ、物語しょっぱなから登場するのはとある男女だ。この二人が物語を大きく混乱させていく。いや、この二人こそがこの物語の主人公だ。見たところ、(おいおい、韓国映画は結構エグってくるな)という感想を抱く。退屈しそうな時代劇に、それを予想した『対策』がいくつも張り巡らされているため、そんな彼らの『波乱に満ちた純粋な愛』の物語を見ながら、当時の朝鮮時代のイメージを想像する。

 

復讐、純愛

『私は王である』

朝鮮時代を描いた韓国映画は、彼らが描かなければ世に出ないので、それだけで貴重だ。時代は1418年の李氏朝鮮(1392-1897年)。この時の王は世宋といった。偉大な王と言われた彼は、なぜそう呼ばれるようになったのか。もしかしたらこんなストーリーがあったのかもしれない。孔子の教え(儒教)を軸として生きる韓国ならではの世界が広がるが、そこは世界の四聖(孔子、ソクラテス、ブッダ、キリスト)に数えられる孔子だ。教訓性は世界に通用する圧倒的なレベル。真理が潜んでいる。

 

入れ替わる(仮面の男、影武者)、ワンチャイギャグ(ワンチャイ音楽

『メモリーズ 追憶の剣』

朝鮮時代を描いた韓国映画は、彼らが描かなければ世に出ないので、それだけで貴重だ。この場合は少し過度な演出があるから微妙だが、時代は李氏朝鮮直前の1392年。高麗(1356~1392年)の時代である。高麗最後の時代だ。ただ、その空を飛んでしまうような中国的なワイヤーアクションさえなければ、物語としてはかなり見応えはある。やはりそこは韓国ドラマで培ってきた実力で、複雑な人間関係を描かせたら韓国は強いということだ。

 

 

女帝[エンペラー]

シェークスピアの『ハムレット』を中国の五代十国時代(907年)のある王朝(後晋末期とされる)に置き換えて、脚色したもの。ハムレットでは脇役とされる王妃ガートルードが主役で、その役をチャン・ツィイーが演じる。女性の場合はエンペラーではなく、エンプレスだがあえてそうしたようだ。

 

中国の五代十国時代を描いた有名な映画はそうないので、私はその意味と、シェイクスピアリメイクという世界的な作品に並ぶから鑑賞した。チャン・ツィイーも好き。本家『ハムレット』は見たので、内容に驚きはありまへん。

 

シェイクスピア、中国

『三国志英傑伝 関羽

『三国志演義』に登場する劉備の部下の武将・関羽の「過五関、斬六将」のエピソードが描かれる。よって、これが事実であるかどうかは別だ。それが小説だからである。ただ、レッドクリフで描かれた『赤壁の戦い』が208年で、ここで最初に展開される『白馬の戦い』が200年であることを考えたら、あの映画の少し前の話ということで、曹操と関羽の関係を知っておくにはいいだろう。彼らの関係に思い切った作り話はなく、曹操は本当に関羽を欲しがっていた。レッドクリフでも関羽を見て曹操がそう惜しむシーンがあるから、その辺りの要素を知るためにはいい。

 

ドニー・イェンの武術を楽しむ方向で、当時の関羽の何となくのイメージを想像したい。

 

中国

『ゴッド&ジェネラル/伝説の猛将』

南北戦争の実話をベースにした具体的な歴史映画である。南軍の名将として名高いロバート・E・リーとストーンウォール・ジャクソン、北軍の英雄ジョシュア・チェンバレン、後にリンカーン暗殺事件の実行犯となる俳優ジョン・ウィルクス・ブースを中心に描かれるが、この俳優がどこで出てきたのかはわからなかった。wikipediaのキャスト欄にも彼とその役者の名前が載っていないので、よくわからない。

 

ただ、南北戦争を南北公平な視点で描き、その戦闘の推移を具体的に見ることができるので、南北戦争がどのようなものであったかを知るためには、貴重な歴史映画となっている。何と、上映時間が214分(約3時間半)もあり、日本では未上映なので、アメリカがどれだけこの戦争に熱があるかがわかる。外国の反応云々よりも、この戦争を具体的に描くべきであるという使命感の方が上回ったのだ。

 

南北戦争のえいゆう(ニュートンナイト、ジェシージェームズ)

