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ソクラテス『私が弁明するのは、自分の為でなく、むしろ皆さんの為なのだ』

古代ギリシャ哲学者 ソクラテス画像

内省

悪法に殺されたソクラテス。見る目の無い人々に死に追いやられたソクラテス。冤罪で処刑されたソクラテス。もちろん、ソクラテス以外の、全てのこれに当てはまる人の命。もう十分だろう。こんなことがまかり通ってしまう世の中では、 どんな災難が起きても、被害者ヅラをすることは出来ない。

 

自分が蒔いた種だ。自分たちが蒔いた種だ。もし、『自分は何もしていない。ただ見ていただけだ。だから私に罪はない。』と思う人がいるなら、試しに『共犯』で逮捕された人間がどれだけいるか調べてみるといい。

 

『共犯』とは、『そこにいる』だけで罪になることがあり、そして時には『主犯』よりも刑が重くなることがある。なぜだろうか。それは、『責任』である。あるいは、『罪の意識』である。

 

警官

なぜ何もしなかったんですか?

警官

止めることもできたでしょう。なのに止めなかった。つまり、自分の人生と心の中で天秤にかけ、自分だけが生き延びる選択肢を選んだ。しかし、あなたは”その場にいた”のだ。

 

『精神鑑定』というのをよく聞くだろう。少年なら鑑別所、成人なら拘置所でそれぞれ、 『鑑別』を行う。 精神疾病の有無、そして責任能力の有無についてだ。

 

その時、疾患者のフリをして医療系の施設に行き、刑を軽減させようとする人間の話ならいくらでも聞いたことがあると思うが、とにかくそこに、『責任能力』の有無があるかどうかを調べるのだ。そして、『有る』なら罪が重くなる。『無い』なら罪が軽くなる。だが、『無い』人など疾病者だ。後の人は皆、『有る』のである。

 

では、人として責任感が、

 

無い→まあまあ有る→少し有る→有る→かなり有る→著しく有る

 

という方向で『罪が重くなる』のだろうか。だから、

 

私は、まあまあしか無いから、ちょっとそれについては知りませんね。私は家族もいるしお金もないし自分の仕事があるし、その件についてはヒエラルキー(ピラミッド)の上にいる人がやるべきでしょ。『著しく有る』人たちにやってもらってよ。

 

ということになるのだろうか。つまり、ソクラテスを殺したのも、キリストを殺したのも『自分ではない誰か』であり、 自分とは無縁。自分に責任はない。自分はその他大勢の一人で、大きなことには関与していない。 だから、地球温暖化の件も関係ないし、 生物多様性の話も興味ない。

 

だが、自分たちの週末や連休をどう過ごすかは重要で、100年に一度の金環日食を見ることや、見るも珍しい輝く宝石やコレクション、宝くじが当たるかどうかを夢見ることは最高の幸せで、大好きな俳優や女優、アイドル、ハリウッドスター、毎日の食事、スイーツ、恋愛、ファッション、SEX、煙草、酒、ドラッグ、それに繋がる全ての金儲け、自分が『得をする』、『満たされる』、『利益』のことは常に考えるが、 自分が『損をする』、『減る』、『怪我をする』、『損失』を避けるのは当然だと、そう、言うつもりなのだろうか。

 

そうか。ソクラテスは、そういう人々によって、処刑された。キリストも同じだ。そして今日も明日も、人間は私利私欲のことだけを考え、そのくせ身に降りかかる悲劇に関して、 悲劇のヒーローやヒロインを気取る。

 

byゲーテ

 

もちろんこれは、私が自分自身にも言い聞かせる言葉だ。

 

 

注意

※これらの言葉は参考文献『これならわかるソクラテスの言葉』や史実に基づき、自らの生きる糧、自らを戒めるため、内省の為に日々書き留めたものです。史実を正確に把握したい方は正当な書物をご覧ください。

関連する『黄金律

『他と違うことは恥ではない。誇りだ。』
『どれだけ生きるかではなく、いかに生きるかが重要なのだ。』
『この世には、自分にしか歩けない道がある。その道を歩くのが人生だ。』
『「生きる」ということの本当の意味とは。』

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