『チェイシング/追跡』
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※検索したら『年間700本』という人が一番っぽかったから、皆様に映画への熱意をお伝えするためにとりあえずその人以上の数字を出しただけです・・
『チェイシング/追跡』(チェイシング/ついせき、Tenderness)は2009年のアメリカ合衆国の映画。原作はロバート・コーミアの小説『心やさしく』。
監督 | ジョン・ポルソン |
---|---|
脚本 | エミール・スターン |
原作 | ロバート・コーミア 『心やさしく』 |
製作 | ジョン・ペノッティ ハワード・メルツァー チャールズ・ランドルフ |
製作総指揮 | ジョン・アレン ジェイナ・エデルバウム スコット・ハンソン フィッシャー・スティーヴンス ティム・ウィリアムズ |
出演者 | ラッセル・クロウ ジョン・フォスター ソフィー・トラウブ |
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『どんな人におすすめ?』
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『レビュー(感想)と考察』
この映画がヤフー映画で『★2』という体評価になっている。内容を見ると、全く的外れな意見が並べられている。ただ、ヤフー映画のレビューというのは一つの参考になる。だから別にこのプラットフォームは存在し続けてもいい。もちろん信憑性とは別の問題である。要は、『難しすぎると万人受けしない』のだ。
ゲーテは言った。
この映画は洞察力がない人間には見極めることはできない。考え方が偏っている人間、人の気持ちに寄り添えない自分本位な人間、そして、表層に支配されているような浅薄な人間には見極めることはできない。
※ここからネタバレあり
この映画の評価について検索するとすこぶる評価が低く、その理由に『意味不明』とか『肩透かし感』というのがある。 私はたまたまこの映画が言いたいことがわかるのでネタバレありで書く。『ヴィレッジ』も同じようなことを言う人がいたが、『LUCY』然り、まず作家や監督はホラーやパニックものでなく真剣にやっている限り、意味不明なものは世に出さない。必ずメッセージがあり、それを読み解くのも映画の楽しみの一つである。
まず理解したいのは、『この世は自分が思っているよりよほど広い』ということ。自分だけの価値観で考えるとそこには限界がある。ここで押さえたいのは『カフカ』という人物だ。『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』という本がありその本では冒頭にゲーテのこういう言葉がある。
『希望は誰にでもある。何事においても絶望するよりは、希望を持つほうがいい。先のことなど誰にもわからないのだから』
多くの人に響くだろう。だが次のページにあるのがカフカのこの言葉だ。
『ああ、希望はたっぷりあります。無限に多くの希望があります。‥ただ、ぼくらのためにはないんです。』
カフカはゲーテと違ってとても悲観的な考え方をする人物だった。やはり、相田みつをの言葉のように、明るい方が多くの人の好みである。アメリカでも話題にならず、日本では劇場未公開に終わり、評価が低いこの作品。確かにそういう気配がある映画だ。だが同時に、とても真剣なのである。
ある少女には自殺願望があった。だからたまたま知った殺人鬼に自分を殺してほしかった。このあたりの描写やラストシーンに首をかしげる人がいる。彼女は最初から殺人鬼だと知っていたのに、なぜその目撃シーンを最後に持ってくるのか分からないというのだ。 そして殺人鬼を追う刑事の病気の妻などの暗いシーンなど、様々な意味不明な場面があって、全体的な評価が低くなっている。 だが、こう考えられないだろうか。
刑事が執拗に彼を追うのは、『命の重さ』を思い知る人生を生きているからだ。だが、その対極として少女は、この人生に生きる意味を見失っていて、死にたいと思っていた。
殺人鬼を目撃したとき、
この人なら自分の目的を叶えてくれる
と思った。最後の呆然と見るシーンは、彼女が彼を、『自分の人生の救世主』として見たからだ。ちょうど女性をゆっくりと川に流すシーンは、『おくりびと』かのようにも見える。 命の重さを知る刑事と、人生の意義を見失った彼女を登場させることで映画全体で『命』について熟考させられることになる。 だとしたらすべての描写やシーンには意味があるのだ。
世の中は広い。自分の目で見た世界がこの世の全てだと思っているのであれば、それは完全な独りよがりの勘違いだ。 自殺はだめだ。だが、16歳という年齢の未熟な人間が、周囲に話し相手がいない中こうした方向に逸れることは、十分にあり得ることである。 私には道を逸れる人間の気持ちがわかる。あまりにも深いテーマについて描いた映画や記事、思想や考え方は多くの人の理解を得られない。それも私のよく知るところである。 だが、熟考したい。そうでなければ、真実は見えない。あまりにも長い間人間が、天動説を信じていたように。
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