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト

イタリアの天才ヴァイオリニストであるニコロ・パガニーニ(1782年10月27日 – 1840年5月27日)の波瀾万丈の半生を、「現代のパガニーニ」とも言われる人気ヴァイオリニストでモデルのデイヴィッド・ギャレットが、主演および製作総指揮で映画化。作中で使われるヴァイオリンはあのストラディバリウスだ。5億円もする名器である。

 

私は正直クラシック音楽や、それを演奏する人の髪形、静かにしないといけない雰囲気などが窮屈で抵抗感があるのだが、この映画は初っ端からその凝り固まった先入観を取り払ってくれる。この主演の彼が『現代のパガニーニ』と言われるだけある。彼の演奏の圧倒的な技術だけでもこの映画の魅力として十分であるほどだ。天才の人生は見ているだけで面白い。

 

イタリアローマ、偉人、芸術、天才

歌声(グレーテスト、ボディガード)

『あの日の声を探して』

時はチェチェン戦争真っ最中の1999年。戦争で両親と声を失った少年が難民キャンプで懸命に生きる姿が描かれる。実話ではないが、ロシアとチェチェンの間にあった実際の紛争を舞台にするため、物語を通して戦争の残酷さを理解することができる。冒頭のシーンと最後のシーンには大きな関連があるので、目を反らさないことだ。冒頭では、まるでその実録の動画を観ているような映像が流れるので、そのリアリティは高い。

 

そして、なぜか同時刻的に、少年とは違う謎の軍人の青年の姿が展開される。どこか意味ありげで、ポケットに手を入れて歩く癖も、どこかで見たことがある。この青年は一体だれなのか。

 

ロシア、戦争、声が出ない(us、ピアノレッスン、心がさけび)残された子供(ものすごく、奇跡のシンフォニー、ウィンターズボーン、マーキュリーライジング)

『レッド・リーコン1942 ナチス侵攻阻止作戦』

実話かどうかが分からないので、何とも評価しがたい。戦争映画は実話だからこそ価値があるのであり、フィクションならリアルっぽい戦争相手を出してしまうと混乱してしまうし、史実をかき回してしまうだけで邪魔な存在になるだけだ。だが、

 

  1. ゲームっぽいタイトル
  2. 女性兵士

 

という要素は気にならないようなクオリティではある。だからこそ、これが実話かどうかだけが気になるところだ。違うなら『何を見せられたんだ』ということになってしまう。

 

戦場の女性(ジャンヌ、バタリオン、リベリオン、レニングラード)

『エスケイプ・フロム・イラク』

IS(イスラム国)の捕虜になった女性ジャーナリストを救うため、トルコ軍特殊部隊に所属する7人の精鋭たちがイラクの山岳地帯に潜入。しかし彼らは軍人であり、その行動の範囲内に制限がある。そんな中、任務外の出来事が勃発。目の前でISの残虐行為が繰り広げられる。では、彼らはどうすればいいのか。任務を優先して撤退するか、村人の虐殺を阻止するべく踏みとどまるか。

 

スナイパーであれば、頭を一発打ち込めば人が瞬時に死んでしまうわけだ。そういう一触即発の世界を生きる軍人たちは、常にその前線でこうした難しい判断を迫られる。トルコ映画は少し盛る印象があるのでその全容は受け入れられないが、これは実話ベースの物語である。

 

実話、どうすれば(クロッシング、ロンサバ、ドローンオブ)

『バタリオン ロシア婦人決死隊VSドイツ軍』

『バタリオン』とは大隊のことであり、それは独立した活動を行うことができる最も小さな戦術単位で、通常は師団・旅団・連隊の一部である。『ある部隊の話』と考えればいい。この場合、ソ連時代の女性で結成された部隊が、第一次世界大戦中の1917年、ドイツ軍と正面衝突するまでを描いた映画であり、実話ベースである。

 

ソ連はちょうど帝政ロシアからソヴィエト連邦に変わった年だ。1721年から1917年までに存在した帝国が前者。そこからロシアに変わるまでの間が1922~1991年までの間がソ連だ。だからこの年は微妙な『継ぎ目』の時。2月革命とは、第一次世界大戦中のロシアで1917年に発生した革命運動。ロマノフ朝による帝政(ロシア帝国)が崩壊し、数年間の革命と内戦を経てソビエト連邦の設立につながった。この後、ロシア革命(10月革命)が起き、

