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電化製品に含まれるレアメタル(希少金属)とは?リサイクル法が施行された意味

電化製品に含まれるレアメタル(希少金属)とは?リサイクル法が施行された意味を考える

 

リサイクル家電を回収する理由には、その中に含まれている希少金属のリサイクルをすることも一つの理由です。エアコンやパソコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビにはどういう希少金属が含まれているのか、確認してみましょう。

 

都市鉱山とは?日本は『資源大国』だった。

日本はある意味で資源大国と言うことができます。それは都市鉱山の存在があるからです。都市鉱山とは家電製品などの廃棄物の中に含まれる貴金属やレアメタルを、鉱山として表現したもので、もちろん本物の鉱山の事ではありません。都市鉱山の代表例は、廃棄された携帯電話やパソコンです。例えばこうした電気機器の回路には接点に金が含まれています。バッテリーにはリチウムなどのレアメタルが含まれていますし、配線には銅が使用されています。1台1台に使用されている貴金属は少量でも、廃棄物として大量にある場合、結果として大量の貴金属やレアメタルが含まれていると言え、それを鉱山と言うことができるのです。都市鉱山には本物の鉱山と比較していくつものメリットがあります。例えば、本物の鉱山は金脈や鉱脈を探して採掘していく必要があります。しかし都市鉱山であれば探す手間は必要ありません。家電製品の廃棄物そのものが金脈・鉱脈となるからです。本物の鉱山から採掘される金属は純度が低いため、加工して製品として使用できるよう純度を高める精錬が必要となります。

 

一方、都市鉱山から入手できる貴金属やレアメタルは、すでに加工されているため高品位であることが特徴です。精錬の必要もないため、コストも低いといえますし、環境にも優しいわけです。本物の鉱山ですと、採掘の際にどうしても環境破壊が問題となります。鉱毒という言葉をご存じの方も多いかと思います。現在でも鉱毒は引き続き発生しており、鉱毒を中和する施設に多額の税金が使用されています。都市鉱山であれば、もちろん鉱毒の心配はありません。では日本の都市鉱山には、どのくらいの埋蔵量があるのでしょうか?

 

チェックポイント

研究によると、日本の都市鉱山には6,800トンの金が埋蔵されているということです。世界の金埋蔵量が約42,000トンですから、日本の都市鉱山には全体の16%近くの金が埋蔵されていることになります。貴金属だけでなく、金属も都市鉱山から入手することができます。例えば日本の都市鉱山には銅が3,800万トン、アルミニウムが6,000万トン埋蔵されていると報告されています。こうした埋蔵量は世界の金属需要を2年以上まかなえるほどの規模です。しかし近年、こうした都市鉱山が通常の廃棄物として安価に途上国などに輸出されたり、違法な不法投棄をされているのが原状です。廃家電が出る場合には日本の都市鉱山を生かすためにも、信頼のおけるリサイクル・リユース業者、又は販売メーカーに家電の回収を依頼するようにしましょう。

 

レアメタルとは?

レアメタルとは産出量が極端に少ない金属のことです。いっとき中国の輸出規制によって話題になったレアアースは、レアメタルの一部の元素のことで現代では電子機器には欠かせない物質です。添加材として利用することで強度を上げることができたり、構造素材を錆びにくくするという働きがあります。発行ダイオードや電池などの電子機器にも利用されていますし、光触媒などの機能性素材としていも利用価値があります。現代社会では利用範囲が広く利用価値が高いので、輸出禁止のニュースで頭を抱えた企業人も多くいました。しかし、代替え製品が発見されたり、他地域からの輸入の可能性もあることから不足問題はひとまず沈静化しています。

 

レアメタルとは産出量が極端に少ない金属のことです。産出量が少ないにもかかわらず電化製品などに必須の金属ですので、資源の確保が急務になっています。 日本には都市鉱山があると言われています。都市鉱山とは本物の鉱山ではなく、家電廃棄物に含まれているレアメタルなどのことを指しています。もちろん、洗濯機にもレアメタルが含まれています。レアメタルとは携帯電話や冷蔵庫などの電子機器に含まれる希少金属のことです。さまざまな理由によって市場への流通が非常に少ないため、より価値の高い金属とされています。代表的なものとしてはリチウムやコバルト、セシウムやプラチナなどが挙げられます。また、レアメタルは「産業のビタミン」と呼ばれるように、工業生産活動に必要不可欠な元素です。そのため、先進国だけでなく急激な経済成長を果たしているアジアの新興国を中心に需要が大変高まっており、コストも増大しています。そのため、レアメタルの安定供給のためには、なるべく多くの産出地と契約し、リスクを分散するだけでなく、代替技術の開発や備蓄、そしてリサイクル技術を発展させることが大変重要となっています。

 

エアコンに含まれる金属とは?

