真実の瞬間
■著者:ヤン・カールソン
サービス業だけではない。
すべての企業にとって、『真実の瞬間』は、ある。
それこそが、企業の試金石なのだ。
私は実際にサービス業を営む身だが、当社でも再三再四、従業員にこう言っている。
『ビデオ屋のバイトになるな。』
よくこういう人がいるだろう。
『~っていうDVDありますか?』
というこちらの質問に対し、目も合わせずに
『そこに出てなけりゃないですねー』
という人が。
彼らはアルバイトだといえど、せめてもう一歩お客の気持ちに近づけなかったか。
一緒に陳列棚を見て、カウンターの在庫も確認して、
最前は電話でどこかに確認する姿勢を見せて初めて、
お客の心に配慮したと言えるのではないだろうか。
当社では彼らのように、決められたマニュアル以外のことをやるつもりはない
『台本思考』の人間は認めていない。
その逆である『アドリブ思考』。
いや、一人一人のお客のニーズに誠意をもって応える『カスタマイズ思考』でなければ、
サービス業の名前を語る資格はないのだ。