 

  • レーニン
  • トロツキー
  • スターリン

 

といったよく知るソ連のトップたちの名前が登場することになる。したがって1917~1922年までの5年間というのは、『臨時政府』という形でケレンスキーなどの人物がロシアの代表を務める。そして、ソヴィエト連邦へと繋がっていくのである。

 

そういうロシアの歴史を切り取った実話ということだけでも貴重な映画だ。では内容はどうか。まず、正直な感想を言うと女性が戦争に出るということで、それまで観てきた10割近い戦争映画が男性兵士の話なので、眉間にしわが寄る。案の定、威勢は良いが喧嘩は猫パンチ。女性の限界を見ながら、ある種、2軍3軍の試合を見るかのようなイメージで、気を抜いて見てしまっていた。

 

だが、徐々に雲行きが変わってくる。髪を坊主にするだけで涙するところはまだ甘いが、それも含めて映画を通して女性の実態を再確認するようになる。そして、いくつかの場面を通し、確かに男性のそれとは勢いが全く違うが、ここにいる女性たちが、竹を割ったような覚悟は持たずとも、彼女らなりに命を懸けてこの戦争に臨んでいることが伝わってくるのだ。

 

したがって、私はこの映画を見下すことは決してできないと悟った。むしろ、誇り高き女性たちがソ連に存在した。そう確信して自分の人生のふんどしを締めなおしたのである。

 

 

ソ連、女性、第一次、実話

クロッシング・ウォー 決断の瞬間

アフガニスタンに駐留するドイツ兵と現地の通訳は、それぞれの価値観や文化の違いから意思疎通が綺麗にできない。それは異国人同士であれば往々にして観られる問題だ。だが、そこに戦争やテロといった見て見ぬふりができない問題が介入したらどうなる。例えば、その外国人を助けることは、自国の上司が許可をしない。『それは任務外の話だ。手を出すな』。軍人が外国の問題に介入することは、その国が介入したことを意味する。

 

では、目の前で恩人が大けがを負ったらどうする。上には手を出すなと言われている。人を救うために軍人になったはずなのに、その『人』の中にいたのは『自国民』だけであり、『異国民』はそうではないという現実を突き付けられ、人間としての葛藤が彼を揺り動かす。

 

ドイツ、戦争、アフガニスタン

4デイズ・イン・イラク

2004年4月ポーランド軍がイラクのど真ん中の年カルバラーに派遣される。「カルバラ・シティホール攻防戦」と呼ばれたこの戦いは、多国籍軍ポーランド部隊とシーア派民兵軍による戦闘だ。このカルバラーというのはイスラム教シーア派の聖地でメッカがある場所。イスラム教でも少数派で、過激派が多いとされている派閥で、彼らを煽ると比較的簡単に戦争が始まってしまう。

 

イラク戦争は終わっているが、反米意識はたっぷりと植えついた。それはそうだ。アメリカは『大量破壊兵器がイラクにある』と断言してイラク戦争を勃発させるが、実際にはそんなものはなかったのだ。このあたりの真相はドキュメンタリー映画『華氏911』を見るといいだろう。アメリカの実態、そして攻撃されたイラク人がどれだけアメリカを恨んでいるかがよく分かる。

 

反米ゲリラとの戦いに巻き込まれるポーランド軍。果たして彼らはその危機を乗り越えられるのか。

 

実話、北欧、イラク(華氏911)戦争、

『エイプリル・ソルジャーズ ナチス・北欧大侵略』

ヴェーザー演習作戦とは、第二次世界大戦中の1940年4月にナチス・ドイツが実行したノルウェーとデンマークへの侵攻作戦である。

 

 

この映画はデンマーク目線でそれが描かれるが、小国を舞台にしたり、そこ目線で展開される映画は少ないので、歴史映画ならそのすべてが歴史的価値がある。恐らく、中学生であれば彼らを馬鹿にしてしまうだろう。彼らの部隊が少し変わった乗り物に乗っているからだ。だが、彼らはいたって真面目。私はその姿を見て、世界の隅々に人が住んでいる現実を再確認した。

 

小国にも人が住んでいる。そして、戦争に強い弱いは、元々人間には関係がないスキルだ。彼らを通して戦争の無意味さを痛感した。

 