エアコンに含まれるレアメタルは微量でも不足すれば製品が成り立たなくなります。輸出制限がされていて世界的に不足傾向にあることから価格も高騰しています。この影響はエアコンの価格に反映していて。家庭用の製品の価格の値上げが各社で検討されています。問題は、希少価値が高すすぎることであり、日本はほぼ輸入に頼っているという点です。ただし、リサイクル活動は日本が多くの国に先駆けてに推進しています。エアコンに含まれるレアメタルのリサイクルはこの希少金属を含む使用済のエアコンが大量に排出されることで前進すると考えられています。できるだけ多くの量を確保することができれば、回収確率が低いとしても、まとまることで大きな財産を得ることができるのです。

 

また、レアメタルはコンプレッサに最も多く使用されています。多いといっても極微量にはかかわりのない状態なので、そのため廃棄処分とする製品の中から利用価値の高いこれらの物質を取り出すための取り組みも行われています。しかし、まだ費用効率が悪いため現状ではレアメタルが再利用できる見通しは遠いと考えられていて、商売として成り立つ目途は遠いのですが、今後を見据えたとき、このような方法でまずは量を確保することが大きな問題となっています。まずは経済的活動して成り立つ方策を実現すること、対策を立てて実現させることが大切になります。また、早期に代替品の発見、開発も必要とされています。世界的に不足傾向にある以上、多方面からの対策ほ考えることが必要なのです。経済的見通しが立つのが早いか、代替品の発見が早いかいずれにしろエアコンをはじめ電子機器には必要不可欠な金属であることは間違いないのです。

 

パソコンに含まれる金属とは?

いらなくなったパソコンを無料で回収している業者があるのをご存じでしょうか?しかも故障して、もはや動かなくなってしまったパソコンでも、無料で引き取ってくれる業者があります。何か無料で使えなくなったパソコンを回収してくれると言うと、損をしているのではないかと思う人もいるでしょう。

 

チェックポイント

実は、たとえパソコンとして使えなくなってしまっていても、まだまだほかに形を変えて利用できる可能性があります。パソコン回収業者は、使えなくなったパソコンを回収すると、分解をします。そして原料ごとに分けていきます。この原材料を業者に売り渡すことで、利益を上げているのです。いろいろな原料でパソコンは構成されているのですが、一つ注目されている材料があります。それが、レアメタルと呼ばれる原料です。ニュースなどで紹介されることもありますので、レアメタルという物質の名前は聞いたことがあると言う人もいるかもしれません。

 

レアメタルという名前からも分かるように、希少金属のことを指します。希少金属なのですが、工業の世界では多種多様な所で使用されています。例えば、自動車の中にも、レアメタルは使用されています。現在の自動車のフォルムを見てみると、優雅さを感じさせるようなしなやかな曲線ボディのものが多いです。このしなやかな曲線美を表現できるのは、ニオブと呼ばれるレアメタルのおかげと言われています。他にもモーターが高性能になったことで、燃費の良いハイブリッドカーを提供することができます。このモーターの高性能を支えているのが、ネイジムやジスプロシウムと呼ばれる物質でレアメタルの一種です。このように自動車一つとってみても、レアメタルの需要は大変高いのです。その他にも携帯電話をはじめとした電子材料の世界でもニーズは高いです。エネルギー産業の世界からも注目を集めています。いろいろな業界からのニーズが高いため、レアメタルの価格は急騰していると言われています。

 

レアメタルの種類によっては、ここ10年間でグラム当たりの価格が10倍にも急騰しているようなものもあると言われています。パソコンの中に含まれているレアメタルを取り出すことができれば、高値で売却できるわけです。もしパソコンが不要になったのであれば、パソコン専門の回収業者に処分の依頼をしましょう。そうすれば、無料で引き取ってくれる場合があります。無料と言われると何かウラがあるのではと疑ってかかる人もいるかもしれませんが、上の事情を知れば納得できるのではないでしょうか?

 

 

冷蔵庫に含まれる金属とは?

どのくらいのレアメタルが冷蔵庫には含まれていて、それらはどんな目的のもとに回収が行われているのでしょうか。一般的にはあまり知られていませんが、日本はこのレアメタルの宝庫であると言われています。電子機器が非常にたくさん使用されているため、そこに含まれているレアメタルを集めれば相当の資源となるのです。概算ではあるものの、日本の都市鉱山には金6800トン、レアメタルであるインジウムは1700トン、タンタル4400トンなどがあると言われているのです。なんと世界のインジウムの60%以上、タンタルの10%が日本にあるということになります。冷蔵庫などにもこれらのレアメタルは使用されていますが、この都市鉱山を本当の資源と考えるなら世界でも有数の資源国家ということになるでしょう。資源の少ない日本としては利用しない手はありません。

