ベルネ『貧困は、人生という海の砂州であり、冨は岩壁である。幸福な人々は、その間をすり抜けて船を操っていく。』
ドイツの作家 ベルネ(画像)
『砂州』とは、砂浜である。『岸壁』とは、周知のとおりである。その間を流れる、『川の様な海』を想像するとわかりやすい。
砂州に乗り上げると、身動きが取れなくなる。そこから海に出ることに気を取られ、人生を前に進めることが出来ない。岸壁に船をぶつけてしまうと、同じく身動きが取れなくなる。 猛々しく厳然たる出で立ちに騙され、浅はかな気持ちで吸い寄せられると、せっかくの船が破綻してしまうこともある。
つまり、『富』に自分の船の舵をコントロールされ、乗っ取られてしまうと、行くべき道を行けなくなる。金は天国に持っていけないのだ。そのことについて、じっくりと考えなければならない。
お金は人間が作ったものであって、人間を支配するものではあってはならない。つまり、『お金が無いから不幸』、『お金があるから幸福』という考え方をしてしまう時点で、それはすでにお金依存してしまっていて、お金の価値に重きを置き過ぎてしまっていることになる。
ただし、そうは言ってもそこに人間がいて、欲望がある限り、お金に支配される人間は次々と現れるだろう。その理由の一つは、『寿命が短い』からだ。つまり、どんな人間でも失敗や経験を積み重ねれば精神が熟達し、悟りの境地を達観することができる。だが、人間に与えられた時間には限りがあり、その境地に辿り着くまでに命が終わってしまうのだ。
従って、結果的に常にこの世に存在するのは、『達観までには至らないその他大勢の人』ということになる。その人々らがいる限り、この世からお金に支配される人間がいなくなることはないだろう。
そう考えると求められているのは、『有限の時間の使い方』だ。
ドイツの小説家、ジャン・パウルは言った。
『人生は一冊の書物によく似ている愚かな者はそれをパラパラとめくっているが、 賢い者はそれを念入りに読むなぜなら彼は、ただ一度しかそれを読めないことを、知っているからだ。』
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著者:一瀬雄治(Yuji ichise.)
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