実話、北欧

『ウィンター・ウォー ~厳寒の攻防戦~』

『冬戦争』とは、第二次世界大戦の勃発から3ヶ月目にあたる1939年11月30日に、ソビエト連邦がフィンランドに侵攻した戦争である。フィンランドはこの侵略に抵抗し、多くの犠牲を出す。北欧の厳寒というのはもうけた違いに寒い。海上や空中、ジャングルなど世界各地で行われる戦争だが、北欧映画ならではのこの映画だ。フィンランドはソ連から独立を守れるのか。

 

[タイペレでマキシム機関銃を構えるフィンランド軍兵士(フィンランド軍司令部写真センター)]

 

戦争、北欧、ソ連

『リベリオン ワルシャワ大攻防戦』

1944年夏、ナチス・ドイツ占領下のポーランドで起きたワルシャワ蜂起を再現した映画。ここでワルシャワ蜂起についてまとめてみよう。

 

『ワルシャワ蜂起』とは、1944年の第二次世界大戦後期、ナチス・ドイツ占領下のポーランドの首都ワルシャワで起こった武装蜂起である。ソ連の援軍が到着したことにより、ポーランドのレジスタンスと合流し、ナチスを追い払う。当時、『ソ連軍が来る』というのは一つのキーワードで、彼らが到着したら地獄のようなナチスのの支配生活から解放されることを意味していた。

 

だが、今回の場合は違った。『ワルシャワ蜂起』の戦争に勝ったのはドイツ側だった。どうもソ連の動きがおかしい。実はこのワルシャワ蜂起は、ポーランド亡命政府主導の組織を壊滅させるための、ソ連の意図的な陰謀であったという説すらある。

 

つまりポーランドのレジスタンスは、ソ連軍に期待をして一緒にナチス・ドイツを倒そうと立ち上がるのだが、ソ連軍に裏切られるようなイメージで、ドイツに負けてしまう。この映画で感じるのは最初、

 

  1. ポーランド映画というマイナー感
  2. 戦場に化粧をした女性が参加する
  3. 謎の音楽&スロー演出

 

という要素で、眉間にしわを寄せながらある種身構えて観始めることになる。だが、もしそれらがすべて演出だとしたらどうだろうか。この映画を最大限に盛り上げるための要素として彼らが利用しているとしたら。北欧映画のこれからが楽しみだ。

 

衝撃、北欧、ソ連

ヒトラーを欺いた黄色い星

ドキュメンタリー映画にも近いこの映画は、当人たちが当時を振り返って回想する形で展開される。だからもちろんこれは実話だ。第二次世界大戦のベルリン。つまりナチス・ドイツの本拠地たるこの場所で、なんとホロコーストの対象であるユダヤ人がその身分を隠して生き延びたというのである。しかもその数がすごい。実に1500人である。だが、7000人いたはずの彼らの数を考えると、生き残ったのは5分の1やその程度。その他の人たちは皆死んでしまったのである。

 

それでもあの地獄の中心地でそれだけ生き残るのはすごい。『シンドラーのリスト』『戦場のピアニスト』を含め、ナチスのホロコーストの映画は多くあるが、ナチスはユダヤ人を見つけたら迷うことなく頭に銃弾を撃ち込み、街中で平気で命を奪っていた。それまでその人のドラマがどれだけ波乱に満ちていて、どれだけその人を愛する人がいても関係なく、引き金を軽く引いて終わりだ。その機会的な行動を客観視していると、本当に今人が死んだのかどうか疑いすらしてしまう。

 

いやまさかな。そんなはずないよ。

 

我々が生きていて植え付けられてきた一切の常識が通用しないのだ。そういう光景が何度も繰り広げられる。だからそこにあるのは現実じゃない。『地獄』なんだ。多くの人がその状況に『現実ではないこの世界のどこか(地獄)』を想像したに違いない。

 

では、彼らは一体どうやってその地獄を生き抜いてきたというのか。

 

ドイツ、ホロコースト、実話、騙し通せ

『フライ・ボーイズ

第一次世界大戦というのは、はじめて戦争に飛行機が導入された戦争だ。アメリカのライト兄弟は、1903年12月17日に飛行機(動力を備えた重航空機)「ライトフライヤー号」による世界初の本格的な有人飛行を行った。彼らは別に戦争でこの飛行機を使ってほしいと思っていたわけではなかった。彼らはただ、空を飛んでみたかっただけだったのだ。