 

しかし現実問題として現在の日本はこのレアメタルを輸入しています。しかもその多くが中国など一国から輸入しているため、その国との友好関係が崩れてしまった時にすぐレアメタルの使用が困難になってしまうという問題が生じてきました。そこで現在ではより多くのレアメタルをリサイクルによって取り出し、輸入に頼る方法を変えようという活動が活発化してきています。もし自国でレアメタルを調達することができれば輸入に頼ることなく安定した供給源を手に入れることができるからです。そうなるためにはやはり冷蔵庫の回収とリサイクルをもっと徹底的に行うことが求められていくことになりそうです。このようにレアメタルのことについて考えると、冷蔵庫のリサイクルにも真剣さが加わるに違いありません。自分がリサイクルをきちんとすることが国家の益になるということが分かっているのですから、是非とも協力して冷蔵庫を回収してもらうようにしたいものです。そのようにしてより地球にやさしい国家へと成長していくことができるに違いありません。

 

 

洗濯機に含まれる金属とは?

モーターのついていない洗濯機はまずありません。洗濯機のモーターは、一般家庭にある家電製品のなかで最も強力なものです。この強力なモーターの製造に必須なのが、強力な磁石です。そして強力な磁石を作るためにはネオジム(Nd)が必要なのです。ネオジムは鉄などと化合させることにより、強力な磁石となります。洗濯機に必要なモーターには必須であるだけでなく、最近普及が著しいドラム式洗濯機の小型化に大きな役割を果たしています。このネオジムですが、中国からの輸入に頼っているのが現状です。このため中国政府がレアメタルの輸出を制限した時、価格が急騰しました。中国への依存状態を改善するためにも、洗濯機は回収して、モーターに含まれるネオジムは再利用したいものです。しかしやはり中国からの輸入に依存しているのが、洗濯機のモーターに使用されているジスプロシウム(Dy)です。ジスプロシウムは前述のネオジム磁石を作成する過程で必須となる元素です。特にネオジム磁石の強力な磁力をキープするために添加されています。ジスプロシウムも100%中国からの輸入に依存していますので、日本政府は希少金属代替材料開発プロジェクトにジスプロシウムを指定して、資源の節約に力を入れています。もちろん私たちも洗濯機を回収させてもらうことにより、ジスプロシウムの再資源化に貢献したいと思います。

 

洗濯機の洗濯槽は、ステンレスでできていることが多いといえるでしょう。もちろんステンレスはレアメタルではありません。しかしステンレスは、錆びにくくするため鉄にニッケル(Ni)やクローム(Cr)やを加えた合金です。このクロムやニッケルは立派なレアメタルです。クロムを産出するクロム鉱山は南アフリカ、カザフスタンなどに数えるほどしかありません。またニッケルですが、ロシア、カナダ、インドネシアからの輸入に100%依存している特徴があります。日本政府も危機感を抱いており、ニッケルについては官民で備蓄を進めているほどです。洗濯機も可能な限り回収してもらい、レアメタルの再資源化に貢献したいところです。

 

 

テレビに含まれる金属とは?

テレビには、多数のレアメタルが使用されています。レアメタルとは、自然界に存在する希少金属であり、明確な定義はされていませんが、経済産業省ではリチウム、ベレレスム、ホウ素、白金などの47元素をレアメタルに指定しています。このうち17元素は、近年中国が日本に対して輸出規制を行ったレアアースと呼ばれる希土類元素であり、産出地が遍在していることや、環境問題から先進国では発掘しにくいことから、中国やアフリカ、ロシアなど特定の地域からの輸入に依存しています。そのため、中国の例にもあるように、各国の経済情勢や政情不安などによって入手困難となる場合もあります。2001年4月に施行された家電リサイクル法では、廃棄物処理の問題から、家庭でよく使用されているテレビ・冷蔵庫・エアコン・洗濯機の4大家電がリサイクルを義務付けられました。その主な目的としては、埋立による廃棄物処理によって自然への負荷が大きくなることを防ぐためでもありますが(使用済みのレアメタルには、水銀、鉛、カドミウムなど、環境にとって有害な物質が多く含まれています)、上記にあげたように、日本ではほとんど発掘されない希少鉱物であるレアメタルの安定供給を図ることがあげられます。

 

経済の活性化のためには新しい製品をどんどん生産して販売することも大切ですが、同時にリサイクル技術を発展させ、なるべく海外に依存せず製品を再生産できるようになることも大切です。また、リサイクルだけでなく、同じものをなるべく長く使用するリデュースや、一部を修理して再度使用できるようにするリユースも環境保護の観点からは非常に重要であり、廃棄物を必要以上に出さないよう、一人一人が心がける必要があります。