『フルメタル・ジャケット』　レビュー（感想）と考察

『フルメタル・ジャケット』

ポスター画像出典：『映画.com』

『フルメタル・ジャケット』（英語: Full Metal Jacket）は、1987年に製作されたアメリカ・イギリス合作映画で、ベトナム戦争を題材にした戦争映画。監督はスタンリー・キューブリック。原題の直訳は『完全被甲弾』となり、弾体の鉛を銅などで覆った弾丸のことである。

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『レビュー（感想）と考察』

この映画の主人公は一人ではない。どう考えたって、前半と後半で雲行きが違う。いや、確かに全体的には戦争という歪んだ現実に対する風刺である。悪く言えば大げさなのだが、これは映画だ。そういうエンターテインメントが観客を大いに喜ばせる。その意味で、やはりスタンリー・キューブリックという人間は、鬼才である。1957年の『突撃』と並び「反戦映画」と称される事があるが、キューブリック監督自身には本作と『突撃』いずれにも「反戦映画」という意識はないという。

また、作中に流れるミッキーマウスマーチだが、これはこのベトナム戦争を継続し続けたニクソン大統領を、あのウォルトディズニーが支援していたということで、『ベトナム戦争はニクソンもウォルトディズニーも応援する活動だ』というメッセージに見えるが、この話を聞くとこの映画が反戦映画ではないということなので、そこにメッセージ性はないだろう。だが彼は常に、『生のカオスを描きたい』とか、『戦争そのものを描きたい』として、真実の描写にこだわりがあったようで、

という図式を考えた時、やはりこれはある種の風刺なのかもしれない。『ほほえみデブ』の狂気は映画史に残る伝説となった。またこの教官だが、当初、訓練教官役への演技指導のために、海兵隊の訓練教官を務めた経験のあるこの男が選ばれた。しかしその迫力が余りにも生々しく圧倒的だったため、自ら訓練教官を演じることになったという。

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