 

その後、何人かの技術者の手によって、飛行機の活用方法に様々な選択肢が与えらていった。第一次世界大戦では、飛行機は最初偵察機として使用された。当初敵の偵察機と遭遇しても「同じパイロット仲間同志」としてハンカチを振り合ったという逸話があるが、すぐにピストルを撃ち合うようになり、武器自体も機関銃へと進化して戦闘機が生まれた。また敵地上空まで飛んでいって爆弾を落とす爆撃機も誕生した。イギリスは世界最初の雷撃機を製造した。ライト兄弟の弟オーヴィルは、第二次世界大戦で飛行機が戦争に使われ、自分の人生を後悔したという。

 

さてこの大戦で、アメリカ合衆国が未だ参戦を決めかねていた時期に、様々な事情から外人部隊としてフランス空軍に志願入隊し、ドイツ軍と戦ったアメリカ人の若者たちがいた。彼らの所属した実在の中隊「ラファイエット戦闘機隊」は実在する部隊だ。同じように戦闘機乗りを描いた『メンフィス・ベル』よりも人間ドラマが多く描かれるので、それよりは見やすい映画となっているだろう。

 

実話、第一次世界大戦、戦争、アメリカ

『グレートグローリー 大いなる勝利のために』

これはメキシコの歴史を描いたメキシコ映画なので、Wikipediaにも詳細がなく、タイトルも『大いなる勝利のために メキシコ革命1926』だったりして、ちゃんと定まっていない。だが、内容はなかなかスリリングで見応えがある。何しろ実話ベースなのだから緊張感が違う。メキシコの歴史というのも珍しいからそれだけで十分歴史的価値があると言えるだろう。

 

舞台は『クリステロ戦争』。1926年に始まり1929年に終了したメキシコでの反動的革命運動、白色テロ、宗教的迫害である。クリステロ反乱とも言う。これがクリステロの旗だ。

 

 

クリステロの意味は調べたがちゃんと出てこない。スペイン語だが、映画を観て状況を考えるに、クリスチャンが関係する言葉だろう。wikipediaを見てみよう。

1917年、ベヌスティアーノ・カランサが大統領の時に新しい憲法(英語版)が制定されたが、それは政教分離に基づき「国家が宗教に優先する」というカトリック教会には厳しい内容であった(第130条)。教会や神学校は閉鎖された。1924年に、プルタルコ・エリアス・カリェスが大統領となると、無神論者でフリーメイソンだった彼は教会を敵視し、1926年6月に教会の政府登録を義務付け、違反者の罰則を強化したカリェス法を制定し、次々と教会財産を没収していった。

 

大統領がキリスト教が嫌いだったのでそれを迫害したということだ。私もどちらかというとそっち側だが、もし権力を持ったとしてもそういう強制的なことはやらない。『じゃあ何が良いというんだ』という問いに答える為に、その答えを提示し、それを見てもらうことはするだろうが、人間の心底まで深く入り込んで一体化した宗教を、その人の中から引っこ抜くことは、その人の死を意味する場合が多く、それはつまり殺人である。

 

いや、私に親がしたことも殺人だ。私はクリスチャンでも、はたまたムスリムでもユダヤ人でも仏教徒でも、神道、儒教、ヒンズー教とも関係ない『無宗教者』である。だが、『無神論者、フリーメイソン』とは全く違う存在だ。それに関しては下記の記事に書いた。とにかくその私にクリスチャンであることを強要した両親は、それが殺人罪に等しいことを自覚する必要がある。

 

『世界平和の実現に必要なのは『真理=愛=神』の図式への理解だ。』

 

それはさておき、この映画ではクリステロ戦争の英雄エンリケ・ゴロスティエータが活躍する。『アンタッチャブル』、『ブラックレイン』、『ゴッドファーザー』その他数々の名作に出演するアンディ・ガルシアがその役を務め、どこかで聴いたことがあるスリリングなBGMと共に、緊張感のある戦闘を展開。彼らは宗教の自由の為に、独裁政治に抗うのであった。

 

 

