『七人の侍』
ポスター画像出典:『映画.com』
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※検索したら『年間700本』という人が一番っぽかったから、皆様に映画への熱意をお伝えするためにとりあえずその人以上の数字を出しただけです・・
『七人の侍』(しちにんのさむらい)は、1954年に公開された日本の時代劇映画である。監督は黒澤明、主演は三船敏郎と志村喬。モノクロ、スタンダードサイズ、207分。日本の戦国時代の天正年間(劇中の台詞によると1586年)を舞台とし、野武士の略奪に悩む百姓に雇われた7人の侍が、身分差による軋轢を乗り越えながら協力して野武士の襲撃から村を守るという物語である。
監督 | 黒澤明 |
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脚本 | 黒澤明 橋本忍 小国英雄 |
製作 | 本木莊二郎 |
出演者 | 三船敏郎 志村喬 津島恵子 木村功 加東大介 宮口精二 稲葉義男 千秋実 土屋嘉男 藤原釜足 |
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『どんな人におすすめ?』
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『レビュー(感想)と考察』
この映画を過大評価する人が多いように見受けられる。これを本当に現代の人が観て大絶賛するのだろうか。私は、よくいる『名作を褒めると通っぽく見える』という馬鹿が意味も分からず評価しているようにしか思えなかった。映画『ボディガード』では、ケビンコスナーの役がこの映画を何十回も観たと言うし、黒澤映画は世界の映画だ。『世界で有名な日本人』のトップ10には、尾田栄一郎、鳥山明、宮崎駿などが名を連ねるが、黒澤明は亡くなっているにもかかわらず鳥山明よりも上の『4位』という認知度だ。
映画評論をするyoutubeの動画でも黒澤映画と『アベンジャーズ』の映画を比べている外国人がいて、前者の描写や背景には意味があるが、後者には意味がないと酷評。とにかくこの映画を称賛しない時が済まないという雰囲気がまかり通っていて、だからこそ私も今の今まで観ないで取っておいたのだ。映画がわかるようになってからたっぷりと楽しみたいと。
だが、過大評価なんじゃないだろうか。まず音声がモノラルで聞こえづらく、昔の喋り方や訛りで何を言ってるか分からない。話が無駄に長いような気もする。3時間だ。確かに命の使い方を悟った男たちの話ではあるが、演出からなにから、アベンジャーズのエンドゲームでのアイアンマンの最期の方が、私には心が動かされたのが事実だ。
そこで考えたのだが、もしかするとこれは『外国人が字幕で観る』方が伝わりやすいのではないだろうか。外国人は、日本に対し畏怖と称賛の念を向ける。日本という国は唯一『神道』という宗教を重んじていて、恥をかいて生き永らえるくらいなら自らの命を絶つ。アメリカの文化人類学者ルーズ・ベネディクトは、『菊と刀』という著書の中で、
『欧米の文化=罪の文化。日本の文化=恥の文化』
という表現をしている。日本人が失敗し、恥をかき、誇りを失う結果になるぐらいなら、切腹によって自ら自決する。そういう思想と行動は、欧米人から見て不気味の一言だった。そして、『侍、忍者』という世界規模のキーワード。『東洋の奇跡』と言われた日露戦争における東郷平八郎の『東郷ターン』に、その戦争での大国ロシアへの勝利。そして、第二次世界大戦では日独伊三国同盟で世界的悪役となり、悪い意味でも大きな爪痕を残した。そして、世界で唯一核爆弾を落とされ、そしてその後の復興でGDPを世界2位まで上昇させ、二度目の『東洋の奇跡』を果たす。この計り知れない潜在能力を持つ日本人の『血』を形成した武士が生きる時代の、『武士道精神』というのは、全世界の男たちの心を鷲掴みにする。
そして字幕だ。あれなら『何を話したか』を聞き逃すことはない。自分たちの国の言葉に置き換えられて翻訳された分かりやすい言葉の一つ一つに無駄がなく、説得力がある。更には時代だ。白黒映画が当然だった時代なら、別に現代人が感じる違和感は感じない。そういう、いくつかの要素が重なり合ったこと、またあるいは、その当時の時代にあったその他の映画と比べ、『唯一無二』の独創的な路線が描かれ、そこに黒澤明の『劇中で読まない手紙の中まで作りこむ』ような細部への徹底ぶりが加わり、この映画を総合的に引き上げたのではないだろうか。
だからこの映画をリメイクして『荒野の七人』、『マグニフィセントセブン』という作品が作られるわけだ。私から見るとそっちの方が見やすかった。それらの映画を先に観ているから、七人の侍の大体の流れが分かったほどである。だが、確かにそっちの映画を観ると、とても見応えのあるシナリオだ。名もなき男たちが、自分が信じる信念の為に命を張り、生き永らえるくらいならと、負け戦でも戦いから逃げない。シナリオ自体は、世界に通用する素晴らしいものだ。
そして、黒澤映画を批判するわけではない。彼の他の映画を観たが、実は映画を観る時、多くの映画を観たせいか大体の流れが分かってしまうものは『ながら見』をすることがあるのだが、『蜘蛛巣城』、『乱』あたりの映画は、私にそれをさせなかった。思わずテレビの真正面に私を座らせる、そういう力を持っていたのだ。だから彼の映画の実力は十二分にあると言っていい。
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