実話、宗教、革命、南米

『ナチスの墓標 レニングラード捕虜収容所』

ナチスが支配したユダヤ人に対するホロコーストの話や、収容所の理不尽な話はたくさんあるし、ソ連のホロコーストの話もある。『ヒトラーと戦った22日間』がそうだ。その場合はソ連人のユダヤ人が捕まった話である。だがこの場合、捕まっているのはナチスだ。ドイツ人がソ連人に捕まっている。つまり時代は1946年、第二次世界大戦が終わり、ドイツや日本といった帝国主義国家の敗北が決定した後の出来事である。

 

更に状況が珍しいのは、男性の囚人であるのに看守が女性であるということだ。ではその場合、看守と囚人との間には一体どんなことが起こるだろうか。

 

実話、ソ連、

『地獄の中の戦場 -ワルシャワ蜂起1944-』

通常の『ワルシャワ蜂起』とは、1944年の第二次世界大戦後期、ナチス・ドイツ占領下のポーランドの首都ワルシャワで起こった武装蜂起である。ソ連の援軍が到着したことにより、ポーランドのレジスタンスと合流し、ナチスを追い払う。当時、『ソ連軍が来る』というのは一つのキーワードで、彼らが到着したら地獄のようなナチスのの支配生活から解放されることを意味していた。

 

だが、今回の場合は違った。『ワルシャワ蜂起』の戦争に勝ったのはドイツ側だった。どうもソ連の動きがおかしい。実はこのワルシャワ蜂起は、ポーランド亡命政府主導の組織を壊滅させるための、ソ連の意図的な陰謀であったという説すらある。

 

それから3年後の1947年、ポーランドには反動分子たちが森に潜み、繰り返し抵抗を続けていた。国は公安省に「反動分子を1人残らず消せ」と命を下す。一体どういうことなのか。この戦いの背景には一体どんな真実が隠されているのか。

 

実話、北欧、戦争

ヒトラーと戦った22日間』

1943年9月、第二次世界大戦中にナチスが支配するあのアウシュビッツ強制収容所に並ぶ地獄と言われた『ソビボル強制収容所』で、ソ連人たちがホロコーストに遭っていた。ソ連軍の軍人アレクサンドル・ペチェルスキーがは、そこにいる人々を鼓舞して指導するだけの実力を持っていたが、気が進まないようだ。だが、一人死に、二人死んでいくのを目の当たりにする。囚人を人間のクズのように扱うナチス。次第に、彼の心境が変わっていった。そしてそれは起こった。それは彼が収容されてから22日後に起きたことだった。

 

ソ連、ホロコースト(シンドラー、千畝、ディファイアンス、ジェイコブ、ピアニスト、動物園)衝撃、収容所、ミッションインポッシブル、非凡

アフガンレポート

2006年9月、タリバンとの戦いが泥沼化の一途をたどるアフガニスタンの山岳地帯で、パトロール中のイギリス人兵士が地雷を踏んで重傷を負った。その時代は80年代にロシア軍が撒いたものだ。地雷を食らったらもう終わりだ。足がなくなる。だが、戦場から無傷で帰れる方が奇跡だ。皆で彼を全力でフォローしながら治療する。だが、ほどなくして彼らは、実はとんでもない場所に迷い込んでしまったことを思い知る。

 

実話、戦争、アフガンの悲劇(カンダハール)様々な戦場、イギリス

オペレーション・クロマイト

朝鮮戦争時、苦戦していた韓国の起死回生の作戦となった仁川上陸作戦、通称・クロマイト作戦とその準備段階となったスパイ活動を映画化。朝鮮戦争というのは、北が現在の北朝鮮、南が大韓民国になるわけだが、この戦争が起こる前は『朝鮮』という一つの国だった。この戦争が起きた背景にも米ソ冷戦が関与していて、

 

  • 北(共産主義):ソ連・中国・北朝鮮
  • 南(資本主義):アメリカ・韓国・イギリス

 

という状況で戦争を勃発。したがって、この戦争で韓国についたのはアメリカ。ということで、ここには日本でもお馴染みの、国連軍の全指揮権を握る連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーの姿があった。マッカーサーの指示で戦局を打開するため、仁川への上陸作戦を計画。しかしそれはなかなかの『ミッションインポッシブル(達成不可能な任務)』だった。

 

[仁川市北西部(レッドビーチ)の防潮堤を越える海兵隊]

 

果たして、彼らは無事に任務を遂行し、生き延びることができるか。

 

朝鮮、ミッションインポッシブル(MI、ザ・ハント、のぼう、グレバト、戦争系)実話、戦争